JPS6030110Y2 - 座席装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、小児や幼児を支持する背もたれ部に組込んだ
座席装置に関する。

〔従来の技術〕

従来の小児や幼児を支持するような装置としては、第１
図に示すような小児拘束装置が座席に取付けられて使用
されていた。

しかしながら、このように第１図に示すような小児拘束
装置は、座席の背もたれ部に取付けるためにバンガーが
ベルト等を利用するため、その取付けおよび取外しが煩
雑で著しく面倒な上、安全性の面でも満足できるもので
はなかった。

また、取外した後の置き場所も必要であるという煩しい
面もある。

さらに、このような小児拘束装置が常設されていると、
自動車への乗り降りにも邪摩となる欠点もあった。

第２図に示すような小児拘束装置においても同様な欠点
がある上、特に安全性の面で問題があった。

さらに別の従来例としては、実開昭５６−６４８２９号
公報に記載のものが知られている。

この従来例は背もたれ部の上半部における両側辺部と上
辺部とが一体の門形をなし、両側辺部の下部においてシ
ートバックフレーム側に回動自在に軸支されているとと
もに、シートバックの下半部の主体部分が、背もたれ部
たる位置とシートクッションとほぼ平行する位置との二
位置を選択的に占め得るよう、シートバックフレーム側
に軸支されているものである。

上辺部と両側辺部とからなる門形形状の部材は、前方に
倒されてほぼ水平状態になったときロック用ノブにより
ロックを図り、また上方に持上げたときにシートバック
の主体部と一体となるようにロック用ノブでロックが図
られるものである。

そして、上辺部は両側辺部に対し上下に昇降可能な如く
構成されている。

〔解決しようとする問題点〕

上述した実開昭５６−６４８２９号公報に記載の従来例
においては、特別の装置をシートとは別個に取付けたり
取外したりする必要はなくなり、不使用時には通常の大
人が着座するに足る形状を保ち、小児を乗せる時には両
側部と上辺部および主体部を前方に引き倒して小児の安
全を図ることができるようになっている。

しかしながら、このような装置は、ヘッドレストを設け
ることを前提にはしておらず、−歩進んだ安全対策が施
されてはいない。

また、両側部および上辺部を起立させた状態においても
かつ前方に引き倒した状態においてもロック用ノブを用
いてそれぞれの位置におけるロックを図らなければなら
ないものであり、ロックのための機構が不可欠なもので
あった。

そこで本考案は、より簡単な機構でしかもより進んだ安
全手段を施した座席装置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上述の目的を遠戚するため、本考案は、背もたれ部の両
側辺部と上辺部とが一体の門形をなした支持枠に形成さ
れ、この支持枠の両端部が背もたれ部の両側部に回動自
在に取付けられた座席装置において、支持枠の上辺部に
ヘッドレストのステーが貫通される孔を形成するととも
に、この支持枠の上辺部と密接する背もたれ部の上辺部
にもこの孔から貫通されてきたステーを挿通するための
孔を形成し、支持枠を前方に回動させ大略水平にした状
態において背もたれ部との間にＵ字状の空間を形成する
ものである。

〔作 用〕

本考案の装置によれば、通常大人が着座しようとすると
きには、門形の支持枠を起立させ、この支持枠の孔およ
び背もたれ部の孔にヘッドレストのステーを挿通してお
くことにより、支持枠力知ツタされる。

また、小児が着座するときには、ヘッドレストを抜取り
、支持枠を前方に倒してほぼ水平状態にしたならば、背
もたれ部の孔にヘッドレストのステーを差込む。

〔実施例〕

以下に本考案の好適な実施例を第３図以下の図面に基い
て説明する。

背もたれ部１の外周側に沿って門形の支持枠２が形成さ
れこの支持枠２の両端部すなわち雨下端部はピン３によ
って背もたれ部１の両側部に回動自在に取付けられてい
る。

第３図に示す状態においては、背もたれ部１の両側辺部
と上辺部とが斜体の門形をなした支持枠２となり、背も
たれ部１とこの支持枠２とが全体で背もたれ部を構成し
ている。

支持枠２の上辺部にはヘッドレスト４のステー５，５を
貫通するための孔２ａが形成されているとともに、背も
たれ部１の上辺部にも支持枠２の孔２ａから貫通されて
きたステー５，５を挿通するための孔１ａが形成されて
いる。

従って、支持枠２は特別なロック機構は必要とせず、孔
２ａを貫通するヘッドレスト４のステー５，５によりロ
ックが図られる。

従って、ヘッドレスト４を抜取った状態では、前方にも
後方にも回動可能なように構成してもよい。

例えば、この座席を後部座席一杯まで後退させ、支持枠
２を後方に倒し後部座席上で小児が進行方向後側を向い
た恰好で着座することも可能となる。

そしてこのように構成された座席装置において、ヘッド
レスト４を第４図に示すように上方に引抜けば、支持枠
２は第５図のように前方に大略水平に引き倒すことがで
き、これにより背もたれ部１と支持枠２との間にＵ字状
の空間が形成されるので、ここに小児を座らせるように
すれば小児は安全に支持される。

ピン３の回動個所において支持枠２が前方若しくは後方
に倒れたときにはそれぞれほぼ水平状態で止るような受
は具を設けておけばよく、特別なロック機構は不要であ
る。

また、この場合において、第６図に示すように、背もた
れ部１の上辺部に形成された孔１ａにヘッドレスト４を
挿入し、しかもこのとき、背もたれ部１に形成された孔
１ａの径を大きくしておけば、ヘッドレスト４のステー
５はその基端部まで挿入され、小児の頭部に適した高さ
にすることもできる。

またこの支持枠２が不要であったり、大人がこの座席に
座るような場合には、支持枠２を上方へ回動し起立させ
て、第４図に示すように背もたれ部１の外周側に沿って
嵌合させれば、これにより背もたれ部の一部が構成され
るとともに、さらに第３図に示すようにヘッドレスト４
をその上から取付ければ支持枠は固定されることは前述
のとおりである。

〔効 果〕

以上説明したように、本考案によれば、支持枠の上辺部
にヘッドレストのステーが貫通される孔を形成するとと
もに、この支持枠の上辺部と密接する背もたれ部の上辺
部にもこの孔から貫通されてきたステーを挿通するため
の孔を形成し、支持枠を前方に回動させ大略水平にした
状態において背もたれ部との間にＵ字状の空間を形成し
たものであるから、特別なロック機構は全く不要であり
、ヘッドレストのステーが支持枠の孔および背もたれ部
の孔に貫通されることによりロックは図られる。

しかも、本考案によれば、大人が着座するときでも、小
児が着座するときでもヘッドレストを取付けることがで
きてより一層安全性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の座席装置を示す斜視図、第３
図は本考案の好適な実施例を示す斜視図、第４図ないし
第６図は作動状態を説明するための斜視図である。 １・・・・・・背もたれ部、２・・・・・・支持枠、４
・・・・・・ヘッドレスト、５・・・・・・ステー、１
ａ・・・・・・孔、２ａ・・・・・・孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 背もたれ部の両側辺部と上辺部とが一体の門形をなした
   支持枠に形成され、この支持枠の両端部が背もたれ部の
   両側部に回動自在に取付けられた座席装置において、 支持枠の上辺部にヘッドレストのステーが貫通される孔
   を形成するとともに、 この支持枠の上辺部と密接する背もたれ部の上辺部にも
   この孔から貫通されてきたステーを挿通するための孔を
   形成し、 支持枠を前方に回動させ大略水平にした状態において背
   もたれ部との間にＵ字状の空間を形成することを特徴と
   する座席装置。