JPS6023003Y2 - 煙除去装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は煙等の様に空中に浮遊する汚染物質を除去する
装置に関するものであり、更に詳しくは空中に浮遊する
微細粒子をコロナ放電等によって帯電せしめて、これを
集塵電極上に捕集する所謂電気集塵方式による煙除去装
置の改良に関するものである。

従来、電気集塵装置には、汚染空気中に張架して細線状
放電電極や魚骨状放電電極等によってコロナ放電を行い
、そのイオンシャワーによって前記汚染空気中の浮遊物
質を帯電せしめて、これを集塵電極上に捕集する方式の
ものが多かったが、これ等従来の装置では放電電極の周
囲にあらゆる方向に向って放電するために、コロナ放電
に伴うコロナ風によって放電電極の近傍に生じた負圧部
分に向ってあらゆる方向から、しかもコロナ風に抗して
空気の流入が起り、その結果放電電極が汚染されるので
、これを煙等の様に粘着性で且つ多量の浮遊汚染物質を
含む汚染空気の浄化に使用すると、急速に放電電極が汚
染されて集塵効率が低下し、或いは短絡を生ずる等の欠
点があった。

本考案者等はさきに、突出端において放電するコロナ放
電電極では、コロナ風によって突出端近傍に生じた負圧
部分に向って流れ込む気流は、放電電極の側面に沿って
その背後から一方的に流れてコロナ風に抗することがな
いので、この様な放電電極を、一方の端が煙流路外に開
放され、他方の端が該煙流路内に開口する空気流路の前
記開口部から流路内に突出して設けると、突出端近傍の
負圧部分に流れ込む空気は、前記空気流路によって煙流
路外から供給されることになり、従って放電電極の汚染
を防止出来ることを提案した。

本考案は、かかる提案を改良して、放電電極が汚染され
ずしかも短絡を起さず、長時間の運転においても煙除去
効果が低下しない煙除去装置を提供することを目的とす
るものである。

次に図に基づいて本考案の構成を説明する。

第１図は本考案の一実施例の断面図であり、第２図はそ
の斜視図である。

これ等の図に示す本考案の煙除去装置は、内面に電極１
を設けた円筒状の煙流路２の一方の端に、左右に開口す
る箱体状の導入路７を接続し、該導入路の壁体に煙流路
２と同軸に空気取入用流路３を設け、該流路３の一方の
端を煙流路２外に開口１８し、他方の端を煙流路２の内
部に開口５し、一方向の突出端１２において放電するコ
ロナ放電電極４を前記開口部５より流路２内に突出せし
め、該放電電極の、開口部５の端面と交叉する部分を含
む外面に絶縁被覆６を設けた構造を有している。

第３図は本考案の他の一実施例の斜視図であるが、故国
に示す煙除去装置は、内面の周囲に電極１を設けた長円
形断面の煙流路２に空気取入用流路３を設け、該流路３
の一方の端を煙流路２の外部に開口１８せしめ、他方の
端を煙流路２の内部に開口５せしめ、刃物状の突出端１
２において放電する放電電極４を前記開口部５から煙流
路２の内部に突出せしめ、放電電極４の、前記開口部５
の端面と交叉する部分を含む外面に絶縁性の被覆６を設
け、放電電極４の突出端１２に対向して、流路２の流出
側の部分に反撥電極８を設けた構造になっている。

以上の各実施例に示した様に本考案の煙除去装置は、内
面に電極１を設けた煙流路２の内部に、空気取入用流路
３の開口部５を開口せしめ、突出端１２において放電す
るコロナ放電電極４を前記開口部５より突出せしめ、該
放電電極の少なくとも前記開口部５の端面と交叉する部
分に絶縁被覆６を施こした構造を有するものである。

本考案における煙流路２は、第２図に示した様に円筒状
の流路でも、第３図に示した様に長円形断面の流路でも
いずれでもよく、本考案は流路２の形状、数に限定され
ないが、放電電極４が針状の突出端１２において放電す
る放電電極のときは円筒状の流路とし、また放電電極４
が刃物状の突出端や鋸刃状或いは櫛歯状の突出端におい
て放電する放電電極のときは長円形断面の流路を用いる
と、コロナ放電によって突出端１２から放射されるイオ
ンシャワーが流路２の内周に沿って均一に放射されるか
ら除煙効果を増すことが出来る。

また、空気取入用流路３は、放電電極４の突出端１２に
おいてコロナ放電を行ったとき、該突出端近傍に生じた
負圧部分に向って流路２外から新鮮空気を供給し得るも
のであればその形状に限定はない。

放電電極４の外面に設ける絶縁被覆６は、少なくとも該
放電電極に印加される電圧に対して絶縁被覆を起さない
程度の絶縁性が必要であり、その厚さは放電電圧によっ
て決められる。

また、該絶縁被覆は、前記放電電極４の、空気取入用流
路３の開口部５の端面と交叉する部分を含む外面に施こ
されていれば；突出端１２を除く全面に施こされていて
もよい。

次に本考案の作用効果について説明する。

いま、かかる構成を有する本考案の煙除去装置の放電電
極４と電極１の間に図示してない高圧電源によって高電
圧を印加しつつ、煙流路２に接続する流入側の開放端１
３より煙等を含んだ汚染空気を送入すると、空気電極４
の突出端１２からはコロナ放電によってコロナ風を伴い
つつイオンシャワーが発生するが、該イオンシャワーは
同極性の高電圧を印加されている放電電極本体の反撥を
受けるから、矢印１５の様に突出端１２より前方に偏っ
て放射される。

従ってコロナ風によって突出端近傍に生ずる負圧部分に
向って流入する空気は矢印１６の様に放電電極４の側面
に沿ってその背後の方向から突出端に向って流れるが、
本考案の放電電極４は、一方の端を煙流路２の外部に開
口１８し、他方の端を該煙流路の内部に開口５している
空気取入用流路３の前記開口部５から流路２内に突出し
ているので、突出端１２に流入する前記空気は煙流路２
の外部から開口部５を経て一方的に供給されることにな
る。

一方、流路２に送入された汚染空気は流路２の内部にお
いてコロナ風を伴うイオンシャワー１５の放射を受けて
、電極１の側に押しやられつつ、含まれる煙粒子が帯電
されて電極１に捕捉されるが、本考案の放電電極４では
前述の様に突出端１２から電極１に向う気流は一方的で
あって、コロナ風に抗して放電電極に流れ込まないから
放電電極が汚染空気中の煙粒子によって汚染されること
がなく、従って除煙効果が低下することがない。

この様にして運転を継続しているとき、流路２に送入さ
れる汚染空気中の煙粒子は、静電誘導によって帯電して
、空気取入用流路３に付着し、特に開口部５の縁辺に付
着した煙粒子は放電電極４の静電引力によって糸状に成
長することがあるが、本考案の放電電極４は、前記開口
部５の端面と交叉する部分を含む外面に絶縁被覆６を施
こしであるので、前述の様に成長じた糸状煙粒子が放電
電極に接触しても短絡することがないから、本考案によ
るときは長時間の運転が可能である。

以上説明した様に本考案は、放電電極が汚染されず、し
かも短絡を起すこともなく、長時間の運転においても除
煙効果が低下しない煙除去装置を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれに本考案の一実施例の断面
図とその斜視図であり、第３図は本考案の他の一実施例
の斜視図である。 １・・・・・・電極、２・・・・・・煙流路、３・・・
・・・空気取入用流路、４・・・・・・放電電極、５・
・・・・・開口部、６・・・・・・絶縁被覆、７・・・
・・・導入路、８・・・・・・反撥電極、９・・・・・
・通気口、１０・・・・・・高圧端子、１１・・・・・
・高圧端子、１２・・・・・・突出端、１３・・・・・
・流入側開放端、１４・・・・・・流出側開放端、１５
・・・・・・イオンシャワー、１６・・・・・・新鮮空
気流 １７・・・・・・汚染空気流、１８・・・・・・
開口部。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）内面に電極１を設けた煙流路２の内部に、空気取
   入用流路３の開口部５を流路２の流出側に向って開口せ
   しめ、突出端１２において放電するコロナ放電電極４を
   前記開口部より流路２へ内部に突出せしめ、該放電電極
   の、少なくとも前記開口部の端面と交叉する部分に絶縁
   被覆６を施した煙除去装置。
2. （２）煙流路２が円筒状流路であり、コロナ放電電極４
   が針状の突出端１２において放電する放電電極である実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の煙除去装置。
3. （３）煙流路２が長円形断面の流路であり、コロナ放電
   電極４が刃物状又は鋸刃状の突出端において放電する放
   電電極である実用新案登録請求の範囲第１項記載の煙除
   去装置。