JPS6124171Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、棒状化粧品押出容器用のキヤツプに
関するものであつて、容器本体に対し適当な抵抗
を伴つて着脱されるキヤツプを得ることを目的と
したものである。

口紅等の棒状化粧品押出容器は、内容物の保護
のため、および携帯時における他の物品との衝突
によつて容易に傷がつかないようにするため、そ
して容器の外観をより美しいものとするため等の
理由により比較的硬質の材料により成形される必
要がある。

この要求は、押出容器の容器本体ばかりでな
く、キヤツプにも適用される。

所で、この種の押出容器のキヤツプは、ほぼ例
外なく有頂円筒形状をし、その開口された下端部
分で容器本体への組付きを達成保持する構成とな
つているのであるが、この相互に組付きを達成す
る部分は互いに硬質材料で成形されている部分で
あるがために、容器本体とキヤツプとの組付き状
態が硬たすぎたり、着脱操作に大きな力を必要と
したり、さらには強い力で組付けたにもかかわら
ず、容器本体に対するキヤツプの組付き状態がガ
タツキのあるものとなつてしまう等の種々の不都
合、不満があつた。

本考案は、上記した従来例における不都合及び
不満を解消すべく考案されたもので、キヤツプの
容器本体に対する組付きを達成保持する部分を軟
質合成樹脂により構成したものである。

以下、本考案の一実施例を図面に従つて説明す
る。

本考案によるキヤツプ８は棒状化粧品押出容器
の容器本体１に組付けられて使用されるもので、
この容器本体１の構造は特に限定されるものでは
なく、一般に使用されている構造のものであれば
良い。

例えば、第１図に示した如く、内周面に螺溝を
刻設した収納筒３内にガイド用縦溝を設けた内筒
を設け、この内筒と下端で一体設された外筒体２
を前記収納筒３の下端部を嵌入させた形態で設
け、この外筒体２と収納筒３との相互回動によ
り、外筒体２と一体となつた中間筒内に収納位置
した受皿を、その周面から突設されて前記ガイド
用縦溝を通り抜けて螺溝に螺合した螺片の作用に
より昇降動させ、もつてこの受皿に保持された棒
状化粧品を収納筒３から出し入れすべく構成され
ている。

このような構成となつた押出容器には、当然の
こととしてキヤツプ８を組付ける構成が施されて
いるが、第１図図示実施例の場合、外筒体２の下
半分を、この外筒体２と収納筒３との間に相互に
回動を発生させるための外力を作用させる部分で
ある把持部６とすると共に、段部６を介してこの
把持部４よりも小径となつた外筒体２の上半分を
キヤツプ８の嵌合組付けのための嵌入筒部５と
し、この嵌入筒部５の外周面には、キヤツプ８の
容器本体１への組付きがより安定して保持される
ように多数の縦突条７が附形されている。

すなわち、有頂円筒形状をしたキヤツプ体８
は、収納筒３を内部に収納すべく容器本体１に上
方から組付けられ、その下端開口部内に嵌入筒部
５を嵌入させた状態で、下端面を段部６に突き当
てるまで組付けられて容器本体１への組付けが完
了する。

この際、キヤツプ体８の下端開口部の口径は、
嵌入筒部５の外径とほぼ等しく設定されているの
で、キヤツプ体８は嵌入筒部５にきつく嵌合し
て、容器本体１に対するキヤツプ体８の組付きを
保持しようとするのであるがキヤツプ体８の開口
部口径と嵌入筒部５の外径とを全く等しく成形す
るのは極めて困難であり、かつこのように密嵌入
により容器本体１に対するキヤツプ体８の組付き
姿勢を保持するようにすると、容器本体１に対す
るキヤツプ体８の着脱に大きな操作力を必要とす
ることになつてしまうため、嵌入筒部５の外径を
キヤツプ体８の開口部口径よりも小さく成形し、
その代りにキヤツプ体８開口部内面にきつく当接
する縦突条７を嵌入筒部５の外周面に突設し、こ
の縦突条７のキヤツプ体８の開口部内面への当接
により、容器本体１に対するキヤツプ体８の組付
きを保持するようにしている。

本考案は、上記の如き構成となつた容器本体１
に組付けられるキヤツプ体８に関するものであつ
て、容器本体１の段部６から収納筒３の上端まで
の高さよりもやや大きい高さを有する有頂直線円
筒体９の内周面下端部に突当り段部１０′を附形
することにより、円筒体９の下端部に、前記嵌入
筒部５よりやや大きい高さのやや肉薄となつた嵌
合筒部１０を形成してキヤツプ体１１を成形し、
この嵌合筒部１０よりもやや低い高さの短円筒形
状体の内周面に多数の縦条１３を附形した組付筒
１２を前記嵌合筒部１０内に密嵌入して組付け、
嵌合筒部１０内に組付筒１２を、この組付筒１２
の上端を突当り段部１０′に突当るまで嵌入させ
た状態で、この組付筒１２よりも下方に突出した
嵌合筒部１０の下端部を内方に折曲して、組付筒
１２の下端面に係止する係止内鍔１４に成形して
構成されている。

組付筒１２は軟質合成樹脂により成形されてお
り、多数並列設された縦条１３の突出端を結ぶ仮
想される円の径は、キヤツプ体８が組付けられる
容器本体１の嵌入筒部５の外径よりもわずかに小
さい値となるよう設定されている。

また、第１図図示実施例のように、容器本体１
の嵌入筒部５の外周面に縦突条７が附形されてい
る場合には、この多数の縦突条１７の突出端を結
んで描かれる仮想される円の直径が組付筒１２を
構成する短円筒体の内径よりもわずかに大きい値
となるように組付筒１２の肉厚を設定する。

係止内鍔１４は、嵌合筒部１０内に組付筒１２
を嵌入組付けした後に成形されるのであるが、こ
の成形手段は、キヤツプ本体１１の成形材料に応
じて異なることは言うまでもない。

すなわち、キヤツプ本体１１が硬質合成樹脂に
より成形されている場合には、嵌合筒部１０の下
端部を加熱処理して軟化させた状態で、成形型を
用いて折曲変形成形する手段が採用されるだろう
し、キヤツプ本体１１が金属薄板製である場合に
は、単なる曲げ加工が採用されることになる。

本考案は、上記の如き構成となつているので、
予め別々に成形されたキヤツプ本体１１と組付筒
１２とを嵌合組付けし、しかる後、キヤツプ本体
１１の下端部を内方に折げ加工して係止内鍔１４
を成形することにより本考案によるキヤツプ体８
が完成される。

このように、本考案によるキヤツプ体８の組立
は極めて簡単なのであるが、キヤツプ本体１１お
よび組付筒１２自体の構造も極めて単純で成形し
易いので、その製造が容易である。

また、組付筒１２は弾力のある軟質合成樹脂で
成形されているので、キヤツプ体８を容器本体１
に嵌合組付けした際に、組付筒１２の各縦条１３
は弾性変形して、その突出端を嵌入筒部５の外周
面に弾接させるので、容器本体１とキヤツプ体８
との間に適当な摺動抵抗を発生すると共に容器本
体１に対してキヤツプ体８の組付き姿勢を一定に
保持するので、キヤツプ体８はアタツチメント１
に対して安定した姿勢で組付くと共に、適当な低
抗をもつて着脱操作されることになる。

なお、容器本体１の嵌入筒部５外周面に、容器
本体１に組付けられたキヤツプ体８の組付筒１２
の内周面に圧接する多数の縦突条７が縦条１３と
周方向に係止することになるので、キヤツプ体８
は容器本体１に対して空転不能に組付くことがで
きることになる。

以上の説明から明らかな如く、本考案によるキ
ヤツプは、容器本体に対する組付きが安定して保
持されると共に適当な抵抗をもつて着脱操作され
るので、極めて良好な使用状態を得ることがで
き、また構造も簡単で製作し易い等実用効果の高
いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示すキヤツプ体
と容器本体とを分離させた状態の外観斜視図であ
る。第２図は、本考案によるキヤツプ体の一部縦
断した分解組立て状態図である。第３図は、要部
を破断した図面である。第４図は組付筒の平面図
である。 符号の説明、８……キヤツプ体、９……円筒
体、１０……嵌合筒部、１０′……突当り段部、
１１……キヤツプ本体、１２……組付筒、１３…
…縦条、１４……係止内鍔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 棒状化粧品押出容器用のキヤツプであつて、有
   頂円筒形状をした円筒体の内周面下端部に突当り
   段部を附形することにより前記円筒体の下端部に
   嵌合筒部を形成して成るキヤツプ本体と、前記嵌
   合筒部よりもわずかに小さい高さを有する短円筒
   体の内周面に多数の縦条を設けた前記嵌合筒部内
   に密嵌合される軟質合成樹脂製の組付筒とから成
   り、前記嵌合筒部の内周面下端に、該嵌合筒部内
   に嵌合組付けされた前記組付筒の下端面に係止す
   る係止内鍔を周設して成るキヤツプ。