JPS599097Y2 - 内燃機関用点火装置のパルスジエネレ−タ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内燃機関用点火装置のパルスジエネレー夕に
関する。

この種パルスジエネレータは一般に配電器内に設けられ
るもので、遠心進角機構により制御されるロータと、そ
の外周に配設され、真空進角機構により制御される環状
ステータと、両者間に磁束を形或するマグネットと、そ
の磁束と鎖交する関係に設けられたピックアップコイル
とを備えている。

上記マグネットとしては、一般にフエライトが用いられ
ているため耐衝撃性が低く、組立て時等に落としたりす
ると破損するおそれがあり、何等かの保護手段を講ずる
必要がある。

また組立て時には取付板上にピックアップコイルおよび
マグネット基板を載せ、そのマグネット基板上にマグネ
ットを固定ボルトにより固定すると共にピックアップコ
イルを取付板上に押圧固定しているので、組立て能率が
悪いという問題がある。

本考案は上記の点に鑑み、マグネットおよびマグネット
基板を合或樹脂製環状体に埋封してマグネットの保護を
図り、また環状体、ピックアップコイルおよび取付板を
組合せて１つのユニットを構威し、組立て能率の向上を
図り得るようにした前記パルスジエネレー夕を提供する
ことを目的とする。

以下図面により本考案の一実施例について説明すると、
第１図において１は配電器で、そのハウジング２はアル
ミダイキャスト製ハウジング本体３と合戊樹脂製キャッ
プ４とよりなり、そのキャツプ４はシール部材５を介し
てハウジング本体３に２本のねじ６（図には一方のみ示
す。

）により固定される。

ハウジング本体３の下部から突出する筒部７の上端開口
部および下端開口部にそれぞれ含油軸受メタル８，９が
嵌合され、それら軸受メタル８，９に筒部７内に挿入し
た軸１０が回転可能に支持される。

その回転軸１０の筒部７から突出する下端に、周面にヘ
リカルギャ１１を形或された筒体１２が嵌合され、ピン
１３により抜止め固定される。

ヘリカルギャ１１には図示しない内燃機関のカム軸等に
固定されたヘリカルギャが噛合され、これにより回転軸
１０はカム軸等より回転力を受ける。

回転軸１０の上部には中空軸１４の下部が回転可能に嵌
合支持され、その中空軸１４の上部にパルスジエネレー
タ１５が次のように構威される。

即ち、ハウジング本体３内周面に形或された環状段部１
６上に環状取付板１７が載置され、その取付板１７上面
に、各一対のフエライト等のマグネット１８およびマグ
ネット基板１９を重合して埋封した合或樹脂製環状体２
０が固定される。

その環状体２０の中心孔６０にはピックアップコイル２
２が嵌合される。

これら取付板１７、環状体２０およびピックアップコイ
ル２２の組立てについては後述する。

２３． ２４はピックアップコイル２２のリード線、２
５はピックアップコイル２２下面と取付板１７上面との
間に介装した弾性パッキンとしての環状ゴムパッキンで
ある。

ピックアップコイル２２の上方において、中空軸１４に
、内燃機関の気箇数に応じた突起部２６、図示例は４個
の突起部２６を有するロータ２７が嵌合固定され、その
周囲に環状ステータ２８が配設される。

そのステータ２８は内周面に４個の突起部２９を有する
内輪３０と、その外周にボール軸受３１を介して取付け
られた外輪３２とを備え、その外輪３２はハウジング本
体３内周面に形威された環状段部３３上に載置される。

取付板１７上の対向する位置に一対の非磁性カラー３４
（図には一方のみ示す）が位置決めされ、その内向きに
形或された切欠き部３５によって上記ステータ外輪３２
とカラー３４の干渉が防止される。

カラー３４には弾性押圧板３６を嵌めた非磁性固定ねじ
３７が嵌挿され、その固定ねじ３７をハウジング本体３
に螺合することにより取付板１７がカラー３４を介して
ハウジング本体３に押圧固定され、一方ステータ２８の
外輪３２が弾性押圧板３６を介してハウジング本体３の
段部３３上に押圧固定される。

ハウジング本体３の側面には、機関の吸気マニホールド
に接続される公知の真空進角機構３８が設けられ、その
ダイヤフラム（図示せず）により作動されるレバー３９
の一端がステータ２８の内輪３０にピン４０を介して連
結される。

取付板１７の下方において、ハウジング本体３内には公
知の遠心進角機構４１が設けられる。

その遠心進角機構４１は回転軸１０に固定され、且つ軸
受メタル８に面接触する保持板４２と、その保持板４２
に回転可能に取付けられた一対の重錘板４３と、中空軸
１４に固定されたカム板４４と、そのカム板４４上のピ
ン４５と保持板４２上のピン４６を連結する一対のコイ
ルばね４７を備える。

中空軸１４の上端部に配電用回転板４８が固定され、そ
の上面に配電用電極４９が取付けられる。

その配電用電極４９の基部にはキャップ４の中心電極５
０が接触し、一方先端部は回転板４８の周方に突出し、
キャップ４の４本の側電極５１に順次対向するように構
或される。

側電極５１の数は機関の気箇数に対応して設けられる。

次に第２、第３図により取付板１７と、マグネット１８
等を埋封した環状体２０と、ピックアップコイル２２と
の組立て関係について説明すると、環状体２０における
中心孔６０の一方、第２図において下部の開口部はコイ
ル挿入口６１とされ、他方、第２図において上部の開口
部には内向きに突出する抜止め突縁２１が形威される。

ピックアップコイル２２の両リード線２３． ２４はゴ
ム製グロメット５２の挿通孔６２に嵌通され、またその
グロメット５２の内端はコイルボビン６３の丁字形突起
部６４に抜止め的に係合されてコイルボビン６３に固定
される。

ピックアップコイル２２は環状体２０の中心孔６０にコ
イル挿入口６１より嵌合され、その際グロメット５２の
角軸部５３が環状体２０の下面に開口する切欠き溝５４
に嵌着される。

このようにピックアップコイル２２を環状体２０に回転
不能に位置決めした後、環状体２０のコイル挿入口６１
側の下面を取付板１７に重合し、またグロメット５２と
一体のゴムパッキン２５をコイルボビン６３と取付板１
７間に介装して環状体２０を４本のねじ５５により取付
板１７に固定し、取付板１７、環状体２０およびピック
アップコイル２２をユニット化する。

この場合コイルボビン６３はゴムパッキン２５の弾発力
により抜止め突縁２１に当接するので、ピックアップコ
イル２２の中心線方向の動きが阻止される。

このようにして得られたユニットは第１図に示すように
ハウジング本体３内へ設置される。

５６は固定ねじ３７の挿通孔である。

なお前記環状ゴムパッキン２５はグロメット５２と一体
に形或される。

次にこの実施例の作用について説明すると、カム軸等に
より回転軸１０および中空軸１４を介してロータ２７が
回転し、その各突起部２６がステータ２８の各突起部２
９に対向すると、′マグネット１８、ステータ２８、ロ
ータ２７、中空軸１４、取付板１７、マグネット基板１
９、マグネット１８の間に磁束が形或され、次いで各突
起部２６， ２９が食違うことによって上記磁束が変化
するのでピックアップコイル２２にパルス状の電圧が発
生する。

その電圧は各ノード線２３， ２４を介して配電器１外
部に設けられたイグナイタ（図示せず）に導かれ、それ
を点火コイルの一次側を遮断するように動作させるので
、これにより点火コイルの二次側に高電圧が発生し、そ
の高電圧は中心電極５０および配電用電極４９を介して
該当する側電極５１に分配され、点火プラグ（図示せず
）をスパークさせるものである。

この点火時期は、回転軸１０の回転が遠心進角機構４１
を介して中空軸１４に伝達されてロータ２７の回転速度
が早められるので、ロータ２７とステータ２８との各突
起部２６． ２９の対向から次の対向までの時間が短縮
されることにより進角される。

また真空進角機構３８によってステータ２８の内輪３０
が回転させられるので、これによっても点火時期が進角
される。

以上のように本考案によれば、ピックアップコイルのリ
ード線をグロメットの挿通孔に嵌挿してグロメットをコ
イルボビンに固定し、中心孔の一方の開口部をコイル挿
入口とし、他方の開口部に内向きに突出する抜止め突縁
を設けた合或樹脂製環状体にマグネットをマグネット基
板と共に埋封し、環状体の中心孔にコイル挿入口よりピ
ックアップコイルを嵌合すると共にグロメットを環状体
の切欠き溝に嵌着し、環状体のコイル挿入口側の面を取
付板に重合して環状体を取付板にねじにより固定すると
共にコイルボビンと取付板との間に弾性パッキンを介装
したので、環状体によりマグネットが保護され、また落
下等によりマグネットが破損するようなことがあっても
、それが環状体内に保持されるので何等不都合を生じる
ことがない。

また環状体、ピックアップコイルおよび取付板がユニッ
ト化されるので、その取付板を配電器のハウジング等に
取付けるだけで、マグネットおよびピックアップコイル
を所定の位置に配設することができ、したがってパルス
ジエネレータの組立て能率を向上させることができる。

さらに、ピックアップコイルに固定されるグロメットと
環状体の切欠き溝との協働によりピックアップコイルの
円周方向の動きを阻止し、また弾性パッキンの弾発力と
環状体の抜止め突縁の協働によりピックアップコイルの
中心線方向の動きを阻止するので、ピックアップコイル
を環状体の中心孔内に不動に保持し、ピックアップコイ
ルのがたつきを防止することかで゛きる。

さらにまた、ピックアップコイルを環状体より取外すこ
とができるので、ピックアップコイルの交換を容易に行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を適用した配電器の縦断正面
図、第２図はピツアツプコイル、環状体および取付板の
分解斜視図、第３図はその組立て後の平面図である。 １５・・・パルスジエネレータ、１７・・・取付板、１
８・・・マグネット、１９・・・マグネット基板、２０
・・・環状体、２１・・・抜止め突縁、２２・・・ピッ
クアップコイル、２３， ２４・・・リード線、２５・
・・弾性パッキンとしてのゴムパッキン、２７・・・ロ
ータ、２８・・・ステータ、５２・・・グロメット、５
４・・・切欠き溝、５５・・・ねじ、６０・・・中心孔
、６１・・・コイル挿入口、６２・・・挿通孔、６３・
・・コイルボビン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロータと、該ロータの外周に配設された環状ステータと
   、前記ロータと前記ステータ間に磁束を形或するマグネ
   ットと、該磁束と鎖交する関係に設けられたピックアッ
   プコイルとを備えた内燃機関用点火装置のパルスジエネ
   レータにおいて、前記ピックアップコイルのリード線を
   グロメットの挿通孔に嵌挿して該グロメットをコイルボ
   ビンに固定し、中心孔の一方の開口部をコイル挿入口と
   し、他方の開口部に内向きに突出する抜止め突縁を設け
   た合戒樹脂製環状体に前記マグネットをマグネット基板
   と共に埋封し、前記環状体の前記中心孔に前記コイル挿
   入口より前記ピックアップコイルを嵌合すると共に前記
   グロメットを前記環状体の切欠き溝に嵌着し、前記環状
   体の前記コイル挿入口側の面を取付板に重合して該環状
   体を該取付板にねじにより固定すると共に前記コイルボ
   ビンと該取付板との間に弾性パッキンを介装したパルス
   ジエネレー夕。