JPS6019703Y2 - 簡易温灸具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は水分を附与することで化学反応を起し、発熱
する化学物質を利用して温灸効果が得られるようにした
簡易な温灸具に関する。

従来から、このような化学物質の発熱を利用した熱炎、
又は温灸具は２〜３提案されているが、それらは何れも
構造的に、上記発熱剤に対する水分の供給がその上面か
ら行われる関係上、発熱は皮膚面から最も離れた部分か
ら始まり、次第に皮膚に接近するという過程を経るため
、特に初期における皮膚への熱量が減殺するだけでなく
、温度斑も生じ易く、これが温灸効果を著しく低下せし
めていたものである。

このような実情に鑑み、本考案はその発熱剤を皮膚側か
ら発熱させるとともに、発熱中の温度を終始温灸に好適
な温度に維持することを可能ならしめ、叙述の欠点を悉
く解消したものである。

以下、そ構成を実施例に基づいて詳述すると、図におい
て１は例えば二酸化鉄を主材とし、金属マグネシューム
、水酸化ナトリウム、水酸カリ、炭酸カリ等の内、その
１又は数種を適宜に混合して、予めタブレット状乃至は
球状に固形化してなる発熱剤、２はボール紙、不織布等
、一定の厚みを有するシート状資材からなり、その中央
に透孔２′を貫設した台紙、又３は上記台紙２の下面を
蔽って貼着された合成樹脂フィルム、或いは７／Ｌ／ミ
箔、若しくはそれらを複合してなる透熱フィルムであり
、更に４は該透熱フィルム３の外底面に塗布された粘着
剤を被蔽する離型紙である。

更に又、５は金属若しくは耐熱性合成樹脂からなる側環
であって、その下端部はこれに挿入される上記発熱剤１
が係止可能な段部、若しくはテーパ一部５′を有すると
ともに、前記台紙２の透孔２′に密嵌自在であるように
構成したものである。

尚、図中６は上記台紙の透孔２′と透熱フィルム３とで
形成される皿部、又７は上記側環５の上部に填充される
ガーゼ等の吸収体を示す。

成上の構成に係る本案温灸具は、通常、下面に上記透熱
フィルム３、離型紙４等を貼着してなる多数の台紙２が
ミシン線等によって切離自在に連続した状態で提供され
るものであるから、その一つを切取った後、該台紙の透
孔２′に別途用意された情理５の下端部を嵌挿して立設
し、その上方開口からスポイト等によって適量の氷を注
入して上記皿部６に貯溜させる。

次に、通常は所謂、防湿ＦＴＰ包装などの形で提供され
る固形発熱剤１の１個を取出して、これを前記情理５に
挿入するのであるが、該発熱剤は情理５のテーパ一部５
′等により、その下面が上記皿部の溜水に接触するが、
皿部のフィルム面には当接しない情理の下端部で係止さ
れるから、この状態で透熱フィルム３下面の離型紙４を
剥離して、その接着面を患部の皮膚面に貼着するもので
ある。

尚、この場合側環５の上部開口に吸水体７を填充してお
くことにより、熱量の上方への散逸と、使用時の情理の
傾斜等による内水の漏出とが防止できるものである。

以上のようにして使用される本案簡易温灸具によれば、
上記皿部６の水と接触して直ちに発熱する発熱剤１は、
皮膚に最も近い部分で発熱を開始するから、使用当初か
ら高い炎熱が得られるだけでなく、発熱剤１と透熱フィ
ルム３との間に保持された空隙によって温灸機能が得ら
れ、しかも皿部に残溜する水の加熱によって透熱フィル
ム３を介して皮膚面に伝わる温度が制御され、その発熱
中、終始一定して灸温を持続し得るなど、従来のこの種
温灸具には期待出来なかった多くの実用的利益が齋らさ
れるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案温灸具の構成各部を分離して示す斜視図、
又第２図はその使用状態における中心部縦断面図である
。 尚、図中１・・発熱剤、２・・台紙、３・・透熱フィル
ム、４・・離型紙、５・・情理、６・・皿部、７・・吸
水体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二酸化鉄を主材とする化学物質に水を附与することによ
   って随時発熱させ、その熱量を利用して温灸効果を得よ
   うとする簡易温灸具において、予め固形化した発熱剤１
   を下端近くで係止可能な側環５と、該側環の下端部が密
   嵌可能な透孔２′を有する台紙２と、更に該台紙の下面
   に貼着されて貯水可能な皿部６を形成する透熱フィルム
   ３とから構成されたことを特徴とする簡易温灸具。