JPS6038608Y2 - ペ−パ−送り出し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は駆動ローラと圧着ローラとによってペーパーを
送り出すペーパー送り出し装置に関するものである。

（従来の技術） 写真のプリントペーパーのようにロール状に巻いた長尺
のペーパーを送り出す従来のペーパー送り出し装置は、
いずれもゴム張りなどの駆動ローラの上部に圧着ローラ
を同一平面内で昇降可能に取付けるとともに、付勢ばね
にて圧着ローラを駆動ローラに圧着したものであるので
、ペーパーを送り出す際に左右の圧着力が不均衡になる
と、ペーパーの蛇行、片押し、スリップ等が生じるとい
う欠点があった。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、前述の欠点を除去するためになされたもので
あって、ペーパーの蛇行、片押し、スリップ等が生じな
いペーパー送り出し装置の提供を目的とするものである
。

（問題点を解決するための手段） 前記の目的を遠戚するために、本考案は、送り出される
ペーパーによって圧着ローラを駆動ローラに対して三次
元的に首振りするようになしたものであって、駆動ロー
ラと圧着ローラとによってペーパーを送り出すペーパー
送り出し装置において、前記駆動ローラの後方に該駆動
ローラと平行に配置してあり、かつペーパーの中央部の
通過位置に沿った周面にｖ溝を有する後方枠取付軸と、
基部の左右両側端から後方に向う脚を施してなるコ字状
本体の基部の下面中央部には付勢はねにて下方向に付勢
された支点用ボールを装備するとともに、該支点用ボー
ルの左右両側には遊動孔を設け、かつ前記脚の先端部に
は前記後方枠取付軸に嵌合する取付孔を形成してなる後
方枠と、主板の左右両側から前記後方枠の外側に立上る
側板を施してなるチャンネル型本体の主板の中央部には
前記支点用ボールの下面に係合する皿状凹部を形成し、
かつ前記左右の側板には前記圧着ローラを回転可能に支
持するアームを形成し、さらに前記主板の後縁から前記
後方枠の脚間に立上らせた立上り部の上端には前記後方
枠取付軸のｖ溝の上方に水平に延出する揺動用板を形成
せしめてなる前方枠と、前記後方枠取付軸の上方に配置
した支持軸に回動可能に軸着したプレートに前記後方枠
を押し下げて前記圧着ローラを前記駆動ローラに圧着せ
しめる押圧ローラを回転可能に取付けてなるロックプレ
ートとからなり、前記後方枠をその脚で前記後方枠取付
軸に回動可能に装着し、また前記前方枠に支持せしめた
圧着ローラを前記駆動ローラの上部に位置せしめるとと
もに、前記皿状凹部を前記支点用ボールの下面に係合せ
しめる一方、前記後方枠の遊動孔に緩く挿入する頭付き
ボルトにて前記前方枠を後方枠に遊動可能、かつ脱落不
能に連結し、さらに前記■溝に傾動可能に支持せしめた
楔状支持片の上端部に前記前方枠の揺動用板を遊動可能
に連結してなることを特徴とするものである。

（作 用） 本考案のペーパー送り出し装置は以上のように構成され
ていて、圧着ローラはロックプレートによって駆動ロー
ラに圧着され、かつアームおよび揺動用板を備えた前方
枠と楔状支持片と後方枠取付軸のｖ溝とによって駆動ロ
ーラに平行に支持され、さらに前方枠の皿状凹部によっ
て後方枠の支点用ボールの周りを三次元的に回動できる
ように支持されているので、ペーパーを送り出す際に圧
着ローラによってペーパーを駆動ローラに圧着する力が
、ペーパーの厚みの変動などにより左右不均衡になると
、圧着力の強い側には圧着力の弱い側よりも大きい送り
出し力が作用し、この部分においてペーパーの送り出さ
れる方向に圧着ローラが追従するために、圧着ローラが
三次元的に首振りせしめられることによって、ペーパー
の蛇行、片押しが防止され、かつ圧着ローラの首振りの
間圧着ローラの中央部が駆動ローラに絶えず圧着せしめ
られることによってペーパーのスリップが防止されるの
である。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面によって詳細に説明する。

図において、１はゴム張りの駆動ローラであり、該駆動
ローラ１の軸２は機枠の両側壁Ａ、 Ｂに回転可能に取
付けてあって、図外のモータ等により矢印Ｘの方向に回
転するようになっている。

３は駆動ローラ１の上部に位置するゴム張りの圧着ロー
ラであって、該圧着ローラ３は後記する前方枠５の左右
両側のアーム６に架設するとともに止め輪７にて固定し
た軸４に回転可能に支持されている。

５は前方枠であって、該前方枠５は底板の左右両側に側
板を施してなるチャンネル型主体の底板の中央部に皿状
凹部８を形戒腰前記左右の側板には前方に向ってアーム
６を突出形威し、さらに前記底板の後縁から立上らせた
立上りの上端部を後方へ水平に折曲して揺動用板１０を
形成せしめてなるものであり、前記左右の両側板は後記
する後方枠１４の外側に位置腰前記揺動用板１０は後記
する後方枠１４の脚間を通って後記する後方枠取付軸１
６の■溝１９の上方に位置するようになっている。

前記揺動用板１０には左右方向に長い長孔１１を前後に
２個形威し、また前記底板の皿状凹部８の左右両側には
頭付きポルト９を螺入するようになっている。

１２は揺動用板１０の下方において前後方向に配置した
楔状支持片であり、該楔状支持片１２の上端部には揺動
用板１０の長孔１１を緩く貫通する小ねじ１３を螺入し
てあって、揺動用板１０は長孔１１と小ねじ１３とによ
って楔状支持片１２の上端部に左右方向並に上下方向に
遊動可能に連結されている。

１４は後方枠であって、該後方枠１４は基部の左右両側
端より後方に向う脚を施してなるコ字状本体の基部の下
面中央部には凹孔２６を形成し、該凹孔２６内には付勢
ばね２７と該付勢ばね２７によって下方向に付勢されて
いて該凹孔２６外に突出せしめられている支持棒付き支
点用ボール２８とを装備するとともに、該支点用ボール
２８の左右両側には前記頭付きポルト９を遊動可能に挿
通せしめる遊動孔２５を形成し、かつ前記脚の先端部に
は後記する後方枠取付軸１６に嵌合する取付孔１５を形
成し、さらにコ字状本体の下面の左右両側には段部２３
を形成せしめてなるものである。

１６は前記駆動ローラ１の後方であって、かつ前記揺動
用板１０の下方において前記駆動ローラ１と平行になら
しめて先端部のねじ１７を前記機枠の側壁Ａにねじ込ん
だ後方枠取付軸であり、該後方枠取付軸１６にはスペー
サーを兼ねたスパナ−掛は部１８を形成し、かつペーパ
ーの中央部の通過位置に沿った周面にＶ溝１９を形成腰
さらに該Ｖ溝１９の両側にばばね止め小孔２１を有する
カラー２０を固着しである。

次に、前記前方枠５と後方枠１４と後方枠取付軸１６と
は次のようにして組立てである。

すなわち、取付孔１５にて後方枠１４を後方枠取付軸１
６に回動可能に装着して、該軸の軸端部に止め輪２４を
施し、またカラー２０と後方枠１４の脚との間において
後方枠取付軸１６に捩り巻きばね２２を巻き付け、該捩
り巻きばね２２の一方の端部をカラー２０のばね止め小
孔２１に挿入せしめるとともに他方の端部を段部２３の
前方において後方枠１４の下面に係止せしめることによ
って、後方枠１４を後方枠取付軸１６の周りを第１図に
おいて反時計方向に回動するように付勢せしめである。

次いで、前記圧着ローラ３を前記駆動ローラ１の上部に
位置せしめ、前記皿状凹部８を支点用ホール２８の下面
に係合せしめるとともに、揺動用板１０の下面に該揺動
用板１０が左右方向並に上下方向に遊動可能になるよう
に連結しである楔状支持片１２を後方枠取付軸１６のＶ
溝１９に左右へ傾動可能に支持せしめ、最後に頭付きポ
ルト９を後方枠１４の遊動孔２５に挿入せしめて前方枠
５にねじ込むことによって、前方枠５を後方枠１４に遊
動可能にかつ脱落不能に連結するのである。

圧着ローラ３は、使用時にアーム６や揺動用板１０を備
えた前方枠５と楔状支持片１２と後方枠取付軸１６のＶ
溝１９とを介して駆動ローラ１に平行となるように支持
されてはいるが、前方枠５の皿状凹部８を介して後方枠
１４の支点用ボール２８の周りを三次元的に回動できる
ようになっている。

さらに、２９は後方枠１４と前方枠５とを介して圧着ロ
ーラ３を駆動ローラ１に圧着するロックプレートであり
、該ロックプレート２９は後方枠取付軸１６の上方にお
いて機枠の側壁Ａに固設した支持軸３０に回動可能に軸
支されたプレートに前記後方枠１４を押し下げる押圧ロ
ーラ３１を回転可能に装着してなるものであり、該ロッ
クプレート２９を支持軸３０の周りに反時計方向に回動
すると押圧ローラ３１によって後方枠１４を圧下し、後
方枠１４が後方枠取付軸１６の周りを捩り巻きばね２２
に抗して時計方向に回動し、ロックプレート２９の下縁
が後方枠取付軸１６のスパナ−掛は部１８に当接すると
後方枠１４を押し下けられた状態にロックされ、後方枠
１４と前方枠５とを介して圧着ローラ３が駆動ローラ１
に圧着されるようになっている。

本考案のペーパー送り出し装置は、以上のように構成さ
れているので、使用に際して、ロックプレート２９を時
計方向に回動すると、押圧ローラ３１が後方枠１４から
離れてロック作用が解除され、後方枠１４が捩り巻きば
ね２２の付勢によって後方枠取付軸１６の周りを反時計
方向に回動し、遊動孔２５と頭付きポルト９とを介して
前方枠５が持ち上げられる。

後方枠１４が反時計方向に回動する際に、後方枠１４の
支点用ホール２８は付勢ばね２７にて付勢されて前方枠
５の皿状凹部８から離脱しない。

前方枠５の持ち上げによってアーム６を介して圧着ロー
ラ３が持ち上げられて、該圧着ローラ３と駆動ローラ１
との間に間隙が生じる。

この間隙に後方から前方へ向けて区外のペーパーの始端
部を挿通させたのち、ロックプレート２９を反時計方向
に回動してロックプレートの下縁をスパナ−掛は部１８
に当接させると、後方枠１４はロックされるとともに圧
着ローラ３が駆動ローラ１に圧着せしめられてペーパー
の送り出し準備が完了する。

次いで、区外のモータにて駆動ローラ１を矢印Ｘの方向
に回転すると、ペーパーは後方から前方へ向けて、すな
わち第１図においては駆動ローラ１の左側から右側へ送
り出されるのである。

圧着ローラ３はロックプレート２９によって駆動ローラ
１に圧着され、かつ前方枠５のアーム６および揺動用板
１０と楔状支持片１２と後方枠取付軸１６のＶ溝１９と
によって駆動ローラ１に平行に支持され、さらに前方枠
５の皿状凹部８によって後方枠１４の支点用ボール２８
の周りを三次元的に回動できるように支持されているの
で、ペーパτを送り出す際に、圧着ローラ３によってペ
ーパーを駆動ローラ１に圧着する力が左右均等であれば
、ペーパーの送り出しに変化が生じないけれども、ペー
パーの厚みの変動などにより前記圧着力が左右において
強弱を生じると、圧着力の強い側には圧着力の弱い側よ
りも大きい送り出し力が作用し、この部分においてペー
パーの送り出される方向に圧着ローラ３が追従するため
に、圧着ローラ３が三次元的に首振りを行ない、圧着力
の強い側におけるローラ間隙がペーパーの進行方向に大
きくなるので、この部分における圧着力が速かに小さく
なって左右の圧着力が均等になることによって、ペーパ
ーの蛇行、片押し等が防止されるのである。

そして、圧着ローラ３の首振りの結果、圧着力の弱い側
におけるローラ間隙は前記とは逆の方向に大きくなるけ
れども、圧着ローラ３の首振り中においては圧着ローラ
３の中央部が絶えず駆動ローラ１に圧着されているので
、ペーパーのスリップが防止されるのである。

（考案の効果） 以上の説明によって容易に理解できるように、本考案に
よるときは駆動ローラの上部に位置する圧着ローラをロ
ックプレートにて駆動ローラに圧着してペーパーを送り
出す際に、送り出されるペーパーによって圧着ローラが
駆動ローラに対して三次元的に首振りすることによって
、ローラ軸の平行度に関係なく圧着力を左右均等になる
ように自動的に速かに調整して、ペーパーの蛇行、スリ
ップ、片押し等を防止できるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであって、第１図は左
側方より見た斜視図、第２図は分解斜視図、第３図は楔
状支持片の支持状態を示す要部の拡大背面図、第４図は
第２図のＩＶ−ＩＶ線に沿う後方枠の一部切断正面図で
ある。 １：駆動ローラ、３：圧着ローラ、５：前方枠、６：ア
ーム、８：皿状凹部、９：頭付きボルト、１０：揺動板
、１２：楔状支持片、１４：後方枠、１６：後方枠取付
軸、１９：■溝、２５：遊動孔、２７：付勢ばね、２８
：支点用ボール、２９：ロックプレート、３１：押圧ロ
ーラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動ローラと圧着ローラとによってペーパーを送り出す
   ペーパー送り出し装置において、前記駆動ローラの後方
   に該駆動ローラと平行に配置してあり、かつペーパーの
   中央部の通過位置に沿った周面に■溝を有する後方枠取
   付軸と、基部の左右両側端から後方に向う脚を施してな
   るコ字状本体の基部の下面中央部には付勢ばねにて下方
   向に付勢された支点用ボールを装備するとともに、該支
   点用ボールの左右両側には遊動孔を設け、かつ前記脚の
   先端部には前記後方枠取付軸に嵌合する取付孔を形成し
   てなる後方枠と、主板の左右両側から前記後方枠の外側
   に立上る側板を施してなるチャンネル型本体の主板の中
   央部には前記支点用ボールの下面に係合する皿状凹部を
   形成し、かつ前記左右の側板には前記圧着ローラを回転
   可能に支持するアームを形成し、さらに前記主板の後縁
   から前記後方枠の脚間に立上らせた立上り部の上端には
   前記後方枠取付軸の■溝の上方に水平に延出する揺動用
   板を形成せしめてなる前方枠と、前記後方枠取付軸の上
   方に配置した支持軸に回動可能に軸着したプレートに前
   記後方枠を押し下げて前記圧着ローラを前記駆動ローラ
   に圧着せしめる押圧ローラを回転可能に取付けてなるロ
   ックプレートとからなり、前記後方枠をその脚で前記後
   方枠取付軸に回動可能に装着し、また前記前方枠に支持
   せしめた圧着ローラを前記駆動ローラの上部に位置せし
   めるとともに、前記皿状凹部を前記支点用ボールの下面
   に係合せしめる一方、前記後方枠の遊動孔に緩く挿入す
   る頭付きボルトにて前記前方枠を後方枠に遊動可能、か
   つ脱落不能に連結し、さらに前記ｖ溝に傾動可能に支持
   せしめた楔状支持片の上端部に前記前方枠の揺動用板を
   遊動可能に連結してなることを特徴とするペーパー送り
   出し装置。