JPS6034361Y2 - 煙除去装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は煙等の様に空中に浮遊する汚染物質を除去する
装置に関するものであり、更に詳しくは空中に浮遊する
微細粒子をコロナ放電等によって帯電せしめて、これを
集塵電極上に捕集する所謂電気集塵方式による煙除去装
置の改良に関するものである。

従来、電気集塵装置には、碍子等を用いて細線状の放電
電極や魚骨状の放電電極を流路中に張架して、これ等放
電電極から生ずるコロナ放電によって汚染空気中の浮遊
物質を帯電せしめて、これを集塵電極板上に補集するも
のが多かったが、この様な放電電極では、碍子の帯電の
ため放電電極の碍子近傍の部分は放電しないのが普通で
あった。

従って、これ等従来の装置では流路を流れる汚染空気中
の浮遊物質には帯電されないものがあり、集塵性を低下
させる原因になっていた。

また、この様な従来の装置では放電電極が直接汚染空
気に曝されるから、これご煙等の様に浮遊粒子を多量に
含む汚染空気の浄化に使用すると、放電電極とその対向
電極の間に帯電煙粒子が雲状に発生し、該帯電煙粒子が
放電電場を遮蔽して放電電流を減少せしめるために、除
煙効果を激減させる欠点があった。

本考案の目的は、従来の装置におけるかかる欠点を除去
して、除煙効果の優れた煙除去装置を提供することであ
る。

次に図に基づいて本考案の構成を説明する。

第２図は本考案の一実施例の断面であり、第３図はその
斜視図であるが、これ等の図に示す煙除去装置では流路
２を形成する筒体を流路の流出側の部分を形成する筒体
１１と流路の流入側の部分を形或する筒体１３に分割し
、互に略ぼ平行な複数個の貫通孔３を有する集塵電極１
の端縁に形成した繋止部１０を、前記筒体１１及び筒体
１３の接合部に形成した繋合部９，９に着脱自在に挟み
込んで繋合することにより流路２を集塵電極１によって
仕切り、筒体１３に、流路２を覆って且つ集塵電極１の
流入側の端面に近接対向する様に、偏平箱体状の放電電
極４取付部材５を設け、該箱体状放電電極４取付部材は
一方において流路外に開口了し、集塵電極１に対向する
面に設けた複数個の小孔８はいずれも貫通孔３に対向し
て突出することによって貫通孔３内に開口し、該開口部
はいずれも流路外に開口する前記開口部７と連通してい
る。

放電電極取付部材５の天板には突出端１２において放電
する放電電極４の複数個が配設され、各々の放電電極４
は小孔８を通ってその突出端１２を小孔８の開口面より
僅かに貫通孔３内に突出している。

更に放電電極取付部材５の貫通孔３と対向しない位置に
は該放電電極取付部材を貫通して筒状の通気孔６を設は
流路を貫通せしめている。

集塵電極１に設けた前記繋止部１０は疵状に張り出した
繋止部であって、その厚さの半分を筒体１１に設けた段
付繋合部９に嵌合し、突出している残りの半分に筒体１
３の段付繋合部９を嵌合することによって相互に着脱自
在に関係位置が決まる様になっている。

集塵電極１の貫通孔３の内部には筒体１１に一体に取付
けた反撥電極１４を挿入して集塵部を形成している。

集塵電極１に設けた複数個の貫通孔３は、放電電極４が
針状の突出端において放電する放電電極の場合は第３図
に示した様に円形断面の貫通孔とし、放電電極が刃物状
の突出端や鋸刃状の突出端、或いは櫛歯状の突出端にお
いて放電する放電電極の場合は貫通孔３は長円断面の貫
通孔とするが、本考案の貫通孔３はその内部でイオンシ
ャワーを発生させて、該貫通孔を通過する煙粒子を帯電
させるものであるから、貫通孔３の内部に均一なイオン
シャワーを発生させる形状であれば本考案は貫通孔３の
形状に限定されない。

また、放電電極取付部材５に設けた通気孔６は流路２を
貫通させるためのものであって、集塵電極１に設けた貫
通孔３に対向しない位置に設けてあればその形状、数に
限定はない。

次に本考案の作用効果について説明する。

いま、かかる構成の本考案の煙除去装置の放電電極４と
集塵電極１の間に、図示してない高圧電源によって高電
圧を印加しつつ流路２の流入側の開放端１５から煙等を
含んだ汚染空気を送入すると該汚染空気は流路２を覆っ
て設けた電極取付部材５の通気孔６を通過するが、集塵
電極１は流路２を横切って設けられており、しかも前記
通気孔６は集塵電極１に設けた貫通孔３に対向していな
いので、前述の様に通気孔６を通過した汚染空気は集塵
電極１における貫通孔の設けられていない端面に突き当
った後、そのすべては集塵電極１の前記端面に沿って流
れつつ貫通孔３の端縁よりりその内壁に沿って該貫通孔
に流れ込む。

一方、貫通孔３の内部に位置している放電電極の突出端
１２では高電圧を印加されてコロナ放電が起り、シャワ
ー状のコロナイオンがコロナ風を伴いつつ該貫通孔の内
壁に向って放射されているから、前述の様に貫通孔３の
内壁に沿って該貫通孔に流れ込んだ汚染空気は、若し第
１図に示す様に放電電極４の突出端１２の近傍に開口す
る小孔８がないときは、その一部がコロナ風のために突
出端１２の近傍に生じた負圧部分に吸引されるので貫通
孔３の全域に拡散するが、本考案の放電電極４は流路外
に開口する開口部７と連通している小孔８の内部にあっ
て、その先端１２のみを貫通孔３内に僅かに突出してい
るので、突出端１２の近傍に生じている負圧部分が吸引
する空気は全量が小孔８から吸引されることになり貫通
孔３の壁面に沿って流入する汚染空気を吸引することが
ない。

かくして開口部７を経て小孔８から自動的に供給された
清浄空気を含むコロナ風によって貫通孔３の内壁に押し
つけられたまま流れる汚染空気は貫通孔３内に拡散する
ことなく内壁近傍において前記イオンシャワーの放射を
受けて含まれる煙粒子が帯電し、該内壁に捕捉される。

この様に本考案においては、流路に送入された汚染空気
のすべてが貫通孔３の内部を通過して、該貫通孔の内部
に設けた突出端１２から該内壁に向って放射されるイオ
ンシャワーの放射を受ケるので、従来の装置における様
にイオンシャワーの放射を受けないで流路を通過する煙
粒子は全くなく、しかも煙粒子のすべては集塵電極１に
設けた貫通孔３の内壁に沿って、該内壁近傍で帯電する
から、従来の装置における様に放電電極の近傍に雲状の
帯電粒子が存在して、放電電場を遮蔽して放電電流を減
少せしめることがなく、従って優れた除煙効果を示す。

また本考案においては放電電極が汚染されないので取扱
が極めて簡便である。

かくして、本考案は従来の装置における欠点を除去して
優れた除煙効果を有する煙除去装置を提供するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の原理を説明するための参考図であり、
第２図及び第３図は本考案の一実施例の断面図とその斜
視図である。 １・・・・・・集塵電極、２・・・・・・流路、３・・
・・・・貫通孔、４・・・・・・放電電極、５・・・・
・・放電電極取付部材、６・・・・・・通気孔、７・・
・・・・開口部、訃・・・・・小孔、９・・・・・・繋
合部、１０・・・・・・繋止部、１１・・・・・・筒体
、１２・・・・・・突出端、１３・・・・・・筒体、１
４・・・・・・反撥電極、１５・・・・・・流入側開放
端、１６・・・・・・流出側開放端、１７・・・・・・
高圧端子、１８・・・・・・通気孔、１９・・・・・・
高圧端子。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） 互に略ぼ平行な複数個の貫通孔３を有する集
   塵電極１によって流路２を仕切り、突出端１２において
   放電する放電電極４の複数個を配設した放電電極取付部
   材５を流路２を覆って集塵電極１に近接対向して設け、
   放電電極取付部材５は該部材を貫通する通気孔６と流路
   ２外に開口する開口部７と連通し且つ貫通孔３に対向し
   て開口する小孔８とを有し、通気孔６は貫通孔３と対向
   しない位置に設けられ、放電電極４は小孔８内に位置し
   て且つ突出端１２を小孔８の開口面より僅かに貫通孔３
   内に突出していることを特徴とする煙除去装置。
2. （２）放電電極取付部材５が流路２に開口する偏平箱体
   であって小孔８力慣通ロ３内に突出して開口している実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の煙除去装置。