JPS6030044B2 - 改良された異方導電性ゴムシ−トの製造法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は改良された異方導電性ゴムシート、特に所定の
電気的導適性を再現性よく、確実に示し、繰返し圧縮に
よりその電気的導通性が低下しない異方導電性ゴムシー
トに関する。

従来、多数本の導電性線条がシート面に対して実質的に
垂直方向に配向した異方導電性ゴムシートは電気的接点
を著しく小さくし、振動などによる外力に対する電気的
接続の安定性にすぐれてし、るなど多くの特徴を有する
ため電子時計、電卓などの精密小型機器、各種電気的検
査、計測器、スイッチなど多くの分野で注目され、電気
コネクターとして広く利用されている。

しかしながら、たとえば検査治具のように異方導電性ゴ
ムシートの片側に被検査回路用の電極群を配置し、それ
に対応する他の側に検査用電極端子群をセットし、相互
に圧着して、電極群間で独立かつ同時に電気接続を行い
、被検査回路を電気的に検査する治具においては、異方
導電性ゴムシート面は多数回の繰返し圧縮を受けるが、
従来の異方導電性ゴムシートはくりかえし使用時に電気
的接続の確実性が失われ易く、１ぴ回程度の比較的少な
い繰返し圧縮によっても導通性が明瞭に低下するという
欠点があった。本発明に近似した公知例としては特開昭
４７一３９２６号公報が存在する。この技術はまず型枠
に空洞を形成しておき、この空洞に導電性の弾性部材を
注入して硬化し、次いで型枠を除去し、導電性の弾性部
材間にェラストマ−を注入するという方法である。しか
しながらこの方法は製造工程が複雑で、生産効率が悪く
、また高品位な製品を得ることが困難であった。本発明
者らは上記異方導電性ゴムシートの欠点を改良するため
鋭意検討を行って本発明を見出すに到ったものである。

すなわち、本発明の目的とするところは電気的接続が確
実で、繰返し圧縮による導通性の低下が少ない。

特に回路基板検査用として有用な異万導電性ゴムシート
を提供するにある。すなわち本発明方法は、強磁性の導
電性線条を分散せしめたゴム原液を流延、成形して液状
のシートを作成し、このシートをそのシートの面に対し
て垂直方向に作用する磁界に導いてシート中に含有され
る導電性線条をシートの厚さ方向に配向させ、次いで該
液状シートをプレスし、シート中の導電性線条が弧状に
掠められた状態でゴムを硬化せしめることを特徴とする
改良された異方導電性シートの製造法である。

本発明においてはゴムシート中に含まれる導電性線条が
弧状に榛められた状態で保持されている点に特徴を有す
る。

第１図は本発明による異方導電性ゴムシートの１例を示
す模式断面図であり、図において１は電気絶縁性ゴム、
２は導電性線条であり、図から判るように電気絶縁性ゴ
ムー中に一体に結合保持された導電性線条２は弧状に榛
められた状態でシート面に対して実質的に垂直方向に配
列しているから、該線条の反撲力によって導電性線条の
末端はシート面に露出し易く、電気的接続の確実性が著
しく増大するのである。したがって、電極端子との接触
が確実であり、かつ線条中に過大な圧縮応力が発生しな
いので、線条に疲労破壊が生じにくく回路基板用コネク
タ−のように繰返し圧縮の著しい用途において、極めて
有用であり、少くとも１び回以上の繰返し圧縮によって
導適性が低下乃至変化することがないのである。ここで
本発明に用いられる電気絶縁性ゴムとしては公知の異方
導電性ゴムシートに用いられているものであればよく、
たとえばシリコーンゴム、ウレタンゴムなどを例示する
ことができ、また導電性線条としては、たとえば鉄やニ
ッケルあるいはある種の合金からなる強磁性金属紬線を
例示することができる。

導電性線状としては銅線、炭素繊維、ガラス繊維などの
非磁性線条をニッケルの如き磁性金属で被覆したものを
用いることもできる。電気的特性を向上させる為にこれ
らの線状の表面をさらに金や銀の如き安定な金属で被覆
することは好ましい。あるいは線条とマトリックスゴム
との接着力を高める為に線条表面にある種の化学的処理
たとえばプライマ−処理を行なうこともできる。該導電
性線条は第１図から判るようにその長さがゴムシートの
厚さより長く、かつ弧状に操められていることが必要で
ある。すなわち導電性線条の長さがゴムシートの厚さよ
りも短かければ、該線条が轡曲したことによるゴムシー
ト表面への露出効果が十分に発揮されず、電気的接続の
確実性が増大しないし、また該線条が最初から弧状に曲
つているのみであって、いわゆる操められた状態になけ
れば線条の反撲力が弱く、同様に電気的接続の確実性は
十分向上しないのである。次に前記本発明の異方導電性
ゴムシートの製造法としては各種の方法が考えられるが
、所定の品質、性能のものを工業的に製造するには次の
方法が有利である。第２図、第３図を用いてこれを説明
すると第２図に示すように所定の長さにカットされた導
電性線条２を液状のゴム原液１中に配合し、均一に分散
させ、この導電性線条２を含有するゴム原液を液状のま
まシートに流延又は適当な枠内に流し込み、これを電磁
石４と共に１つの閉磁路を形成している磁界に導入し、
磁気作用によってゴム原液中の導電性線条２をシート面
に対して実質的に垂直方向に配列させる。次いで第３図
に示すように導電性線条２を実質的に垂直方向に保って
一対の圧縮板３，３′によりゴムシートを、シートの厚
さが線条２の長さより小さくなるように圧縮板３，３′
の間隔を保ってゴム原液１を硬化せしめ、ゴムが完全に
硬化したのち、シートの圧縮を止め、シートを取出すこ
とにより製造することができる。ここで重要なことはゴ
ム原液中の導電性線条を磁界の作用で配向ごせたまま、
該線条の長さよりもゴムシートの厚さが小さくなる迄圧
縮し、ゴムを硬化せしめることであり、このような条件
を採用することによって本発明の目的とする異方導電性
ゴムシートを得ることができる。磁界におけるゴム原液
の圧縮の程度は導電性線条の種類、配合量などにより異
なるが、予備実験により容易に決定することができる。
本発明方法は生産効率を極めて向上するとともに、耐く
りかえし圧縮性が著しく優れ電気導通の正確応答性に優
れるという顕著な効果を奏する。

その理由は、重合液中で磁力を用いて導電性線状を配向
させることができるので、製造工程は簡略化でき、また
金属線を用いることができるので耐くりかえし圧縮性が
著しく優れ電気導通の正確応答性に優れるからである。
以下実施例により本発明の効果をさらに具体的に説明す
る。

実施例 １ 長さが１．００脚に切り揃えられた直径１２仏のステン
レス紬線を低温硬化型シリコーンゴム中に混合し、第３
図に示す装置を用いて異方導電性ゴムシートを作成した
。

この場合、最終段階の金型面間隔をＡ＝０．８０柳およ
びＢ＝１．０２側の２つの水準に設定して紬線が孫めら
れたシートＡと細線が真直ぐなまま保持されているシー
トＢを作成した。導通線密度は場所により若干バラッキ
があるが、平均５本／桝であった。このシートＡおよび
Ｂを直径２側の電極面を有する２つの銅電極の間にはさ
み、くり返し圧縮を行ない、圧縮回数と導通抵抗の関係
をしらべた。

結果を第１表に示す。本発明になるシートＡはシートＢ
に〈らべて耐くり返し圧縮性が著しく優れていることが
わかる。第１表 圧縮圧力：３ｋｇ／の（抵抗測定時、サイクル加圧時共
）圧縮サイクル：加圧公ｅｃ 放圧本ｅｃ

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の異方導電性ゴムシートの１例を示すゴ
ムシ−トの断面図、第２図は本発明の異方導電性ゴムシ
ートの製造に用いられる装置の１例を示す断面図および
第３図は同じく該装置のゴムシートの圧縮成形部分を示
す拡大断面図である。 外１蜜 ＸＺ囚 久ａ凶

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 強磁性の導電性線条を分散せしめたゴム原液を流延
   、成形して液状のシートを作成し、このシートをそのシ
   ートの面に対して垂直方向に作用する磁界に導いてシー
   ト中に含有される導電性線条をシートの厚さ方向に配向
   させ、次いで該液状シートをプレスし、シート中の導電
   性線条が弧状に撓められた状態でゴムを硬化せしめるこ
   とを特徴とする改良された異方導電性シートの製造法。 ２ ゴムがシリコーンゴム、またはウレタンゴムである
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の改良され
   た異方導電性シートの製造法。３ 強磁性の導電性線条
   が金属細線であることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の改良された異方導電性シートの製造法。 ４ 金属細線の表面に金または銀が被覆されていること
   を特徴とする特許請求の範囲第３項記載の改良された異
   方導電性シートの製造法。