JPS588854B2 - 香料封入体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は芳香材の封入体に関するものである。

近年室内や車内、化粧室内等で、香料成分を充填した容
器体から徐々に香料を揮散させることにより香りを楽し
んだり、悪臭をマスキングしたりすることを目的とした
芳香材が増加してきている。

これらの大部分は液体、又は固体の香料を硝子瓶や樹脂
の成形容器に収納しておき、容器や栓に適当な間隙を設
けることにより、そこから芳香せしめるようにした構造
のものが殆んどである。

ところが、これらの芳香材を携帯して持続した香りを楽
しむとなると在来のこの種の収納容器体では嵩高く携帯
できにくい問題点があった。

一方携帯用芳香製品については、従来の肌に直接塗布す
る香水類とは異った匂い袋的な意味での要求が高まりつ
ゝある。

本発明はこれらの背景に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とする点は柔軟性を有し、且つ小型軽量で携帯性
に優れた香料封入体を提供することにある。

又、他の目的は単に携帯性の使用機能のみでなく、従来
の、この種の芳香材と同じように放置放香して使用出来
る機能をも兼備する香料封入体を提供することにある。

更に他の目的としては、蒸発温度の高い香料分の放香を
楽しめる条件も付加せしめたものを提供しようとするも
のである。

即ち、従来からある炭火の上に香木を置いたり、線香状
のものに着火して香を楽しんだりする方法に変え簡単に
これと同一の効果を出そうとしたものである。

そして前記目的に加え、本発明品は連続生産が可能でし
かも経済的に製造できるものとして提供することにある
。

前記目的を踏えた本発明の特徴は、気密性を有する素材
で形成された封入体と、前記封入体に収納された香料含
浸体と、前記封入体の一面に形成された一つの拡散孔と
、前記拡散孔を実質的に覆う密閉材と、前記密閉材と前
記密閉材に形成されたＶ字溝と前記封入体に介在する感
圧接着剤層とからなるものである。

更に前記封入体は係止手段をも含むものであると同時に
封入体の拡散孔がミシン目をも含む事を特徴としている
。

そして他の特徴としては、気密性を有する素材で形成さ
れた二つの重合封入体と、前記重合封入体の端部に設け
られた結合部と、前記それぞれの封入体の表面に形成さ
れた通気孔と、前記それぞれの通気孔を実質的に覆う密
閉材と、前記密閉材に形成されたＶ字溝と前記密閉材と
、前記封入体にそれぞれ介在する感圧接着剤層と、前記
重合封入体の片側に収納された香料含浸体と、前記重合
封入体の他の封入体に収納された発熱材とからなるもの
である。

一方この種の製品は、携帯使用出来る事に加え放置使用
も可能にするため、如何ような場所にでも自由に取付け
られる係止構造も封入体に具備することが必要であった
。

更に前記条件に加え製品販売時点において初めて使用す
るという証し即ち消費者自らが中古商品でない事実を確
認出来る構造も必要であった。

又内包する香料の種類に応じ高温度で蒸発する香料にも
対応せしめる条件が必要であった。

このため発明者は携帯用で簡単に使用出来る方法として
封入体の揮散孔の密閉効果と開孔効果を極めて簡単に扱
える方法を感圧接着剤塗布の密閉材を用いることでこれ
をなすことを見出した。

そして製品販売時点において初めて使用するという証し
も揮散孔を閉ループのミシン目より形成することで、密
閉材の剥離時に閉ループのミシン目が破れ開孔される事
で振繊機能を付与させ得る事も見出した。

次に如何ような場所にも自由に取付可能にするために封
入体の一部に係止手段を設ける事も見出した。

更に前記事項に加え室温以上の高温度で蒸発する香料分
の放香には、前記封入体に結合させた発熱体入封入体を
重合せしめることでこれを可能にすることも判明した。

本発明を図面について説明すると、第１図に示す如く本
香料封入体は、気密性を有するシート材で形成された封
入体１の表面に楕円形、長方形、稜形等適当な形状の拡
散孔２を開設してなるものである。

そして前記拡散孔２は感圧接着剤層３を一面に附設し且
つ適当に分断し得る如く、破断部４を形成してなる密閉
材５の感圧接着剤層３面で拡散孔２を実質的に密閉し封
入体１内に香料体６を封入している。

密閉材５に設けられている破断部４はＶ字状のエンボス
処理Ｖ字溝されたものや一軸延伸樹脂シートの破れ方向
性を利用し引きさき、ガイド部としてのノツチ処理をも
含むものである。

次に封入される香料体６は固型香料や液体香料を不織布
・紙・布等の繊維素材に含浸せしめたもの、及び合成樹
脂中に練り込んだものを使用する如くなしている。

そして前記封入体１の不透過性素材としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニールク
ロライド、ポリアセイド、ポリウレタン等の柔軟性を有
する合成樹脂シートの単材か又はこれらの複合材として
形成されるものである。

更により不透過性能を増すためにアルミフォイルを前記
シート材間に介在せしめる事により効果をあげることが
できる。

又拡散孔２を実質的に覆う密閉材５の材質は、前記封入
体１の材質と同一か又は類似のものでよい。

更に密閉材５の一面にはアクリル酸エステル系、ポリエ
ステル系、ポリオレフイン系、ゴム系等の感圧接着剤層
３が設けられているが、該接着剤層３の形成方法はロー
ルコート又はナイフコート等の方法で処理すればよい。

本香料封入体の使用に際しては第２図に示す如く、密閉
材５を破断部４にしたがって順次分断剥離して、拡散孔
２の開孔面積を順次拡大するもので、該拡大量の如何に
よって香料の放散量が調節される。

次に第３図は拡散孔２を拡散孔ミシン目７により仮形成
した場合を示すもので、密閉材５を剥離すれば、拡散孔
ミシン目７内の素材片８は感圧接着剤層３に附着して引
き上げられ、拡散孔ミシン目７が切れて素材片８は剥離
せる密閉材５に貼着移行し、拡散孔２が実形成される。

この結果素材片８は二度と封入体１に結合しないので、
消費者は密閉材５を剥離する過程で、該香料封入体が新
品か使用したものかの確認がなし得る。

第４図〜第６図に示すものは、本発明品を携帯用以外に
用いる時の使用手段としての係止構造である。

第４図は封入体１の密閉材５部以外の面に設けられた係
止手段である。

封入体１の表面に両面感圧接着機能を有する感圧接着シ
ート９片を附設し前記感圧接着シート９片を実質的に覆
う剥離シート１０を設けたものである。

感圧接着シート９は紙、不織布、布又は薄い発泡シート
等のものが良い。

そして、これらの素材にアクリル、ポリエステル、ポリ
オレフイン、ゴム系等の感圧接着剤を含浸又は塗布して
、両面感圧接着機能をもつシート体として仕上げる。

そして前記シート９表面を被覆する剥離シート１０は紙
材にパラフィン、Ｗａｘ等を含浸した剥離効果のあるも
のが良い。

このようにして構成される係止手段は、剥離シ一ト１０
をめくれば封入体１を如伺様な場所にも貼付けられる。

第５図についてに封入体１のシール部１１に穴部１２を
設けたものである。

第６図については封入体１のシール部１１に取付けバン
ド１３を設けたものである。

これにより吊下げ方法の取付け係止も可能となる。

次に第７図及び第８図について説明する。

気密性を有する素材で形成された二つの封入体１は、前
記第１図及び第２図の説明と同じ素材で形成されるもの
である。

又、通気孔即ち拡散孔２や密閉材についても、その材質
、形状は第１図及び第２図の内容と同じである。

第７図及び第８図の特徴は、二つの封入体１が重合し共
有結合部１４を有することである。

これは封入体シール部１１を重合し、加熱プレスにより
形成する。

そして、一方の封入体には第１図〜第３図の如く香料体
６が封入されるが、該香料成分は比較的室温以下で蒸発
するものが封入されている。

又他方の封入体には発熱体１５が封入されているが、こ
の発熱体１５としては薬剤の化学反応を利用したもので
あり、主に鉄成分等を含む金属粉粒体の酸化反応による
発熱剤等が最適である。

従って発熱剤の発熱現象を生じせしめる場合には空気中
の酸素を利用せしめることから発熱体１５を内包してい
る封入体１にも空気の通気孔として拡散孔２を利用する
ことゝなる。

発熱剤は通気性を有する不織布や布、紙等の通気性を有
する繊維素材等に包装され封入体１の一方に内包されて
いるが、このことから封入体１の通気孔即ち拡散孔２を
覆う密閉材５を剥離しても外部にこぼれ落ちることはな
い。

このようにして構成されるものであるため、その使用に
あっては先ず、発熱体１５の内包された封入体１の一方
の密閉材５を剥離し拡散孔２即ち通気孔を形成した後封
入体１を手でもみ空気の流通を生じせしめると、発熱体
１５封入体１は発熱現象を生じる。

次いで香料を内包する他方の封入体１の密閉材５を剥離
し拡散孔２を開孔せしめると、発熱体１５の熱分で加温
された香料分が蒸発し拡散孔２より放香が行なわれるこ
と５なる。

このことから、室温以上の蒸発温度を有する香料分の香
気を楽しむ事が出来る。

又、本構造の場合は、携帯すれば冬期、香気を楽しみな
がらの携帯ガイロ的な使用途にも利用できるものである
。

更に、他の用途としては押入等の衣類収納庫の殺虫、防
虫駆除用の薬剤で室温以上の蒸発温度を有する薬剤を香
料分に替えれば充分その効果を果せるものである。

以上の如く本発明によれば、当初のこの種の製品の目的
とする事項は全て満足されるものである。

そして本発明はすべてシート状素材より構成されている
ため出来上ったものは柔軟性を有し、且つ不必要な空間
部はなく、合理的な収納体となる。

このため携帯には極めて便利であり、その生産について
も連続生産が可能で、合理的で且つ経済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る香料封入体の実施例を示す一部切
欠斜視図、第２図は同使用状態図、第３図は拡散孔をミ
シン目で仮形成した場合の使用状態図、第４図、第５図
及び第６図は係止構造を示す実施例一部切欠斜視図、第
７図は発熱体を併設した状態を示す一部切欠斜視図、第
８図は同使用状態図で、図中の符号は、１・・・・・・
封入体、２・・・・・・拡散孔、３・・・・・・感圧接
着剤層、４・・・・・・破断部Ｖ字溝、５・・・・・・
密閉材、６・・・・・・香料体、７・・・・・・拡散孔
ミシン目、８・・・・・・素材片、９・・・・・・感圧
接着シート、１０・・・・・・剥離シート、１１・・・
・・・シール部、１２・・・・・・穴部、１３・・・・
・・取付バンド、１４・・・・・・共有結合部、１５・
・・・・・発熱体、を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 気密性を有する素材で形成された封入体と；前記封
   入体に収納された香料含浸体と；前記封入体の一面に形
   成された一つの拡散孔と；前記拡散孔を実質的に覆う密
   閉材と；前記密閉材に形成されたＶ字溝と；前記密閉材
   と前記封入体に介在する感圧接着剤層とからなる香料封
   入体。 ２ 気密性を有する素材で形成された二つの重合封入体
   と：前記重合封入体の端部に設けられた結合部と：前記
   それぞれの封入体の表面に形成された通気孔と；前記そ
   れぞれの通気孔を実質的に覆う密閉材と；前記密閉材に
   形成されたＶ字溝と；前記密閉材と前記封入体にそれぞ
   れ介在する感圧接着剤層と；前記重合封入体の片側に収
   納された香料含浸体と；前記重合封入体の他の封入体に
   収納された発熱体とからなる香料封入体。