JPS6033354Y2 - 内燃機関用点火装置の配電器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関用点火装置の配電器、特にハウジン
グの端壁に支持されて内燃機関のクランク軸に連動回転
する駆動軸に、該軸によって駆動される配電装置の配電
ロータを連結し、また同駆動軸の、前記配電ロータと前
記端壁との中間部にパネルジェネレータのシグナルロー
タを同心上に嵌合支持し、前記シグナルロータを同心上
に囲繞する、パネルジェネレータのステータを、前記ハ
ウジング内壁に固着された外輪と、この外輪に軸受を介
して回転可能に支持される内輪とより構威し、前記内輪
に、前記ハウジングに連設した真空進角機構を連動連結
した形式の配電器に関する。

かかる形式の配電器では、前記駆動軸の軸受間距離を十
分にとって該軸を、その変形や倒れ、心振れを生じさせ
ることなく安定よく回転支持できるようにすることが望
ましい。

本考案はかかる要求を満足させ、しかも構造簡単且つ組
立容易な前記配電器を提供することを目的とし、その特
徴は、前記形式の内燃機関用点火装置の配電器において
、前記駆動軸の、前記配電ロータとシグナルロータとの
中間部を回転自在に支持する軸受ブラケットを、前記ス
テータの外輪に同心上に且つ着脱可能に嵌着し、さらに
前記軸受ブラケットには、該ブラケットの配電ロータ側
の端面より前記シグナルロータ及びステータの内輪を目
視させ得る透孔を穿設したことにある。

以下、図面により本考案の一実施例について説明すると
、第１図において、配電器１のハウジング２はアルミダ
イキャスト製ハウジング本体３と合成樹脂製キャップ４
とよりなり、そのキャップ４はシール部材５を介してハ
ウジング本体３にねじ６により固定される。

ハウジング本体３の下端壁３ａに含油軸受メタルよりな
る第１軸受７１が嵌着され、またハウジング２内に固定
された軸受ブラケット８に同材質の第２軸受７□が嵌着
され、それら第１、第２軸受７□、７□に駆動軸９を構
成する第１軸部９□と、それに回転可能に同心嵌合され
た第２軸部９□とがそれぞれ回転可能に支承される。

軸受ブラケット８の固定構造については後述する。

第１軸部９□のハウジング本体３からの突出端には、ス
ラスト軸受１０とナイロン６時の合成樹脂により成形さ
れたカップリング５０が嵌合され、そのカップリング５
０と第１軸部９□とに抜止めピン５１を通過させである
。

またカップリング５０の外周面の環状１５０ａには抜止
めピン５１の抜止めをなすコイルばね５２が嵌合されて
いる。

カップリング５０の下面に突出する一対の伝動爪５０ｂ
は内燃機関の回転軸５３、例えばカム軸の軸端に形成さ
れた伝動凹部５３ａに係合される。

両伝動爪５０ｂは駆動軸９の軸心に対して偏心した位置
にあり、これによりカップリング５０を駆動軸９に位置
決め固定すると、そのカップリング５０を介して回転軸
５３を駆動軸９に正確に連結することができる。

駆動軸９の第２軸部９□囲りにはパルスジェネレータＰ
が次のように構成される。

即ち、ハウジング本体３内周面に形成された環状段部１
１上に環状基板１２が載置され、またその基板１２の周
方に、且つ対称位置に突設された一対の突出部１２ａ（
図には一方のみを示す）がハウジング本体３に形成され
た一対の切欠き溝１３に係合する。

基板１２の上面には、各一対のフェライト等のマグネッ
ト１４およびマグネット基板１５等を対向させて埋設し
た合成樹脂環状体１６が固定される。

その環状体１６の内周面と、その上縁から内方へ突出す
る突縁１７とにより形成される空間内にはピックアップ
フィル１８が嵌合され、これによりピックアップコイル
１８は、上、下および周方に移動することを阻止される
。

１９．２０はピックアップコイル１８のリード線、２１
はピックアツプコイル１８下面と基板１２上面との間に
介在させたゴム製の環状パツキンである。

第２軸部９２に、内燃機関の気筒数に応じた数の突起２
２ａを有するシグナルロータ２２が同心上に嵌着され、
その周囲を環状ステータ２３が同心状に囲繞する。

ステータ２３は、その内周面に前記ロータ２２の突起２
２ａに対応する数の突起２４ａを有する内輪２４と、そ
の外周にボール軸受２５を介して回転自在に取付けられ
た外輪２６とを備え、その外輪２６はハウジング本体３
内周面に形成された環状段部２７上に載置される。

前記切欠き溝１３にはそれぞれ非磁性カラー２８（図に
は一方のみを示す）が嵌め込まれており、その内側面の
切欠き２９によって上記ステータ外輪２６とカラー２８
の干渉が防止される。

前記軸受ブラケット８は第４図に示すように第２軸受７
□を嵌着したボス部８ａと、それの外周に点対称の関係
に位置する一対の弧状リム部８ｂと、各リム部８ｂの両
端とボス部８ａとを連結する２本１組のアーム部８ｃと
よりなる。

軸受ブラケット８をハウジング２内に固定する場合には
、各リム部８ｂをハウジング本体３の各切欠き溝１３の
間に位置させると共にそれらの下面に形成された突縁８
ｄをステータ２３の外輪２６の上部外周面に同心嵌合し
て外輪２６上面に載置する。

またボス部８ａの下面とシグナルロータ２２上面との間
に２枚の座金５４を介装して、ボス部８ａによりシグナ
ルロータ２２の上方への移動規制が行われる。

軸受ブラケット８を固定する一対の帯状固定板３０は平
面において全体形状を弧状に形成され、且つ両端にはＬ
字状脚片３０ａが一体に設けられている。

各固定板３０は軸受ブラケット８の各リム部８ｂに嵌め
込まれ、各脚片３０ａの水平部がステータ２３の外輪２
６上面に載置される。

各カラー２８には、ねじ３１が挿通され、そのねじ３１
に嵌められた押圧板３２の一対の弾性押え片３２ａが各
固定板３０の脚片水平部上面に当てられ、そしてねじ３
１を切欠き溝１３底面に螺合することにより、基板１２
がカラー２８を介してハウジング本体３の段部１１に押
圧固定され、一方ステータ２３の外輪２６が押圧板３２
によりハウジング本体３の段部２７上に押圧固定され、
同時に各固定板３０により軸受ブラケット８がステータ
２３の外輪２６上面に固定される。

尚、この固定状態で、軸受ブラケット８の、前記リム部
８ｂ、両アーム一部８ｃ、８ｃ、及びボス部８ａによっ
て画成された透孔８ｅを通して、シグナルロータ２２及
びステータ内輪２４をブラケット８上面より覗くことが
できる。

ハウジング本体３の側面には、機関の吸気マニホールド
に接続される公知の真空進角機構■が設けられ、そのダ
イヤプラム（図示せず）により作動される作動杆３４の
先端がステータ２３の内輪２４にピン３５を介して連結
される。

基板１２の下方において、ハウジング本体３内には、公
知の遠心進角機構Ｇが設けられる。

その遠心進角機構Ｇは第１軸部９□に固定される保持板
３７と、その保持板３７に回転可能に取付けられた一対
の重錘板３８と、第２軸部９゜に固定されたカム板３９
と、そろカム板３９と保持板３７間を連結する一対の引
張りコイルばね４０とを備えており、これにより第１、
第２軸部９□、９゜が遠心進角機構Ｇを介して連結され
る。

軸受ブラケット８の上方に配電装置りが配設され、その
配電用電極４１を持った配電ロータ４２が第２軸部９□
の上端に嵌着される。

その配電用電極４１の基部には、キャップ４の中心電極
４３が接触し、一方先端部は配電ロータ４２の周方に突
出してキャップ４の複数の側電極４４に順次対向するよ
うになっている。

側電極４４の数は機関の気筒数に対応して設けられる。

次にこの実施例の作用について説明すると、内燃機関の
クランク軸に連動回転する回転軸５３によりカップリン
グ５０および駆動軸９を介してシグナルロータ２２が回
転し、その各突起２２ａがステータ２３の各突起２４ａ
に対向すると、マグネット１４、ステータ２３、シグナ
ルロータ２２、第２軸部９゜、基板１２、マグネット基
板１５およびマグネット１４の間に磁束が形成され、つ
いで突起２２ ａ、 ２４ ａが食い違うことによっ
て上記磁束が変化するので、ピックアップコイル１８に
パルス状の電圧が発生する。

その電圧は図示しないイグナイタユニットを点火コイル
の一次側を遮断するように動作させるので、これにより
点火コイルの二次側に高電圧が発生し、その高電圧は中
心電極４３および配電用電極４１を介して対応する側電
極４４に分配され、点火プラグ（図示せず）をスパーク
させるものである。

この点火時期は、第１軸部９１の回転が遠心進角機構Ｇ
を介して第２軸部９□に伝達されたシグナルロータ２２
の回転速度が早められるので、シグナルロータ２２とス
テータ２３との各突起２２ａ、２４ａの対向から次の対
向までの時間が短縮されることにより進角される。

また、真空進角機構■によってステータ２３の内輪２４
が回転させられるので、これによっても点火時期が進角
される。

以上のように本考案によれば、ハウジング２の端壁３ａ
に支持されて内燃機関のクランク軸に連動回転する駆動
軸９に、該軸９によって駆動される配電装置りの配電ロ
ータ４２を連結し、また同駆動軸９の、前記配電ロータ
４２と前記端壁３ａとの中間部にパルスジェネレータＰ
のシグナルロータ２２を同心上に嵌合支持し、前記シグ
ナルロータ２２を同心上に囲繞する、パルスジェネレー
タＰのステータ２３を、前記ハウジング２内壁に固着さ
れた外輪２６と、この外輪２６に軸受２５を介して回転
可能に支持される内輪２４とより構威し、前記内輪２４
に、前記ハウジング２に連設した真空進角機構■を連動
連結した内燃機関用点火装置の配電器において、前記駆
動軸９の、前記配電ロータ４２とシグナルロータ２２と
の中間部を回転自在に支持する軸受ブラケット８を、前
記ステータ２３の外輪２６に同心上に且つ着脱可能に嵌
着したので、前記駆動軸９を、ハウジング２の端壁３ａ
と軸受ブラケット８とによって、その軸方向に離間した
二ケ所において安定よく支持することができ、その軸９
の変形や倒れ、心振れを効果的に阻止することができる
。

しかも前記軸受ブラケット８を、シグナルロータ２２の
配電ロータ４２側への移動を規制するストッパに兼用さ
せることができるので、シグナルロータ２２に対してス
トッパを特別に設ける必要がなく、構造が簡単である。

また特に前記軸受ブラケット８は、ステータ外輪２６し
たがってハウジング２に着脱可能に構成されるから、該
ブラケット８をハウジング２に一体成形したものに比で
ハウジング２自体の内部形状が単純化されてその成形加
工が容易であり、しかもその軸受ブラケット８の組立に
際しては、それをステータ外輪２６に単に嵌着させるだ
けで、同ブラケット８の軸受７２を、ステータ外輪２６
と同心関係をもつハウジング端壁３ａ側の軸受７１に対
し正確に同心配置することができるから、その組立作業
能率を向上させることができる。

さらに前記軸受ブラケット８には、該ブラケット８の配
電ロータ４２側の端面より前記シグナルロータ２２及び
ステータ２３の内輪２４を目視させ得る透孔８ｅを穿設
したので、軸受ブラケット８は、それがシグナルロータ
２２やステータ２３より外方に配設されるも、該ブラケ
ット８に穿設された前記透孔８ｅを通してシグナルロー
タ２２やステータ内輪２４を駆動軸９外方より覗くこと
ができ、従って該ブラケット８を取り外さなくともシグ
ナルロータ２２やステータ内輪２４を容易に点検するこ
とができ、しかも上記透孔８ｅの穿設によって軸受ブラ
ケット８の軽量化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は全体縦
断側面図、第２図はハウジング本体と軸受ブラケットと
の取付は関係を示す平面図、第３図は第１図■−■線断
面図、第４図は軸受ブラケット取付部分の分解斜視図、
第５図はカップリングの底面図である。 Ｄ・・・・・・配電装置、Ｐ・・・・・・パルスジェネ
レータ、■・・・・・・真空進角機構、１・・・・・・
配電器、２・・・・・・ハウジング、３ａ・・・・・・
端壁、８・・・・・・軸受ブラケット、８ｅ・・・・・
・透孔、９・・・・・・駆動軸、２２・・・・・・シグ
ナルロータ、２３・・・・・・ステータ、２４・・・・
・・内輪、２５・・・・・・軸受、２６・・・・・・外
輪、４２・・・・・・配電ロータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジング２の端壁３ａに支持されて内燃機関のクラン
   ク軸に連動回転する駆動軸９に、該軸９によって駆動さ
   れる配電装置りの配電ロータ４２を連結し、また同駆動
   軸９の、前記配電ロータ４２と前記端壁３ａとの中間部
   にパルスジェネレータＰのシグナルロータ２２を同心上
   に嵌合支持し、前記シグナルロータ２２を同心上に囲繞
   する、パルスジェネレータＰのステータ２３を、前記ハ
   ウジング２内壁に固着された外輪２６と、この外輪２６
   に軸受２５を介して回転可能に支持される内輪２４とよ
   り構威し、前記内輪２４に、前記ハウジング２に連設し
   た真空進角機構Ｖを連動連結した内燃機関用点火装置の
   配電器において、前記駆動軸９の、前記配電ロータ４２
   とシグナルロータ２２との中間部を回転自在に支持する
   軸受ブラケット８を、前記ステータ２３の外輪２６に同
   心上に且つ着脱可能に嵌着し、さらに前記軸受ブラケッ
   ト８には、該ブラケット８の配電ロータ４２側の端面よ
   り前記シグナルロータ２２及びステータ２３の内輪２４
   を目視させ得る透孔８ｅを穿設したことを特徴とする、
   内燃機関用点火装置の配電器。