JPS6024881Y2 - 分離潤滑用オイルポンプの駆動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、２サイクルエンジンにおける分離潤滑用オ
イルポンプの駆動装置に関するものである。

従来の駆動装置は第１図に示すように、クランクシャフ
ト１とオイルポンプ２の入力シャフト３とを中間シャフ
ト４にて連結しており、この中間シャフト４と入力シャ
フト３とは中間シャフト４の端面に形成したキー状突起
５を入力シャフト３端面の係入溝６に係入・結合してク
ランクシャフト１の駆動力を中間シャフト４を経てオイ
ルポンプ２の入力シャフト３に伝達するよう構成されて
いる。

しかしながら、上記駆動装置の構成では、オイルポンプ
２の入力シャフト３はオイルポンプ本体の内部に軸受部
を持ち充分な剛性と軸受があるのに対し、中間シャフト
４は細く長い為、クランクシャフト１側とオイルポンプ
２側とは部品精度、剛性上軸振れを起こし、高速回転時
には軸振れ、軸移動に耐えきれず、従って危険回転数と
の見合いで中間シャフト４の剛性、精度を高めるか、或
は第１図に示すベアリング７を必要としている一方、こ
のベアリング７は潤滑上難点がある。

又、中間シャフト４の径の増大を図ることは、この中間
シャフト４をリコイルスタータ８のスタータシャフト９
内に貫通する構造上の制限がある。

一方、従来では例えば第１図或は実開昭４９−４９３２
９号公報等に示されているように、中間シャフトとクラ
ンクシャフトとの結合は、中間シャフト端部に形成した
キー状平面部をクランクシャフト端面の凹部に嵌入する
等の単純な結合手段が取られているため、このクランク
シャフトと中間シャフトとの結合部においても軸振れ、
軸移動の問題がある。

この考案の目的は、これらの問題に鑑み、中間シャフト
のキー状突起をオイルポンプの入力シャフトに設けた係
入溝に係入・結合してこの結合部にキャップを嵌着し、
このキャップを介して中間シャフトをオイルポンプの入
力シャフトに軸受させてこの入力シャフトの剛性と軸芯
を利用して中間シャフトの軸振れ、軸移動を防止し、そ
の結果従来用いていた中間シャフトのオイルポンプ側ベ
アリングを廃止できると共に、中間シャフトの剛性、加
工精度を過大に向上させることなく通常状態で足りるよ
うにした分離潤滑用オイルポンプの駆動装置を提供しよ
うとするものである。

又、本考案の他の目的は、クランクシャフトの駆動力を
中間シャフトに伝達するのにスタータプーリを介して行
い、スタータプーリの挿通孔と、中間シャフトの噛合面
部との噛合により中間シャフトに伝達して動力伝達をす
るようにして噛合面部の接触面積を大きくでき、長期使
用および衝撃等による接触面（動力伝達面）の疲労等に
よる変形等を防止できるようにした分離潤滑用オイルポ
ンプの駆動装置を提供するにある。

更に、本考案の他の目的は、前記入力シャフト側の軸受
キャップによる結合と、クランクシャフト側のスタータ
プーリを介した噛合面部による結合とにより、中間シャ
フトの両端部がユニバーサルジヨイント的な働きをし、
両端部で前記軸振れ、軸移動を防止できるようにした分
離潤滑オイルポンプの駆動装置を提供するにある。

以下図面を参照してこの考案を具体的に説明する。

第２図ないし第４図はこの考案の一実施例を示している
。

これらの図において符号１１はクランクシャフト、１２
はスプリングワッシャ１３及びナツト１４にてクランク
シャフト１１に締結されたフライホイール、１５は■プ
ーリ、１６はスタータプーリで、このＶプーリ１５とス
タータプーリ１６はボルト１７にてフライホイール１２
に軸着している。

符号１８はりコイルスタータであり、渦巻きばね１９及
びスタータシャフト２０、このスタータシャフト２０に
軸着した回転板２１、この回転板２１に配設され回転に
よる遠心力によって外周方向へ突出して上記スタータプ
ーリ１６の窓２２に噛合する爪２３とから構成されてい
る。

このリコイルスタータ１８のカバー２４には、分離潤滑
用オイルポンプ２５がねじ２６にて着脱自在に取付けら
れており、その人力シャフト２７がスタータシャフト２
０と同一軸上に設けられている。

又、スタータシャフト２０は中心の一方向に貫通孔２８
を有し、この貫通孔２８内にクランクシャフト１１の駆
動力をオイルポンプ２５の入力シャフト２７に伝達する
中間シャフト２９が挿通されている。

上記中間シャフト２９の後端部は、クランクシャフト１
１端面に穿孔されたガイド用盲孔３ｏ内に挿入され、先
端部はキー状突起３１を有して入力シャフト２７端面に
形成された係入溝３２に係入・結合されている。

そして、この中間シャフト２９の駆動力は、上記キー状
突起３１と係入溝３２との係合面にて入力シャフト２７
に伝達されるようになっている。

この中間シャフト２９と入力シャフト２７との結合部に
は、軸受キャップ３３が嵌着されている。

この軸受キャップ３３は、合成樹脂等により成形され、
一端に中間シャフト嵌入孔３４を、他端に入力シャフト
嵌入孔３５を、又中間にキー状突起挿通孔３６を有し、
これら孔３４．３５．３６を夫々連通している。

このように中間シャフト２９の先端部は、軸受キャップ
３３を介してオイルポンプ２５の入力シャフト２７に軸
受された構成となっている。

又、中間シャフト２９には、噛合面部、例えば六角面部
３７が一体又は別体に設けられている。

一方、スタータプーリ１６は中間シャフト挿通孔３８を
有腰この挿通孔３８は上記噛合面部３７と合致して噛合
する大きさ・形状に形成されていると共に、接触面積を
広くする為に屈曲面を形成している。

そして、スタータプーリ１６の挿通孔３８と中間シャフ
ト２９の噛合面部３７とが噛合し、クランクシャフト１
１の駆動力がスタータプーリ１６を介して中間シャフト
２９に伝達されるよう構成されている。

このような構成では、クランクシャフト１１の駆動力は
、スタータプーリ１６を介して中間シャフト２９に伝達
され、さらに中間シャフト２９のキー状突起３１と入力
シャフト２７の係入溝３２との係合面を介して入力シャ
フト２７に伝達されるものである。

又、中間シャフト２９は、軸受キャップ３３を介して同
一回転を行うオイルポンプ２５の入力シャフト２７に軸
受された構成となっており、この人力シャフト２７の剛
性と軸心を利用して軸振れ、軸移動が防止されている。

かくて、この考案によれば、中間シャフトとオイルポン
プの入力シャフトとの結合部に軸受キャップを嵌着し、
この軸受キャップを介して中間シャフトを入力シャフト
に軸受させるようにしてなるので、中間シャフトは入力
シャフトの剛性と軸芯を利用して軸振れ、軸移動が防止
でき、その結果中間シャフトの剛性、精度を高める必要
がなく、又従来必要としたベアリングを廃止できるもの
である。

従って、構造を簡単にでき、且つ分離潤滑用オイルポン
プ装置の着脱を容易に行うことができる。

さらに、中間シャフトと入力シャフトとの結合部は軸受
キャップにて保護されているので、この結合部への塵埃
の侵入を防止でき、摩耗を抑制できる効果を有する。

更に又、クランクシャフトの駆動力を中間シャフトに伝
達するのにスタータプーリを介して行い、スタータプー
リの挿通孔と中間シャフトの噛合面部との噛合により中
間シャフトに伝達して動力伝達をするようにして噛合面
部の接触面積を大きくでき、長期使用および衝撃等によ
る接触面（動力伝達面）の疲労等による変形等を防止で
きる一方、中間シャフト端部はクランクシャフト端面の
ガイド孔に挿入するのみであるので、該シャフトの加工
精度をこの面からも上げる必要がない。

又、中間シャフトは、その入力シャフト側が軸受キャッ
プにより、クランクシャフト側がスタータプーリを介し
且つ噛合面部の噛合により軸受けされるので、両端部が
ユニバーサルジヨイント的な働きをして両端部で軸振れ
、軸移動を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の駆動装置を示す断面図、第２図はこの考
案の一実施例に係る駆動装置を示す断面図、第３図は中
間シャフトと入力シャフトとの結合部を示す分解斜視図
、第４図は第２図のＡ−Ａ線断面図である。 １１・・・・・・クランクシャフト、２５・・・・・・
オイルポンプ、２７・・・・・・入力シャフト、２９・
・・・・・中間シャフト、３３・・・・・・軸受キャッ
プ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スタータプーリをクランクシャフトと同軸上で該クラン
   クシャフト側に固定し、このクランクシャフトの駆動力
   を、前記スタータプーリの軸心を貫通しクランクシャフ
   トと同軸上に設けた中間シャフトで分離潤滑用オイルポ
   ンプの入力シャフトに伝達する２サイクルエンジンの分
   離潤滑用オイルポンプの駆動装置において、前記中間シ
   ャフトと入力シャフトとの結合部に軸受キャップを嵌着
   し、この軸受キャップを介して中間シャフトを入力シャ
   フトに軸受させると共に、この中間シャフトの前記クラ
   ンクシャフト側端部を該クランクシャフト端面に形成上
   たガイド孔に挿入し、且つこの中間シャフトに設けた噛
   合面部を前記スタータプーリの軸心の孔部に噛合させ、
   前記クランクシャフトから中間シャフトへの駆動力伝達
   を、該クランクシャフトから前記スタータプーリを介し
   て行い、このスタータプーリから中間シャフトへの駆動
   力伝達を該スタータプーリの孔部と中間シャフトの噛合
   面部との噛合により行うよう構成したことを特徴とする
   分離潤滑用オイルポンプの駆動装置。