JPS6323344Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 〔産業上の利用分野〕 本考案は、気体拡散性を有する固形状、半固形
状、ゼリー状をなす芳香剤、消臭剤、防虫剤など
（以下単に芳香剤と呼ぶ）を収容、保持する袋に
関する。

〔従来の技術〕

芳香剤などを非通気性シート袋内に密封して流
通保存し、使用時に開封して外気に薬剤の揮散ガ
スを放出するようにした製品において、使用時の
開封部を、袋体とは別個の粘着フイルムによつて
密封して不使用保存状態にすることは通常行なわ
れている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

芳香剤などの収容袋の開封部を粘着フイルムに
より密封する従来の手段においては、往々にして
封止フイルム周縁に粘着剤層が露出し汚れを生じ
易く、封止フイルムを剥離開封して再使用するさ
いに、袋外面に粘着剤の残存付着によつて他の物
への粘着や塵埃付着の汚れ、通気面が微孔シート
の場合はその通気性低下を来たすなどの欠点があ
り、さらに別個の粘着フイルムの使用が面倒であ
るなど種々の実用上の問題点があつた。

ロ 考案の構成 〔問題点を解決するための手段〕 本考案は非通気性シート製袋の下部壁の一部を
通気部とし、袋内部を密封、開封を繰返し得る封
止手段により、非通気性薬剤収容室と通気性小室
とに区画することによつて前記の従来の問題点を
解決したものである。

すなわち、本考案は、非通気性シートよりなる
平袋の下部袋壁の一部に通気性シートよりなる通
気壁を設け、袋胴部の全幅にわたる対向袋内壁面
に設けた凹凸部嵌合型フアスナーあるいは帯状に
塗着した仮接着剤層よりなる繰返し密封開放可能
な封止手段によつて、上部の非通気性薬剤収容室
と下部の通気性小室に区画したことを特徴とする
芳香剤などの収容袋を要旨とし、上記において平
袋が二枚の非通気性シートの対向した側壁を有
し、その下部対向側壁間に介入接合した曲折され
た反発保形性を有する通気性シートよりなる通気
壁の底部となつている自立袋であることをその実
施の態様とするものである。

前記において非通気性シートは熱接着性を有す
る合成樹脂フイルムのみ、あるいはアルミニウム
箔に熱接着性合成樹脂フイルムをラミネートした
積層材よりなるものであり、熱接着性合成樹脂と
しては通常ポリエステル、ポリアミドが好ましく
用いられる。また通気性シートは紙、不織布など
の微孔性シートのみあるいは該微孔性シートに例
えばエチレンエチルアクリレートやエチレン酢酸
ビニル共重合体などの透気性を有する熱接着性合
成樹脂フイルムをラミネートしたものなどが用い
られる。

上記の非通気性シートよりなる平袋胴部の全幅
にわたつて設けられる繰返し密封開放可能な封止
手段としては、対向する側壁内面の一方に雄型凸
条プラスチツクテープ、他方に雌型凹条プラスチ
ツクテープを接着固定し又は非通気性シートと一
体としてフアスナー部分を押出し成形してなる凹
凸部嵌合型フアスナーあるいは感圧粘着性の仮接
着剤の帯状塗着層が用いられる。

〔作用〕

本考案の収容袋は、平袋の内面に設けられた繰
返し密封開放可能な封止手段によつて区画された
非通気性シートのみよりなる非通気性薬剤収容室
に、芳香剤などを収容密封することができ、使用
時に人手によつて前記の封止手段を開放すること
によつて、室内部の雰囲気は通気性小室を介して
外気に連通し、薬剤ガスが漏出揮散して所望のガ
ス効果を生じ、その使用を中断する場合に開放し
た封止手段を再密封せしめれば、ガス漏出を遮断
し、芳香剤などの無用の減耗を防止する状態を得
ることができ、この封止手段の密封開放も簡単な
操作により繰返し実施することができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面によつて説明す
る。

第１図は平面図、第２図は第１図XX線におけ
る断面図であつて、１は平袋、２は対向側壁とな
るポリエステルフイルムよりなる非通気性シー
ト、３は前記対向側壁の下部縁に介入接合した曲
折された反発保形性を有する不織布よりなる通気
性シートであり、該通気性シート３が、底部壁と
なつて、平袋１は自立性袋となる。

４は前記の曲折された状態の通気性シート３製
底部壁より上部の袋胴部の対向側壁の全幅にわた
つて接着固設されたプラスチツク製の凹凸部嵌合
型フアスナーよりなる密封開放可能な封止手段で
あり、図示のように該密封開放可能な封止手段の
密封により、その上部は固形状の芳香剤Ａを気密
的に保持する非通気性薬剤収容室Ｕ、その下部は
底部壁の通気性シート３を介して外気にガス流動
可能な通気性小室Ｌが構成される。

なお、第１図中ハツチングした部分Ｓは平袋形
成のための熱接着シール部である。

本実施例の芳香剤Ａを収容した平袋１の製袋
は、二枚の非通気性シート２の一方に雄型突条プ
ラスチツクテープ、他方に雌型凹条プラスチツク
テープを固設し、両テープが対応するように二枚
の通気性シート２を重ねて、その上縁、並びに前
記凹凸部嵌合型フアスナー４部より僅かに下方に
越える両側縁の三方を熱接着シールして非通気性
薬剤収容室Ｕを形成して芳香剤Ａを収容した後、
前記フアスナー４を密着し、ついで反発保形性を
有する不織布を折返曲折して、重ね合わされた非
通気性シート２の下部非接着縁間に挿入し、非通
気性シート２と通気性シート３間並びに残された
非通気性シート間の側縁の熱接着シールを行うこ
とにより製品となるものである。

第３図は使用状態にある第２図と同様の断面図
であり、胴部の凹凸部嵌合型フアスナー４を指で
つまむなどして開放すれば、反発保形性の通気性
シート３よりなる底部が拡開して広い通気面積の
底部となり、袋に自立性が与えられ、外気に芳香
を拡散することができる。

なお、平袋１の上縁に吊下用の孔Ｈを設けて、
吊下使用し、あるいは平袋１を平面的に横置きし
て使用しても同様の芳香効果が得られることは言
うまでもない。

この使用状態を中断する場合は通気性小室Ｌに
落ち込んだ芳香剤Ａの場合は、それを非通気性薬
剤収容室Ｕに再収容した後に凹凸部嵌合型フアス
ナー４を閉じれば密封保存状態にすることができ
る。

第４図は他の実施例における平面図であつて、
長尺の矩形状の非通気性シート２の中央部に開口
を設け、該開口に紙と小孔を多数分布穿設した熱
接着性合成樹脂フイルムをラミネートした通気性
シート３を被覆して熱接着した後該開口部より等
距離に設けた凹凸部嵌合型フアスナーの封止手段
４が適合するように、開口部において折返し、封
止手段４の上部の通気性シート３の重ね合わせ部
間に薬剤Ａを挿入した後、三方シールにより製袋
して非通気性薬剤収容室Ｕと通気性小室Ｌが封止
手段４によつて区画された製品が得られる、この
実施例では収容袋の自立性が得られない以外は前
実施例と同様の作用効果が得られる。

前記の実施例においては、平袋内部の繰返し密
封開放可能な封止手段として凹凸部嵌合型フアス
ナーを用いた場合について説明したが、これに代
えて該部の袋内面に感圧接着性の仮接着剤の帯状
塗布層を形成することによつて、同様の繰返し密
封開放可能な封止手段とすることができる。

ハ 考案の効果 以上説明したとおり、本考案によれば、平袋内
部において密封開放が容易にできる封止手段によ
つて、非通気性シートよりなる非通気性薬剤収容
室と通気性シート壁部を有する通気性小室に区画
したので、芳香剤など薬剤の使用状態、不使用状
態を簡単に変換することができ、該封止手段は袋
内部にあつて他の者に悪影響をあたえることな
く、また全体として扁平状をなして運搬保存並び
に使用において取扱いが容易となるなどの実用上
の効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す平面図、第２図
は第１図XX線における断面図、第３図は使用状
態における第２図と同様の断面図、第４図他の実
施例を示す平面図である。 １……平袋、２……非通気性シート、３……通
気性シート、４……凹凸部嵌合型フアスナー、Ｕ
……非通気性薬剤収容室、Ｌ……通気性小室、Ａ
……芳香剤、Ｓ……シール部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 非通気性シート２よりなる平袋１の下部袋壁
   の一部に通気性シート３よりなる通気壁を設
   け、袋胴部の全幅にわたる対向袋内壁面に設け
   た凹凸部嵌合型フアスナーあるいは帯状に塗着
   した仮接着層よりなる繰返し密封開放可能な封
   止手段４によつて、上部の非通気性薬剤収容室
   Ｕと下部の通気性小室Ｌに区画したことを特徴
   とする芳香剤などの収容袋。 ２ 平袋１が二枚の非通気性シート２の対向した
   側壁を有し、その下部対向側壁間に介入接合し
   た曲折された反発保形性を有する通気性シート
   ３よりなる通気壁の底部となつている自立性袋
   である実用新案登録請求の範囲第１項記載の芳
   香剤などの収容袋。