JPS5849611Y2 - 可変抵抗器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高精度な可変抵抗器を得ることを目的とするも
のである。

従来の可変抵抗器の基本構造を第２図に示すが、組立構
造上で各部品相互間の明確な基準がないため、最終的に
刷子１３と抵抗体１２とを同心円上に位置せしめるのが
非常に難かしく、可変抵抗器の組立段階で抵抗体１２自
身の持つ精度特性を低下させている例が多い。

また、軸１６の保持の主体が全て軸受１８に付与されて
おり、そのために小型化されるにつれてスラスト及びラ
ジアル方向の軸ガタが相対的に大となり、機械的特性、
電気的特性を一段と悪くしている。

１１は取付板、１４は刷子取付板、１５は金属カバー、
１７は端子、１９は接触子である。

本考案はこういった問題点を解消し、抵抗体自身の持つ
特性を組立後もできるだけそのままの特性が得られるよ
うに考案されたもので、組立構造上に基準は全てケース
にあり、従来例にあるような部品組合せ時に発生する位
置バラツキは一切発生しないように考慮されている可変
抵抗器は提案するものである。

以下、本考案の一実施例について第１図とともに説明す
る。

第１図に示すように本考案の可変抵抗器は、軸６と、こ
の軸６に装着された刷子取付板４と、この刷子取付板４
に固着された刷子３と、中央絞り穴部５ａにて上記軸６
を保持している軸受カバー５と、上記刷子３がその上面
に接触摺動する馬蹄形の抵抗体２と接触板７をインサー
ト成型してなるケース１にてその主要部が構成されてい
る。

上記刷子取付板４とケース１には軸６の回転角形を規制
する回転止め部４ａと１ｂとが一体に設けられている。

そして、上記ケース１の中央部には上記抵抗体２の中心
と同一となる位置に円錐状の凹部１ａを持ち、この四部
１ａと軸先端円錐部（あるいは球状部）５ａとを突き合
せ、がつ上記軸受カバ−５外周部と上記ケース１内周部
とを圧入嵌合せしめており、これにより上記刷子取付板
４背面部を上記軸受カバー５にて上記軸先端円錐部６ａ
側に押圧し、密閉構造とするとともに所定の回転トルク
を発生させるようにしている。

第１図で８は接触板７より取出された端子である。

本考案の構造によれば、組立構造上の基準は全てケース
１にあり、従来例にあるような部品組合せ時に発生する
位置バラツキは一切発生しないように考慮されている。

また、軸６の保持構造がケース１の円錐状の凹部１ａと
軸先端円錐部６ａとを突き合わせ、かつ軸６に取付けら
れた刷子取付板４背面を軸受カバー５にて押圧して保持
する構造のため、スラスト、ラジアル方向の軸ガタは従
来の同形状可変抵抗器に比べてほとんどない。

ここで、軸受カバー５は軸６の回転トルクを維持するた
め、必要な回転トルクに見合う弾性体が好ましい。

さらに、この考案の特徴として軸受カバ−５外周部とケ
ース１内周部とを圧入嵌合せしめた時、軸受カバー５の
外周曲げ部構造により該軸受カバー５の取りはずしには
相当の負荷が必要で、このために軸受カバー５を特別に
絞め固定等をすることもなく組立が可能となり、また抵
抗体インサート工法と兼ね合わせて可変抵抗器の内部が
シール材等を必要とせず完全密閉構造となることである
。

以上、本考案により従来の可変抵抗器に比べ一段と小型
化、高精度の可変抵抗器が、部品精度を著しく上げるこ
ともなく低価格で供給することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による可変抵抗器の断面図、第２図は従
来例における可変抵抗器の断面図である。 １・・・・・・ケース、１ａ・・・・・・凹部、２・・
・・・・抵抗体、３・・・・・・刷子、４・・・・・・
刷子取付板、５・・・・・・軸受カバー、５ａ・・・・
・・中央絞り穴部、６・・・・・・軸、６ａ・・・・・
・軸先端円錐部（球状部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸と、刷子と、刷子取付板と、軸受カバーと、抵抗体を
   インサート成型してなるケースにてその主要部が構成さ
   れ、上記ケースの中央部には上記抵抗体の中心と同一と
   なる位置に円錐状の凹部を持ち、この凹部と軸先端円錐
   部あるいは球状部とを突き合わせ、上記軸受カバーの中
   央絞り穴部にて上記軸を保持し、上記軸受カバー外周部
   と上記ケース内周部とを圧入嵌合せしめ、上記刷子取付
   板背面部を上記軸受カバーにて上記軸先端側に押圧し所
   定の回転トルクを発生させることを特徴とする可変抵抗
   器。