JPS6041010Y2 - Ｐｃｍ記録・再生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、複数のチャンネル例えば２チヤンネルの信号
をディジタル処理して後記録媒体に記録し、該媒体から
再生される信号から複数のチャンネルの信号を復元しう
るよ、うにしたＰＣＭ記録・再生装置に関する。

この種装置によるＰＣＭ記録・再生の特徴はアナログ信
号を一度デイジタル信号に変換して記録を行うので、こ
のような処理において品位の劣化が少なく忠実度が高い
ことである。

しかし、記録媒体によっては、ディジタル信号の符号誤
りが発生すること、例えば家庭用ＶＴＲにより磁気テー
プに記録・再生した場合０．０１％程度の符号誤り発生
があることが知られており、種々の誤り訂正装置が開発
されている。

従来、ステレオ用ＰＣＭ記録再生装置でモノラル信号を
録音する場合は、片一方のチャンネルだけを使用するか
、第１図に示すように、ＰＣＭ記録再生装置の記録系の
両入力端子に同一のアナログ信号を導びいていた。

ステレオ用ＰＣＭ記録再生装置としては、左右チャンネ
ルの信号は２つの標本化装置で別々に又は１つの標本化
装置で時分割的に別々にそれぞれ標本化されて左右のデ
ィジタル信号として得られこれら信号が記録媒体例えば
ＶＴＲで記録されうるよう信号処理されて記録媒体２へ
導出され、ひいては記録され、又この記録媒体２から再
生された左右のディジタル信号がＰＣＭ記録再生装置の
再生系で符号誤りがなければそのまま、符号誤りがあれ
ば誤り訂正補正手段で訂正されアナログ信号として導出
されるようにしたものが提案される。

この種のものにおいて、左右のチャンネル入力に同一の
信号即ちモノラル信号を入力しても、同上の標本化され
た出力即ちディジタル信号が得られる保障はない。

何故なら別個の標本化装置を用いればそれらのバラツキ
のために違った標本化信号になってしまい、又同じ標本
化装置を利用しても時分割で使用すれば標本化信号その
ものも変わってしまうために、その後の符号化によって
得られるディジタル信号も異なる。

このような一般的に異なるディジタル信号を信号処理し
記録媒体２で記録・再生しＰＣＭ記録再生装置の再生系
で得られるアナログ信号は左右が一般的には異なるもの
である。

このような一般的に異なる左右のアナログ信号を合皮し
て得る出力は、アナログ録音機と同様にＳ／Ｎ比の改善
が高々０旧程度得られるにすぎない反面、仮りにドロッ
プアウトのため左右信号のうちいずれか一方が符号誤り
発生するようなことがあると誤り信号の代りに誤り直前
の信号を使用するとか誤り直前直後の平均値信号を使用
する等により誤り補正された補正信号として合成出力に
現われることは避けられず、しかもこのような符号誤り
の起こり方は左右の信号についてランダムであって右の
信号の符号誤りの直後に左の信号の符号誤りが生ずると
いったこと等も当然ありうることであり成る時は右の信
号が真正で左の信号が上記のような補正信号であり、又
他の成る時は左の信号が真正で右の信号が補正信号であ
るといったように真正な信号が左又は右といったように
その時々でランダムであることは避けられず、上記のよ
うに標本化により右の信号と左の信号が一般的には異な
ることに加えて補正信号も一般的には本来あるべき真正
の信号とは必すしも一致しないために、一方の信号にの
み符号誤りのあるときさえも原理的に補正雑音を避ける
ことができない。

そこで、本考案はこのような問題点に鑑み原理的に雑音
の軽減に役立つＰＣＭ記録・再生装置の提供を目的とす
るものである。

本考案は、複数チャンネル例えば左右の２チヤンネルの
うちモノラル録音の際、一つのチャンネルの信号を標本
化して得る当該チャンネルのディジタル信号をそのチャ
ンネルの他のチャンネルの入力に共通に導びくように切
換えるようにした点を特徴とするものであって、上記第
１図のようにモノラル録音の際一つのチャンネルの信号
ヲ複数チャンネルの入力として導びいてその後それぞれ
標本化した場合に生ずるチャンネル毎のディジタル信号
が異なるがために生ずる上記雑音の軽減に役立つように
したものである。

なぜならば、このような特徴的な構成によれば、モノラ
ル雑音の場合に同一のディジタル信号がＰＣＭ記録・再
生装置を介して記録媒体で記録され、更に該媒体で再生
された信号がＰＣＭ記録再生装置で得られる合成信号は
誤りがなければＬチャンネル、Ｒチャンネルも同一のデ
ィジタル信号であるためいずれが誤っても正しいディジ
タル信号の値が同一であり仮りに一方のチャンネルの信
号に符号誤りが生じその誤りが左、右チャンネルにラン
ダムに生じるとしても異なるディジタル信号が適宜記録
された場合に比べて符号誤りによる雑音が軽減されうる
と言える。

この事は、本考案の上記特徴とする構成をＰＣＭ記録・
再生装置の記録系に採用し、上記提案のＰＣＭ記録・再
生装置の再生系を使用したときにも補正雑音軽減に役立
つことを意味する。

本考案のＰＣＭ記録再生装置の２チヤンネルについての
一実施例は、第２図のように記録系を構成することによ
り得ることができる。

１１．１２はＬチャンネル、Ｒチャンネルの標本化回路
、１３．１４はそれぞれ標本化回路１１．１２からの標
本化信号をＡ／Ｄ変換するＡ／Ｄ変換回路、１６はＬチ
ャンネル、Ｒチャンネルの入力端を有しこれらからのデ
ィジタル信号を記録媒体で記録しうる信号へ信号処理す
る信号処理回路であって、これらは従来と同様に構成さ
れるものとする。

１５はステレオとモノラルの切換に応答する切換器であ
って、ステレオ動作時にはＡ／Ｄ変換器１４からのディ
ジタル信号を通過させて信号処理回路１６へ導ひく一方
、モノラル動作時にはＡ／Ｄ変換器１４からのディジタ
ル信号を通過させて信号処理回路１６へ導びくく。

この切換器は一種のスイッチング手段から構成されるも
のであって、ステレオ動作とモノラル動作の切換は使用
者の操作に応答するようにさせても良いし、又Ｒチャン
ネルの信号の無に応答する自動的なものでも良い。

なお、信号処理回路１６はＬチャンネル入力にはＡ／Ｄ
変換器１３からのディジタル信号が、又Ｒチャンネル入
力には切換器１５からのディジタル信号がそれぞれ入力
される。

この構成によれば、モノラル入力がＬチャンネルに入力
されると標本化回路１１で標本化信号が出力として得ら
れ、Ａ／Ｄ変換回路１３でデイジタル化されてディジタ
ル信号として出力され、これが信号処理回路１６のＬチ
ャンネル入力として導入されると同時に切換器１５を通
じて信号処理回路１６のＲチャンネル入力として導入さ
れる。

この結果、信号処理回路１６はＬチャンネル、Ｒチャン
ネル入力として同一のディジタル信号を処理し、ひいて
は記録媒体でＬチャンネル、Ｒチャンネルとも同一内容
で記録することになる。

このように記録された内容を記録媒体で再生する信号は
上記提案されているＰＣＭ記録再生装置の再生系で再生
することができるのは勿論のことであって、上記のよう
に本考案の特徴とする効果が期待される。

このような再生に比べて一層本考案の上記特徴を生かす
再生系は、例えばモノラル録音時にはＬチャンネル、Ｒ
チャンネルのディジタル信号の符号誤りの検出に応答し
て誤りのない正しいチャンネルのディジタル信号を選択
的に出力することにより得られいずれか一方のチャンネ
ルの信号が正しいときは訂正された出力が得られ原理的
に雑音の防止に役立つことになる。

この望ましい再生系の一実施例は、第３図のように構成
することができる。

３１は記録媒体からの信号を入力される復調回路、３２
はＬチャンネル、Ｒチャンネルのディジタル信号の誤り
検出器、３５．３６はＬチャンネル、ＲチャンネルのＤ
／Ａ変換回路であって、これらは従来と同様に構成され
る。

３３は誤りのない正しいデーターであるディジタル信号
を選択する選択器であって、復調回路３１のＬチャンネ
ル、Ｒチャンネルからのディジタル信号の供給を受け、
誤り検出器３２がＬチャンネルとＲチャンネルの信号の
いずれか一方を正しい検出したときその検出出力に応答
して正しいチャンネルのディジタル信号を通過させ又両
方を正しいと検出したときは任意に定めた一方のチャン
ネルのディジタル信号を通過させＤ／Ｄ変換回路３５へ
導びく。

こうしてり、 Ｒチャンネルのディジタル信号の少くと
も一方が正しいときはＤ／Ａ変換器には誤りのないディ
ジタル信号が導入されることになり、誤り訂正が有効に
実行されＤ／Ａ変換器３５の出力として得るアナログ信
号の雑音が原理的には発生しない。

ここで、３４はモノラル動作時だけ上記のような選択に
よる訂正を行うために誤り検出器３２と選択器３３間に
設けたスイッチである。

なお、予め磁気テープ等にモノラルかステレオかに応答
する制御信号を記録しておき、記録媒体でこの制御信号
に応じてスイッチを自動切換動作させることも可能であ
る。

本考案のＰＣＭ記録・再生装置にあっては、複数チャン
ネル内のいずれかに入力が供給されない例えばモノラル
録音の際、−のチャンネルの信号を標本化して得たディ
ジタル信号を当該チャンネルは勿論のこと他のチャンネ
ルにも共通して供給されるようにしたことにより、叙上
のように成るチャンネルに誤りが生じたとき訂正の際の
雑音の軽減等訂正能力の向上に役立つ。

【図面の簡単な説明】

第１図はＰＣＭ記録・再生装置によるモノラル録音の態
様を示す図面を示し、第２図は本考案のＰＣＭ記録再生
装置の一実施例の記録系のブロック図を、第３図は望ま
しい再生系の一実施例のブロック図をそれぞれ示す。 １３．１４・・・・・・Ａ／Ｄ変換器、１５・・・・・
・切換器、１６・・・・・・信号処理回路、３１・・・
・・・復調回路、３２・・・・・・誤り検出器、３３・
・・・・・選択器（誤り訂正器）、３５．３６・・・・
・・Ｄ／Ａ変換器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 複数チャンネルの信号をそれぞれ標本化し複数チャンネ
   ルのディジタル信号を得てこれら信号を相応するチャン
   ネルの入力として導びいて適宜記録媒体で記録するべく
   信号処理を実行して後記録媒体で記録味 該媒体から再生される再生信号から複数チャンネルのデ
   ィジタル信号を得て複数チャンネルの信号に復元しうる
   ようにしてなるＰＣＭ記録再生装置にあって、 上記複数のチャンネルのうち成る一つのチャンネルの信
   号を標本化して得る当該チャンネルのディジタル信号を
   当該チャンネル及び他のチャンネルへ記録しうるようそ
   のチャンネルの入力に共通に導ひくように切換える切換
   手段を含ませることを特徴とするＰＣＭ記録・再生装置
   。