JPS6026547Y2 - 電動機のブラシ台保持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電機子と整流子を備えた回転軸と、上記回転
軸の中心線の半径方向に配置された複数個の磁石と、複
数個のブラシと、上記複数個のブラシを一体的に保持し
たブラシ台と、上記回転軸を回転可能に支持するととも
に上記複数個の磁石および上記ブラシ台を所定の位置に
保持するフレームとを備えた電動機のブラシ台保持装置
に関する。

従来の上記電動機のブラシ台保持装置は、ブラシ台に舌
片部を設け、この舌片部をフレームの所定位置に形成さ
れた孔に貫通させた後先端を折曲させることによりブラ
シ台を所定の位置に保持したり、あるいは、ブラシ台を
フレームにねじ止めすることによりフレームの所定の位
置に保持している。

しかし位置従来のブラシ台保持装置は、フレームに孔を
形成したり、あるいはねじ止め用の雌ねじ孔を形成する
必要があり、またねじ止めや舌片部を折曲させなければ
ならないので、組立が煩雑となるとともに、孔やねじ止
め用の雌ねじ孔を形成する為にある程度の面積を必要と
するので、電動機を小型化する場合には不都合である。

また舌片部を折曲させてフレームに保持させるものであ
ると、舌片部を折曲させた時にブラシが整流子に対する
所定位置からずれてしまう恐れがあり、しかもいったん
舌片部を折曲させてしまった後は、ブラシと整流子の相
互位置の調整が難しい。

この考案は上記事情に基づきなされたものであり、電動
機の小型化に適し、しかも組立が容易であり、またブラ
シと整流子の相互位置の調整が容易である電動機のブラ
シ台保持装置を提供することを目的としている。

以下この考案の一実施例を図面を参照して説明する。

第１図に示すのは、この考案の一実施例によるブラシ台
保持装置を備えた電動機であり、この電動機の電機子と
磁石の相互の位置関係および動作原理は軸方向の長さが
半径方向の長さに比べて短かい偏平形の直流電動機とし
て公知のものである。

この電動機は略円板形状に構成された電機子１０と整流
子１２とを備えた回転軸１４を備えている。

電機子１０および整流子１２を含めて回転軸１４は、円
筒形のカップ形状をしたフレーム１６により覆われてい
る。

フレーム１６の端壁１８は、回転軸１４の中心線の半径
方向に出しており、この端壁１８の内表面は、回転軸１
４の両端のうち、整流子１２が設けられている側の一端
と対向している。

端壁１８には、回転軸１４の中心線と同心的に設けられ
、回転軸１４の上記一端の延出方向に延出した円筒形の
カップ形状をした凹所２０が形成されている。

凹所２０には、複数個のブラシ２２を一体的に保持し凹
所２０の内周面の直径と等しい外径を備えた円板形状の
ブラシ台２４が、凹所２０の内周面に沿って回転軸１４
の延出方向に摺動自在に装着されている。

ブラシ台２４の中心には、凹所２５が形成されており、
この凹所２５に中心軸１４の前記一端が回転自在に嵌合
し保持されており、上記凹所２５は中心軸１４のスラス
ト方向およびラジアル方向の軸受としての機能を果すよ
うになっている。

そして、ブラシ２２は、回転軸１４の前記一端がブラシ
台２４の前記凹所２５に嵌合された時、整流子１２に回
転軸１４の半径方向から接触し、整流子１２と電気的に
接続される。

フレーム１６の、端壁１８と対向する側に相当する開口
部は、フレーム１６に取着される回転軸１４の中心線の
半径方向に延出した円板形状のキャップ２６で覆われて
いる。

回転軸１４の他端部、即ち電機子１０の端部はキャップ
２６から外部空間に突出しており、上記他端部はキャン
プ２６に設けられた軸受２８によりラジアル方向に回転
可能に保持されている。

フレーム１６内で、回転軸１４の中心線の半径方向には
、複数個の磁石、この実施例では２個の永久磁石が配置
されており、これら２個の永久磁石は一体的に成形され
て円環形状の界磁マグネットユツト３０を構成している
。

界磁マグネットユツト３０は、凹所２０の内周面の直径
と等しい直径の内周面３２で規定された中空部を備えて
いる。

そして界磁マグネットユツト３０は、一方の端面がフレ
ーム１６の端壁１８の内表面に公知の固定手段で、例え
ば接着剤等により固着されている。

そしてこの時、内周面３２は、回転軸１４の中心線と同
心的に配置され、また回転軸１４に沿って延出した整流
子１２と対向しており、また界磁マグネットユツト３０
の他端面ば電機子１ｏの一端面と対向している。

内周面３２には、内方フランジ３４が設けられている。

内方フランジ３４とブラシ台２４との間には、弾性を有
した材料、この実施例の場合はプラスチックスで形成さ
れた円筒形状の固定部材３６が配置されている。

この固定部材３６の一端面から他端面までの距離は、内
方フランジ３４のブラシ台２４と対向した表面から、ブ
ラシ台２４の内方フランジ３４と対向した表面までの距
離よりもわずかに大きくなっている。

そして固定部材３６の上記一端面は内方フランジ３４と
当接し、前記他端面ばブラシ台２４の内方フランジ３４
と対向した表面である一端面と当接している。

そして、固定部材３６は回転軸１４の中心線に沿った方
向に弾性力を作用させ、フレーム１６の端壁１８の凹所
２０中のブラシ台２４を界磁マグネットユツト３０の内
周面３２の内方フランジ３４とフレーム１６の端壁１Ｂ
の内表面とで挾持し、ブラシ台２４を、第１図に示す如
く、ブラシ２０が界磁マグネットユツト３０の中空部中
に収容された状態で整流子１２と接触した所定の位置に
保持するものである。

次に以上のように構成された電動機の組立手順について
第２図を参照して説明する。

まず最初にブラシ台２４をフレーム１６の端壁１８の凹
所２０中に嵌合させる。

次に界磁マグネットユツト３０をフレーム１６内に挿入
して、フレーム１６と同心的に配置した後、界磁マグネ
ットユツト３０の一端面をフレーム１６の端Ｗ １ Ｂ
の内表面に公知の固定手段で、例えは接着剤等により固
着する。

この時ブラシ台２４上の複数のブラシ２２は界磁マグネ
ットユツト３０の中空部中に第１図に示す如く収容され
る。

次に固定部材３６に直径方向の応力を加えて、固定部材
３６の外径を縮小させた後、この固定部材３６を界磁マ
グネットユツト３０の、内周面３２で規定された中空部
に圧入する。

圧入された固定部材３６は、外径を元の大きさに自身の
もつ弾性力により回復させるとともに、その外周面を界
磁マグネットユツト３０の内周面３２に当接させる。

またこれと同時に、固定部材３６の一端面はブラシ台２
４の内方フランジ３４と対向した表面と当接し、また他
端面は内方フランジ３４のブラシ台２４と対向した表面
にフレーム１６の中心線に沿った方向への弾性力を有し
て状態で当接する。

この時ブラシ台２４は、固定部材３６の、フレーム１６
の中心線に沿って方向への弾性力により、内方フランジ
３４と凹所２０の端壁１８の内表面とで挾持される。

次に電機子１０と整流子１２とを備え、第２図では図示
しない回転軸１４を、整流子１２側の一端からフレーム
１６中に挿入し、回転軸１４の上記一端をブラシ台２４
の前記凹所２５に嵌合、同時に界磁マグネットユツト３
０の中空部の中で整流子１２にブラシ２２を接触させる
。

さらに第２図には図示しないキャップ２６に備えられた
軸受２８に回転軸１４の他端を嵌合した後、キャップ２
６をフレーム１６に取着し、キャップ２６でフレーム１
６の前記開口部を覆わせる。

以上詳述したように、この考案の電動機のブラシ台保持
装置は、電機子と整流子を備えた回転軸と、上記回転軸
の中心線の半径方向に配置された複数個の磁石と、複数
個のブラシと、上記複数個のブラシを一体的に保持した
ブラシ台と、上記回転軸を回転可能に支持するとともに
上記複数個の磁石および上記ブラシ台を所定の位置に保
持するフレームとを備えた電動機において、上記フレー
ムに上記回転軸の上記中心線の半径方向に延出した端壁
を設け、上記複数個の磁石を一体に成形し略中夫に中空
部を有した環状の界磁マグネットユツトを構威し、上記
界磁マグネットユツトの上記中空部の内周面に内方フラ
ンジを設け、上記端壁と上記内方フランジとの間に上記
ブラシ台および弾性を備えた固定部材を上記複数のブラ
シが上記界磁マグネットユツトの上記中空部中に上記界
磁マグネットユツトの上記中空部中に収容された状態に
配置し、上記界磁マグネットユツトを上記フレームに固
定することにより上記ブラシ台を上記固定部材を介して
上記内方フランジと上記端壁とで挾持し上記所定の位置
に保持した構成としたので、従来の如く、孔やねじ止用
の雌ねじ孔を形成する為に必要とされる面積が不要とな
り、小型化に適する。

また従来例の如く、ブラシ台の所定位置への固定時に、
ねじ止めや舌片部を折曲させる必要がなく、端壁と内方
フランジとの間に固定部材を配置するだけで良いので、
組立が容易である。

またブラシ台は、内方フランジと端壁とて挾持されるの
で、ブラシ台のフレームへの取付時にブラシの整流子に
対する所定位置がずれてしまうことがなく、ブラシ台の
フレームへの固定後に、ブラシと整流子の相互位置の調
整を必要とせす組立が容易である。

また本願考案のブラシ台保持装置では、フレームへ界磁
マグネットユツトを固定することによりブラシ台を固定
部材を介してフレームの所定位置に保持した時にブラシ
台上に複数のブラシが界磁マグネットユツトの中空部の
中に収容される。

このようであれば電動機の軸方向の全体の長さを少なく
とも軸方向におけるブラシの長さ分だけ短縮することが
できる。

また本願考案においては、固定部材がブラシ台とともに
フレームの端壁と界磁マグネットユツトの中空部の内方
フランジとの間に位置する。

従って第１図に示す如く固定部材の全体を界磁マグネッ
トユツトの中空部中に収容することができる。

このよってあれば、電動機の軸方向の全体の長さを軸方
向における固定部材の長さ分だけさらに短縮するこがで
きる。

しかも半径方向における電動機の寸法を半径方向におけ
る固定部材の寸法分だけ大きくしなくともすむものであ
る。

全体の寸法を小型化することがどのような種類の電動機
においても好ましいことはいうまでもありません。

そして軸方向における長さを従来に比べて短縮できるこ
とは、本願の図面に示した如き軸方向の長さが半径方向
の長さに比べて短い偏平形の電動機において特に利点が
大きい。

上述した実施例はこの考案を説明するためのものであり
、この考案を何んら限定するものでなく、この考の技術
範囲で変形、改造等の施されたものも全てこの考案に包
含されることはいうまでもない。

例えば、電動機は図示の如く軸方向長さが半径方向長さ
に比べて短い偏平形の直流電動機に限られるものではな
く、ラジアルギャップ型の電動機であっても良い。

またブラシ２２や磁石の個数は２個に限られるものでは
なく、３個あるいは３個以上であっても良い。

またブラシ台２４の形状は円板形状に限られるものでな
く、四角形や三角形の板材であっても良い。

また端壁１８には凹所２０が形成されていなくとも良い
。

しかし、一実施例の如く、凹所２０を設けることにより
、ブラシ台２４のフレーム１６に対する所定位置の設定
および保持を容易に行うことができる。

また、ブラシ台２４には、回転軸１４のスラスト方向お
よびラジアル方向の軸受として機能する凹所２５が設け
られていなくとも良い。

またフレーム１６の端壁１８に、回転軸１４の整流子１
２側の一端部が挿通される為の貫通を形成しても良い。

また界磁マグネットユツト３０は、その一端面がフレー
ム１６の端壁１８の内表面に固着されるものに限られる
ものではなく、フレーム１６の周壁に公知の固定手段、
例えば接着剤やねじ止め等により固着されるものであっ
ても良い。

また固定部材３６は円筒形状のものに限られるものでは
なく、界磁マグネットユツト３０の内周面３２で規定さ
れた中空部への配置を容易にするため、第２図に示す如
く、円周方向に延出した孔を形成したり、あるいは固定
部材３６の中心軸に沿った方向に延出したスプリットが
形成されたものであっても良い。

またブラシ台２４と固定部材３６との回転軸１４の中心
線に沿った方向への配列位置は、第１図に示す如く、ブ
ラシ台２４がフレーム１６の端壁１８側に配置され、固
定部材３６が内方フランジ３４側に配置されるものに限
られず、上記した逆の配列であっても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこ考案の一実施例によるブラシ台保持装置を備
えた電動機を示す断面図、第２図は第１図に示す電動機
から電機子および整流子を備えた回転軸とキャップとを
取り除き、固定部利の種々の変形例とともに示す分解斜
視図である。 １０・・・・・・電機子、１２・・・・・・整流子、１
４・・・・・・回転軸、１６・・・・・・フレーム、１
８・・・・・・端壁、２２・・・・・・ブラシ、２４・
・・・・・ブラシ台、３０・・・・・・界磁マグネット
ユツト、３４・・・・・・内方フランジ、３６・・・・
・・固定部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電機子と整流子を備えた回転軸と、上記回転軸の中心線
   の半径方向に配置された複数個の磁石と、複数個のブラ
   シと、上記複数個のブラシを一体的に保持したブラシ台
   と、上記回転軸を回転可能に支持するとともに上記複数
   個の磁石および上記フラジ台を所定の位置に保持するフ
   レームとを備えた電動機において、上記フレームに上記
   回転軸の上記中心線の半径方向に延出した端壁を設け、
   上記複数個の磁石を一体的に成形し略中夫に中空部を有
   した環状の界磁マクネットユツトを構成し、上記界磁マ
   グネットユニットの上記中空部の内周面に内方フランジ
   を設け、上記端壁と上記内方フランジとの間に上記ブラ
   シ台および弾性を備えた固定部材を上記複数のブラシが
   上記界磁マグネットユツトの上記中空部中に収容された
   状態に配置し、上記界磁マグネットユツトを上記フレー
   ムに固定することにより上記ブラシ台を上記固定部材を
   介して上記内方フランジと上記端壁とで挾持し上記所定
   の位置に保持したことを特徴とする電動機のブラシ台保
   持装置。