JPS6024840B2 - ドライクリ−ニング用洗浄剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はドライクリーニングにおいて、被洗物に付着し
た親水性汚垢を効果的に除去すると同時に被洗物の帯電
を防止し、併せて柔軟性を付与するドライクリーニング
用洗浄剤組成物に関する。

ドライクリーニングにおける洗浄剤は、杉の可溶化能（
抱水能）を向上させること、親水性汚垢を被洗物から除
去することを可能にすること、及び除去された汚れの再
付着（再汚染ともいう）を防ぐことが必須の要件である
。この場合、抱水能は親水性汚垢の除去力に関係がある
と同時に、被洗物が吸湿してもたらされる水分を最低限
可溶化させる力をいい、洗浄剤の抱水能が極端に低く、
洗浄液中の水分が可溶化されない場合には、繰り返し洗
浄を行う際に被洗物の縮み、色なき等の不都合が起るた
め、洗浄剤は必要な抱水能は保有しなければならない。
このような目的で使用される洗浄剤成分の界面活性剤と
しては、アニオン系界面活性剤に関しては、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ェステ
ル塩、石油スルホネート等が知られ、ノニオン系界面活
性剤に関しては、ポリオキシェチレソノニルフヱニルェ
ーテル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリオキシェチレ
ンアルキルェーテル等が知られている。しかしながら、
アニオン系界面活性剤においては、、抱水能が小さく、
またノニオン系界面活性剤においては、再汚染防止能が
４・さいため、実際には、これらの界面活性剤を種々の
組合せによって使用しているのが現状である。これらの
組合せ系において、アニオン系界面活性剤とノニオン系
界面活性剤の組合せでは抱水能が高く、親水性汚垢に対
する洗浄力や再汚染防止能も優れるという特長を持つ一
方、被洗物に帯電防止性あるいは柔軟性を殆ど付与でき
ないという難点があり、更に、親水性汚垢に対する洗浄
力が良くないという大きな欠点を有する。これに対し、
カチオン系界面活性剤は被洗物に対してある程度の帯電
防止性と柔軟性を付与できるものの、洗浄力として必須
の性能ともいうべき抱水能が著しく劣る。したがって、
カチオン系界面活性剤は、その解決策として／ニオン系
界面活性剤との組合せにおいて使用されるが、この組合
せは、親水性及び親水性汚垢に対する洗浄力、再汚染防
止館の両点において前述のアニオン系界面活性剤とノニ
オン系界面活性剤の組合せに比して著しく劣る上、帯電
防止性の点でも、繊維の種類によって極端に変動するば
かりでなく、湿度の影響を受けて、低温度では帯電防止
能を殆ど期待できないという問題がある。また、前記し
た各欠点を解決しようとして、アニオン系界面活性剤と
カチオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤とを一般
的に組合せても、生成物は固化又はゲル化が起って商品
価値がなく、また性能面においても洗浄後、被洗物へ付
着した成分が乾燥時の熱や仕上げ後の放置により、異臭
が残るなどして、実用性あるものを得ることは極めて困
難であった。本発明者らは、前記したような従来技術の
欠点を克服し、洗浄すると同時に同じ洗浄浴中にて帯電
防止効果乃至柔軟効果を付与し、ドライクリ−ニングの
操作を簡易化する新しいドライクリーニング用洗浄剤を
関発すべく鋭意研究を重ねた結果、アミドアミン型両性
界面活性剤Ａとリン酸ェステル型界面活性剤Ｂとジアル
キルスルホサクシネート型界面活性剤Ｃとエーテル型非
イオン型界面活性剤Ｄとを特定の割合で配合した界面活
性剤組成物がその目的に適合することを見出し、本発明
を完成するに到った。

すなわち、本発明によれば、下記一般式 〔Ａ〕、〔Ｂ〕、〔Ｃ〕及び〔Ｄ〕で表わされる界面活
性剤Ａ，Ｂ，Ｃ及びＤを含有し、かつこれらの界面活性
剤Ａ，Ｂ，Ｃ及びＤの割合は、それらの総和量〔Ａ十Ｂ
＋Ｃ十Ｄ〕に対し、界面活性剤Ａは１０〜４の重量％、
界面活性剤Ｂは１０〜４０重量％、界面活性剤Ｃは１０
〜３の重量％及び界面活性剤Ｄは５〜７の重量％である
ことを特徴とするドライクリーニング用洗浄剤組成物。

Ａ：アミドアミン型両性界面活性剤（式中、Ｒは炭素数
８〜２０のアルキル基又はアルケニル基を示し、ＸはＨ
又はＣＨ２ＣＤＯＨを示し、Ｙは日、ＣＨ２Ｃ比ＯＨ又
はＣＨ２ＣＨ２ＣＯＯＭを示し、この場合、Ｍはアルカ
リ金属、アルカリ士額金属又はアルカノールアミンを示
すものとし、ＺはＣＨ２ＣＯＯＭ又はＣＨ２ＣＨ２ＣＯ
ＯＭを示し、この場合、Ｍはアルカリ金属、アルカリ士
類金属又はアルカノールアミンを示すものとする）Ｂ：
リン酸ェステル型界面活性剤 又は （式中、ＲＩは炭素数８〜１８のアルキル基又はアルケ
ニル基を示し、Ｒ２はＨ又はＣ瓜を示し、ｎは１〜２０
の整数を示し、Ｘ及びＹは同一又は異なっていてよく、
ＯＭ、を示し、この場合、Ｒ１，Ｒ２及びｎは前記と同
じ意味を持ち、Ｍは日、アルカリ金属、アルカリ士類金
属又はアルカノールアミンを示すものとする）Ｃ：ジア
ルキルスルホサクシネート型界面活性剤（式中、Ｒ３及
びＲ４は同一又は異なっていてよく炭素数６〜１８のア
ルキル基又はアルケニル基を示し、Ｍはアルカリ金属、
アルカリ士類金属又はアルカノールアミンを示す）Ｄ：
非イオン型界面活性剤 又は （式中、Ｒ５は炭素数６〜１８のアルキル基又はアルケ
ニル基を示し、Ｒ６はＨ又はＣＨ３を示し、ｎは１〜２
０の整数を示す）が提供される。

本発明のドライクリーニング用洗浄剤組成物において、
成分Ａすなわち一般式〔Ａ〕で表わされるアミドアミン
型両性界面活性剤は、繊維に対する帯電防止効果乃至柔
軟性付与剤としてすぐれた活性剤であることは見出され
ているが、ドライクリーニング用洗浄剤において必須の
性能である洗浄力、再汚染防止能及び抱水能はその効果
の面で殆ど期待できない欠点がある。

しかしながら、この欠点は本発明の組成物とすることに
より克服される。この一般式〔Ａ〕で表わされる活性剤
において、Ｒは炭素数が８未満では、得られる組成物は
繊維吸着量が低下して柔軟性付与効果が劣ってくるし、
一方２０を越える場合には親水性が強くなり、保温性が
劣るようになる。この一般式〔Ａ〕で表わされる成分Ａ
について、特に好ましいものを例示すると次の通りであ
る。上記式中、Ｒは炭素数８〜２０のアルキル基又はア
ルケニル基、Ｍは日、アルカリ金属、アルカリ土頚金属
又はアルカノールアミンをそれぞれ示す。

上記一般式‘ａ｝〜｛ｄーで表わされるアミドアミン型
両性界面活性剤は単独又は２種以上の混合物の形で用い
ることができる。

成分Ｂすなわち前記一般式〔Ｂ〕で表わされるボリオキ
シアルキレンアルキルエーテルホスフエート又はポリオ
キシアルキレンアルキルアリールェーテルホスフェート
は、再汚染防止館に優れ、かつ成分Ａすなわち一般式〔
Ａ〕で表わされるアミドアミン型両性界面活性剤とある
特定の割合で混合することにより、繊維の種類に関係な
く、低湿度下においても充分なる単電防止性と柔軟性を
被洗物に付与することができる。

一方、この成分Ｂの単独使用では抱水能及び親水性汚垢
に対する洗浄力が劣り、実用性はない。この一般式〔Ｂ
〕で表わされる成分Ｂにおいて、ＲＩの炭素数が８未満
では、得られる組成物の界面活性能が低下し極度に洗浄
力が劣り、他方、８を越える場合には、親油性が強くな
るため、抱水能が劣化する。ｎが２０を越える場合には
、親水性が強くなりすぎるため洗浄力が劣る。なお、成
分Ｂは、モノェステル、ジエステル又はトリェステルあ
るいはそれらの混合物の任意の形で使用される。成分Ｃ
すなわち前記一般式〔Ｃ〕で表わされるジアルキルスル
ホサクシネート塩は、抱水能は比較的小さく、洗浄力、
再汚染防止能は非常に劣るが、このような欠点は本発明
の組成物とすることにより克服される。

この成分Ｃにおいて、Ｒ３及びＲ４の好適な炭素数は６
〜１８である。成分Ｄすなわち前記一般式〔Ｄ〕で表わ
される、ポリオキシアルキレンアルキルェーテル又はポ
リオキシアルキレンアルキルアリールエーテルはアルキ
ル基又はアルケニル基Ｒ５の炭素数及びアルキレンオキ
シドの付加モル数ｎにより種々の特性を有し、また、ア
ルキル基又はアルケニル基Ｒ５の炭素数及びアルキレン
オキシドの付加モル数ｎの異なるものを２種以上混合す
ることにより興味ある性質を発現させることができる。

この成分Ｄは、洗浄力及び合成繊維に対する再汚染防止
能が比較的劣るが、この欠点は本発明の組成物とするこ
とにより克服される。成分ＤにおけるＲ５及びＲ６の炭
素数が６禾満では界面活性能が低下するため、親油性汚
垢に対する洗浄力が悪くなり、一方、１８を越える場合
には、水溶性が低下するため、親水性汚垢に対する洗浄
力が悪化する。また、ｎが０では表面張力が低下するた
め、洗浄力が悪くなり、２０を越える場合にはより親水
性が強くなるため、天然繊維に対する再汚染防止館が低
下する。本発明のドライクリーニング用洗浄剤組成物は
、上記した成分Ａ，Ｂ，Ｃ及びＤを必須要件として含有
することが必要である上、更にこれら４成分の重量比を
特定範囲に限定することも必要である。

例えば、成分ＡとＢとの組合せでは、抱水能が向上せず
、成分ＣとＤだけの組合せにおいても洗浄力が向上しな
いので不適当である。更に成分ＢとＣとの組合せにおい
ても抱水能が向上しなく不適当である。このように、４
成分、Ａ，Ｂ，Ｃ又はＤの単独では帯電防止性、柔軟性
、洗浄力、再汚染防止能、抱水難の少なくとも一つが劣
る。しかし、これらを極めて限定された特定の割合で配
合すると、すなわちそれらの４成分の総和量〔Ａ＋８十
Ｃ＋Ｄ〕の１０の重量部中、Ａ：Ｂ：Ｃ：Ｄ＝１０〜４
０：１０〜４０：１０〜３０：５〜？０の割合に保持す
る限り、本発明の所期の目的を達成することができる。
後述する実施例の結果から明らかなように、４成分を配
合する割合が、この範囲をはずれると、帯電防止性、柔
軟性、洗浄力、再汚染防止館、抱水能の面において良好
なバランスを保つ洗浄剤は得られない。本発明において
、４成分Ａ，Ｂ，Ｃ及びＤを特定の割合で配合すること
により、これらの性質が高度に向上し、かつ良好にバラ
ンスした組成物を得ることができるのは全く予測できな
い顕著な効果である。例えば、帯電防止性では成分Ａと
成分Ｂとの相乗効果により所期の目的が達成され、また
洗浄力については４成分単独では不充分であったものが
、４成分を特定な割合で配合することによって相乗的効
果が現われ、優れた洗浄力が達成され、成分ＡとＢに成
分ＣとＤを特定の割合で配合することにより抱水能、再
汚染防止能、柔軟性が一段とすぐれた組成物を与える。
本発明のドライクリーニング用洗浄剤組成物′は、上記
の成分Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄの４つの必須成分に加え、本組成
物の使い易さのために、テトラクロルェチレンのような
塩素系溶剤を希釈剤として加えることが好ましい。

更にこの時の溶液物性を向上させるため、メタノール、
エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブチルセロソルプ、イソブタノール、イソプロパノ
ールなどの如きカップリング剤を添加することができる
。また、本組成物の効果に特に支障を与えない限り、金
属腐食防止剤、蟹光剤、香料などの補助剤を配合するこ
とが可能であり、これらの添加量はその性能に応じて適
宜選定される。次に本発明を実施例により更に詳細に説
明する。

実施例 アミドアミン型両性界面活性剤Ａとポリオキシアルキレ
ンアルキルェーテルホスフェート又はポリオキシアルキ
レンアルキルエーテルホスフエート又はポリオキシアル
キレンアルキルアリールェーテルホスフエートＢとジア
ルキルスルホサクシネート塩Ｃとポリオキシアルキレン
アルキルェーテル又はポリオキシアルキレンアルキルア
リールェーテルＤとからなるドライクリーニング用洗浄
剤組成物を調製し、下記の性能評価法により、その性能
を評価した。

その結果を後記表に示す。性能評価法｛１１洗浄力及び
再汚染防止力 洗浄剤１％パークロルェチレン溶液中でＳｃｒ血一ｏ−
ｍｅにｒ洗浄機を用い、油化学協会法カーボン汚垢を付
着したウールの汚染布（５×５伽）と、更にウール、ポ
リエステルの原白布（５×５仇）を入れて２５ｑｏ、２
５分間の条件で処理し、ＥＬＲＥＰＨＯ光電反射計によ
り洗浄前後の反射率から求める。

■ 水落性汚垢に対する洗浄力 ポリエステル布（１０弧×２０伽に切断したもの）に約
６％ｏｗｆの（繊維の重量に対する割合）のＮａＣＩを
付着させ、半分（１０肌×１０弧）を洗浄前のＮａＣＩ
量とし、他の半分（１０仇×１０伽）をＳｃｒ地−ｏ−
ｍｅにｒ洗浄機を用いて、活性剤濃度１％パークロルェ
チレン洗浄液で、２５ｏ０、２５分間の条件で洗浄する
。

次に洗浄前後のＮａＣＩ量をＡｇＮ０３標準液滴定によ
り求め、次式より洗浄力を求めるご洗浄力（％）＝洗浄
前のＮａＣＩ量−洗浄後のＮａＣＩ量ＸＩ。

〇洗浄前のＮａＣＩ量‘３１ 抱水能 １００の【共栓付シリンダーに洗浄剤５夕をパークロル
ェチレン４０の【に均一に溶解する。

次に、水に少量ずつビュレツトつり添加、よく振渇する
。濁りが生ずる直前の添加水量を抱水能とする。｛４１
帯電防止能ウール及びポリエステル布（５×１０伽）を
用い、洗浄剤１％パーク。

ルェチレン溶液にて、振濠処理を２５００、２０分間行
い、絞り率６０％ｏｗｆまで絞り、タンブラー乾燥（７
０午０、２０分）した後、２０℃、２０％ＲＨで表面固
有抵抗値を測定する。１び○以下は ○ １ぴ〜１び２０は △ １び２０以上は × ‘５１ 柔軟性及び被洗物の残臭 ウール布（３０×３０ｃの）を用いて洗浄剤１％パーク
ロルェチレン溶液中でドライテスターにて２５℃、２０
分間処理し、絞り率６０％ｏｗｆまで絞って、タンブラ
ー乾燥（７０００、２粉ご）した後、放冷し、官能評価
する。

船

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下記一般式〔Ａ〕，〔Ｂ〕，〔Ｃ〕及び〔Ｄ〕で表
   わされる界面活性剤Ａ，Ｂ，Ｃ及びＤを含有し、かつこ
   れらの界面活性剤Ａ，Ｂ，Ｃ及びＤの割合は、それらの
   総和量〔Ａ＋Ｂ＋Ｃ＋Ｄ〕に対し、界面活性剤Ａは１０
   〜４０重量％、界面活性剤Ｂは１０〜４０重量％、界面
   活性剤Ｃは１０〜３０重量％及び界面活性剤Ｄは５〜７
   ０重量％であることを特徴とするドライクリーニング用
   洗浄剤組成物。 Ａ：アミドアミン型両性界面活性剤▲数式、化学式、表
   等があります▼ （式中、Ｒは炭素数８〜２０のアルキル基又はアルケ
   ニル基を示し、ＸはＨ又はＣＨ＿２ＣＨ＿２ＯＨを示し
   、ＹはＨ、ＣＨ＿２ＣＨ＿２ＯＨ又はＣＨ＿２ＣＨ＿２
   ＣＯＯＭを示し、この場合、Ｍはアルカリ金属、アルカ
   リ土類金属又はアルカノールアミンを示すものとし、Ｚ
   はＣＨ＿２ＣＯＯＭ又はＣＨ＿２ＣＨ＿２ＣＯＯＭを示
   し、この場合、Ｍはアルカリ金属、アルカリ土類金属又
   はアルカノールアミンを示すものとする）Ｂ：リン酸エ
   ステル型界面活性剤 ▲数式、化学式、表等があります▼ 又は ▲数式、化学式、表等があります▼ （式中、Ｒ＾１は炭素数８〜１８のアルキル基又はア
   ルケニル基を示し、Ｒ＾２はＨ又はＣＨ＿３を示し、ｎ
   は１〜２０の整数を示し、Ｘ及びＹは同一又は異なつて
   いてよく、ＯＭ、▲数式、化学式、表等があります▼ を示し、この場合、Ｒ＾１，Ｒ＾２及びｎは前記と同じ
   意味を持ち、ＭはＨ、アルカリ金属、アルカリ土類金属
   又はアルカノールアミンを示すものとする）Ｃ：ジアル
   キルスルホクシネート型界面活性剤▲数式、化学式、表
   等があります▼ （式中、Ｒ＾３及びＲ＾４は同一又は
   異なつていてよく、炭素数６〜１８のアルキル基又はア
   ルケニル基を示し、Ｍはアルカリ金属、アルカリ土類金
   属又はアルカノールアミンを示す。 Ｄ：非イオン型界面活性剤 ▲数式、化学式、表等があります▼ 又は ▲数式、化学式、表等があります▼ （式中、Ｒ＾５は炭素数６〜１８のアルキル基又はア
   ルケニル基を示し、Ｒ＾６はＨ又はＣＨ＿３示し、ｎは
   １〜２０の整数を示す）。