JPS6035769Y2 - クランプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば各種の構築物の建設あるいは補修の際の
仮枠あるいは作業場に組立られるパイプ材のクランプに
関するものである。

従来、この種のクランプとしては、第１図に示したよう
に内周が半円形状をなした２つの分割体１．２が一端部
においてヒンジ結合３され、一方の分割体１の他端部に
ナツト４を備えたボルト５が揺動自在に取付られ、他方
の分割体２の他端部に上記ボルト５が嵌合されるスリッ
ト６を有した締結座７が突設された形態のものが汎用さ
れ、両分割体１，２を開いてパイプ材の外周に嵌め合せ
、ボルト５をスリット６内に位置させたのちナツト４で
もって締付はパイプ材に固着される。

しかしながらかかるクランプにおいては、パイプ材への
的確な固着が達成されるが、その固着作業あるいは解体
作業の際にはスパナによって上記ナツトを何回も回動し
なければならず、作業能率が低いと同時に何回となく再
使用している内に締結座が変形し使用不能になるという
欠点を有している。

また単にクサビ作用による止着のみであると固着あるい
は解体が繰り返されるうちにクサビが紛失しクランプ全
体が使用不能となる事態も生じ、さらに打ち込んだクサ
ビが構築体の揺れや振動によって弛むという問題が内在
する。

本考案は上記したクサビによる締付はタイプのクランプ
の改良に関するものであって、クサビの打ち込み作業、
即ちパイプ材への固着作業を極めて迅速に行なうことが
でき、かつクサビの紛失がなく、しかも締付は後におけ
るクサビの弛み現象を防止することができるクランプを
提供するものである。

以下、本考案の実施例を示した第２図乃至第７図にもと
づいて説明すると、１０はクランプ本体であって、該ク
ランプ本体１０は内周が半円状をなした２つの分割体１
１．１２がその一端部においてヒンジ結合１３されて開
閉可能に構成され、両分割体１１，１２の他端部には噛
み合い状態に位置可能なりサビ孔１４を有する結合部１
５，１６が形成されている。

即ち、一方の分割体１１の自由端部の中央部には中間結
合部１５が形成され、他方の分割体１２には該中間結合
部１５の両側に位置する外側結合部１６．１６が形成さ
れ、それぞれの結合部１５．１６には長方形状のクサビ
孔１４が貫通して設けられている。

２０は上記両分割体１１．１２を結合締付けのための差
し込み体であって、該差し込み体２０は図示したごとく
先端部に向って幅寸法が縮少されたクサビ部分２１とス
リット２２を備えた細長いプレート部分２３とが一体化
されたＵ字状をなし、該スリット２２は上記クサビ部分
のほぼ全長に亘って延び、上記クサビ部分２１の有効部
分の幅寸法は上記結合部１５，１６のクサビ孔１４の幅
寸法よりも小さく形成され、クサビ孔１４に打ち込まれ
ると第５図に示したごとく、外側の結合部１６．１６お
よび中間結合部１５のそれぞれの先端側内面１６′およ
び１５′に当接して両結合部１６．１５を相互に矢印方
向に引き寄せ、両分割体１１．１２の内径部を縮少せし
める作用をなす。

上記したクサビ部分２１の挿入側に位置する結合部１６
にはネジ孔１７が設けられ、第６図に示したごとく差し
込み体２０のクサビ部分２１が結合部１６，１５のクサ
ビ孔１４内に挿入された状態において、該差し込み体２
０のスリット２２から媒溶ヘッド３０を有するボルト３
１が上記ネジ孔１７に螺合され、該ボルト３１の締付は
作用によってクサビ部分２１を不動状態になし得るとと
もに、ボルト３１を弛めると、上記スリット２２の長さ
の範囲内において該差し込み体２０をクサビ部分２１の
挿入方向に移動可能に本体１側に取付けられている。

なお、上記ネジ孔１７の穿設部分の肉厚を図示したごと
く若干大きくしておくことが強度的に好ましく、またボ
ルト３１を該ネジ孔１７に螺合させた状態においてその
先端部３２をネジ部の外径よりも大きくなるように変形
させて該ネジ孔１７から抜は出るのを防止しておくこと
が望ましい。

さらにその先端を第２図に示すように先細に形成してお
くと後述するボルト３１の弛みが防止される。

またクサビ部分２１の内面側の上記ボルト３１の当接面
に多数の条痕２４．２４を多数設けておけば、ボルト３
１の先端先細部で締付は後における差し込み体２０の弛
みを防止するに一層役立つ。

更にまた上記したネジ孔１７の穿設位置は必ずしも外側
結合体１６に特定されるものではなく、第７図に示した
ごとく該ネジ孔１７を中間結合部１５に設け、差し込み
体２０のクサビ部分２１よりもプレート部分２３を長く
形成しておけば差し込み体２０を取り外すことなく本体
１０の開閉が可能となって本考案を満足することができ
る。

このように本考案によるクランプは、内周を半円状とな
した分割体１１．１２が一端部においてヒンジ結合され
、一方の分割体１１の他端部の中央部に中間結合部１５
および他方の分割体１２の他端部に上記中間結合部１５
の両側に位置する外側結合部１６．１６が形成され、上
記両結合部１５および１６，１６にクサビ孔１４が設け
られてなる本体１０と、先端部に向って幅細くなるクサ
ビ部分２１および該クサビ部分２１の基部から先端部に
至る長さのスリット２２が形成された外側プレート２３
を有する逆Ｕ字状の差し込み体２０とからなり、該差し
込み体２０のクサビ部分２１が上記本体１０のクサビ孔
１４内に挿入位置された状態において、上記差し込み体
２０の外側プレート２３のスリット２２から本体１の上
記結合部の少なくとも１つに設けられたネジ孔１７にボ
ルト３１が挿入螺合され、上記差し込み体２０の移動範
囲がそのクサビ部分の圧入締付は作用位置とクサビ部分
２１の先端部が少なくとも上記中間結合部１５を抜は出
た結合状態の解放位置との間に規制されて該差し込み体
２０が本体１０側に係止可能に取付けられてなるもので
あるから、本体１０と差し込み体２０とは常に１組とな
って妄りに分離せず、差し込み体２０を紛失するという
事態を解消することができる。

その上、パイプ材の締付けに際しては、ボルト３１を弛
めて差し込み体２０を上方に移動させれば本体１０が開
口でき、結合体１５および１６，１６を噛み合せて差し
込み体２０を下動させれば分割体１１．１２は結合され
、差し込み体２０の頭部をハンマーでもって叩打してク
サビ部分２１をクサビ孔１４内に深く打ち込むことによ
って能率よく強固な締付けが遠戚される。

そして締付は後、ボルト３１でもってクサビ部分２１を
押圧係止しておけば、パイプ材に揺動等が生じてもクサ
ビ部分２１が戻されて弛むという現象が阻止されるなど
、実用上有益な多大の効果を奏する。

なお、実施例においてはシングルクランプを示している
が、第１図に示したごとく、従来同様に２個のクランプ
を回動自在に結合すれば、パイプ材のクロス部分の固定
用として適用し得ることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示した斜視図、第２〜７図は本考案の
実施例を示したものであって第２図は分解斜視図、第３
図および第４図は結合状態を示した平面図および正面図
、第５図は締付は作用を示した結合部の断面図、第６図
イは結合解除状態、第６図口は結合状態を示した結合部
のそれぞれ縦断面図、そして第７図イ９口は他の実施例
を示した結合部のそれぞれ縦断面図である。 １０はクランプ本体、１１．１２は分割体、１３はヒン
ジ結合部、１４はクサビ孔、１５は中間結合体、１６は
外側結合体、１７はネジ孔、２０は差し込み体、２１は
クサビ部分、２２はスリット、２３は外側プレート、３
１はボルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 内周を半円状となした２つの分割体１１，１２が一
   端部においてヒンジ結合１３され、一方の分割体１１の
   他端部の中央部に中間結合部１５および他方の分割体１
   ２の他端部に上記中間結合部１５の両側に位置する外側
   結合部１６゜１６が形成され、上記両結合部１５および
   １６．１６にフサ辷゛孔１４が設けられてなる本体１０
   と、先端部に向って幅細くなるクサビ部分２１および該
   クサビ部分２１のほぼ基部から先端部に至る長さのスリ
   ット２２が形成された外側プレート２３を有する逆Ｕ字
   状の差し込み体２０とからなり、該差し込み体２０のク
   サビ部分２１が上記本体１０のクサビ孔１４内に挿入位
   置された状態において、上記差し込み体２０の外側プレ
   ート２３のスリット２２から本体１０の上記結合部の少
   なくとも１つに設けられたネジ孔１７にボルト３１が挿
   入螺合され、上記差し込み体２０の移動範囲がそのクサ
   ビ部分２１の圧入締付は作用位置とクサビ部分２１の先
   端部が少なくとも中間結合部１５を抜は出た結合状態の
   解放位置との間に規制されて該差し込み体２０が本体１
   ０側に係止可能に取付けられていることを特徴とするク
   ランプ。 ２ 上記ボルト３１のネジ部の先端部３２が該ネジ部の
   外径よりも拡大されている上記実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のクランプ。