JPS5827694Y2 - 棒状化粧品の押出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、口紅等の棒状化粧品の為の押出容器に関する
ものであって、外観を優れたものとするべく合成樹脂製
本体の外装の一部に金属を用いた場合に、本体と金属部
片との組み付けを簡単且つ確実になさしめんとするもの
であり、更には同時に底部の外観上の体裁をよくしよう
とするものである。

棒状化粧品等の押出容器は、通常その成形の容易さ等か
ら多くの合成樹脂が用いられているが、この種容器は極
めて外観が重要視される為に、一部に金属部材を嵌め込
み、更に外観を美しくすることが行なわれている。

この合成樹脂部材と金属部材とを一体化する手段として
、予め成形された金属部分を金型の一部として合成樹脂
部分をインサート成形すれば両者の組み付きは極めて確
固たるものとなるのであるが、金属部分を金型の一部と
する場合の位置合わせがむずかしく、成形が困難であっ
て製作コストが高くなる、といった欠点が存した。

また棒状化粧品は、熱せられたその原液を押出容器の受
皿に離脱可能に嵌め込まれた型枠体に容器下方から充填
し、原液が固化した時点で型枠体を離型して成形される
ものである。

従って従来の押出容器には、その底部に上部の充填に際
しての孔が残存してしまい、甚だ体裁の悪いものであっ
た。

本考案は、かような不都合を解消するべく案出されたも
のであって、合成樹脂製の容器本体と金属製の装飾体と
の組み付きを確固たるものとし、同時に底部の閉口をも
達成したものであり、以下その一実施例を図面に従って
説明する。

ここで示した合成樹脂製の押出容器は、内筒体１０に外
筒体２０を回動自在且つ抜は出し不能に嵌装すると共に
、棒状化粧品を収納する受皿３０をスライドしての昇降
動が可能に内筒体１０内に組み付け、更に外筒体２０を
被冠するようにキャップ体４０を取り付けた構成となっ
ている。

即ち先ず内筒体１０は、周壁１１の下端に回動把持部１
２が連続して成形されたものであり、周壁１１には軸心
方向に沿って直線状のガイド孔１３が開孔形成されてい
る。

周壁１１と回動把持部１２との連続部の外周面は把持部
１２が突出する態様で段部１４となっており、且つ周壁
１１の上端に外鍔部１５を設け、外筒体２０は、この上
端外鍔部１５と段部１４との間の周壁１１にぴったりと
外装されるようになっている。

また、この外筒体２０は、内周面に螺溝２１が本実施例
では二条削設されていて、前述の如く内筒体周壁１１に
回動自在且つ抜は出し不能に外装される。

次いで口紅等の棒状化粧品が収納立設される受皿３０は
、内筒体１０内に嵌め込まれるのであるが、その周壁３
１外周面には突軸３２が突設されてあり、この突軸３２
を前記内筒体１０のガイド孔１３を突き抜けて外筒体２
０の螺溝２１に係合させ、組み込まれるのである。

故に棒状化粧品が載置された受皿３０は、内筒体１０と
外筒体２０とを相互に回転させることにより、突軸３２
がガイド孔１３及び螺溝２１に案内されて内筒体１０内
を水平状態を保ってスライドして昇降動し、棒状化粧品
は、内筒体１０上端から突出が可能となるのである。

ところで本考案では、内筒体１０の下部に金属製の装飾
体５０を組み付け、更にこの装飾体５０の下部に金属製
の把持体６０を組み付け、外観の体裁を優れたものとし
ようとするのであるが、内筒体１０を合成樹脂で製作し
た場合に於ける装飾体５０及び把持体６０の組み付き、
構成の態様は以下に述べる如くである。

先ず内筒体１０にあって、回動把持部１２上部の外周面
には断面路コ字形状で少なくとも下端が水平となった凹
部１６が設けられている。

この四部１６は図面からも理解されるように把持部１２
の全周にわたって設けてもよいものである。

また、把持部１２外周面の下端部には縦溝１７が刻設さ
れているが、後述するような理由によってローレット状
に全周に設けてもよいものである。

一方装飾体５０は、内筒体把持部１２の外径とほぼ等し
い内径の筒状であって、把持部１２に外装されるのであ
るが、この装飾体５０の下部であって把持部１２の凹部
１６に対応する部分には保合舌片５１が内方に突出する
態様で半抜き成形−されており、更に把持部１２の縦溝
１７に対応する部分にはカシメ等により膨出縦条５２が
内方に突出する態様で形成されている。

よって装飾体５０上端より内筒体１０を挿入すると、把
持部１２により係合舌片５１は押されて弾性変形するも
のの凹部１６の位置で弾性復帰して凹部１６内に侵入し
、その下端が凹部１６の水平となった下面に当接して係
合し、抜は出しが防止される。

またこの保合と同時に膨出縦条５２は縦溝１７内に侵入
し、周方向への相互回動が防止されるように係合する。

かようにして内筒体１０と装飾体５０との組み付きは遠
戚されるのであるが、この嵌め込みの際の位置合わせ等
の手間を省くべく前述の如く凹溝１６を周状に設け、縦
溝１７をローレット状にしたのである。

尚、装飾体５０の上部は、内筒体周壁１１に抜は出し不
能に嵌め込まれた外筒体２０下部に嵌め込まれるが、装
飾体５０の中央部は外方に突出した帯状の鍔部５３とな
っており、この鍔部５３の上下に段部５４，５５が形成
され、この段部５４上にキャップ４０下端が乗載してキ
ャップ４０は装飾体５０上部に嵌め込まれるのである。

次いで筒状の把持体６０は、上述の装飾体５０の外径と
ほぼ同一の内径であって、装飾体５０下部に段部５５に
衝突するまでぴったりと脱は出し不能に嵌め込まれて強
固に固定されるのであるが、把持体６０の下端内には底
蓋６１が嵌め込まれてあり、底蓋６１上端が内筒体１０
下端に当接するようになっている。

かような把持体６０を嵌め込むことにより装飾体５０の
半抜き加工、カシメ加工の部分を被覆することが出来、
且つ、化粧品の原液を注入するに際しての必要上室たれ
た内筒体１０底部の孔１８を隠すことが出来るので゛あ
る。

本考案は以上説明したような構成となっているので、合
成樹脂製の内筒体１０と金属製の装飾体５０は、凹部１
６と係合舌片５１との係合、及び縦溝１７と膨出縦条５
２との係合によって、相互の抜は出し及び相互の周方向
への回動が確実に防止され、その組み付きが確固たるも
のとなる。

しかも内筒体１０下端面及び装飾体５０下部外周面は、
更に把持体６０によって被覆されるので、外観上も極め
て体裁のよいものになる。

そして本考案に係る容器を使用するに際しては、キャッ
プ４０を把持体６０上部より上方に抜き取り、外筒体２
０を持って把持体６０を所定方向に回転させれば、把持
体６０と一体組み付けされた装飾体５０、従って装飾体
５０と一体となった内筒体１０と、外筒体２０とは相互
に回動し、内筒体１０内の受皿３０は上昇し、棒状化粧
品が内筒体１０上端から突出するので゛ある。

よって本考案に係る押出容器は、合成樹脂製の円筒体に
金属製の装飾体を確固嵌め込むことが出来るので外観の
質感が異なって極めて美しいものとなり、しかもこの為
の構成上の凹凸や化粧品の注入時に於ける孔等もまた被
覆されているので更に体裁のよいものとなり、化粧品用
容器として優れて有効なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る押出容器の縦断面図、第２図は要
部の拡大断面図、第３図は第２図に於けるＩＩＩ−ＩＩ
Ｉ線断面図である。 符号の説明 １０・・・・・・内筒体、１６・・・・・
・凹部、１７・・・・・・縦溝、２０・・・・・・外筒
体、３０・・・・・・受皿、４０・・・・・・キャップ
、５０・・・・・・装飾体、５１・・・・・・係合舌片
、５２・・・膨出縦条、６０・・・・・・把持体、６１
・・・・・・底蓋。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内筒体１０に外筒体２０を回動自在且つ抜は出し不能に
   嵌装し、当該内筒体１０内に、内筒体１０と外筒体２０
   との相互回動によりスライドして昇降動する棒状化粧品
   の受皿３０を組付けた棒状化粧品の押出容器にあって、 外周面に断面路コ字形状の凹部１６を設けると共に縦溝
   １７を刻設した内筒体１０下部に、下部内周面に、前記
   凹部１６に係合する保合舌片５１を設けると共に前記縦
   溝１７に係合する膨出縦条５２を設けた筒状の金属製装
   飾体５０を外装嵌着し、更に該装飾体５０の下部に、底
   蓋６１を有する筒状の金属製把持体６０を強固に外装嵌
   着固定して威る棒状化粧品の押出容器。