JPS6018716B2 - 固形洗剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は合成洗剤とデキストリンを必須成分とした固形
洗剤に関し、加工性および使用感のすぐれた機械練り合
成洗剤固形物を提供することを目的とするものである。

現在、最も広く使われている化粧用固形洗剤は脂肪酸石
けんであるが、このものは石けん中に含有されている遊
離アルカリ使用時に加水分解によって生成するアルカリ
が皮膚を刺激し、硬水中での使用に際し石灰石けんの生
成により起泡が低下するという欠点がある。そのため最
近になって、Ｎ−長鎖アシルザルコシン塩、Ｎ−長鎖ア
シルグルタミン酸塩、Ｎ一最鎖アシル−ＮーメチルーＢ
ーアラニン塩などの中性ないし弱酸性の合成洗剤を基剤
とした固形洗剤が用いられるようになってきた。固形洗
剤の製造方法としては、基剤・粘結剤・水等を加熱溶解
した後、型に流し込み冷却固化する「わく練り方式」と
、これらの原料をミキサー中で混合した粉状または粒状
の混合物をロールおよび／またはべレタィザーで混練し
た後、押出し成型する「機械練り方式」とがあるが、生
産性の面でわく練り方式より機械練り方式の方が有利な
ため、固形洗剤は現在主に機械練り方式により製造され
ている。

ところが、Ｎ−長鎖ァシルザルコシン塩、Ｎ−最鎖ァシ
ルーＮ−メチル−８−アラニン塩、Ｎ−長鎖アシルグル
タミン酸塩を基剤とした固形洗剤を機械練り方式で製造
する場合、固形洗剤のまとまり、すなわち押出し機より
押出された棒状洗剤の粘絹性が悪く、繊密で外観のすぐ
れた固形洗剤を得ることが困難なのが通常である。従来
、これらの欠点を補う方法としては、ラウリルアルコー
ル、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステア
リルアルコール等の高級アルコール類、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪
酸類、固形パラフィン、流動パラフィン等のパラフィン
類、多価アルコール類、ワックス類、高級脂肪酸の多価
アルコールェステル類などを多量に配合することが行わ
れているが、このような方法でまとまりをよくすると得
られた固形洗剤の泡立ちが劣ることが多い。

また、水の配合量を多くしてまとまりをよくすると、混
合段階すなわちミキサー中で混合物が軟弱な状態になり
、作業が非常に困難となることがあるために、製造条件
の管理に厳密性に要し、工程およびその管理が複雑とな
る。また、Ｎ一長鏡アシルグルタミン酸塩、Ｎ−長鎖ア
シルザルコシン塩、およびＮ−長鎖アシル−Ｎーメチル
−６−アラニン塩は高価であるため、容易に入手するこ
とが可能で基剤のすぐれた性質を損わない補助剤を配合
することにより、使用上差し支えない程度に界面活性剤
分を希釈した固形洗剤を製造する試みが当業者間で以前
から行なわれている。

本発明者らは、上述の基剤のすぐれた性質を損うことな
く機械練り加工性を向上し、かつ原料価格を低減させる
という前記の問題点を解決すべ〈鋭意研究を行ったとこ
ろ、デキストリンがこれらすべての目的にかなっている
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は、Ｎ−長鎖アシルグルタミン酸塩、
Ｎ−長鎖アシルザルコシン塩、Ｎ−長鎖ァシル−Ｎ−メ
チル−８ーアラニン塩からなる群より選ばれる少なくと
も１種の合成洗剤とデデキストリンを必須成分とするこ
とを特徴とする加工性および使用感が良好な固形洗剤に
関するものである。

本発明の固形洗剤の基材となる合成洗剤は、Ｎ一長鎖ァ
シルグルタミン酸塩、Ｎ−長鎖アシルザルコシン塩、お
よびＮ−長鎖アシルーＮーメチル−８−アラニン塩から
選ばれる少なくとも１種である。

本発明における、Ｎ−長鎖アシルグルタミン酸塩、Ｎ−
最鎖アシルザルコシン塩、およびＮ−長鎖アシルーＮー
メチル−３ーアラニン塩のアシル基は炭素数８ないし２
２の飽和または不飽和の脂肪酸残基であり、その塩は、
アルカリ金属塩、アンモニウム塩、水溶性アミン塩、お
よび塩基性アミノが から、ばれる。

これらＮ−長鎖アシルアミ／酸塩の原料となるアミノ酸
は、光学活性体、ラセミ体のいずれでもよい。これらの
Ｎ−長鎖アシルアミノ酸塩のアシル基としての適当なも
のとしては、たとえばラウロィル基、ミリストィル基、
パルミトィル基、ステアｏィル基、オレオィル基、ココ
ィル基、および牛脂脂肪酸アシル基などであり、また塩
として適当なものは、たとえばナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩、モノェタノールアミン塩、ジェタ
ノールアミン塩、トリェタノールアミン塩、アルギニン
塩、オルニチン塩、およびリジン塩などである。本発明
に用いられるデキストリンは、一般式（Ｃ６日，。

Ｑ）ｎで示されるもので、でんぷんを加水分解し、マル
トースに至る中間生成物であり、その分解度によりだい
たいァミロデキストリン、エリスロデキストリン、アク
ロデキストリン、マルトデキストリンに区別できる。な
お、デキストリンとでんぷんの中間物やマルトース等の
還元糖が多少含まれているデキストリンを使用すること
もできる。原料となるでんぷんの種類は、とうもろこし
、小麦、米、いも類などで、とくに限定これず、加水分
解の方法は、酵素、酸、熱の別を問わない。本発明にけ
るデキストリンの配合量は、固形洗剤あたり２重量％な
いし３５重量％が好ましく、２重量％未満では効果が少
なく、３５重量％を越えて用いると泡立ちが低下する。

本発明の固形洗剤には、その需要目的に応じて起泡増進
剤、粘縞剤、香料、顔料、染料その他固形洗剤に慣用さ
れている補助剤（たとえば特公昭３７−１０１６７号公
報第２頁に開示されているような添加剤など）を適宜添
加することができる。

本発明の固形洗剤を製造するには、ミキサーで原料を混
合し、ベレタイザーおよび／またはロールで混線した後
押出機で棒状としたものを型打ち機で成型するといった
通常の機械練り方式を採用すればよい。本発明の固形洗
剤を機械練り方式で製造した場合、次のような利点があ
る。

１ ミキサー中で混合物が軟弱にならず、作業性が良好
である。

２ 鶴練されたべレット状またはシート状の洗剤が適度
に硬く、ベトッキが少ないため機械への付着が少ない。

３ 押出し機より押出された棒状洗剤の粘綾性がよいた
め、繊密で外観のすぐれた固形洗剤が得られる。また、
このようにして製造された本発明の固形洗剤は物性上、
使用上、次のようなすぐれた性質を有する。

１ デキストリンにより原料価格を低下させたにもかか
わらず泡立ちがよい。

２ 硬水、軟水のいずれかにおいても良好な起泡力を発
揮し、使用後の肌に心地よい感触を与える。

３ 使用時の固型洗剤の表面が非常になめらかである。

４ 摩擦溶解度は化粧用脂肪酸石けんと同等であり、使
用に際し適度にとける。以下、実施例、比較例、参考例
により本発明をより具体的に説明する。

実施例１〜３、比較例１〜９、参考例Ｉ Ｎ−ラウロイルザルコシンナトリウム８５０夕、水５０
夕と第１表に示した補助原料１００夕を実験用小型ミキ
サーで充分混合し、次に小型３本ロールで混練した後、
口金温度を４５ｑ０に保った実験用石けん押出し機で押
出して得られた棒状石けんを足踏式型打機で成型し、５
仇駁×３５肌×１仇吻、重量約２０夕の固形洗剤を製造
した。

その際の加工性の優劣、および得られた固形洗剤の泡立
ちと溶崩性の結果を第１表に示す。第１表 １）アミコール豚１（ヨード反応赤色〜赤紫色） 日澱
化学■製２）アミコール修５Ｌ（ヨード反応赤紫色）
日澱化学■製３）局方デキストリン（ヨード反応赤
かつ色） 日澱化学■製加工性は、それぞれ次のよう
な評価基準により判断した。

（１）ミキシング性○・…・・混合物が粉状またはか粒
状 △・・・・・・混合物がやや軟弱 ×…・・・混合物が軟弱 （２）押出し加工性 ○・・・・・・押出された棒状石けんのまとまりがよく
、成型された固形洗剤の外観がすぐれている。

△・・・・・・押出された棒状石けんのまとまりがやや
悪く、成型された固形洗剤の外観がやや劣る。

×・・・・・・押出された棒状石けんのまとまりが悪く
、成型された固形洗剤の外観が劣る。

なお、各試験方法は次のようにして行なった。（１）泡
立ち試験２０名の者（男１０名、女１０名）に約４００
Ｃの温水で手洗い試験を行なわせ、固形洗剤の泡立ちが
参考例１の試料と比較して同等の場合０、これより優れ
ている場合十１、劣る場合−１の評価点数をつけて、２
０名の評価の合計点に従って次のように判定した。

一２ ０へＹ−１１・・・・・・×一１０へ）。

“・…”・く＞１〜１０・…・・○ （２）溶崩性試験 縦６２の凧×横４５仇の×深さ２０の勉のプラスチック
製石けん箱中に水５微を入れ、その中に５０の仇×３５
の仇×１０のの、重量約２０ｇに成型した固形洗剤を浸
し、２４時間放置した後固形洗剤の崩れ方を観察する。

評価方法は、ほぼ原形をとどめているものを○、少し崩
れているものを△、完全に崩れているものを×とした。
測定は各試料について３回づつ行ない、その平均より評
価した。第１表の実施例１〜３、比較例１〜３の結果か
ら、でんぷんおよびその分解物の中で、デキストリンの
みが加工性および性能が優れていることがわかる。また
、比較例４〜９の補助原料の中にも、本目的になったも
のはなかった。実施例 ４ Ｎ−混合脂肪酸アシル（Ｃ，２〜Ｃ，８−Ｌ−グルタミ
ン酸モノナトリウム７００夕、デキストリン（商品名；
ァミコールＮｏ．瓜（ヨード反応紫色）日澱化学■製）
２００夕、および水１００夕の配合物で実施例１〜３に
準じて固形洗剤を製造したところ、ミキシング性および
加工性ともに良好であり、得られた固形洗剤は、原料価
格を低下させたにもかかわらず、泡立ちが良好であり、
溶崩性も少なかった。

以下の各実施例も実施例１〜３と同様な方法より固形洗
剤を製造した。

実施例 ５ ＮーラウロイルーＮ−メチル−８ーアラニンナトリウム
６００夕局方デ
キストリン ３００固形パラフィ
ン（ｍｐ、５８〜６０００） ５０水
５０実施例 ６Ｎ−ステア
ロィルザルコシン酸ナトリウム４００９Ｎ−ラウロィル
ザルコシン酸カリウム ８０ラウリル硫酸ナトリウ
ム ３００デキストリン（アミコールＮ
ｏ．５） ５０セチルアルコール
７０水
１００実施例 ７Ｎ一半硬化牛脂脂肪酸アシル
−Ｌ−グルタミン酸ジナトリウム
３００タＮ−ラウロイルザルコシン酸ナトリ
ウム ３００デキストリン（アミコールＮｏ．５）
３００グリセリン
２０香 料 適量水
８０実施例 ８Ｎ−
ステアロイル−ＤＬ−グルタミン酸モノェタノールアミ
ン ２００タラウリル硫酸カ
リウム ５５０デキストリン酸塩（ア
ミコールＮＯ．５） ５０デキストリン酸塩（ァミ
コールＮｏ．班） ５０ミリスチルアルコール
５０顔 料
適量水 １
００実施例５〜８の固形洗剤の製造に際し、ミキシング
性、押出し加工性ともに良好であり、得られた各固形洗
剤は、泡立ちもよく、溶け崩れも少なかつた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ Ｎ−長鎖アシルグルタミン酸塩、Ｎ−長鎖アシザル
   コシン塩、およびＮ−長鎖アシル−Ｎ−メチル−β−ア
   ラニン塩からなる群より選ばれた少なくとも１種の合成
   洗剤と固形洗剤あたり２ないし３５重量％のデキストリ
   ンを必須成分とすることを特徴とする固形洗剤。 ２ Ｎ−長鎖アシルグルタミン酸塩、Ｎ−長鎖アシザル
   コシン塩、およびＮ−長鎖アシル−Ｎ−メチル−β−ア
   ラニン塩のそれぞれのアシル基が炭素数８ないし２２の
   飽和または不飽和の脂肪酸残基である特許請求の範囲第
   １項記載の固形洗剤。 ３ Ｎ−長鎖アシルグルタミン酸塩、Ｎ−長鎖アシザル
   コシン塩、およびＮ−長鎖アシル−Ｎ−メチル−β−ア
   ラニン塩のそれぞれの塩が、アルカリ金属塩、アンモニ
   ウム塩、水溶性アミン塩、および塩基性アミノ酸塩から
   選ばれる特許請求の範囲第１項記載の固形洗剤。