JP2001185261A - 異方導電性シート - Google Patents

異方導電性シート

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JP2001185261A JP2000321538A JP2000321538A JP2001185261A JP 2001185261 A JP2001185261 A JP 2001185261A JP 2000321538 A JP2000321538 A JP 2000321538A JP 2000321538 A JP2000321538 A JP 2000321538A JP 2001185261 A JP2001185261 A JP 2001185261A
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秀之 土井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導通抵抗が小さく、かつ、小さい
圧縮変位から良好な電気接続が達成できる異方導電性シ
ートを提供する。 【解決手段】 絶縁性高分子材料を母材とし、絶
縁部とこの絶縁部により囲まれた複数の導電部とからな
り、前記導電部はシートの厚さ方向に配列した導電性強
磁性粒子の集合体からなり、該集合体の最小幅が10m
m未満であり、シート表面側から見た該集合体における
前記導電性強磁性粒子の集合密度が均一かつ密になって
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICおよびプリン
ト回路基板の検査治具、あるいは実装用ICソケットお
よびプリント回路基板用コネクタ、あるいはその周辺部
におけるICカード用コネクタなど、特に微細な多点電
気接続を達成するために用いられる異方導電性シートに
関するものである。
【0002】本発明の異方導電性シートは、厚み方向に
良好な導電性および加圧導電性を有しており、それぞれ
の特性別に好適に用い得る技術分野をさらに詳しく説明
すれば、以下のようである。
【0003】(特に良導電性を利用する分野) 1) IC、LSI、MCMなどの集積回路の電気接続
用ソケット、特に、BGA用ソケット 2) LCDパネル用コネクタ 3) プリント回路基板の実装用コネクタ 4) PCカードの端子およびコネクタ 5) 異方導電性接着シート、異方導電性接着テープ、
異方導電性粘着シート、異方導電性粘着テープ 6) IC検査、プリント回路基板検査用のシート状探
針 (特に加圧導電性を利用する分野) 7) 感圧スイッチ、リミットスイッチ、キーボード 8) 感圧ボリューム、鍵盤、座標入力装置、ジョイス
ティック 9) 感触センサ 10) 圧力分布測定センサ
【0004】
【従来の技術】従来、前述のような技術分野に用いられ
ている異方導電性シートは、厚さ方向にのみ導電性を有
するもの、または、加圧されたときに厚さ方向にのみ導
電性を示す多数の加圧導電性導電部を有するものであ
り、種々の構造のものが、例えば、特公昭56−489
51号公報、特開昭51−93393号公報、特開昭5
3−147772号公報、特開昭54−146873号
公報、特開平7−105741号公報、米国特許第4,
292,261号公報などにより、知られている。
【0005】以下に、従来の異方導電性シートとその製
造方法の概略を説明する。
【0006】異方導電性シートを表面から見ると、図1
および図2に示すように、例えば、シリコーンゴムから
なる厚さ1mm程度のシート1に、多数の導電部2が島
状にあるいは帯状に形成されている。シートの断面を拡
大して模式図としたものを図3に示す。図3において、
導電部2は、例えば、ニッケルの粒子がシートの厚さ方
向に連続して連なった粒子列が複数個集合して形成され
たものである。このシートは、厚さ方向には導電性を有
するが、面方向には導電性を有しないので、異方導電性
シートと呼称されている。
【0007】このような異方導電性シートの製造方法を
図4により説明する。一対の電磁石の磁極3と4との間
に強磁性体からなる金型5(上下一対からなる)を置
く。金型5と成形用スペーサ6とで取り囲まれた空間
(室;成形空間)に、液状のシリコーンゴムにニッケル
粒子を混合したもの(成形材料7)を入れ、磁場をかけ
ると、ニッケル粒子は一対の磁極部M間で磁場の方向に
整列する。前記の空間(室)は、厚さ約1mmの平板状
であり、この空間でシートを成形する。この状態で液状
シリコーンゴムを加熱して硬化させると、異方導電性シ
ートが出来上がる。図4では、金型5は、金型基板8と
磁極部Mおよびこれら磁極部Mの周辺を埋める非磁性体
部Nからなっている。非磁性体部Nは、例えば、エポキ
シ樹脂やフェノール樹脂などの耐熱性樹脂からなってお
り、磁極部Mと非磁性体部Nとの表面は、通常、同じ水
平面からなっている。非磁極部Nと磁極部Mがあると
き、磁場をかけると、導電性強磁性粒子(例えばニッケ
ル粒子)が磁極部Mに集中するので、シート面側から見
ると、導電部2が磁極部Mの形に合わせて島状あるいは
帯状に形成される。
【0008】非磁極部Nが無く、平らな表面全面が磁極
部Mの金型を用いた場合にも、導電性強磁性粒子はやは
り厚さ方向に整列し、面方向にはランダムに均一に薄く
分布するので、厚さ方向にのみ導電性を有する異方導電
性シートが得られる。この場合、シート面全体にわたり
導電性を有するが、導通抵抗は高い。
【0009】これに対して、図1、図2に示した異方導
電性シートは、導電部2が島状あるいは帯状になってお
り、この部分は導電性強磁性粒子が局在し、より高密度
になっているので、導通抵抗が小さい。
【0010】本発明は、後者のタイプ(図1、図2)の
異方導電性シートの導通抵抗をさらに小さくしたものに
関する。なお、異方導電性シートには、シート材料のゴ
ム弾性による加圧導電性を利用したものと、単に良導電
性を利用するものとがあるが、基本構成は同じであり、
本発明においても一方に限定するものではない。
【0011】以上に説明した異方導電性シートの製造技
術は、特開昭54−146873号公報に記載されてい
る。異方導電性シートに関する特許はその後も公開され
ているが、製造技術の基本的なことは、特開昭54−1
46873号公報を越えるものではなかった。
【0012】なお、前記の例では、異方導電性シートに
おける導電部2と絶縁部とが同じ水平面に形成されたも
のであるが、特開平7−105741号に記載されたも
の、すなわち、異方導電性シートの導電部が絶縁部の面
から凸状に少し盛り上がった形状であってもよい。ま
た、凹状にへこんだ形状であってもよい。
【0013】ところで、従来の異方導電性シートの導通
抵抗は、導電性粒子のみからなる集合体の抵抗値から期
待される値よりもかなり大きくなっており、この導通抵
抗をより一層小さくすることが望まれているのが現状で
ある。
【0014】特開昭54−146873号公報で代表的
に示される従来技術で製造した異方導電性シートの導電
部を顕微鏡で観察した結果を、模式図として、図5、図
6、図7に示す。シート面から見た導電部の拡大模式図
である図5(a)と、導電部の中央部のシート厚さ方向
の断面の拡大模式図(磁極部も示す)である図5(b)
に示すように、導電性強磁性粒子11がシートの厚み方
向に配列して導電性強磁性粒子列12を構成しており、
これら粒子列12によりシート厚み方向の導電性が実現
されている。しかし、これら粒子列12は、所望の位置
(対向する磁極部MとMで挟持されている部分)、すな
わち、導電部2に均等に存在するのではなく、縦断面構
造では、図5(b)に見るように、鼓型に集合してお
り、磁極部Mの表面近傍、すなわちシート表面における
集合状態は、図5(a)に見るように、中心部が疎にな
っていた。また、従来の異方導電性シートは、図7
(a)に示すように、導電部2内において粒子列11が
部分的に小さい集団を作り、小集団が複数個不均一に集
まって導電部2を形成したものがあった。このような導
電性強磁性粒子11の集合状態が、従来のシートにおい
て、導電部2の導通抵抗をより小さくすることができな
い原因になっているものと思われる。従来の異方導電性
シート10の導通抵抗値では、このシート10をソケッ
トあるいはコネクタのような電子回路の実装用に用いる
には、不充分であった。また、従来の異方導電性シート
10では、前述のように、導電性を付与したい導電部2
において、導電性強磁性粒子11が密に均一に集合して
おらず、いわば、その周縁部分に広がった状態になって
おり、隣接した導電部との間の距離が接近し、短絡する
場合が生じるので、隣接した導電部2、2間の間隙(以
下、磁極ピッチと記す)をさらに狭くすることができ
ず、シート10の所定面積における導電部2の密度をよ
り高くすることができないでいる。さらに、同様の理由
により、磁極ピッチを越える厚さ寸法のシートの成形が
できないでいる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
事情に鑑みてなされたもので、その第1の課題は、ソケ
ットあるいはコネクタのような電子回路の実装用に用い
ることができる程度に導通抵抗が小さい異方導電性シー
トを提供することにある。また、本発明の第2の課題
は、その導電部の中心部にまで導電性強磁性粒子を密に
局在させた異方導電性シートを提供することにある。本
発明の第3の課題は、隣接した導電部2の中心間距離
(磁極ピッチ)が極めて小であり、かつ導電部相互は電
気的に絶縁されており、導電部以外の部分には導電性粒
子が実質的に存在しない異方導電性シートを提供するこ
とにある。さらに、本発明の第4の課題は、小さい圧縮
変位から良好な電気接続が達成できる加圧導電型の異方
導電性シートを提供することにある。さらにまた、本発
明の第5の課題は、厚さ寸法の大きな異方導電性シート
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、前記課題
を解決するために、鋭意研究を重ねたところ、以下のよ
うな知見を得るに至った。
【0017】従来の異方導電性シートの導電部における
導電性強磁性粒子の集合状態が均一でない原因は、異方
導電性シートを成形する金型において、磁場の強度分布
が、図5(c)に示すように、磁極部Mの周縁部分で極
大になっているためである。さらに、従来の異方導電性
シートおよびその製造金型として、図6(a)(b)、
図7(a)(b)に示す構造のものについても考察し
た。図6の異方導電性シートでは、導電部2における導
電性強磁性粒子11の分布状態が、磁極部M間のみに局
在されず、周辺にも磁性導電性粒子11′が残ってい
る。図7の異方導電性シートでは、図7(b)で製造し
たシートを上側から見たとき、磁性粒子は図7(a)の
ように凝集したものが隙間をもって不均一に分布してい
る。また、シートを下側から見たとき、シートの一方の
表面近傍において中心部に疎な部分が生じている。
【0018】磁場中の強磁性粒子に働く力は、強磁性粒
子が存在する位置における磁場強度と磁場勾配との積に
比例し、磁場勾配が磁場分布の極大の位置で符号を変え
る。したがって、磁場分布の極大の周辺に存在する強磁
性粒子は極大の位置に向かう力を受ける。すなわち、磁
場強度分布の極大が存在すると、強磁性粒子は極大の位
置に局在する。
【0019】図5に示した導電部2における強磁性粒子
11の鼓型集合形状は、次のように説明される。磁極表
面に近い面上の磁場分布には、磁極周縁の位置に極大が
存在するので、強磁性粒子11は磁極周縁の位置に局在
する。そこで、異方導電性シート10の導電部2を表面
から観察すると中央部分に強磁性粒子11の疎な部分が
存在する。一方、対向磁極間中央位置の水平面では、磁
極周縁位置にあった極大が消えて磁極中央位置に極大が
現れるので(図12参照)、強磁性粒子11は磁極中央
位置を中心に局在する。両者の中間の面上の磁場分布形
状は、両者の磁場分布形状の間を連続的に変化するの
で、強磁性粒子の局在半径も連続的に変化し、鼓型形状
をなす強磁性粒子分布を構成する。
【0020】図6に示したシートは、磁極部Mの径を細
くした場合で、導電部2は中央部分まで導電性強磁性粒
子11が密に存在するが、隣接導電部との間には局在さ
れない導電性強磁性粒子11′が残る。このような粒子
11の集合形状は、次のように説明される。図5の場合
と同様に磁極表面に近い面上の磁場分布には磁極周縁の
位置に極大が存在するが、磁極径を細くしたことによ
り、磁極周縁の極大位置が接近し、磁極中央部の磁場強
度が増大し平坦に近づくので、対向する磁極部M−M間
に存在する導電性強磁性粒子を磁極周縁部に局在させる
力が減少し、磁極周縁に外側から局在しようとする粒子
の圧力で磁極中央位置まで導電性強磁性粒子11が押し
込まれたものと説明される。また、磁極径を細くしたこ
とから、隣接磁極間に磁場強度も磁場勾配も小さい領域
が増加し、その領域に存在する導電性強磁性粒子11に
働く力が弱く、局在できない粒子が残る。
【0021】図7の場合は、特開平7−105741号
公報に記載されているように、異方導電性シート10の
導電部2が凸状に成形された異方導電性シートであり、
磁極部Mより小さい開口部を持つ絶縁性シートPを当て
て成形空間を構成している。このシートの金型では、凸
状の径に比べて磁極部Mの径が大きく、凸状部分の位置
には磁場強度分布の極大が無く、磁極周縁よりも内部の
位置の磁場強度分布は一定に近いので、導電性強磁性粒
子11は、上下方向に鎖状に連なって列を作るが、列が
集合する力は弱いので小集団が不均一に分布する。この
導電性強磁性粒子11の分布形態は、非磁性体部Nのな
い全面が平らな平面の磁極部の金型によって成形された
異方導電性シートの導電性粒子の分布形態に類似してい
る。
【0022】このように、従来の異方導電性シートにお
いて、導電部の中心部まで均一かつ密に導電性強磁性粒
子が集合されない原因が、異方導電性シートを成形する
従来の金型において、磁場強度分布のZ軸成分が、図5
(c)に示すように、小磁極の周縁部分で極大になって
いることにあること、このような磁場強度分布形状を支
配する主な因子が金型の小磁極の形状であることが、解
った。
【0023】この因子と導電部の形状との関係を明確に
するために、磁極部の縦断面形状(磁極面に垂直な断
面)が、図8(矩形;従来の金型)、図9(先端の角を
丸めた断面矩形状)、図10(先端部を半円形にしたも
のの先端を水平に切り取った形状)、図11(先端部が
半円形)の4種類の形状を有する一対のモデル金型(上
型と下型)を作り、このモデル金型を磁石による上下方
向の外部磁場の中に置いて、金型内の磁場強度分布のZ
軸成分(上下方向の成分)を測定した。測定に用いたモ
デル金型の寸法は、磁極幅、磁極高さ、磁極ピッチ、上
型磁極表面と下型磁極表面との間の間隔(以下、単に対
向磁極間隔と記す)は、形状に関わらず一定とし、それ
ぞれ、10mm、10mm、20mm、10mmとし
た。また、磁場強度分布の測定の位置は、対向磁極間隔
の5%、15%、25%、45%、下型磁極表面から離
れた4つの面上とし、磁場センサーとしてホール素子を
用いて走査測定した。それぞれの測定結果を、図12、
図13、図14、図15に示す。また、測定結果をここ
には示さないが、さらに断面尖塔状、断面台形状、先端
を円形とした断面台形状の磁極に付いても同様な測定を
行った。
【0024】これらの一連の測定結果から以下のことが
明らかになった。(1) 図8に示した従来の金型と同
じ磁極形状である断面矩形状磁極では、図12に示すよ
うに、金型の下側磁極表面から対向磁極間隔の5%離れ
た面上(a)の磁場強度分布が磁極の周縁で急峻に極大
になること。15%の面上(b)では前記位置の極大が
緩らかな極大に変化し、25%(c)および45%
(d)の面上では前記位置の極大が消えて磁極中央の位
置に新たな極大が現れること。これらの知見から、従来
の金型で成形された異方導電性シートの導電部の導電性
強磁性粒子の多様な局在形態図(図5、6、7)が説明
される。(2) 図9に示した、断面形状が先端の角を
丸めた矩形形状の磁極(水平直線部分60%、丸め部分
両側20%)では、図13に示すように、磁極表面から
対向磁極間隔の5%離れた面上(a)の磁場強度分布の
極大が、断面矩形状磁極の場合の磁極周縁の位置から、
先端角を丸めた分、すなわち、磁極表面が平面から曲面
に移る位置に移動し、磁極周縁部の磁場勾配が緩やかに
なっている。また、ピークの高さが減少し、中央部の磁
場強度が増大している。15%の面上(b)では前記極
大が消えて平坦化し、25%および45%の面上では磁
極中央の位置に新たな極大が現れている。このような矩
形磁極の角を丸めることによる磁場分布形状の変化は、
さらに丸め部分を大きくしていくと、その極限の磁極形
状である、丸め部分が両側50%で水平直線部分の無い
磁極、すなわち断面形状が先端部半円形の磁極の磁場分
布(図15)まで連続的に変化する。(3) 図10に
示した、断面形状が先端部半円形の磁極の先端の一部を
前記磁極面に平行な直線状(最大水平幅の30%)とし
た磁極では、図14に示すように、磁極表面から対向磁
極間隔の5%離れた面上(a)の磁場強度分布に2つの
小さな極大が現れるのみで、10%の面上(b)では前
記極大が消え、15%の面上(c)では、先端部半円形
の磁極の磁場分布(図15)と同様な形になっている。
(4) 図11に示した断面形状が先端部半円形の磁極
では、磁場強度分布は、図15のようになる。磁場強度
分布の極大の位置が対向磁極間のどの位置の水平面上に
おいても、磁極の中央位置のZ方向の軸上にある。
【0025】本発明は、前記知見に基づいてなされたも
ので、本発明の請求項1の異方導電性シートは、絶縁部
とこの絶縁部により囲まれた複数の導電部とからなるシ
ート状部材であり、前記導電部はシートの厚さ方向に配
列した導電性強磁性粒子からなり、該集合体の最小幅が
10mm未満であり、シート表面側から見た前記集合体
における前記導電性強磁性粒子の集合密度が均一かつ密
になっていることを特徴とする。ここで、集合密度が均
一かつ密とは、集合体部分を拡大して観察したとき、図
16、図21のように、粒子が均一かつ密に分布してい
る状態を意味する。すなわち、集合体部分の粒子の分散
状態は均一であって欠落部分が認められない状態(密状
態)である。前述した図5(a)、図6(a)、図7
(a)は、均一でない例である。前記集合体の最小幅と
は、図2の導電部2において、導電部が円形(島状)の
場合、該円の直径であり、導電部2が矩形(線または帯
状)の場合、該矩形の短辺の長さ、言い替えると、線ま
たは帯の太さをそれぞれ意味する。
【0026】前述のように、本発明のシートの導電部に
おける導電性強磁性粒子の集合密度が均一かつ密となっ
ているのが、本発明のシートの特徴である。この特徴に
よって、本願発明のシートは、従来のシートに比べて、
その導電性において格段に向上していることが確認でき
ている。それを確認したのが、後述の実施例3で示すよ
うに、図28の測定結果である。この図から明らかなよ
うに、本願発明のシートを作製するに適した前述の特殊
な金型および製造方法を用いること以外は同じ条件で作
製した従来のシートに比べて、導電部の導通抵抗がほぼ
一桁低減している。後述するように、この図28の導通
抵抗値から周知の『コンダクタンスと導電率との関係』
を用いて導電率を求め、この導電率によって、本願発明
のシートを特徴づけると、シートを10%圧縮して測定
した導電部の導電率が5×104ジーメンス/m以上と
なっていると、表現することができる。
【0027】また、これも後述するが、本願発明のシー
トでは、シートを圧縮した状態でシートの複数の導電部
の導通抵抗を求め、これらの平均値を求めるとともに、
測定した複数の導通抵抗値の分布の偏差を見ると、平均
値を基準にして+30%以内になることが判明した。こ
れは、従来のシートに比べると、分布の程度が格段に低
いことが分かる。
【0028】したがって、本発明の請求項2の異方導電
性シートは、前記請求項1のシートにおいて、10%の
圧縮歪みで圧縮したシートの導電部における導電率が5
×104ジーメンス/m以上であることを特徴とする。
【0029】また、本発明の請求項3の異方導電性シー
トは、前記請求項1または2のシートにおいて、10%
の圧縮歪みで圧縮したシート内の複数の同種の導電部の
導通抵抗値の分布が、該導通抵抗値の平均値を基準にし
て+30%以下であることを特徴とする。なお、この場
合、測定対象の導電部は同種のものであることが前提で
ある。先に述べた本発明のシートの製造過程から分かる
ように、導電部は金型の各小磁極によって形成される
が、これら小磁極は、同一金型において、すべてが同一
形状および寸法に成形されている場合もあれば、前述の
所要条件内で様々にばらつかせる場合もあり得る。小磁
極の形状および寸法をばらつかせた金型で成形したシー
トでは、形成された複数の導電部は寸法や導電性強磁性
粒子の密度等が異なることになる。また、成形材料に添
加する導電性強磁性粒子の種類や量によっても異なる。
そのような場合、複数の導電部の内、寸法や粒子密度等
が近似の同種のものを対象に測定することが前提とな
る。
【0030】本発明の請求項4の異方導電性シートは、
前記請求項1ないし3のいずれかの異方導電性シートに
おいて、前記絶縁性高分子材料は、該シートの製造時に
磁場を掛けるときに流動性を有し、その後、硬化する性
質を有する電気絶縁性の高分子材料であることを特徴と
する。
【0031】本発明の請求項5の異方導電性シートは、
前記請求項4の異方導電性シートにおいて、前記電気絶
縁性の高分子材料が、シリコーンゴム、エチレンプロピ
レン系ゴム、ウレタン系ゴム、フッ素系ゴム、ポリエス
テル系ゴム、スチレンブタジェン系ゴム、スチレンブタ
ジェンブロック共重合体ゴム、スチレンイソプロピレン
ブロック共重合体ゴム、軟質エポキシ樹脂、熱可塑性エ
ラストマー、熱可塑性軟質樹脂から選択され、シート製
造時の温度において液状または流動性を有するものであ
ることを特徴とする。
【0032】本発明の請求項6の異方導電性シートは、
前記請求項1ないし5のいずれかの異方導電性シートに
おいて、前記絶縁性高分子材料は、架橋構造を有するも
のであることを特徴とする。
【0033】本発明の請求項7の異方導電性シートは、
前記請求項1ないし6のいずれかの異方導電性シートに
おいて、前記絶縁性高分子材料は、固体状かつゴム弾性
を有するものであることを特徴とする。
【0034】本発明の請求項8の異方導電性シートは、
前記請求項1ないし7のいずれかの異方導電性シートに
おいて、接着性あるいは粘着性を有することを特徴す
る。
【0035】本発明の請求項9の異方導電性シートは、
前記請求項1ないし8のいずれかの異方導電性シートに
おいて、前記導電性強磁性粒子は、粒子として強磁性を
有し、かつ少なくとも表面が導電性を有することを特徴
とする。
【0036】本発明の請求項10の異方導電性シート
は、前記請求項9の異方導電性シートにおいて、前記導
電性強磁性粒子は、単体の強磁性金属粒子、金属で被覆
された有機または無機材料からなる被覆粒子、およびこ
れらの混合粒子のいずれかであることを特徴とする。
【0037】本発明の請求項11の異方導電性シート
は、前記請求項10の異方導電性シートにおいて、前記
導電性強磁性粒子は、ニッケル、鉄、コバルト等の強磁
性を示す金属の粒子もしくはこれらを含む合金の粒子、
鉄等の強磁性金属のウィスカー、短繊維状の強磁性金
属、またはこれらの粒子または短繊維物に、金、銀、
銅、錫、パラジウム、ロジウムをメッキ等により被覆し
たもの、非磁性金属粒子もしくはガラスビーズ等の無機
質粒子またはポリマー粒子に、鉄、ニッケル、コバルト
等の導電性強磁性金属のメッキを施したもの、またはこ
れらの混合粒子のいずれかであることを特徴とする。
【0038】また、本発明の異方導電性シートは、磁場
が局在化するように強磁性体からなる複数の小磁極を設
けた対向する一対の金型磁極の間に、成形空間を設け、
該成形空間に、成形条件下で流動可能な硬化性材料に導
電性強磁性粒子を分散した成形材料を配置し、前記一対
の金型磁極により、該成形材料中の導電性強磁性粒子を
局在化させるとともに、該成形材料を硬化させて製造す
るが、その際、前記金型磁極の磁極表面からの距離が成
形時の対向磁極間隔の0%以上25%未満の範囲内の前
記成形空間における前記金型磁極の磁極面に平行ないず
れかの平面上において、磁場強度分布の該磁極面に垂直
な成分(Z軸成分)が、前記各小磁極のほぼ中央の軸上
において極大を示すように設定する。すなわち、小磁極
の形状が図11のときは、図15で示すように、対向す
る小磁極間の磁極面に平行な全ての平面上で、磁場強度
分布が小磁極の中央軸上で極大を示す。小磁極の形状が
図9、図10のときは、図13、図14で示すように、
磁極表面から対向磁極間隔のそれぞれ20%、10%以
上離れた平面上で磁場強度分布が小磁極の中央軸上で極
大を示す。このような空間を成形空間とし、この成形空
間に成形材料を置いて磁場を掛け、成形材料を硬化させ
る。なお、この時、導電性強磁性体粒子の局在化は、均
一にするほうが好ましいが、この場合の“均一な局在
化”とは、前記請求項1において述べたように、導電性
強磁性粒子が集合してなる導電部における粒子の集合密
度が均一であることを意味している。
【0039】本発明の異方導電性シートの製造において
は、前記小磁極の少なくとも一つの垂直断面形状を、先
端に向かって幅が狭くなり、該幅の基端部から先端部に
向かう減少の割合が増加しており、その先端部分に該断
面形状の前記磁極面に平行な幅の最大値の60%以下の
前記磁極面に平行な直線状部分が存在する形状とし、か
つ、該小磁極を面上に配列してなる金型磁極を、前記金
型磁極として用いることが、望ましい。さらに、前記磁
極面に平行な直線状部分が、前記小磁極の断面形状の前
記磁極面に平行な幅の最大値の50%以下とすることも
望ましい。
【0040】本発明の異方導電性シートの製造において
は、前記小磁極の少なくとも一つの垂直断面形状を、先
端に向かって幅が狭くなり、該幅の基端部から先端部に
向かう減少の割合が増加しており、その先端部分には前
記磁極面に平行な直線状部分が存在しない形状とし、か
つ、該小磁極を面上に配列してなる金型磁極を、前記金
型磁極として用いることも望ましい。
【0041】また、本発明の異方導電性シートの製造に
おいては、前記硬化性の成形材料が、該シートの製造時
に磁場を掛けるときに流動性を有し、その後、硬化する
性質を有する電気絶縁性の高分子材料であってもよい。
この場合、前記電気絶縁性の高分子材料が、シリコーン
ゴム、エチレンプロピレン系ゴム、ウレタン系ゴム、フ
ッ素系ゴム、ポリエステル系ゴム、スチレンブタジェン
系ゴム、スチレンブタジェンブロック共重合体ゴム、ス
チレンイソプロピレンブロック共重合体ゴム、軟質エポ
キシ樹脂、熱可塑性エラストマー、熱可塑性軟質樹脂か
ら選択され、シート製造時の温度において液状または流
動性を有するものであってもよい。さらに、前記絶縁性
高分子材料は、成形後は架橋構造を有するものであって
もよいし、成形後は固体状かつゴム弾性を有するもので
あってもよい。
【0042】また、本発明の異方導電性シートの製造に
おいて、前記導電性強磁性粒子は、粒子として強磁性を
有し、かつ少なくとも表面が導電性を有するものであっ
てもよい。さらに、前記導電性強磁性粒子は、単体の強
磁性金属粒子、金属で被覆された有機または無機材料か
らなる被覆粒子、およびこれらの混合粒子のいずれかで
あってもよく、より具体的には、ニッケル、鉄、コバル
ト等の強磁性を示す金属の粒子もしくはこれらを含む合
金の粒子、鉄等の強磁性金属のウィスカー、短繊維状の
強磁性金属、またはこれらの粒子または短繊維物に、
金、銀、銅、錫、パラジウム、ロジウムをメッキ等によ
り被覆したもの、非磁性金属粒子もしくはガラスビーズ
等の無機質粒子またはポリマー粒子に、鉄、ニッケル、
コバルト等の導電性強磁性金属のメッキを施したもの、
またはこれらの混合粒子のいずれかであってもよい。
【0043】また、本発明に用いて好適な異方導電性シ
ートの製造装置は、一対の磁石の間に、磁場が局在化す
るように強磁性体からなる複数の小磁極を設けた対向す
る一対の金型磁極を備えてなり、前記一対の金型磁極の
間に、成形条件下で流動可能な硬化性材料に導電性強磁
性材料を分散した成形材料を配置し、前記一対の金型磁
極により、該成形材料中の前記導電性強磁性粒子を局在
化させ、加熱手段により該成形材料を加熱硬化させる異
方導電性シートの製造装置であって、前記各小磁極のそ
れぞれの前記金型磁極の表面に垂直少なくとも一つの面
に沿う断面形状が、先端に向かって幅が狭くなり、該幅
の基端部から先端部に向かう減少割合が増加しており、
その先端部分に該断面形状の前記磁極面に平行な幅の最
大値の60%以下、好ましくは50%以下の前記磁極面
に平行な直線部分が存在する形状であることを特徴とす
る。また、本発明に用いて好適な異方導電性シートの製
造装置の他の構成は、前記各小磁極のそれぞれの前記金
型磁極の表面に垂直な少なくとも一つの面に沿う断面形
状が、先端に向かって幅が狭くなり、該幅の基端部から
先端部に向かう減少割合が増加しており、その先端部分
に前記磁極面に平行な直線部分が存在しない形状である
ことを特徴とする。
【0044】製造装置の前者の例は、図10で示すよう
に、断面形状が先端に向かって凸の曲線をもって幅が狭
くなり、かつ、頂部に水平直線部分があるもので、図1
4に示すように、磁極表面からの距離が対向磁極間隔の
10%以上離れると、磁場強度分布のピークが小磁極の
中央軸上の一つとなり、請求項1の発明の実施に好まし
いものである。この磁極面に平行な直線状部分は、断面
形状における前記磁極面に平行な幅の最大値(すなわ
ち、小磁極Mの一番太い部分、通常は小磁極の底部を意
味し、小磁極Mが中太りの形状の場合には、最も太い部
分の幅を意味する。)の60%以下、好ましくは50%
以下、さらに好ましくは30%以下の形状である。ま
た、断面形状の凸曲線部分と水平直線部分の接続点では
連続(例えば、円弧と接線)であることが好ましい。前
記水平直線部分が前記幅の最大値の30%のとき、磁極
表面からの距離が対向磁極間隔の10%以上離れると、
磁場強度分布のピークが一つとなるので、図20に示す
ように、小磁極53aと成形材料の間に対向磁極間隔の
10%以上のスペーサSを挟むことにより、導電性強磁
性粒子の局在性のよい異方導電性シートが成形できる。
また、製造装置の後者の例は、図11で示すような断面
形状が円または長円の一部(代表的には半分)からなる
ものである。
【0045】前記製造装置の説明から分かるように、本
発明に用いて好適な金型磁極は、異方導電性シートを構
成する強磁性体粒子を局在させるための金型磁極であっ
て、予め成形された強磁性体製の小磁極が面状に配列さ
れており、かつ、該小磁極の少なくとも一つの垂直断面
形状が、先端に向かって幅が狭くなり、該幅の基端部か
ら先端部に向かう減少の割合が増加しており、その先端
部分に該断面形状の前記磁極面に平行な幅の最大値の6
0%以下、好ましくは50%以下の前記磁極面に平行な
直線状部分が存在する形状、あるいは、その先端部分に
は前記磁極面に平行な直線状部分が存在しない形状であ
ることを特徴とする。
【0046】前記小磁極としては、半球状や球状などの
頂部が球状であることが好ましい。この場合の頂部が球
状に成形された小磁極とは、例えば、鉄製の球(直径1
0数ミリ以下)、または長軸方向の一端が丸められた鉄
製の柱(直径10数ミリ以下、長さは直径の1〜数倍)
である。形状は、前記の球状、一端が丸められた柱状の
ほか、両端が丸められた柱状(柱は、4角柱、円柱、多
角柱等から選ばれる)、卵形、さらに、断面が円形ある
いは長円形のワイヤー状がある。ここで、ワイヤー状の
ものは、長軸を金型面に平行にして固定する。前記にお
いて、面状とは、通常、平面状であるが、球面の一部の
面であってもよい。小磁極の配列は、異方導電性シート
における導電性強磁性粒子の集合体のパターンに応じて
任意に設計する。集合体を線状に設計する場合は、小磁
極としてワイヤー状の強磁性体を使用する。小磁極の固
定は、非磁性体材料であればよく、例えば、セラミック
ス、アルミニウム、銅、真鍮、ステンレス、樹脂等から
なる板やシリコンウエハーなどの板を用い、固定の方法
としては、例えば、これらの板に小磁極を填め込む孔を
開けて用いる。小磁極の固定は、液状の硬化性樹脂、例
えば、液状エポキシ樹脂で行ってもよい。固定方法は、
これらの例示に限定されることなく、公知の常套手段が
用いられる。
【0047】上記球状の小磁極を用いた場合の模式図
を、図22(a)(b)に示した。この図22におい
て、符号40は磁極板(強磁性材料性の金型基板)であ
り、41は球状小磁極、42はこの小磁極41を磁極板
40に配列し固定するための非磁性材料製の板である。
【0048】前記本発明の第5の課題、すなわち「厚さ
寸法の大きな異方導電性シートを提供すること」につい
て説明する。従来の技術では、導電部のピッチと同程度
の厚さの異方導電性シートを製造することが限界であっ
た。しかし、本発明の方法では、導電部ピッチの2倍程
度のシート厚さであっても導通抵抗の小さい異方導電性
シートが製造可能である。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態により
本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、この実施
の形態になんら限定されるものではない。
【0050】図16および図17に、その要部を示すよ
うに、本発明の異方導電性シート30は、絶縁部31と
この絶縁部31により囲まれた複数の導電部32とが幅
方向に形成されてなる通常の厚み0.1〜10mm、好
ましくは0.3〜2mmのシート状部材である。前記導
電部32は、シートの厚さ方向に配列した導電性磁性粒
子列33の集合体からなり、該集合体の最小幅は、10
mm未満である。
【0051】図16に示すように、シート表面側から見
た前記集合体における前記導電性強磁性粒子列33の分
布は、集合密度が均一で、内部に低密度な部分(図5
(a)、図7(a)は集合密度が不均一な例)がないこ
とが特徴となっている。
【0052】このような異方導電性シート30を成形す
るには、図18に示すように、導電性強磁性粒子51が
高分子材料50中に混合されてなる成形材料52を加熱
成形する際に、導電部形成予定部分mに印加する磁場強
度分布を、該導電部形成予定部分mのシート厚み方向
(Z軸方向)のほぼ中央の軸上において極大Pを有する
状態にする必要がある。
【0053】そのための具体的手段としては、図19に
示すように、流動材料あるいは成形条件下で流動状態を
有する材料50に導電性強磁性粒子51を分散した成形
材料52を配置し、前記導電性強磁性粒子51を局在化
させ、該成形材料を硬化させて異方導電性シートを得る
異方導電性シート成形金型を、磁場が局在化するように
強磁性体からなる複数の小磁極53を金型基板54に設
けてなる対向する一対の金型磁極55、56から構成
し、前記小磁極53を、前記金型磁極55、56の表面
に垂直な少なくとも一つ面に沿う断面形状が先端に向か
って幅が狭くなる形状に、成形することを特徴としてい
る。この場合、複数の小磁極53相互の隙間部分は、例
えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、等の耐熱性樹脂、およびこれらの樹脂に非磁性体の
耐熱性充填材を配合したもの、および銅、アルミニウ
ム、ステンレス等の非磁性の金属、あるいはセラミック
から選ばれる非磁性材料57からなっている。さらに、
小磁極としては、図20に示すように、断面円形部材の
先端を平面化した形状の小磁極53aでもよい。このよ
うな小磁極53aを金型に形成し、磁極と成形材料との
間にスペーサーSを挿入し、シート30を製造すると、
図20、図21に示すように、形成されたシート30の
導電部32では、ほぼ均一に強磁性粒子51が集合す
る。したがって、この先端を平面化した形状の小磁極5
3aも実用に適する。また、前記小磁極が対向する金型
の一方にのみ設けられ、片側の金型は平面磁極であって
もよい。この金型の場合には、スペーサーを平面磁極と
成形材料との間に挿入することが望ましい。この金型
を、小磁極を双方に設けた金型と比較すると、導電性強
磁性粒子の局在性能では劣るが、金型の位置合わせを不
要にするので、異方導電性シート製造上の利点が大き
い。
【0054】(材料について)図16〜図21を用いて
説明する。本発明の異方導電性シート30の絶縁部31
は、シート製造時の磁場を掛けるときに流動性を有し、
その後、硬化する性質を有する電気絶縁性の高分子材料
50が使用される。すなわち、シートの製造時におい
て、導電性強磁性粒子51が小磁極に集合することが可
能な程度に流動性を有し、その後、硬化して導電性強磁
性粒子51を固定するものである。
【0055】このような材料として、シリコーンゴム、
エチレンプロピレン系ゴム、ウレタン系ゴム、フッ素系
ゴム、ポリエステル系ゴム、スチレンブタジェン系ゴ
ム、スチレンブタジェンブロック共重合体ゴム、スチレ
ンイソプロピレンブロック共重合体ゴム、軟質エポキシ
樹脂などがある。これらはシート製造時の温度において
液状または流動性を有することが必要である。好ましく
は、例えば、熱硬化型のシリコーンゴムのように、常温
で液状であり、加熱により硬化して固形ゴムになるもの
である。常温で固体であっても、シート製造時に流動性
となり、シート製造後は固体となるもの、例えば、軟質
液状エポキシ樹脂、熱可塑性エラストマー、熱可塑性軟
質樹脂なども用いられる。なお、シート製造後は、架橋
構造を有するものが耐熱性、耐久性等において好まし
い。
【0056】これらは、シート状態において、固体であ
るが、ゴム弾性を有するものが好ましい。シートの用途
によっては、弾性が小さいものであってもよい。また、
シートの用途によっては、接着性あるいは粘着性を有す
る材料であってもよい。これらの高分子材料は、前記の
例示に限定されるものではなく、異方導電性シートとし
て用いられることが従来から知られているもの、あるい
は、前記材料と同等ないし類似の機能を有する材料であ
れば特に限定されるものではない。
【0057】シート30の導電部32を構成する導電性
強磁性粒子51は、粒子として強磁性を有し、かつ少な
くとも表面が導電性を有するものである。すなわち、単
体の強磁性金属であっても複合粒子、すなわち混合物粒
子であっても、金属で被覆された有機または無機材料か
らなる被覆粒子であってもよい。
【0058】このような導電性強磁性粒子51として、
例えば、ニッケル、鉄、コバルト等の強磁性を示す金属
の粒子もしくはこれらを含む合金の粒子、またはこれら
の粒子に、金、銀、銅、錫、パラジウム、ロジウム等を
メッキ等により被覆したもの、非磁性金属粒子もしくは
ガラスビーズ等の無機質粒子またはポリマー粒子に、
鉄、ニッケル、コバルト等の導電性強磁性金属のメッキ
を施したもの等を挙げることができる。製造コストの低
減化を図る観点からは、特に、ニッケル、鉄、または、
これらの合金の粒子が好ましく、また導通抵抗が小さい
ことの電気的特性を利用するソケット、コネクタ等の用
途で金メッキされた粒子を好ましく用いることができ
る。なお、導電性強磁性粒子51としては、好ましいも
のとは言えないが、鉄等のウィスカー(ひげ結晶)、短
繊維状の強磁性金属を用いることも可能である。
【0059】なお、本発明の異方導電性シートは、それ
自体単独の製品として製造され、単独で取り扱われるも
のを主に対象としている。しかしながら、上記本発明の
構成は、例えば、特開平4−151889号公報に記載
されているような、回路基板と、該回路基板のリード電
極領域の表面上に一体的に形成された異方導電性コネク
ター層とからなる回路基板装置に容易に適用することが
でき、本発明の製造方法もまた、該公報に記載の回路基
板装置の製造方法に容易に適用することができる。
【0060】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0061】(実施例1)導電性強磁性粒子からなる直
径が約0.4mmφの円柱状導電部を1mmピッチで正
方格子状に961個(31×31)配列した厚さ1mm
の異方導電性シートを作成した。
【0062】(金型の作成方法)従来の垂直断面が矩形
状の小磁極を備えた鉄製の平板状金型を一旦製作した
後、型電極タイプの放電加工機を用い、小磁極の先端部
の球面化を行った。
【0063】図23に示すように、厚さ5mm、縦50
mm、横50mmの強磁性体である鉄平板2枚を一対の
金型基板60とし、それぞれの基板表面に、深さ1m
m、幅0.4mmの溝61を、1mm間隔で縦横32本
づつ碁盤目状に形成した。これらの溝61に囲まれた4
角柱の部分が従来の矩形状断面の小磁極62である。
【0064】この小磁極62の先端部分を球面化するた
めに、図24に示すように、平板状の電極材料63を用
い、この電極材料63の表面の前記小磁極62に対応す
る位置に、先端が直径0.6mmの半球面状の穴64を
961個、1mm間隔で正方格子配列に開けたものを放
電加工機用の型電極65とした。この型電極65を放電
加工機に取り付け、図25(a)に示すように、前記金
型基板60と位置合わせを行い、放電加工により各小磁
極62の先端部を、図25(b)に示すように、球面化
した。
【0065】次に、図25(c)に示すように、この先
端が球面化された小磁極62′を有する金型基板60の
溝61の部分にアルミニウム充填剤入りのエポキシ樹脂
66を充填し、金型表面を平面化して、島状導電部が正
方格子配列した異方導電性シートを成形するに適した金
型67を製作した。
【0066】また、厚さ1mm、外形50mm、内形3
5mmの非磁性ステンレス製の正方形の枠1枚を一対の
金型の間に挟み、異方導電性シートの成形空間を作るた
めのスペーサとした。2枚の金型基板とスペーサには、
相互間の正確な位置合わせを行うために、位置合わせピ
ン用の直径4mmφの穴を4隅に用意した。
【0067】(異方導電性シートの成形)熱硬化型シリ
コーンゴムに平均粒径40μmの金メッキした導電性強
磁性ニッケル粒子を10体積%の割合で混合し、均一に
分散し、流動性成形材料を調製し、上記スペーサで作ら
れた一対の金型67の間の成形空間に充填する(図26
参照)。
【0068】図26に示すように、上記成形材料100
の充填された金型67を電磁石装置93の対向する一対
の平らな磁極90の間に密接配置する。電磁石装置の一
対の磁極90のそれそれの表面には金型加熱用の板状ヒ
ータ91が断熱層92を介して取り付けてある。このよ
うに金型67を配置することにより、金型67は電磁石
93の磁極の一部となり、小磁極62′(図19の53
と同じ)のある対向する一対の表面それぞれが電磁石9
3の新たな一対の磁極表面となる。以下、この電磁石の
新たな磁極を金型磁極と表現し、電磁石装置の磁極90
と区別する。
【0069】次に、電磁石93を励磁し、一対の金型磁
極表面の間にある上記成形材料100の充填された成形
空間に、小磁極62′によって作られる磁場分布の磁場
を発生させ、成形材料100中に分散している導電性強
磁性粒子51(図17参照)を柱状に局在させる。励磁
磁場強度と励磁時間は、成形材料100の粘性および硬
化時間、導電性強磁性粒子51の材質および形状と大き
さ、金型67の小磁極62′の形状と大きさ、成形する
異方導電性シートの厚さなど多くの要因に依存する。こ
こでは、金型磁極間の平均の磁場強度を約5kOeに励
磁し、室温に10分間おいて導電性強磁性粒子51の局
在化を進めた後、金型加熱用ヒータを用いて金型温度を
100℃に上げて30分間保ち、さらに局在化を進めな
がら成形材料100の硬化を行った。次に、電磁石93
の励磁を零磁場まで下げ、金型67を取り外し、金型温
度が約70℃まで下がった時点で金型67を開き、成形
された異方導電性シートを取り出した。このシートを表
面側から顕微鏡で見ると、粒子集合体中の粒子の集合密
度は均一であった。また、集合体部の断面を見ると、粒
子は柱状に集合していた。このシートの導通抵抗は十分
に小であった。
【0070】(実施例2)幅約0.2mmの帯状の導電
部が1mmピッチで平行に31列並んだ厚さ1mmの異
方導電性シートを製造した。
【0071】図27に示すように、厚さ5mm、縦50
mm、横50mmの強磁性体である鉄製の平板2枚を一
対の金型基板70とし、それぞれの表面に、関数曲線の
加工が可能なワイヤ放電加工機を用いて、先端の垂直断
面形状が半円形の直鎖状の小磁極72を31列、1mm
ピッチで互いに平行に加工し、溝73の部分にはアルミ
ニウム充填剤を配合したエポキシ樹脂(不図示)を充填
し、金型表面を平面化して、帯状の導電部を持つ異方導
電性シートを成形するに適した金型を製作した。小磁極
の72の垂直断面形状は、高さ1mm、底面から0.7
mm高さまでは幅0.6mmで一定とし、それより先端
部は、半径0.3mmの半円形とした。
【0072】また、厚さ1mm、外形50mm、内形3
5mmの非磁性ステンレス製の正方形の枠1枚を、一対
の金型の間に挟み、異方導電性シートの成形空間を作る
ためのスペーサとした。2枚の金型基板とスペーサに
は、相互間の正確な位置合わせを行うために、位置合せ
ピン用の直径4mmφの穴を4隅に用意した。
【0073】この金型基板を用いて、前記実施例1と同
様にして、異方導電性シートを製造した。得られたシー
トの表面および粒子集合体部の断面は、実施例1と同様
であった。このシートの導通抵抗は十分に小であった。
【0074】(実施例3)前記実施例1と同様にして、
厚さ;0.7mm、導電部の直径;0.5mmφ、導電
部ピッチ;1.27mmのシートを作製した。また、比
較例として同寸法のシートを従来の金型により作製し
た。図28に、これらのシートの導電部における導通抵
抗の圧縮歪み依存性の測定結果を示す。測定は、室温
で、それぞれのシートの各6点づつの導電部について行
った。測定結果は、本発明の方法により製造されたシー
トと従来法によるシートで明確に2つの群に分かれた。
上の群が従来法による異方導電性シートの測定結果で、
下の群が本発明による異方導電性シートの測定結果であ
る。これから明らかなように、本発明の方法により製造
された異方導電性シートの導通抵抗は、従来法によるも
のと比較して、およそ1桁小さい抵抗値であることが分
かる。
【0075】ここで、図28の導通抵抗値から導電部の
導電率を求めてみる。
【0076】導電部におけるコンダクタンス導電率と
は、以下のように示されることは明らかである。
【0077】コンダクタンス=導電率×導電部の断面積
×導電部の長さ従って、導電率=コンダクタンス×導電
部の長さ/導電部の断面積この関係式に対して、図28
から10%圧縮歪み時の導通抵抗値0.07オームと、
他の値を代入する。他の値は、実施例1の記載から以下
のようである。
【0078】 導電部の長さ=0.7mm=0.7×10-3m 導電部の断面積=(導電部の半径)2×π =(0.25mm)2×π =(0.25×10-3m)2×π =2.0×10-72 コンダクタンス=1/導通抵抗=1/0.07オーム=
14ジーメンス したがって、シートを10%圧縮歪みにおいたときのシ
ート導電部の導電率は、 導電率=(14)×(0.7×10-3)/(2.0×10-7) =4.9×104ジーメンス/m また、本願発明の導電性シートでは、シートの複数の導
電部の導通抵抗をシートを圧縮(例えば10%圧縮)し
た状態で測定すると、導通抵抗値の分布が、それらの平
均値を基準にして、+30%以下であることが判明し
た。この結果は、従来の導電性シートに比べると、分布
の程度が格段に狭いことが分かる。この点を以下に説明
する。
【0079】図28から本実施例の6本のプロットライ
ンが示す10%圧縮時の導通抵抗(mΩ)を読みとる
と、11.0,12.0,14.5,15.5,16.
5,17.5である。これらの平均値は14.5mΩで
あり、前記各抵抗値の平均値からの偏差(%)は、それ
ぞれ、−24,−13,0,+7,+14,+21とな
る。プラス側の最大偏差は、21%であり、導通抵抗の
分布が、平均値を基準にして+30%以下にあることが
分かる。
【0080】これに対し、図28の従来法によるもので
は、同様にして求めた平均値を基準にしたプラス側への
偏差が、30%を超えて45%にまで達するものが存在
する。
【0081】(実施例4)(金型の作成)50mm角
で、厚さが0.60mmのアルミニウム板の中央部に、
1mmピッチで直径0.60mmの孔を正方格子状に9
61個(31×31)配列するように開けた。これら全
ての孔に直径0.60mmの鋼球を置き、プレスを用い
て填め込んだ。アルミニウム板の片面に厚さ20μmの
ステンレスシートを接着剤で貼り、他面を50mm角の
厚さが5mmの鉄製の金型基板に固定することにより、
金型磁極を作成した。なお、金型磁極は、2枚作成し、
ステンレスシート面側で2枚を合わせ、それぞれの面の
正方格子状に配列した鋼球が正しく向かい合うようにし
た。外形50mm角、枠幅が5mmで、厚さが1mmの
ステンレス製の正方形の枠1枚を、一対の金型の間に挟
み、異方導電性シートの成形空間を作るためのスペーサ
とした。
【0082】(異方導電性シートの成形)前述のように
して制作した金型を用いたほかは、実施例1と全く同様
にして、異方導電性シートを作製した。得られたシート
は、1mmピッチで31×31個の強磁性体粒子の集合
体であり、集合体表面を顕微鏡で見ると、粒子集合体中
の分散状態は均一であり、欠落部分は認められなかっ
た。すなわち、粒子の集合密度は均一であった。また、
集合体と集合体との間には、磁性体粒子は認められなか
った。
【0083】この異方導電性シートを一つの粒子集合体
の中心を通って厚さ方向に切断し、粒子の集合状態を観
察した。その結果は、図17とほとんど同じであり、粒
子の縦列が厚さ方向の中間部分で少し膨らんだ形状であ
った。このシートの導電抵抗は十分に小さいものであっ
た。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ソケットあるいはコネクタのような電子回路の実装用に
用いることができる程度に導通抵抗が小さい異方導電性
シートを、また、その導電部の中心部にまで導電性強磁
性粒子を密に局在させた異方導電性シートを、さらに、
小さい圧縮変位から良好な電気接続が達成できる加圧導
電型の異方導電性シートを、さらにまた、厚さ寸法の大
きな異方導電性シートを、そして、これらの異方導電性
シートを製造するのに好適な製造方法を、提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の異方導電性シートの外観図である。
【図2】他の従来の異方導電性シートの外観図である。
【図3】異方導電性シートの垂直断面の模式図である。
【図4】従来の異方導電性シートの製造装置の断面構成
図である。
【図5】従来の金型の磁極の断面形状が矩形状である場
合のシート導電部の形状と、該金型の磁極形状と磁場分
布の関係を示すもので、(a)は導電部のシート表面か
ら見た模式図であり、(b)は導電部の垂直断面形状と
磁極形状を示す模式図であり、(c)は磁極表面近傍の
磁場強度分布(Z軸成分)を示すグラフである。
【図6】従来の細い断面矩形状磁極の場合の導電部の形
状と磁極形状の関係を示すもので、(a)は導電部のシ
ート表面から見た模式図であり、(b)は導電部の垂直
断面の模式図である。
【図7】従来の断面矩形状磁極の場合で、導電部が凸状
の異方導電性シート(凸状部寸法<磁極寸法)における
導電部の形状と磁極形状との関係を示すもので、(a)
は導電部のシート表面から見た模式図であり、(b)は
導電部の垂直断面の模式図である。
【図8】従来の磁極の断面形状を矩形としたモデル磁極
金型の断面模式図である。
【図9】磁極の断面形状を、矩形の先端の角を丸めた形
状としたモデル磁極金型の断面模式図である。
【図10】磁極の断面形状が、先端半円形の先端部に水
平直線部分を設けた形状としたモデル磁極金型の断面模
式図である。
【図11】磁極の断面形状を円形状としたモデル磁極金
型の断面模式図である。
【図12】磁極が断面矩形状である場合の対向磁極間の
磁場強度分布の測定結果を示すグラフである。
【図13】磁極の断面形状を、矩形の先端の角を丸めた
形状とした場合の対向磁極間の磁場強度分布の測定結果
を示すグラフである。
【図14】磁極の断面形状を、先端半円形の先端部に水
平直線部分を設けた形状とした場合の対向磁極間の磁場
強度分布の測定結果を示すグラフである。
【図15】磁極が断面円形状である場合の対向磁極間の
磁場強度分布の測定結果を示すグラフである。
【図16】磁極が断面円形状である場合の導電部の粒子
配列を表面から見た模式図である。
【図17】磁極が断面円形状である場合の導電部の粒子
配列を導電部の垂直断面にて見た模式図である。
【図18】金型の対向磁極間の磁場強度分布と成形材料
層の導電部形成予定部分mとの位置関係を示した模式図
である。
【図19】金型の対向磁極間に成形材料を置いた時の要
部の模式図である。
【図20】磁極が先端を平面化した断面円形状を有する
場合の導電部の粒子配列を垂直断面から見た模式図であ
る。
【図21】磁極が先端を平面化した断面円形状を有する
場合の導電部の粒子配列を導電部の表面にて見た模式図
である。
【図22】球状の小磁極を用いた金型磁極の一例を示す
模式図であり、(a)は側断面図、(b)は平面図であ
る。
【図23】従来の金型基板の斜視図である。また、本発
明の第1の実施例の金型を製造する中間段階における金
型基板の斜視図である。
【図24】本発明の第1の実施例を説明するもので、金
型の小磁極を成形するための放電加工機用型電極の斜視
図である。
【図25】本発明の第1の実施例を説明するもので、
(a)は金型基板と放電加工機用型電極とを位置合せし
た時の断面模式図であり、(b)は小磁極の先端を曲面
加工した後の金型基板の断面模式図であり、(c)は完
成した金型の断面模式図である。
【図26】本発明の第1の実施例を説明するもので、電
磁石装置に取り付けた金型によりシートを成形している
状態を示す断面模式図である。
【図27】本発明の第2の実施例を説明するもので、金
型基板の斜視図である。
【図28】本発明にかかる異方導電性シートと従来の異
方導電性シートのそれぞれの導電部における導通抵抗の
圧縮歪依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
30 異方導電性シート 31 絶縁部 32 導電部 33 導電性磁性粒子列 40 磁極板(強磁性材料性の金型基板) 41 球状小磁極 42 非磁性材料製の板 50 高分子材料 51 導電性強磁性粒子 52 成形材料 53、53a、62′、72 小磁極 54 金型基板 55、56 金型磁極 60、70 金型基板 61、73 溝 62 小磁極 63 電極材料 64 半球面状の穴 65 放電加工機用の型電極 66 アルミニウム充填剤入りのエポキシ樹脂 67 金型 90 電磁石装置の対向する一対の平らな磁極 91 金型加熱用の板状ヒータ 92 断熱層 93 電磁石 100 成形材料

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性高分子材料を母材とし、絶縁部と
    この絶縁部により囲まれた複数の導電部とからなる異方
    導電性シートであって、 前記導電部はシートの厚さ方向に配列した導電性強磁性
    粒子の集合体からなり、該集合体の最小幅が10mm未
    満であり、シート表面側から見た該集合体における前記
    導電性強磁性粒子の集合密度が均一かつ密になっている
    ことを特徴とする異方導電性シート。
  2. 【請求項2】 10%の圧縮歪みで圧縮したシートの導
    電部における導電率が5×104ジーメンス/m以上で
    あることを特徴とする請求項1に記載の異方導電性シー
    ト。
  3. 【請求項3】 10%の圧縮歪みで圧縮したシート内の
    複数の同種の導電部の導通抵抗値の分布が、該導通抵抗
    値の平均値を基準にして+30%以下にあることを特徴
    とする請求項1または2に記載の異方導電性シート。
  4. 【請求項4】 前記絶縁性高分子材料は、該シートの製
    造時に磁場を掛けるときに流動性を有し、その後、硬化
    する性質を有する電気絶縁性の高分子材料であることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の異方導
    電性シート。
  5. 【請求項5】 前記電気絶縁性の高分子材料が、シリコ
    ーンゴム、エチレンプロピレン系ゴム、ウレタン系ゴ
    ム、フッ素系ゴム、ポリエステル系ゴム、スチレンブタ
    ジェン系ゴム、スチレンブタジェンブロック共重合体ゴ
    ム、スチレンイソプロピレンブロック共重合体ゴム、軟
    質エポキシ樹脂、熱可塑性エラストマー、熱可塑性軟質
    樹脂から選択され、シート製造時の温度において液状ま
    たは流動性を有するものであることを特徴とする請求項
    4に記載の異方導電性シート。
  6. 【請求項6】 前記絶縁性高分子材料は、架橋構造を有
    するものであることを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれかに記載の異方導電性シート。
  7. 【請求項7】 前記絶縁性高分子材料は、固体状かつゴ
    ム弾性を有するものであることを特徴とする請求項1な
    いし5のいずれかに記載の異方導電性シート。
  8. 【請求項8】 接着性あるいは粘着性を有することを特
    徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の異方導電
    性シート。
  9. 【請求項9】 前記導電性強磁性粒子は、粒子として強
    磁性を有し、かつ少なくとも表面が導電性を有すること
    を特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の異方
    導電性シート。
  10. 【請求項10】 前記導電性強磁性粒子は、単体の強磁
    性金属粒子、金属で被覆された有機または無機材料から
    なる被覆粒子、およびこれらの混合粒子のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項9に記載の異方導電性シー
    ト。
  11. 【請求項11】 前記導電性強磁性粒子は、ニッケル、
    鉄、コバルト等の強磁性を示す金属の粒子もしくはこれ
    らを含む合金の粒子、鉄等の強磁性金属のウィスカー、
    短繊維状の強磁性金属、またはこれらの粒子または短繊
    維物に、金、銀、銅、錫、パラジウム、ロジウムをメッ
    キ等により被覆したもの、非磁性金属粒子もしくはガラ
    スビーズ等の無機質粒子またはポリマー粒子に、鉄、ニ
    ッケル、コバルト等の導電性強磁性金属のメッキを施し
    たもの、またはこれらの混合粒子のいずれかであること
    を特徴とする請求項10に記載の異方導電性シート。
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