JPS6036192Y2 - 棒状化粧品の押出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、口紅等の棒状化粧品を収納する押出容器に関
するものであって、容器を構成する複数の部材相互の組
み付けを簡単に達成するようにすることを目的としたも
のである。

この種容器は、棒状となった口紅、チック等の固形とは
いえ比較的軟らかい化粧品を収納するものであるから、
使用に応じて化粧品を傷つけることなく押し出し或いは
引っ込み操作ば出来なければならない。

従ってその作動機構はどうしても成る程度複雑化せざる
を得す、よって多数の構成部材を必要とする。

しかしながら口紅等の化粧品を収納する容器は、バンド
バックに収納して携帯することが多い為、全体形状とし
てはかなり小さいものであり、故に多数の構成部材を相
互に組み付けるには多くの手間がかかつていた。

また女性の持ち物としてのこの種容器は、実際上の機能
もさることながら、外観上の体裁に優れていることも要
請される訳で、従って軽量化、底形の容易さ等の理由で
内部機構を合成樹脂で底形するとしても、その外部を金
属で被覆組み付けすることが行なわれており、構成部材
は更に多くならざるを得ない。

本考案は、上記した従来における不満および不都合を解
消すべく考案されたもので、円筒形状をした螺筒と、円
筒形状をした昇降体と、円筒形状をした筒体と、円筒形
状をした外筒と、そして有頂板肉筒形状をしたキャップ
とから構成したものである。

以下、本考案をその一実施例を示す図面に従って説明す
る。

図中１は円筒形状をした螺筒で、この螺筒１は円筒形状
体の外周面に螺稿２を刻設すると共に外周面下端に鍔３
を突周設して構成されている。

４は昇降体で、上端部に棒状化粧品を保持する円筒形状
の筒壁６と底壁７とから構成される受皿部５を形威し、
この受皿部５の周壁６をそのまま下方に垂下段状に延長
して脚筒９を設け、この脚筒９の内周面下端に前記螺溝
２に螺合する螺合突起１０を突設すると共に外周面下端
部に係合突起１１を突設して構成されている。

すなわち、この昇降体４は、前記螺筒１の螺溝２を設け
た部分を嵌入位置させることのできる内径をもつ円筒形
状体の上端部内周面に底壁７を設けることによって受皿
部５と脚筒９とを形成した構成となっている。

なお、図示実施例においては、受皿部５における棒状化
粧品の保持力を高めるために周壁６の内周面に数個の保
持突片が形成されている。

１２は充分に大きい高さを有する円筒形状をした筒体で
、そのほぼ中央高さ位置となった外周面に突条１３を周
設することによって上筒部１４と下周部１５とに分割し
、下周部１５にはそのほぼ全高さ範囲にわたって前記し
た係合突起１１が係合する縦溝１６を設けて構成されて
いる。

この筒体１２内には前記した螺筒１と昇降体４との組合
せ物が挿入組付けされるのであるが、特に上筒部１４は
、受皿部５の筒壁６が密接した状態で昇降動可能に組付
けることのできる内径に設定されることが望ましい。

また、この筒体１２は、上筒部１４が使用時に外部に露
出すること、下周部１５にはそのほぼ全高さ範囲にわた
って縦溝１６が設けられることとによって美しい外観と
充分な機械強度と高い寸法精度とを要求される部分であ
るので、アルミ等の金属製とすることが望ましい。

１７は、筒体１２の突条１３から下周部１５全体にわた
って覆う形態で嵌合組付けされて一方の取手部分を形成
する円筒形状をした外筒で、内周面上端部に前記突条１
３に係合する内周溝１８を周設すると共に、内周面下端
部よりも下位に位置した鍔３が不動に係合する係合溝１
９を設けて構成されている。

この外筒１７は、その内周溝１８が突条１３に係合する
ことによって、筒体１２に対して昇降変位不能ではある
が、空転自在に組付くことになり、かつ係合溝１９と鍔
３の不動な係合によって、螺筒１はこの外筒１７と一体
的に動作し、筒体１２に対して昇降変位不能ではあるが
、空転自在に組付くことになる。

２７は、上筒部１４を覆って外筒１７に着脱自在に組付
く、有頂板円筒形状をしたキャップである。

図示実施例の場合、キャップ２７の外筒１７への組付き
は、外筒１７に不動に組付は固定された金属製の結合筒
２１に組付くことによって遠戚されるようになっている
。

すなわち、金属薄板製の円筒体の中央高さ位置に帯突条
２２を折曲突出周設して、前記円筒体を上下のキャップ
２７が組付く嵌合筒２３と外筒１７に組付く組付き筒２
５とに区割し、前記嵌合筒２３はキャップ２７の組付き
か円滑に遠戚されるように先端を小径とすると共に筒壁
の一部に半抜き加工により舌片状の弾片２４を成形して
キャップ２７の組付きを安定して保持できるようにして
いる。

そして、この結合筒２１を使用することによる外筒１７
部分の外観の劣化および外筒１７と結合筒２１との組付
きを確保するため、帯突条２２の下端から外筒１７の下
端にかけて、外観の美しい金属薄板製の円筒形状をした
装飾筒２６が嵌合固定されている。

なお、この装飾筒２６の組付きを確保すべく、外筒１７
の外周面下端に、装飾筒２６の下端に当接する突条２０
を設けると良い。

また、図示した中キャップ２８は、受皿部５から上筒部
１４にかけての全域を棒状化粧品の成形型枠として、溶
融した棒状化粧品材料を直接本考案による容器内に注入
して冷却固化して成形する際に使用するもので、このよ
うに、容器内に化粧品材料を直接注入して棒状化粧品を
成形すると同時に容器への収納を遠戚する場合には、図
示実施例の如く、受皿部５を形成する底壁７には材料を
注入するための開口８を開口しておくと共に外筒１７の
下端を開放した状態と腰棒状化粧品の成形、収納後に、
この開放された外筒１７の下端を適当な手段で閉塞する
。

本考案は上記の如き構成となっているので、筒体１２に
対して外筒１７および螺筒１は昇降変位不能ではあるが
空転自在に組付き、また昇降体４は、筒体１２に対して
係合突起１１の縦溝１６への係合によって空転不能では
あるが昇降動自在に組付き、さらに螺筒１と昇降体４と
は螺溝２と螺合突起１０との螺合により螺合組付けされ
る。

それゆえ、筒体１２の上筒部１４と外筒１７との間に相
対回動動作を与えると、螺筒１と昇降体４とが相対的に
回動し、この回動によって、回動力向に従って昇降体４
すなわち受皿部５が筒体１２に対して昇降変位し、受皿
部５に保持されて上筒部１４内に収納された棒状化粧品
を容器内から出し入れする。

ところで、本考案による容器の各構成部分、すなわち螺
筒１、昇降体４、筒体１２、外筒１７は上記した如き構
成となっているので、その組立ては、下記の如き順序に
より簡単に遠戚できる。

すなわち、まず螺筒１を昇降体４の脚筒９内に下方から
螺溝２に螺合突起１０を螺合させながら挿入し、次いで
この螺筒１と昇降体４との組合せ物を、筒体１２内に下
方から係合突起１１を縦溝１６に係合させながら挿入腰
最後にこの螺筒１と昇降体４と筒体１２との組合せ物に
対し、外筒１７を下方から挿入組付けして組付けが遠戚
される。

なお、３と係合溝１９との係合構造によっては、螺筒１
と昇降体４との組合せ物を、筒体１２と外筒１７との組
合せ物に挿入組付けするようにしても良い。

いづれにせよ、各部材の組立ては、その全てが挿入、嵌
合だけであるので極めて簡単にかつ正確に組立てを達成
することができることになる。

また、上記した各構成部材は、その全てが基本的には円
筒形状であるために、部材相互間の寸法の精度出しが容
易であり、また個々の部材の構造も単純であるので、高
い精度で簡単に成形することができる。

以上の説明から明らかな如く、本考案による棒状化粧品
の押出容器は、各構成部分の構造が簡単であり、全てが
円筒形状を基本形状としているので、高い精度で簡単に
成形でき、またその組立てが極めて容易である等優れた
作用効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る押出容器の半縦断面図、第２図は
同じく昇降受皿体の上昇状態を示す半縦断面図である。 符号の説明、１・・・・・・螺筒、２・・・・・・螺溝
、３・・・・・・鍔、４・・・・・・昇降体、５・・・
・・・受皿部、９・・・・・・脚筒、１０・・・・・・
螺合突起、１１・・・・・・係合突起、１２・・・・・
・筒体、１３・・・・・・突条、１４・・・・・・上筒
部、１５・・・・・・下周部、１６・・・・・・縦溝、
１７・・・・・・外筒、１８・・・・・・内周溝、１９
・・・・・・係合溝、２７・・・・・・キャップ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周面に螺溝を設けた円筒体の外周面下端に鍔を周設し
   た螺筒と、上端に棒状化粧品を保持する円筒形状の筒壁
   と底壁とから成る受皿部を形威し、該受皿部の下端から
   垂下段状に連設された円筒形状の脚筒の円周面下端に前
   記螺溝に螺合する螺合突起を突設すると共に前記脚筒の
   外周面に保合突起を突設した昇降体と、円筒体の中央高
   さ位置となった外周面に突条を周設して前記受皿部が挿
   入位置とする上筒部と下周部とに区割し、該下周部に前
   記係合突起が係合する縦溝を設けた筒体と、内周面上端
   部に前記突条に係合する内周溝を周設した円筒体の内周
   面下端部に、前記昇降体および筒体の下端よりも下位に
   位置した前記螺筒の鍔を不動に係合させる係合溝を設け
   た外筒と、前記筒体の上筒部を覆って前記外筒に着脱自
   在に組付く有頂板肉筒形状をしたキャップとから成る棒
   状化粧品の押出容器。