JPS5846733Y2 - 棒状化粧品の押出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は棒状化粧品の押出容器のうち装飾のため金属製
部分を組付けたものに関するもので、金属製部分と容器
本体部分との間の組付きを強固とすると共に組付は操作
を簡単なものとし、さらに容器底部の外観を良好なもの
とすることを目的としたものである。

口紅等の棒状化粧品の押出容器としては、製作が容易で
あること、安価であること、そして安定した動作を得る
ことができること等により合成樹脂型がその大部分を占
めている。

この合成樹脂型の押出容器は上記した種々の利点をもっ
ているのであるが、反面合成樹脂製であるがために、従
来からの金属製のものに比べて装飾性に劣るものとなり
、このため外観を好ましいものとするために種々の工夫
がなされている。

この種々の工夫のうち、従来手段の最も代表的なものは
、装飾性に優れた金属製のリングなり筒片を容器本体に
組付ける手段である。

この手段は確かに合成樹脂型の容器の外観を大幅に好ま
しいものとする優れた装飾性を発揮するのであるが、容
器本体とこの装飾用の金属筒片とが全く異質の材料であ
るがために、相互間の確実なそして強固な組付けが達成
されないという重大な欠点があった。

従来のこの装飾用の金属製筒片を合成樹脂型の容器本体
に組付ける手段は、接着剤を使用するとか、嵌装組付け
した後にカシメ加工する等の手段に限られていたので、
その組立て操作が面倒となると共に接着剤が容器外表面
に洩出して外観を劣化させたり、カシメ加工のために装
飾用金属筒片の表面に傷がつき易い等の欠点があった。

本考案は、上記した従来の欠点を解消すべく考案された
もので、合成樹脂型の容器本体に対する装飾用の金属製
筒片の組付けを、半抜きおよびプレス加工された金属製
の結合体を介して達成するように横取したものである。

以下、本考案の一実施例を図面に従って説明する。

本考案による棒状化粧品２８の押出容器は、内筒部２に
ガイド縦孔３を設けた内筒体１の内筒部２に、内周面に
螺子溝１１を刻設した外筒体１０を、内筒部２の外周面
」二端に周設された係止フランジ４により抜は出し不能
ではあるが回動自在に嵌装し、内筒体１内に、その周壁
外面に突出段した軸片２３の先端をガイド縦孔３を突き
抜けて螺子溝１１に係合させた受皿２２を昇降動自在に
組付けて構成され、内筒体１と外筒体１０とを相対的に
回動させることによって棒状化粧品２８を載置保持した
受皿２２を内筒体１内で昇降動させて棒状化粧品２８を
内筒体１内から出し入れするようにした押出容器に属す
るものである。

内筒体１の下部は、内筒部２との間を段部５を境として
区割された把持部６となっていて、外筒体１０はその下
端面をこの段部５に当接させている。

把持部６の底壁すなわち内筒体１の底壁には棒状化粧品
２８の液化した材料を、受皿２２とこの受皿２２に組付
けられた棒状化粧品２８成形用の型枠とによって形成さ
れる空間内に充填するための充填穴９が開口されている
。

把持部６の外周面には、底面を係止面とした数個の係止
凹部７が形成されていると共に数個の係止縦溝８が形成
されている。

この把持部６には、後述する装飾体２１および底蓋２４
を内筒体１と外筒体１０との組合せ物に組付けるための
結合体１２が組付けられている。

この結合体１２は、弾力ある金属薄板製の筒状体で、外
方に膨出した周鍔部１３を境にして上部を組付は筒片１
８とし、下部を結合筒部１４としている。

組付は筒片１８は、外筒体１０の外径よりもわずかに大
きい内径をしていて、キャップ２７を組付は保持する部
分となっている。

このキャップ２７は、この組付は筒片１８に嵌合し、周
鍔部１３の段部１９にその下端を当接させて組付は限に
達する。

結合筒部１４の上半部分である把持部６に対向した部分
のうち、係止凹部７に対向した個所は、上端を連結した
まま舌片状に内方に半抜き加工されて突出した係止弾片
１５か゛成形されており、また前記係合縦溝８に対向す
る個所は、この係合縦溝８内にピッタリと係合する係合
縦条１７がインパクト成形されている。

結合筒部１４の下部には、内筒体１の底壁に開口された
充填穴９をかくす底蓋２４が嵌装組付けされているが、
この底蓋２４の組付けは、底蓋２４の周壁に頂面を係止
面とした数個の係止凹部２５を形成し、この係止凹部２
５に対向する結合筒部１４個所を、下端を連結した状態
で半抜き加工により内方に突出させて係止弾片１６を形
威し、この係止弾片１６を係止凹部２５に係止させるこ
とによって達成している。

結合体１２を把持部６に組付けると共に底蓋２４を内筒
体１に組付は保持する結合筒部１４には、金属製その他
の装飾性の優れた円筒形状に成形された装飾体２１がき
つく嵌装されることにより不動に嵌装固定されていて、
係止弾片１５，１６そして係合縦条１７を一体成形した
結合筒部１４の外表面を覆っている。

装飾体２１はその上端を段部２０に当接さする嵌装限ま
で挿入される。

なお、装飾体２１の結合筒部１４からの抜は出しを防止
するため底蓋２４の外周面下端に装飾体２１の下端面に
係止する係止リブ２６を周設すると良い。

また、結合体１２の周鍔部１３は、容器の外表面に直接
露出する部分となって、容器の外観に重大な影響を与え
ることになるが、さいわいこの周鍔部１３は金属薄板製
の結合体１２の一部であるので、適当な表面処理によっ
て極めて優れた装飾性を発揮できるものとすることがで
きる。

本考案は上記の如き構成となっているので、内筒体１と
、外筒体１０と、そして受皿２２との組合せ物置に充填
穴９を通して棒状化粧品２８を成形組付けしたならば、
この組合せ物に下方から結合体１２を嵌装組付けする。

前記組合せ物に下方から結合体１２を嵌装組付けしてゆ
くと、係止弾片１５が係止凹部７に係合することによっ
て結合体１２は内筒体１に対し抜は出し不能に組付き、
また係合縦条１７が係合縦溝８に係合することによって
結合体１２は内筒体１に空転不能に組付く。

この結合体１２の内筒体１への組付けに際し、結合体１
２に装飾体２１を前もって組付けておいても良いし、ま
たは結合体１２の内筒体１への組付は完了後に装飾体２
１を結合体１２に組付けても良い。

また、この結合体１２の内筒体１への組付けとは別に結
合体１２の下方から底蓋２４を嵌入し、係止凹部２５に
係止弾片１６を係止させて、底蓋２４を結合体１２に離
脱不能に組付ける。

この結合体１２への底蓋２４の組付けに際し、結合体１
２の結合筒部１４には、すでに装飾体２１が嵌装組付け
されている必要がある。

装飾体２１は金属薄板製の結合体１２に不動に嵌装固定
されるものであるので、その組付きは極めて強固であり
、このため装飾体２１が内筒体１に対して空転する恐れ
は全くない。

また、キャップ２７の組付は部分となる組付は筒片１８
は、金属薄板製の結合体１２の一部であるので高い精度
の加工を行なうことができると共に、金属薄板の弾力を
利用してキャップ２７の良好な保持力を発揮することが
できる。

さらに、周鍔部１３の高さ位置は、外筒体１０の高さに
関係なしに設定することができるので、その位置を自由
に設定することができ、このため外筒体１０の上部だけ
を露出するようにして高さの低いキャップ２７を使用す
るようにも構成することができ、容器の外観にも変化を
与えることができる。

このように、本考案による押出容器は、各構成部分を単
に嵌合するだけで組立てが達成されると共に各構成部分
の構成も簡単であるので製作が簡単である。

また、装飾専用の装飾体２１を設けると共に底蓋２４を
組付けているので、外観を美しいものとすることができ
る。

さらに、キャップ２７を結合体１２の組付き筒片１８に
組付くようにしたので、容器の外観に変化を与えること
ができ、意匠効果を高めることができる。

以上の説明から明らかな如く、本考案による棒状化粧品
の押出容器は、成形が容易であると共にその組立てが簡
単であり、また極めて美しい外観を得ることができ、さ
らに変化に富んだ外観構成とすることができるので意匠
効果の高いものとすることができる等多くの有益な実用
効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による押出容器の全体縦断面図である。 第２図は要部拡大縦断面図である。第３図は第２図中Ｉ
ＩＩ−ＩＩＩ線に沿って切断矢視した一部平面図である
。 符号の説明 １：内筒体、２：内筒部、３ニガイド縦孔
、４：係止フランジ、５：段部、６：把持部、７：係止
凹部、８：係合縦溝、９：充填穴、１０：外筒体、１１
：螺子溝、１２：結合体、１３：周鍔部、１４：結合筒
部、１５．１６ ：係止弾片、１７：係合縦条、１８：
組付は筒片、１９．２０ ：段部、２１：装飾体、２２
：受皿、２３：軸片、２４：底蓋、２５：係止凹部、２
６：係止リブ、２７：キャップ、２８：棒状化粧品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内筒体１の内筒部２に外筒体１０を回動自在ではあるが
   抜は出し不能に嵌装し、前記内筒体１内に、該内筒体１
   と外筒体１０との相対回動によりスライドして昇降動す
   る棒状化粧品の受皿２２を組付けた棒状化粧品の押出容
   器において、前記内筒体１の下部である把持部６の外周
   面に、底面を係止面としだ係止凹部７を設けると共に係
   合縦溝８を刻設し、周鍔部１３を境として上部をキャッ
   プ２７を組付ける組付は筒片１８とし下部を結合筒部１
   ４とした金属薄板製の結合体１２の前記把持部６への嵌
   合組付は部となる結合筒部１４の上半部分に、前記係止
   凹部７に係止する係止弾片１５を内方に突出した姿勢で
   半抜き成形すると共に前記係合縦溝８に係合する係合縦
   条１７を内方に突出段し、他方有底筒形状をした底蓋２
   ４を嵌合組付けする前記結合筒部１４の下半部分に、前
   記底蓋２４の周壁外周面に設けられた頂面を係止面とす
   る係止凹部２５に係止する係止弾片１６を内方に突出し
   た姿勢で半抜き成形し、さらに前記結合筒部１４に適当
   な材料製の筒形状をした装飾体２１を不動に嵌装固定し
   て成る化粧品の押出容器。