JPS6014935Y2 - 内燃機関用点火装置の配電器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 考案の目的 （１） 産業上の利用分野 本考案は、内燃機関用点火装置の配電器に関する。

（２）従来の技術 この種配電器としては、例えば特開昭５４−５０８０８
号公報に示されるようにハウジング内に示されるように
ハウジング内にけたパルスジェネレータが、遠心進角機
構により制御されるロータと、それの外周に配設されて
真空進角機構により制御されるステータと、その両者間
に磁束を形成するマグネットと、その磁束と鎖交する関
係に設けられたピックアップコイルとより構成され、前
記ピックアップコイルは、ステータに隣接してハウジン
グ内に固定されるコイル保持部材に支持され、前記真空
進角機構のケーシングは前記ハウジングに着脱可能に連
結され、また同真空進角機構の作動杆は、前記ケーシン
グより突出し且つ前記ハウジングの側壁を貫通して前記
ステータに連結される形式のものが知られている。

（３）考案が解決しようとする問題点 前記従来のものでは、ハウジング内にパルスジェネレー
タを組み立てた後においては、狭いハウジング内でステ
ータ内輪と真空進角機構の作動杆とをピン連結する作業
を行い辛い不具合があり、特にそのピン連結を確実にす
べくサークリップ等の抜止め部材を使用する場合には、
上記不具合が一層顕著となる。

本考案は上記不具合を解消し得る、内燃機関用点火装置
の配電器を提供することを目的とする。

Ｂ 考案の構成 （１）問題点を解決するための手段 本考案は、前記形式の配電器において、ステータは、前
記ハウジングに固定の外輪と、その外輪に回転可能に支
持される内輪とより構成され、前記内輪には、コイル保
持部材側に突出して前記作動杆の連結孔に係合し得るピ
ンが設けられ、前記コイル保持部材の、ステータとの対
向面には、前記作動杆に対向して前記連結孔の前記ピン
からの離脱を阻止し得るストッパ面と、前記連結孔及び
ピン相互の係脱を行うための空間とが隣接して形成され
、前記ケーシングは前記ハウジングに、前記作動杆を前
記ストッパ面に対向させるように連結されることを特徴
とする。

（２）作用 ハウジング内にパルスジェネレータを組み立てた後でも
、真空進角機構の作動杆はコイル保持部材の前記空間内
においてステータ内輪に容易にピン連結される。

さらに真空進角機構のケーシングをハウジングに連結し
てその作動杆をコイル保持材の前記ストッパ面に対向さ
せるだけで、ステータ内輪と作動杆とのピン連結状態が
、サークリップ等の抜は止め部材を使用せずとも確実に
保持される。

（３）実施例 以下、図面により本考案の一実施例について説明すると
、第１図において１は配電器で、そのハウジング２はア
ミダイキャスト製ハウジング本体３と合成樹脂製キャッ
プ４とよりなり、そのキャップ４はシール部材５を介し
てハウジング本体３に２本のねじ６により固定される。

ハウジング本体３の下部から突出する筒部７の上端開口
部および下端開口部にそれぞれ含油軸受メタル８，９が
嵌合され、それら軸受メタル８．９に筒部７内に挿入し
た軸１０が回転可能に支持される。

その回転軸１０の筒部７から突出する下端に、周面にヘ
リャルギャ１１を形成された筒体１２が嵌合され、ピン
１３により抜止め固定される。

ヘリャルギャ１１は図示しない内燃機関のカム軸等に固
定されたヘリャルギャが噛合され、これにより回転軸１
０はカム軸等より回転力を受ける。

回転軸１０の上部には、中空軸１４の下部が回転可能に
嵌合支持され、その中空軸１４の上部のパルスジェネレ
ータ１５が次のように構成される。

即ち、ハウジング本体３内周面に形成された環状段部１
６上に環状基板１７が載置され、その基板１７上面に各
一対のフェライト等のマグネット１８およびマグネット
基板１９を対向させて埋設した合成樹脂製の環状コイル
保持部材２０が固定される。

そのコイル保持部材２０の内周面と、そ上縁から内方へ
突出する突縁２１とによって形成された空間Ｓ内にはピ
ックアップコイル２２が嵌合保持され、これによりピッ
クアップコイル２２は上、下および周方に移動すること
が阻止される。

２３．２４はピックアップコイル２２のリード線、２５
はピックアツプコイル２２下面と基板１７上面とに介在
させた環状ゴムパツキンである。

ピックアップコイル２２の上方において、中空軸１４に
、内燃機関の気筒数に応じた突起部２６、図示例は４個
の突起部２６を有するロータ２７が嵌合固定され、その
周囲に環状ステータ２８がコイル保持部材２０に隣接し
て配設される。

そのステータ２８は内周面に４個の突起部２９を有する
内輪３０と、その外周にボール軸受３１を介して取付け
られた外輪３２とを備え、その外輪３２はハウジング本
体３内周面に形成された環状段部３３上に載置される。

基板１７上の対向する位置に一対の非磁性カラー３４（
図には一方のみ示す）が位置決めされ、その内向きに形
成された切欠き部３５によって上記ステータ外輪３２と
カラー３４の干渉が防止される。

カラー３４には、弾性押圧板３６を嵌めた非磁性固定ね
じ３７が嵌挿され、その固定ねじ３７をハウジング本体
３に螺合することにより基板１７がカラー３４を介して
ハウジング本体３の段部１６上に押圧固定され、一方ス
テータ２８の外輪３２が弾性押圧板３６を介してハウジ
ング本体３の段部３３上に押圧固定される。

ハウジング本体３の側面には、機関の吸気マニホールド
に接続される公知の真空進角機構３８が設けられ、その
ダイヤプラム（図示せず）により作動される作動杆３９
の先端がステータ２８の内輪３０の下面に突設したピン
４０に枢着される。

このステータ２８と作動杆３９との連結構造の詳細につ
いては後述する。

基板１７の下方において、ハウジング本体３内には公知
の遠心進角機構４１が設けられる。

その遠心進角機構４１は回転軸１０に固定され、且つ軸
受メタル８に面接触する保持板４２と、その保持板４２
に回転可能に取付けられた一対の重錘板４３と、中空軸
１４に固定されたカム板４４と、そのカム板４４上のピ
ン４２と保持板４２上のピン４６を連結する一対のコイ
ルばね４７を備える。

中空軸１４の上端部に配電用回転板４８が固定され、そ
の上面に配電用電極４９が取付けられる。

その配電用電極４９の基部には、キャップ４の中心電極
５０が接触し、−力先端部は回転板４８の周方に突出し
、キャップ４の４本の側電極５１に順次対向するように
構成される。

側電極５１の数は機関の気筒数に対応して設けられる。

ハウジング本体３の周壁には真空進角機構３８のケーシ
ング５２から突出する作動杆３９を挿通するための貫通
孔５３が形成され、その貫通孔５３の内側開口部に対向
し得るようにコイル保持部材２０上面には切欠き部５４
が形成される。

この切欠き部５４内の空間Ｓ工は、後述するように作動
杆３９先端の連結孔５７及びピン４０相互の係脱を行う
ために利用される。

またコイル保持部材２０には切欠き部５４に隣接する段
部が形成され、その段部の上面は、後述するように作動
杆３９の、ピン４０から下方への離脱を阻止するストッ
パ面５５に形成され、そのストッパ面５５には、一端が
前記空間Ｓ□に開口し且つ作動杆３９の作動ストローク
よりも長い凹溝５６が形成される。

ケーシング５２がハウジング２より分離された状態より
作動杆３９とステータ２８とを連結するにおいては、予
めステータ２８の内輪３０を回転させてそのピン４０を
上記空間Ｓ□内に位置させておく。

そして作動杆３９の、ケーシング５２より突出する先端
部を貫通孔５３を介して空間Ｓ□内に挿入し、その先端
部に軸線方向と直交する関係に長く形成された連結孔５
７を、鎖線示のようにピン４０にその下側より係脱可能
に係合する。

次いでケーシング５２を貫通孔５３の外側開口部端面に
当接させることにより、作動杆３９およびピン４０を介
して内輪３０を第３図時計方向または反時計方向に回転
させ、同時にピン４０の、作動杆３９からの突出部即ち
下端部５８を凹溝５６に移動可能に嵌入させて、作動杆
３９を前記ストッパ面５５に対向させることができる。

そしてケーシング５２を２本のねじ５９によりハウジン
グ本体３に固定すれば、作動杆３９とステータ２８との
ピン連結作業、及びケーシング５２とハウジング２との
連結作業が完了する。

尚、６０はケーシング５２と貫通孔５３の外側開口端部
との間に介装したゴム製シール部材、６１はコイル保持
部材２０を基板１７に固定するねじである。

上記のように作動杆３９の先端部に形成された連結孔５
７をピン４０に係合させると、作動杆３９の往復動によ
り内輪３０を時計または反時計方向にスムーズに回転さ
せることができ、またピン４０は真空進角機構３８の作
動時凹溝５６内をスムーズに往復動してストッパ面５５
と干渉することはないので、作動杆３９の円滑な作動を
阻害することはない。

さらに作動杆３９の下降限は前記ストッパ面５５によっ
て規制されるので同作動杆３９の連結孔５７がピン４０
から抜けるようなことはない。

ハウジング本体３の外周面には、略四角形の短筒部６２
が突設され、その内部にカップリング６３が取付けられ
る。

カップリング６３にはピックアップコイル２２の２本の
リード線２３．２４の各出力端子と、電源および点火コ
イル（図示せず）の−次側とをそれぞれ接続するリード
線６４．６５の各出力端子が抜止め的に取付けられ、各
出力端子にはカップリング６３に差込結合されたイグナ
イタユニット６６が接続される。

イグナイタユニット６６はトランジスタ等を内蔵し、パ
ルスジェネレータ１５により制御されて点火コイルの一
次側を断続するもので、保護カバー６７により覆われて
いる。

６８はピックアップコイル２２の各リード線２３．２４
をコイルボビンに固定するためのゴム製グロメット、６
９はハウジング本体３の内周面に対向された凹部で、各
凹部６９内には前記基板１７の各固定ねじ挿通用突出部
７０およびカラー３４が嵌合される。

次にこの実施例の作用について説明すると、カム軸等に
より回転軸１０および中空軸１４を介してロータ２７が
回転し、その各突起部２６がステータ２８の各突起部２
９に対向すると、マグネット１８、ステータ２８、ロー
タ２７、中空軸１４、基板１７、マグネット基板１９、
マグネット１８の間に磁束が形成され、次いで各突起部
２６．２９が食い違うことによって上記磁束が変化する
ので、ピックアップコイル２２にパルス状の電圧が発生
する。

その電圧はイグナイタユニット６６を点火コイルの一次
側を遮断するように動作させるので、これにより点火コ
イルの二次側に高電圧が発生し、その高電圧は中心電極
５０および配電用電極４９を介して該当する側電極５１
に分配され、点火プラグ（図示せず）をスパークさせる
ものである。

この点火時期は、回転軸１０の回転が遠心進角機構４１
を介して中空軸１４に伝達されてロータ２７の回転速度
が早められるので、ロータ２７とステータ２８との各突
起部２６．２９の対向から次の対向までの時間が短縮さ
れることにより進角される。

また、真空進角機構３８の作動杆３９によってステータ
２８の内輪３０がピン４０を介して回転させられるので
、これによっても点火時期が進角される。

Ｃ考案の効果 以上のように本考案によれば、ステータ２８は、ハウジ
ング２に固定の外輪３２と、この外輪３２に回転可能に
支持される内輪３０とより構成され、内輪３０には、コ
イル保持部材２０側に突出して真空進角機構３８の作動
杆３９の連結孔５７に係合し得るピン４０が設けられ、
コイル保持部材２の、ステータ２８との対向面には、前
記作動杆３９に対向して前記連結孔５７の前記ピン４０
からの離脱を阻止し得るストッパ面５５と、前記連結孔
５７及びピン４０の相互の係脱を行うための空間Ｓ１と
が隣接して形成され、真空進角機構３８のケーシング５
２は前記ハウジング２に、前記作動杆３９を前記ストッ
パ面５５に対向させるように連結されるので、ハウジン
グ２内にパルスジェネレータ１５を組み立てた後でも、
真空進角機構３８の作動杆３９を前記空間Ｓ０内におい
てステータ２Ｂの内輪３０に容易にピン４０連結するこ
とができる。

さらに真空進角機構３０のケーシング５２をハウジング
２に単に連結してその作動杆３９を前記ストッパ面５５
に対向させるだけで、前記作動杆３９とステータ内輪３
０との上記ピン連結状態を確実に保持することができる
から、その保持のためにピン４０にサークリップ、抜止
めピン等の抜止め部材を特別に装着する必要もなく、以
上の結果、真空進角機構３８の組付は作業や交換作業を
容易、的確に行なうことができると共に、作動杆３９と
ステータ２８とのピン連結に対する保持機構を簡素化し
てコストの低減及び作業性の向上に寄与することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断正面図、第２図はキャ
ップおよび配電用電極を取り外したハウジング本体の要
部を縦断した側面図、第３図はキャップ、ロータおよび
ステータを取り外したハウジング本体の平面図、第４図
は基板に取付けられた環状体、作動杆およびピンの関係
を示す斜視図である。 １・・・・・・配電器、２・・・・・・ハウジング、１
５・・・・・・パルスジェネレータ、１８・・・・・・
マグネット、２０・・・・・・コイル保持部材、２２・
・・・・ゼツクアツプコイル、２７・・・・・・ロータ
、２８・・・・・・ステータ、３０・・・・・・内輪、
３２・・・・・・外輪、３８・・・・・・真空進角機構
、３９・・・・・・作動杆、４０・・・・・ピン、５２
・・・・・・ケーシング、５５・・・・・・ストッパ面
、５６・・・・・・ガイド溝、５７・・・・・・連結孔
、５８・・・・・・突出部、Ｓ□・・・・・・空間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハウジング２内に設けたパルスジェネレータ１５が、遠
   心進角機構４１により制御されるロータ２７と、そのロ
   ータ２７の外周に配設されて真空進角機構３８により制
   御されるステータ２８と、その両者間に磁束を形成する
   マグネット１８と、その磁束と鎖交する関係に設けられ
   たピックアップコイル２２とより構成され、前記ピック
   アップコイル２２は、前記ステータ２８に隣接して前記
   ハウジング２内に固定されるコイル保持板２０に支持さ
   れ、前記真空進角機構３８のケーシング５２は前記ハウ
   ジング２に着脱可能に連結され、また同真空進角機構３
   ８の作動杆３９は、前記ケーシング５２より突出し且つ
   前記ハウジング２の側壁を貫通して前記ステータ２８に
   連結される内燃機関用点火装置の配電器において、前記
   ステータ２８は、前記ハウジング２に固定の外輪３２と
   、この外輪３２に回転可能に支持される内輪３０とより
   構成され、前記内輪３０には、前記コイル保持板２０側
   に突出して前記作動杆３９の連結孔５７に係合し得るピ
   ン４０が設けられ、前記コイル保持板２０の、前記ステ
   ータ２８との対向面には、前記作動杆３９に対向して前
   記連結孔５７の前記ピン４０からの離脱を阻止し得るス
   トッパ面５５と、前記連結孔５７及びピン４０相互の係
   脱を行うための空間Ｓ１とが隣接して形成され、前記ケ
   ーシング５２は前記ハウジング２に、前記作動杆３９を
   前記ストッパ面５５に対向させるように連結される、内
   燃機関用点火装置の配電器。