JPS602329B2 - 無機充填剤含有ポリオレフイン組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、タルク含有ポリオレフィン組成物に関する。

従来、ポリ塩化ビニル、耐衝撃性ポリスチレン等の高剛
性プラスチックシートを真空圧空成形したものが食品包
装用容器として大量に用いられている。しかしながら、
この種の材料の使用は、下記のごとき問題がある。

ポリ塩化ピニル：残留モノマーによる衛生性の懸念、焼
却時に発生する塩化水素による焼却炉の損傷。

耐衝撃性ポリスチレン：バター、マーガリン等脂肪系食
品によるゴム系成分等の一部溶出。

したがって、食品包装容器、其の他の包装容器として、
安全衛生等の立場から、より優れた包装容器の開発が要
望されている実情である。周知のように、ポリオレフィ
ン類は、著しく食品包装資材として安全性の高い材料で
あるが、剛が低く、鱗却時に高熱を発し、真空圧空成形
性が劣る欠点がある。

本発明者等は、ポリオレフィンに無機フィラーを配合し
て剛性を向上し、焼却時の発熱量を低下せしめ、かつ真
空圧空成形性を改良する研究をおこなってきた。

しかしながら、ポリオレフィンに無機フイラーを配合す
るためには、ポリオレフィンとして特殊のものを用いる
か、無機フィラーの表面を敬質して、ポリオレフィンと
の親和性を向上させることが必要であった。

しかしながら、この種のポリオレフィンと無機フィラー
との組成物は、白度、真空成形性、臭い等の面において
満足すべきものではなかった。

特に、タルクは耐酸隆、製品剛性、コスト等の面から見
て最適であるにもかかわらずポリオレフィンの中に配合
すると、その組成物は、色相が極めて悪い、臭いが大き
いなどのため、清潔性の要求される食品容器に通さなか
った。本発明の目的は、白度が良好で、真空成形性が良
く、臭いのないタルク含有ポリオレフィン組成物を提供
するにある。

本発明の他の目的は、白度が良好で、臭いのない食品包
装用容器、特に脂肪含有食品包装用容器用のタルク含有
ポリオレフィン組成物を提供するにある。

本発明に有効な添加剤は、−般式 〔ここに、Ｒ，は、直鏡または分枝アルキル基〕で示さ
れる３・５ージ−１−ブチルー４ーヒドロキシーヒドロ
桂皮酸ァルキルェステル、（Ａ成分と称す）、と一般式 〔ここに、Ｒ２、Ｒ３は炭素数２または３のアルキル基
：Ｒ４、馬は、直鎖または分枝アルキル基）で示される
ジアルキルチオジプロピオネート又はジアセテート（Ｂ
成分と称す）である。

Ａ成分の代表例としては、３・５−ジーｔ−ブチル−４
ーヒドロキシーヒドロ桂皮酸ステアリルエステル：３・
５ージーｔ−プチルー４−ヒドロキシーヒドｏ桂皮酸ラ
ウリルェステル、テトラキス〔メチレン（３・５−ジー
ｔ−プチル−４ーヒドロキシーヒドロ桂皮酸ヱステル）
〕メタン等が挙げられる。

Ｂ成分の代表例としては、ジラウリルチオジプロピオネ
ート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルー
ステアリルチオジプロピオネート、３・８′ージラウリ
ルチオジプチレート等が挙げられる。

これらのＡ成分、Ｂ成分の他に、他の改質剤を配合して
も良い。

ポリオレフィンとタルクとの配合物総量１０の重量部に
対し、Ａ成分は、０．０２〜２重量部、好ましくは、０
．０３〜０．乳重量部配合し、Ｂ成分は、０．０３〜２
重量部、好ましくは、０．０５〜０．５重量部配合する
。

添加量が少ないと色相特に白度および臭いの改良効果が
見られない、添加量が多くともよいが、経済的見地より
、Ａ成分、Ｂ成分とも、２重量部以下であることが好ま
しい。

本発賜に用いるポリオレフィンとしてはポリプロピレン
、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリＱ
ーオレフインおよび、それらの英重合体等が挙げられる
。

ブロピレンーェチレン共重合体、特に、プロピレンーェ
チレンブロック共重合体は、タルクとの親和性が大であ
るので特に良好である。特に、英国特許第１３６２９１
２号記載のブロピレンーェチレン ブロック共重合体を
用いるとタルクとの親和性が特に大である。

Ａ成分及び８成分を所定量配合すると、これらの成分と
タルクとの複雑な相互作用により単にポリオレフィンと
夕ルクを配合した系、及びその系に他の第３成分を配合
した系に比較して色相の良好な臭いのない清潔感のある
組成物が得られる。

タルクの平均粒蓬は０．１〜２０ム好ましくは、０．５
〜５ｒである。なお、タルクの一部を他の−毅に用いら
れている無機充填剤によって代替しても良い。

これらは、表面変性して用いても良い。

ポリオレフィンとタルクとの配合比は７０〜３５重量％
／３０〜６５重量％である。

タルクが３の重量％以下になると、剛性の低下及び真空
成形性が不良になり、６５重量％以上になるとシート成
型性が窓くなる。其の他、酸化チタン等の着色顔料、プ
ロピレンーェチレン系ゴム、スチレンーブタジェン系ゴ
ム等のゴム紫外線吸収剤、中和剤等を所望に応じて配合
する。

なお、糠水マレィン酸変性ポリオレフイン、シラン化合
物変性ポリオレフィンを真空または圧空成形性改良のた
めに配合することもできる。

これらの原料は、通常の混練法すなわち、ロール、バン
バリーミキサー、一軸押出機、二軸押出機などを用いて
混線すれば良い。本発明の組成物は、シートに成形し、
食品等の包装容器に成形して用いると良好である。

シート成形は、ベント付押出成形機またはカレンダーロ
ール等を用いておこなう。真空成形法あるし、は圧空成
形法によって、シートを各種の形状に成形することがで
きる。

また、シートの表面にポリオレフィンフイルム等をラミ
ネートして、光択のある成形品を製造することもできる
。本発明の組成物を用いて製造したシートの成形品は、
安全衛生性が高く、白度が良好であり、無臭であり、か
つ、食品中の脂肪による成分の溶出等がないので、食品
包装容器として用いた場合、特に良好である。

以下、実施例によって、本発明をさらに詳細に説明する
。

例中、タルク中の金属含有量はケィ光Ｘ線により、タル
クの白度はＫｅｔｔの白度測定装置により、また、シー
トの白度はカラーマシーン社製カラーマシーン（ＣＭ−
２０）により測定した。

実験例 １〜１６１ エチレン含童１０重量％メルトイ
ンデツクス１．０夕／ｌｑ分のプロピレン・エチレンブ
ロック共重合体２４０ｋｇと平均粒径２ムの中国産タル
ク（鉄とアルミニウムの合計含量０．雌重量％、白度９
６３）１６０ｋ９との混合物１０の重量部に第１表に示
す他成分を各種融合で添加して、口径９仇帆の一軸押出
機を用いて混練、ベレット化した。

得られたべレットを口径９仇愚のペント式押出機にて成
形し、肉眼０．３胸のシートを得た。このシートを真空
成形して、マーガリン容器を製造した。得られた製品の
シ−ト白度、真空成形性、容器の臭いの測定結果を第２
表に示す。第２表に示す通り、Ａ成分とＢ成分を所定量
配合したものは、色相、臭い、真空成形性とも極めて良
好で、マーガリン容器として十分使用可能であった。第
１表 第２表 実験例 １７〜２６ 密度０．９６タ′ｃｃ、メルトインデツクス０．４夕／
１０分の高密度ポリエチレン２００ｋ９と平均粒径ｌｒ
の北朝鮮産タルク（鉄とアルミニウムの合計舎量０．３
の重量％、白度９５７）２００ｋ９との混合物１０の重
量部に第３表に示す池成分を各種剛合で添加して口径６
５脇の一鞠押出機を用いて混練、ベレツト化した。

得られたべレツトをカレンダーロールにて成形し肉厚０
．５側のシートを得た。

このシートを圧空成形してアイスクリーム用の容器を成
形した。

得られた製品のシート白度、真空成形性、容器の臭いの
測定結果を第４表に示す。

第４表に示す通り、Ａ成分とＢ成分を所定軍配合したも
のは色相、臭い、庄空成形性とも極めて良好で、アイス
クリーム容器として十分使用可能であった。

第３表 第４表

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ポリオレフイン７０〜３５重量％とタルク３０〜６
   ５重量％の配合物総量１００重量部に対して、一般式▲
   数式、化学式、表等があります▼ 〔ここにＲ＿１は直鎖または分枝アルキル基を示す〕の
   化合物０．０２〜２重量部と一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼ 〔ここに、Ｒ＿２、Ｒ＿３は炭素数２または３のアルキ
   ル基：Ｒ＿４、Ｒ＿５は直鎖または分枝アルキル基を示
   す〕の化合物０．０３〜２重量部とを配合したことを特
   徴とするタルク含有ポリオレフイン組成物。