JPH0216818Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、プレス機用の材料押え装置に関す
るものである。

（従来の技術） プレス機に材料（薄板）を送り込む際、材料の
曲り等を防ぐために、２枚の板状部材からなる材
料押え装置が用いられている。この種の材料押え
装置においては、上下の板状部材の間に前記材料
を通すようにしているが、その材料が順送方向と
は逆方向に引張られてずり落ちる欠点があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、上記従来の欠点を除去するためにな
され、材料が順送方向にのみしか移動できないよ
うにした材料押え装置を提供することを目的とす
る。

（問題点を解決するための手段） この目的を達成するために、本考案は送り装置
により送り出された薄板を下側の固定板と上側の
可動板とで押えるようにしたプレス機用の材料押
え装置において、前記可動板は前記薄板を適切に
押え付けるに足る大きさと重量を備え、水平支軸
に対して一端側が枢支されたアームの他端側に取
付板を介して軸で枢支され、かつこのアームは前
記薄板の送り方向に対して下向き傾斜の状態に設
定された手段を要旨とするものである。

（実施例） 以下、添附図面に基づいて本考案の実施例を説
明すると、図において１はベース２に取付けられ
た固定板であり、両側部にガイド板３が設けられ
ている。４は前記ガイド板３に両端部が軸支され
た水平支軸であり、所要の間隔をあけて前後に２
本並置されている。５は前記水平支軸４は一端側
が嵌着され、ボルト６で固定されたアームであ
り、水平支軸４の回転と共に、この水平支軸４を
支点として回動できるようにしている。アーム５
は水平支軸４の真中を境としてその両側に振分け
て２個設けられている。７は押え用の可動板であ
つて、送られるべき薄板を適切に押え付けるに足
る大きさと重量を備えており、両側部に取付板８
が設けられ、この取付板に所定の間隔をあけて軸
９が前後に２本並置され、ボルト１０でそれぞれ
固定されている。この軸９に対して前記アーム５
の他端側がそれぞれ枢支され、かつアーム５の間
には軸９に嵌合したスペーサ１１が位置してい
る。そして、アーム５は、前記固定板１と可動板
７との間を通つて送られる薄板１２の送り方向Ａ
に対して下向き傾斜の状態に設定されている。

本考案は上記のように構成されているので、プ
レス作業時に材料の薄板１２が順方向Ａに送られ
ている際には、前記可動板７が自重によつて薄板
１２を適切に押え付けることができる。そして、
可動板７は固定板１との間の間隔を自動的に自己
調整することができるので、種々の厚さの材料板
に対処でき、しかも材料板が逆戻りしようとする
と自動的に強い押圧力がかかつて材料の抜け落ち
を防止することができる。即ち、可動板７に取付
けられた前記アーム５は、水平支軸４を支点とし
て図に示すＰ方向には自由に回動できるが、その
反対のＱ方向には回動できないからである。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案は材料押え装置に
おける上側の可動板が、下側の固定板との間隔を
広げる方向には自由に動けるが、間隔を狭める方
向には自由に動けないように形成し、しかも材料
が戻ろうとすると自動的に押圧力が強く作用する
ように構成したので、材料の送りを円滑にすると
共に逆戻りを完全に防止し、これによりプレス作
業を能率良くかつ確実に行える効果が得られる。
また、可動板は材料を適切に押え付けるに足る大
きさと重量を備えているので、自重によつて材料
を適切に押えられると共に、材料戻り防止時に材
料を強く押し付けてもその表面を傷付けない等の
優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す要部の断面図、
第２図は平面図である。 １…固定板、２…ベース、３…ガイド板、４…
水平支軸、５…アーム、６…ボルト、７…可動
板、８…取付板、９…軸、１０…ボルト、１１…
スペーサ、１２…薄板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 送り装置により送り出された薄板を下側の固定
   板と上側の可動板とで押えるようにしたプレス機
   用の材料押え装置において、前記可動板は前記薄
   板を適切に押え付けるに足る大きさと重量を備
   え、水平支軸に対して一端側が枢支されたアーム
   の他端側に取付板を介して軸で枢支され、かつこ
   のアームは前記薄板の送り方向に対して下向き傾
   斜の状態に設定されたことを特徴とするプレス機
   用の材料押え装置。