JPS6033349Y2 - 機関信号発生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は機関点火用配電器内に機関の各気筒の点火時
期に対応した気筒信号を発生する気筒信号発生器と、機
関のクランク角度信号を発生する角度信号発生器が装着
される機関信号発生装置に関する。

最近の自動車に要求されている排気ガス対策と省燃費対
策を進めるに際し、機関点火系の総合的な制御システム
が要求されているが、この考案は本システムに適用され
る機関信号発生装置を提供するものである。

以下、第１図乃至第４図に示す実施例を参照して説明す
る。

図において、１は機関に装着される機関点火用配電器で
、下記の通り構成される。

２は配電器のハウジング、３はこのハウジング２に回転
自在に支承され機関により回転駆動される回転軸で、磁
性体により製作されている。

４はハウジング２の開口を閉塞する如く嵌合固定される
配電キャップで、点火コイルの２次側に誘起する点火電
圧を受ける中心電極５と、この点火電圧を機関の各気筒
に装着された点火プラグに導くための複数の周辺電極６
とが設置されている。

７はハウジング２の開口側の環状受部２ａに嵌合され複
数のネジ８により固定された環状の磁気遮蔽板で、鉄板
等の磁性板により形成され、該内周端７ａは回転軸３の
全周に微小空隙を介して対向する。

９は機関の各気筒の点火時期に対応した気筒信号を発生
する磁石式の気筒信号発生器で、下記の通り構成される
。

１０は回転軸３の軸端に嵌着された第１シグナルロータ
で、磁性体により製作され、機関の気筒数に対応した複
数の突起１０ａが形成されている。

１１はこの第１シグナルロータ１０の回転に伴い該各突
起１０ａに微小空隙を介して対向する丁字状の固定磁極
、１２はこの固定磁極１Ｎに定着され図示極性に着磁さ
れた第１永久磁石、１３は固定磁極１１に巻回された第
１信号コイル、１４はこれら固定磁極１１、第１永久磁
石１２、第１信号コイル１３からなるステータ１５を絶
縁固定する外装モールド、１６は第１永久磁石１２の反
固定磁極１１側に定着してステータ１５を支持し環状の
磁気遮蔽板７の定位置にネジ１７に固定された取付板で
ある。

１８は機関のクランク角度信号を発生する磁石式の角度
信号発生器で、ハウジング２の底部、即ち気筒信号発生
器９とは環状の磁気遮蔽板７を介して隔設され、これは
下記の通り構成される。

１９は回転軸３に嵌入され該受座３ａに当接する円板状
の第２シグナルロータで、磁性板により製作され、外周
に３６０個の突起１９ａが等間隔に形成されている。

２０は回転軸３に圧入され第２シグナルロータ１９を受
座３ａとにより挾持して固定するスペーサで、磁性体に
より製作される。

２１はハウジング２の下部に位置する環状受部２ｂに嵌
合された環状の固定磁極で、磁性板により製作され、内
周に第２シグナルロータ１９の突起１９ａに微小空隙を
介して対向する３０個の突起２１ａが等間隔に形成され
ている。

即ち、第２シグナルロータ１９及び固定磁極２１の突起
１９ａ＊２１ａの角度間隔は第４図に示す如く１度毎で
ある。

２２はハウジング２の内周側に位置する環状嵌合部３Ｃ
に嵌着され環状の固定磁極２１を環状受部２ｂとにより
挾持して固定する椀状のベースで、磁性板により製作さ
れている。

２３はこのベース２２に定着され図示極性に着磁された
第２永久磁石、２４はこの永久磁石２３の反ベース２２
側に定着されたプレートで、磁性板により製作されてい
る。

２５はベース２２、第２永久磁石２３、プレート２４を
挾持して固定するリベット、２６はプレート２４の内周
側筒部に巻回された第２信号コイルである。

２７は第１シグナルロータ１０に嵌合され、中心電極５
に接触子２８を介して摺接腰各周辺電極６に空隙を介し
て対向するロータ電極２９が固着されてなる配電ロータ
、３０は環状の磁気遮蔽板７にネジ３１により固定され
、上述した第１、第２信号コイル１３．２６に誘起する
信号出力電圧を波形整形する波形整形回路を有する制御
ユニットで、第１、第２信号コイル１３．２６に電気接
続するための導出端子３２を有する。

３３はハウジング２とキャップ４とにより挾持された椀
状の遮蔽板で、アルミ板等の導電板により形成され、周
辺電極６とロータ電極２９との間に生ずる火花放電が気
筒信号発生器９、制御ユニット３０、及び角度信号発生
器１８等にリークしないように阻止する。

第５図は上述した構成のブロック図で、配電器１内には
気筒信号発生器９と、角度信号発生器１８と制御ユニッ
ト３０が内蔵され、気筒信号発生器９の第１信号コイル
１３に発生する出力電圧は制御ユニット３０の第１波形
整形回路３０ａにより第６図ａの如く波形整形されて気
筒信号３４が形成され、図示しない点火時期制御装置に
入力され、また角度信号発生器１８の第２信号コイル２
６に発生する出力電圧は制御ユニット３０の第２波形整
形回路３０ｂにより第６図すの如く波形整形されて、ク
ランク角度信号３５が形成され、同様に点火時期制御装
置に入力される。

以上の通り構成された実施例の動作を説明するに、先ず
回転軸３が図に示す矢印方向に回転すると、第１、第２
シグナルロータ１０，１９は同様に矢印方向に回転し、
この回転に伴い第１シグナルロータ１０の各突起１０ａ
は丁字状の固定磁極１１に接近、対向、離間し、また第
２シグナルロータ１９の各突起１９ａは環状の固定磁極
２１の各突起２１ａに接近、対向、離間することになる
。

従って、気筒信号発生器９にあっては、第１シグナルロ
ータ１０の各突起１０ａが固定磁極１１に接近、対向、
離間するに伴い永久磁石１２から固定磁極１１に通流す
る磁束が変化するため第１信号コイル１３には該磁束変
化により第１シグナルロータ１０の１回転に６回の出力
電圧が発生する。

この出力電圧は第１波形整形回路３０ａにより波形整形
され、第１シグナルロータ１０の１回転に機関の各気筒
に対応した矩形波電圧（第６図ａに示す）が形成される
。

また、角度信号発生器１８にあって（よ第２シグナルロ
ータ１９の各突起１９ａが固定磁極２１の各突起２１ａ
に接近、対向、離間するに伴い永久磁石２３からプレー
ト２４、スペーサ２０、第２シグナルロータ１９、固定
磁極２１、及びベース２２に通流する磁束が変化するた
め、この磁束変化により第２信号コイル２６には第２シ
グナルロータ１９の１回転に３６０回の出力電圧が発生
する。

この出力電圧は第２波形整形回路３０ｂにより波形整形
され、第２シグナルロータ１９の１回転に機関の１度回
転に対応した３６０個の矩形波電圧（第６図すに示す）
が形成される。

ここで、この矩形波電圧、即ちクランク角度信号３５は
点火時期制御装置にもよるが、細分化するほど精度の高
い点火時期制御が行なえるため、機関の１度回転毎にク
ランク角度信号３５を１回発生させるのが好ましい。

即ち、機関の吸入工程から排気工程までのｌサイクルに
１度毎に３６０個のクランク角度信号３５を発生させる
。

ところで、配電器１内に２種の磁石発電機、即ち気筒信
号発生器９と角度信号発生器１８とを内蔵すれば、軸方
向距離が短いこともあって、気筒信号発生器９と角度信
号発生器１８とが磁性体の回転軸３等を介して互いに磁
気干渉するため気筒信号３４及び角度信号３５が乱れ、
これにより点火時期の精度が低下する恐れがあるが、本
実施例はこの問題点を解消する。

即ち、鉄板等の磁性板により製作された環状の磁気遮蔽
板７をハウジング２の開口側の環状受部２ａに嵌合して
固定し、しかも該内周端７ａを回転軸３の全周に微小空
隙を介して対向させて配電器１内を上部と下部とに実質
的に磁気分離する。

モして気筒信号発生器９のステータ１５を磁気遮蔽板７
の上部に設置すると共に第１シグナルロータ１０を回転
軸３に磁気遮蔽板７の上部に位置させて嵌着し、また角
度信号発生器１８は磁気遮蔽板７の下部に設置すると共
に第２シグナルロータ１９を回転軸３に磁気遮蔽板７の
下部に位置させて嵌着することにより気筒信号発生器９
の永久磁石１２の漏洩磁束は磁気遮蔽板Ｔを通流するた
め角度信号発生器１８の第２信号コイル２６には鎖交ず
、一方角度信号発生器１８の永久磁石２３の漏洩磁束も
また磁気遮蔽板７を通流するため、気筒信号発生器９の
第１信号コイル１３に鎖交せず、従って気筒信号発生器
８と角度信号発生器１８との磁気干渉は著しく軽減でき
、第１、第２信号コイル１３．２６にそれぞれ発生する
出力電圧は良好となる。

しかも、磁気遮蔽板７の上面に制御ユニット３０を設置
することにより装置が極めて小型に構成できる。

また、回転軸３を非磁性体により形成すれば、気筒信号
発生器９と、角度信号発生器１８との磁気干渉はより一
層軽減できる。

以上の通り、この考案は磁石式気筒信号発生器と磁石式
角度信号発生器とを回転軸に対し径方向の微少間隙を介
し対向した環状の磁気遮蔽板により磁気遮蔽し、しかも
磁気遮蔽板に装着された気筒信号発生器と角度信号発生
器とを磁気遮蔽板を介して軸方向距離を有する如く配設
しているため、磁石式気筒信号発生器と磁石式角度信号
発生器との磁気干渉が著しく軽減でき、安定した気筒信
号及び角度信号が得られ、更には磁気遮蔽板に′気筒信
号発生器と制御ユニットとを装着しているのでハウジン
グ内のスペースを有効に利用できる装置を小型に構成で
きるという実用的な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第２図は第
１図における気筒信号発生器９の平面図、第３図は第１
図における角度信号発生器１８の断面図、第４図は第２
シグナルロータ１９と固定磁極２１の平面図、第５図は
ブロック図、第６図は気筒信号３４と角度信号３５の波
形図である。 図において、１は配電器、２はハウジング、３は回転軸
、４はキャップ、５は中心電極、６は周辺電極、７は磁
気遮蔽板、７ａ、１０ａ、１９ａ、２１ａは突起、９は
気筒信号発生器、１０゜１９はシグナルロータ、１１．
２１は固定磁極、１２．２３は永久磁石、１３．２６は
信号コイル、１８は角度信号発生器、２２はベース、２
４はプレート、２７は配電ロータ、２９はロータ電極、
３０は制御ユニット、３３は遮蔽板である。 尚、各図中同一符号は同一部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転軸、この回転軸を回転可能に支承する配電器のハウ
   ジング、このハウジング内に設けられ機関の点火時期に
   対応した気管信号を発生する磁石式気筒信号発生器、上
   記ハウジング内において上記気筒信号発生器とは軸方向
   距離を介して配設され上記機関のクランク角に対応した
   角度信号を発生する磁石式角度信号発生器、上記各信号
   発生器からの各信号を受けて制御する制御ユニット、及
   び上記角度信号発生器と軸方向距離を介して対向すると
   共に上記回転軸と径方向に微少間隙を介して対向する如
   く上記ハウジング内周部に固着され、上記角度信号発生
   器の対向側とは反対側において上記気筒信号発生器と上
   記制御ユニットとを装着し、磁性体により形成された環
   状の磁気遮蔽板を備え、上記磁気遮蔽板により上記気筒
   信号発生器と上記角度信号発生器とを磁気遮蔽するよう
   にした機関信号発生装置。