JP2011165320A - 回路接続部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】充分な押込み耐性を有する回路接続部材を提供する。
【解決手段】厚み方向に伸びる多数の導電部2と、これらを相互に絶縁する絶縁部3とからなるシート状の回路接続部材1であって、前記導電部2が、薄片状導電性粒子4の集合体により構成されているとともに、薄片状導電性粒子4の扁平状主面が回路接続部材1の厚み方向と略平行となる対応で配向された前記導電性粒子の集合体を少なくとも含有することを特徴とする回路接続部材。
【選択図】図3

Description

本発明は回路接続部材に関する。さらに詳しくは、回路素子相互間の電気的接続やプリント回路基板の検査装置におけるコネクターとして好ましく用いられる、異方導電性シートおよび異方導電性コネクターなどの回路接続部材に関する。
異方導電性シートは、厚み方向にのみ導電性を示すもの、または厚み方向に加圧されたときに厚み方向にのみ導電性を示すものである。異方導電性シートは、ハンダ付けまたは機械的嵌合などの手段を用いずにコンパクトな電気的接続を行うことが可能であること、および機械的な衝撃やひずみを吸収してソフトな接続が可能であることなどの特長を有する。このため異方導電性シートは、電子計算機、電子式デジタル時計、電子カメラおよびコンピューターキーボードなどの分野において、回路素子、例えばプリント回路基板とリードレスチップキャリアー、液晶パネルなどとの相互間の電気的接続を実現するためのコネクターとして広く用いられている。
また、プリント回路基板などの回路基板の電気的検査においては、検査対象である回路基板の一面に形成された被検査電極と、検査用回路基板の表面に形成された接続用電極との電気的接続を行うために、回路基板の被検査電極領域と検査用回路基板の接続用電極領域との間に異方導電性シートを介在させることが行われている。
従来、このような異方導電性シートとしては、種々の構成を有するものが知られている。特許文献1には、導電性金属が被覆された導電性粒子が厚み方向に配向された状態で含有されてなる異方導電性シートが開示されている。特許文献2には、絶縁性シート体が、熱膨張係数の小さい弾性高分子材料により構成されていることを特徴とする異方導電性シートが開示されている。特許文献3には、異方導電性シート中に含まれる導電性粒子が、数平均粒子径がa[μm]である導電性粒子Aと、数平均粒子径がb[μm]である導電性粒子Bとを含有してなり、前記導電性粒子Aの数平均粒子径a[μm]と、前記導電性粒子Bの数平均粒子径b[μm]との粒子径比(a/b)が4〜9であることを特徴とする異方導電性シートが開示されている。特許文献4には、異方導電性シート中に含まれる導電性粒子の表面に、潤滑剤または離型剤が塗布されていることを特徴とする異方導電性シートが開示されている。特許文献5には、異方導電性シート中に含まれる導電性粒子が、数平均粒子径が5〜100μm、BET比表面積が0.01×103〜0.7×1032/kg、硫黄元素濃度が0.1質量%以下、酸素元素濃度が0.5質量%以下、炭素元
素濃度が0.1質量%以下であることを特徴とする異方導電性シートが開示されている。特許文献6には、異方導電性ゴムの構成材料として用いられる、フレーク状の導電性コート粒子が開示されている。
特開2005−235509号公報 特開2000−243486号公報 特開2001−015190号公報 特開2002−170608号公報 特開2002−173702号公報 特開2007−194083号公報
上記のように、従来、種々の構成を有する異方導電性シートが知られている。
ところで、接続・検査対象の回路基板は、通常は平坦ではなく、段差を有していたり屈曲していたりする。特に、携帯電話などの素子を小スペースに接続するには、この段差や屈曲がより大きくなる傾向にある。
したがって、回路接続部材には、シートの押込み量(シートの変位量)に対する電気抵抗値の安定性(押込み耐性)、つまり、シートの厚み方向に係る負荷量に対して電気抵抗値が一定である性能が求められている。
しかしながら、従来の回路接続部材は、上記押込み耐性が充分ではなかった。特許文献6には、分散性および導電性に優れた異方導電性ゴム用導電性粉末としてフレーク状の導電性コート粒子が開示されている。しかしながら、特許文献6には、いわゆる偏在型回路接続部材の導電部における前記導電性コート粒子の配向性については何ら開示されておらず、また、押込み耐性についても何ら検討されていない。
本発明の課題は、充分な押込み耐性を有する回路接続部材を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、回路接続部材の導電部において、薄片状導電性粒子の扁平状主面が回路接続部材の厚み方向と略平行となる対応で配向された前記導電性粒子の集合体を形成することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明およびその好ましい態様は、以下の[1]〜[5]に関する。
[1]厚み方向に伸びる多数の導電部と、これらを相互に絶縁する絶縁部とからなるシート状の回路接続部材であって、前記導電部が、薄片状導電性粒子の集合体により構成されているとともに、前記導電性粒子の扁平状主面が回路接続部材の厚み方向と略平行となる対応で配向された前記導電性粒子の集合体を少なくとも含有することを特徴とする回路接続部材。
[2]前記薄片状導電性粒子が、導電性強磁性粒子である前記[1]に記載の回路接続部材。
[3]前記導電性強磁性粒子が、単体の金属粒子、2種以上の金属が混合されてなる複合粒子、前記金属粒子もしくは複合粒子を金属で被覆してなる被覆粒子、有機もしくは無機材料を金属で被覆してなる被覆粒子、または前記単体の金属粒子、複合粒子および被覆粒子から選ばれる2種以上の混合粒子である前記[2]に記載の回路接続部材。
[4]前記薄片状導電性粒子のアスペクト比が、1.5〜5である前記[1]〜[3]の何れか一項に記載の回路接続部材。
[5]前記回路接続部材中の全構成部の体積分率を100%とするとき、前記導電部の体積分率が5〜80%である前記[1]〜[4]の何れか一項に記載の回路接続部材。
本発明によれば、充分な押込み耐性を有する回路接続部材が提供される。
図1は、本発明で用いられる薄片状導電性粒子の形状を説明する図である。 図2は、本発明で用いられる薄片状導電性粒子の電子顕微鏡写真である。 図3は、本発明の回路接続部材の一具体例を示す図である。 図4は、本発明の回路接続部材の押込み耐性を説明する模式図である。 図5は、本発明の回路接続部材の一具体例の電子顕微鏡写真である。 図6は、実施例および比較例の回路接続部材の評価結果である。
以下、本発明の回路接続部材の詳細を説明する。
〔回路接続部材用の導電性粒子〕
以下、図面を参照しつつ、本発明で用いられる導電性粒子を説明する。
本発明で用いられる導電性粒子は、薄片状導電性粒子である。本発明において、薄片状導電性粒子とは扁平状主面を有する導電性粒子をいう。ここで扁平状主面とは、薄片状導電性粒子の長軸方向と幅方向とがなす面であって、側面(端面)に比べて大きな表面積を有する面をいう。前記扁平状主面の形状は特に限定されず、矩形などの多角形状、円状、楕円状などが挙げられ、緩やかな曲面や微細な凹凸面などがあってもよい。図1に薄片状導電性粒子の模式図を示すが、本発明で用いられる導電性粒子は図1に示す形状に限定されるものではない。
薄片状導電性粒子の長軸径は、好ましくは5〜200μm、より好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜90μmである。薄片状導電性粒子の長軸径が前記範囲にあると、ファインピッチ化の観点から好ましい。一方、薄片状導電性粒子の長軸径が前記範囲を上回ると異方導電性に悪影響を及ぼす可能性がある。
薄片状導電性粒子のアスペクト比は、通常は1.5〜5、好ましくは2〜4である。アスペクト比が前記範囲を下回ると所望の導電性が得られないことがある。アスペクト比が前記範囲を上回ると粒子の強度が不足し、粒子自体が回路接続部材内部で破壊されることがある。
本発明において、粒子の長軸径およびアスペクト比は、電子顕微鏡により測定される。また、アスペクト比とは、粒子の長軸径と厚みとの比率(長軸径/厚み)をいう。
本発明で用いられる薄片状導電性粒子の具体例(電子顕微鏡写真)を、図2に示す。図2(a)は、長軸径80μm、アスペクト比=3〜3.5の薄片状導電性粒子である。図2(b)は、長軸径30μm、アスペクト比=2.5〜3.5の薄片状導電性粒子である(実施例1参照)。
薄片状導電性粒子は、粒子全体が導電性材料で形成されている必要はなく、少なくとも表面が導電性材料で形成されていればよい。薄片状導電性粒子は、磁場を作用させることにより該粒子の扁平状主面が回路接続部材の厚み方向と略平行となる対応で該粒子を容易に配向および集合させることができ、ひいてはより良好な押込み耐性が得られることから、強磁性を有する導電性強磁性粒子であることが好ましい。本発明において「強磁性」とは、磁化率が1×106cm3/g以上のものをいう。
薄片状導電性粒子としては、単体の金属粒子、2種以上の金属が混合されてなる複合粒子、前記金属粒子もしくは複合粒子を金属で被覆してなる被覆粒子、有機もしくは無機材料を金属で被覆してなる被覆粒子、または前記単体の金属粒子、複合粒子および被覆粒子
から選ばれる2種以上の混合粒子などが挙げられる。
このような薄片状導電性粒子としては、例えば、(1)ニッケル、鉄、コバルトなどの強磁性を示す金属の粒子およびこれらを含む合金の粒子、(2)セラミックスなどの無機粒子や樹脂などの有機粒子中に該金属粒子または合金粒子を混練して磁性を持たせた粒子、(3)これらの粒子に、金、銀、銅、錫、白金、パラジウム、ロジウムなどをメッキなどにより被覆してなる粒子、ならびに(4)ポリマー粒子または非磁性金属粒子もしくはガラスビーズなどの無機質粒子に、ニッケル、鉄、コバルトなどの強磁性を示す金属のメッキを施してなる粒子などが挙げられる。
これらの中でも、薄片状導電性粒子は、磁性材料から形成された芯材の表面に、導電性材料から形成された導電性コート層を有する積層構造の粒子であることが好ましい。
導電性コート層は、薄片状導電性粒子の最表面に形成されていればよく、芯材と導電性コート層との間に中間層が形成されていてもよい。導電性コート層は、2層以上形成されていてもよい。中間層としては、例えば導電性コート層をより安定化させるためならば、Sn−Pd系触媒や塩化Pd系触媒などからなる触媒層などを設ければよい。
積層構造における芯材は、磁性を示す材料(以下「磁性材料」ともいう。)から形成されていればよい。磁性材料としては、ニッケル、鉄、コバルトなどの強磁性を示す金属の粒子およびこれらを含む合金の粒子;セラミックスなどの無機粒子や樹脂などの有機粒子中に該金属粒子または合金粒子を混練して磁性を持たせた粒子などが挙げられる。これらの中でも、磁性および導電性の観点から、ニッケルまたはニッケルの合金から形成された金属粒子が好ましい。
積層構造における導電性コート層は、導電性を示す材料(以下「導電性材料」ともいう。)から形成されていればよい。導電性材料としては、金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属;該貴金属の合金が主成分として挙げられる。これらの中でも、金属粒子または合金粒子から形成された芯材と固溶体を形成し難い材質の導電性材料を選択することが好ましい。
好ましい薄片状導電性粒子としては、磁性および導電性の観点から、ニッケルまたはニッケルの合金から形成された芯材の表面に、銀または銀の合金から形成された導電性コート層、および金または金の合金から形成された導電性コート層を有する積層構造の粒子が挙げられる。
薄片状導電性粒子の全重量に占める導電性コート層の重量割合は、芯材の粒径にもよるが、好ましくは12〜32重量%、より好ましくは16〜28重量%、さらに好ましくは20〜24重量%である。
導電性コート層の膜厚は、導電性コート層の組成にもよるが、好ましくは0.005〜0.10μm、より好ましくは0.005〜0.05μm、特に好ましくは0.005〜0.03μmである。膜厚が前記範囲を下回ると所望の導電性を得ることが難しくなることがあり、膜厚が前記範囲を上回ると所望の磁性を得ることが難しくなることがある。
本発明において、回路接続部材の導電部は、本発明の効果を阻害しない範囲で、薄片状導電性粒子以外の他の粒子(例:球状導電性粒子)を含んでもいてもよい。
積層構造の薄片状導電性粒子は、薄片状の芯材の表面に導電性コート層を形成し、必要に応じて分散処理して製造することができる。薄片状の芯材は、一般的な機械的加工技術
により得ることができる。例えば、球状の粒子をガラスビーズと共に分散媒に投入して攪拌することによって調製することができる。
薄片状の芯材の表面に導電性コート層を形成する方法としては、例えば、各種メッキ法を採用することができる。芯材が金属粒子または合金粒子である場合、置換法および還元法の何れのメッキ法も採用可能である。芯材が非金属粒子の場合、還元法を採用する必要がある。置換法によって導電性コート層をメッキする場合は、市販のメッキ液を用いることもできる。還元法によって導電性コート層をメッキする場合は、芯材の表面にPdを付与させて活性化処理をすることが好ましい。
また、メッキ処理する際、芯材の素材に応じて、Sn−Pd系触媒、塩化Pd系触媒を使用することが好ましい。また、メッキ処理する前に、ヒドラジン、ホウ化水素ナトリウムなどの還元剤を用いた還元処理や、硫酸などの酸を用いて酸処理をすることにより、芯材の表面の酸化物層を除去することが好ましい。無電解メッキした際には、処理後に固液分離し、薄片状導電性粒子を50〜80℃の雰囲気にて乾燥させることが好ましい。
芯材の表面に導電性コート層を形成した際に、粒子同士が凝集している場合は、超音波やホモジナイザーなどを用いて分散処理することが好ましい。
〔回路接続部材〕
本発明の回路接続部材は、厚み方向に伸びる多数の導電部と、これらを相互に絶縁する絶縁部とからなるシート状の回路接続部材であって、前記導電部が、薄片状導電性粒子の集合体により構成されているとともに、前記導電性粒子の扁平状主面が回路接続部材の厚み方向と略平行となる対応で配向された前記導電性粒子の集合体を少なくとも含有することを特徴とする。本発明の回路接続部材は、厚み方向にのみ導電性を示すものでもよく、厚み方向に加圧されたときに厚み方向にのみ導電性を示すものでもよい。
このように、本発明では、導電部が1つまたは多数の上記集合体から構成されており、かつ、上記集合体の少なくとも1つは扁平状主面が回路接続部材の厚み方向と略平行となる対応で配向された導電性粒子からなる。扁平状主面が回路接続部材の厚み方向と略平行となる状態とは、薄片状導電性粒子の長軸が回路接続部材の厚み方向と略平行となる状態である。なお、本発明の目的を損なわない範囲であれば、上記集合体には、扁平状主面が回路接続部材の厚み方向と略平行となる対応で配向されていない導電性粒子が含まれていてもよい。
本発明の回路接続部材はシート状であり、そのシートの厚みには特に制限はなく、目的に応じて適宜決定することができ、通常は0.1〜10mmである。
本発明の回路接続部材(いわゆる偏在型回路接続部材)には、回路基板などの電極パターンと対掌のパターンに従って導電部を形成することができるため、導電性粒子が回路接続部材の面方向に均一に分散した分散型回路接続部材と比較して、接続すべき電極が小さいピッチで配置されている回路装置などに対しても電極間の電気的接続を高い信頼性で達成することができる点で有利である。特に、導電部が絶縁部から突出するよう形成された回路接続部材は、被検査電極に対する接触が確実に行われる点でより有利である。
図3に、本発明の回路接続部材の一具体例である回路接続部材1の、上面5および下面6に垂直な断面の一部分の模式図を示す(導電性粒子の形状は便宜上楕円形で表しているが、実際は薄片状である)。以下、回路接続部材1を例にして本発明の回路接続部材の基本的な構造を説明する。
回路接続部材1は、厚み方向に伸びる多数の導電部2と、これらを相互に絶縁する絶縁部3とからなる。例えば、回路接続部材1中の全構成部の体積分率を100%とするとき、導電部2の体積分率は、通常は5〜80%、好ましくは10〜70%、より好ましくは20〜60%である。
導電部2は、回路接続部材1の上面5から下面6にわたって形成され、回路接続部材1の厚み方向の導電性を確保する機能を有する。導電部2は、薄片状導電性粒子2の集合体を含有し、回路接続部材1の厚み方向の導電性を確保できる程度に多数形成されている。導電部2は、通常、薄片状導電性粒子4の集合体および高分子材料から形成されている。
薄片状導電性粒子4は、その扁平状主面が回路接続部材の厚み方向と略平行となる対応で配向されていることが好ましい。薄片状導電性粒子4は、回路接続部材1の厚み方向にその上面5から下面6にわたって、相互に接触しながら、あるいは加圧時に相互に接触するよう配列されて、導電部2を形成している。つまり、導電部2は、厚み方向にのみ導電性を示すものでもよく、厚み方向に加圧されて圧縮されたときに抵抗値が減少して導電部2が形成される加圧導電部でもよい。
絶縁部3は、導電部2を面方向に囲むように高分子材料から形成され、多数の導電部2を相互に絶縁し、回路接続部材1の面方向の絶縁性を確保する機能を有する。
本発明の回路接続部材において、押込み耐性に優れる理由は以下のように推定される。回路接続部材をその厚み方向に押し込むと、接触する導電性粒子には押込み方向と垂直な方向に移動するように力が働く。したがって、従来のような球状の導電性粒子を用いた場合、この力により導電性粒子間の接触が保たれなくなるため、回路接続部材の厚み方向に係る負荷量に対して電気抵抗値にバラツキが生じてしまう。ところが本発明では、導電部が、薄片状導電性粒子の扁平状主面が回路接続部材の厚み方向と略平行となる対応で配向された前記導電性粒子の集合体により少なくとも構成されている。このため、図4に示すように、押込み方向と垂直な方向への力に対して、導電性粒子間の接触を保ちながら該粒子は動くことができる。このような理由から、回路接続部材の厚み方向に係る負荷量に対して電気抵抗値が一定であり、充分な押込み耐性を有する回路接続部材が得られるのである。
本発明の回路接続部材の具体例(電子顕微鏡写真)を、図5に示す。図5(a)は、長軸径80μm、アスペクト比=3〜3.5の薄片状導電性粒子を用いた場合の写真である。図5(b)は、長軸径30μm、アスペクト比=2.5〜3.5の薄片状導電性粒子を用いた場合の写真である(実施例1参照)。
導電部の、回路接続部材の面方向に平行な断面の形状には特に制限はなく、円形状、楕円形状、線状、その他任意の形状を採り得る。導電部の前記断面の形状および大きさは、回路接続部材の厚み方向のどの位置においても同じであってもよく、また厚み方向の位置によって異なっていてもよい。導電部の径は、通常は0.02〜1mm、好ましくは0.05〜0.5mmである。また導電部は、回路接続部材の厚み方向の導電性が確保される限り、回路接続部材の厚み方向に平行に形成されていてもよく、また平行に形成されていなくてもよい。
回路接続部材の表面側から見た導電部における薄片状導電性粒子の集合密度は均一であることが好ましい。集合密度が均一であると、回路接続部材をソケットまたはコネクターなどの電子回路の実装用に用いることができる程度に導通抵抗を小さくすることが容易になる。
本発明の回路接続部材は、その上面または下面の少なくとも一方の面において、平面部と該平面部から突出した導電部からなる突起部とを有していてもよい。突起部の形状は特に限定されず、例えば円盤状の突起部が挙げられる。回路接続部材がこのような突起部を有していると、加圧時に接続端子にかかる荷重を軽減できるという利点がある。
本発明の回路接続部材は、例えば以下の方法によって製造することができる。
先ず、高分子材料と薄片状導電性粒子とを含有するシート形成材料を調製する。ここで、シート形成材料に対して、必要に応じて減圧による脱泡処理を行うことができる。前記シート形成材料において、薄片状導電性粒子の含有割合(体積分率)は、形成すべき導電部における薄片状導電性粒子の含有割合などを考慮して定められるが、通常は5〜40%、好ましくは8〜33%、より好ましくは10〜30%である。
次いで、(1)上記シート形成材料を、電磁石および磁極板を備えてなる金型内に注入してシート形成材料層を形成し、(2)前記シート形成材料層に対して強度分布を有する磁場を前記シート形成材料層の厚み方向に作用させることにより、シート形成材料層中の薄片状導電性粒子を導電部となる部分に、該粒子の扁平状主面が前記シート形成材料層の厚み方向と略平行となる対応で配向するよう集合させ、(3)その状態でシート形成材料層を硬化することにより、高分子材料から形成された硬化層中に薄片状導電性粒子が密に充填された多数の導電部と、これらを相互に絶縁する高分子材料から形成された絶縁部とからなる本発明の回路接続部材が得られる。前記(1)において、上記シート形成材料をPTFEフィルムなどの基板上に塗布して、シート形成材料層を形成し、得られた塗布基板を金型内に設置してもよい。前記(2)において、シート形成材料層に作用される平行磁場の強度は、平均で0.02〜1.5T(テスラ)であることが好ましい。
シート形成材料層の硬化処理は、平行磁場を作用させたままの状態で行うこともできるが、平行磁場の作用を停止させた後に行うこともできる。また、平行磁場の作用を途中で停止して、作用方向を反転させた後、再度平行磁場を作用させてもよい。
シート形成材料層の硬化処理は、高分子材料の種類によって適宜選定されるが、通常、加熱処理によって行われる。具体的な加熱温度および加熱時間は、高分子材料などの種類、薄片状導電性粒子の配向に要する時間などを考慮して適宜設定される。
《高分子材料》
上記高分子材料は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、絶縁性高分子材料であることが好ましい。絶縁性高分子材料としては、シリコーンゴム、エチレンプロピレン系ゴム、ウレタン系ゴム、フッ素系ゴム、ポリエステル系ゴム、スチレンブタジエン系ゴム、スチレンブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレンイソプロピレンブロック共重合体ゴム、軟質エポキシ樹脂などが挙げられる。
絶縁性高分子材料としては、シート製造時の温度で液状であるかまたは流動性を有し、その後硬化するものが好ましい。絶縁性高分子材料がこのような性質を有すると、シート製造時に磁場を作用させることにより導電性強磁性粒子を配向または集合させることができ、その後、絶縁性高分子材料を硬化させて導電性強磁性粒子を固定することができる。
例えば、熱硬化型のシリコーンゴムは、常温で液状であり、加熱により硬化して固形ゴムになるので好ましい。また例えば、軟質液状エポキシ樹脂、熱可塑性エラストマー、熱可塑性軟質樹脂などは、常温で固体であっても、後述のシート製造時に流動性を有し、シート製造後は固体となるので好ましい。
また、絶縁性高分子材料としては、架橋構造を有するものが耐熱性、耐久性などの点において好ましい。このような架橋構造を有する材料としては、上記シリコーンゴム、エチレンプロピレン系ゴム、ウレタン系ゴム、フッ素系ゴム、ポリエステル系ゴム、スチレンブタジエン系ゴム、スチレンブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレンイソプロピレンブロック共重合体ゴム、軟質エポキシ樹脂などが挙げられる。
絶縁性高分子材料は、固体状であり、かつゴム弾性を有するものが、回路接続部材を電気回路部品、電気回路基板などに接続するときに、それらの表面の凹凸を吸収し、安定な電気的接触を得るのに有利である点で好ましい。シートの用途によっては、弾性が小さいものであってもかまわない。
また、回路接続部材を基板などに接着または粘着することが要求される場合には、絶縁性高分子材料は接着性または粘着性を有する絶縁性高分子材料であることが好ましい。このような接着性または粘着性を有する絶縁性高分子材料としては、エポキシ樹脂やメラミン樹脂などが挙げられる。
(1)薄片状導電性粒子の製造
[調製例1]
薄片状のニッケル金属粒子(Novamet Specialty Products
Corporation製、Type HCA−1)を銀メッキ処理し、その後、金メッキ処理を行い、長軸径30μm、アスペクト比2.5〜3.5の薄片状導電性粒子を得た(図2(b)参照)。なお、各メッキ処理は、薄片状導電性粒子の全重量を100重量%するとき、銀メッキが13〜17重量%、金メッキが3〜7重量%となるようメッキ処理を行った。
(2)回路接続部材の製造
[実施例1]
付加型液状シリコーンゴムに、調製例1で得られた薄片状導電性粒子を、薄片状導電性粒子の体積分率が27%となるように添加して混合した後、減圧による脱泡処理を行うことにより、シート形成材料を調製した。このシート形成材料を、スクリーン印刷法によって、PTFEフィルム(商標)上に塗布して塗布基板を形成した。得られた塗布基板を、100℃に加熱しながら、強度分布を有する平行磁場(0.5〜1テスラ)中に置き、外部磁場を30分間加え、薄片状導電性粒子をその扁平状主面が回路接続部材の厚み方向と略平行となるよう配向および集合させた。PTFEフィルムを剥がした後、200℃で4時間加熱処理を行うことにより、厚み:400μm、導電部の径:250μm、導電部の形状:円、導電部同士のピッチ:500μmの回路接続部材を製造した。得られた回路接続部材の電子顕微鏡写真を図5(b)に示す。
なお、付加型液状シリコーンゴムとしては、A液の粘度が250Pa・sで、B液の粘度が250Pa・sである二液型のものであって、硬化物の150℃における永久圧縮歪みが5%、硬化物のデュロメーターA硬度が35、硬化物の引裂強度が25kN/mのものを用いた。
[比較例1]
調製例1で得られた導電性粒子の代わりに、金メッキ処理を行った直径が約30μmの略球状のニッケル粒子(金の厚み=60〜100nm)を用いたこと以外は実施例1と同様の手法にて、回路接続部材を製造した。
(3)回路接続部材の評価(押込み耐性)
金メッキ板上に回路接続部材を乗せ、さらにその上にプローブ電極(直径300μmの円形状)を乗せた。前記プローブ電極を押し込みながら、金メッキ板とプローブ電極間に流れる電流の抵抗値(Ω)を測定した。また、プローブ電極に係る荷重(回路接続部材の反発によるプローブ電極に係る荷重)についても、プローブ電極にロードセルを設置することにより測定を行った。結果を表1および図6に示す。
上記結果から明らかなように、実施例1の回路接続部材は、シートの厚み方向に係る負荷量に対して電気抵抗値が一定であった。これに対して、比較例1の回路接続部材は、シートの厚み方向に係る負荷量に対して電気抵抗値にバラツキが生じた。また、押込み量に対する荷重の増加も、実施例1と比べて比較例1は大きい結果となった。
図1において
1 ・・・長軸径
2 ・・・厚み
3 ・・・扁平状主面
図3および図4において
1 ・・・回路接続部材
2 ・・・導電部
3 ・・・絶縁部
4 ・・・薄片状導電性粒子
5 ・・・回路接続部材の上面
6 ・・・回路接続部材の下面
7 ・・・薄片状導電性粒子の集合体

Claims (5)

  1. 厚み方向に伸びる多数の導電部と、これらを相互に絶縁する絶縁部とからなるシート状の回路接続部材であって、前記導電部が、薄片状導電性粒子の集合体により構成されているとともに、前記導電性粒子の扁平状主面が回路接続部材の厚み方向と略平行となる対応で配向された前記導電性粒子の集合体を少なくとも含有することを特徴とする回路接続部材。
  2. 前記薄片状導電性粒子が、導電性強磁性粒子である請求項1に記載の回路接続部材。
  3. 前記導電性強磁性粒子が、単体の金属粒子、2種以上の金属が混合されてなる複合粒子、前記金属粒子もしくは複合粒子を金属で被覆してなる被覆粒子、有機もしくは無機材料を金属で被覆してなる被覆粒子、または前記単体の金属粒子、複合粒子および被覆粒子から選ばれる2種以上の混合粒子である請求項2に記載の回路接続部材。
  4. 前記薄片状導電性粒子のアスペクト比が、1.5〜5である請求項1〜3の何れか一項に記載の回路接続部材。
  5. 前記回路接続部材中の全構成部の体積分率を100%とするとき、前記導電部の体積分率が5〜80%である請求項1〜4の何れか一項に記載の回路接続部材。
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