JPS6017844B2 - アクリル系繊維の製造法 - Google Patents

アクリル系繊維の製造法

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JPS6017844B2
JPS6017844B2 JP3608278A JP3608278A JPS6017844B2 JP S6017844 B2 JPS6017844 B2 JP S6017844B2 JP 3608278 A JP3608278 A JP 3608278A JP 3608278 A JP3608278 A JP 3608278A JP S6017844 B2 JPS6017844 B2 JP S6017844B2
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岳春 落合
義明 石崎
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は湿式織糸法によりアクリル系繊維を製造する方
法に関するものである。
その目的とするところは、繊維表面が滑らかで光沢が強
く、フィブリル化し‘こく〈染色の均一性に優れた異形
糸,中空糸,異形中空糸を工業的有利に製造するにある
。従来アクリロニトリル系重合体の級糸原液を湿式紙糸
法によって紙糸し、異形糸を製造するには、非円形紡孔
を用いて紡糸するのが一般的に知られている方法である
しかしこの方法で目的とする異形状態の繊細を得るため
には、極端な異形状の級孔を用いることが必要であり、
また極端な異形状紡孔を用いるために、糸立ち性が悪く
なり、糸切れが生じる等、織糸性が非常に悪くなる。そ
のために、凝固格の濃度や温度等の紙糸条件を変更する
ことによってそれらの欠点を防ぐ努力がなされているが
、その条件が最適の凝固範囲から外れるために、目的と
する異形状態を保持しつつ、十分な物性を備えた繊維を
安定に製造することが困難であった。そのうえ、目的と
する異形状の糸を得るためには円形孔よりもはるかに大
きい孔面積を有する異形孔を用いなければならないため
に大デニールの繊維となってしまい、通常衣料用として
最も多く用いられ、汎用性のある細い繊維を湿式法で得
ることは非常に困難であった。
また、中空糸を製造する方法としては、紙糸原液中に発
泡剤や気泡を混入させる方法が知られているが、この方
法では繊維軸の内部に、それに沿って連続した中空部分
を有する繊維を得ることができず、この方法では細かい
気泡を多く含んだスポンジ状の繊維しか得ることができ
ない憾みがあつた。
上記以外の方法としては、鞘芯紙糸口金を用いて、難に
紙糸原液を、芯に気体あるいは紙糸原液に対して凝固性
または非凝固性の液体を用いて紡糸する方法が知られて
いるが、この方法は、芯に供給する気体または液体を適
切な量にコントロールすることが非常に困難であり、中
空部が破裂したり、あるいは中空部の消失した部分等が
生じやすく、均一な中空部を有する繊維を得ることが困
難であった。
そして、この方法は、衣料用に最も多く用いられ汎用性
のある細い繊維を得ることが困難であった。本発明は、
前記したように繊維表面が滑らかで、表面光沢が強く、
フィブリル化し1こくく、また染色の均一性にすぐれて
いるという効果をもち、従来法では実現できなかった異
形糸や中空糸、更には異形であって中空部を有する繊維
(以下異形中空糸という)を製造することを目的とする
ものである。
本発明の要旨とするところは、アクリロニトリル系重合
体の紡糸原液を湿式級糸する方法において、該徹糸原を
複数の孔を組合せて1組とする紙糸孔を有する紡糸口金
を通して、少なくとも1種類の非凝固性溶液中を通過さ
せ、次いで該溶液に接している該溶液と非溶性である少
なくとも1種類の凝固性溶液を通過させ、1組内の孔よ
り押し出された紙糸原液の各々を接着させて凝固させる
ことを特徴とするアクリル系繊維の製造法であって、以
下の実施態様を含むものである。
(1} 1組内の孔は少なくとも2孔であり、これらの
孔は直線状,曲線状,多角形状または円状に配列されて
いること、‘2’ 1組内の孔は幅0.03〜0.4肋
の曲線状または直線状のスリットで、これらのスリット
が円弧状または多角形状に配列されていること、‘31
1組内の孔は直径が0.03〜1.0柳の円形孔でこ
れらの孔が多角形状または円形状に配列されていること
、【41 1組内の各孔間の間隔は0.02〜0.8側
であること、【51 各組間の間隔が0.8肌より大き
いこと、‘6} アクリロニトリルを6の重量%以上含
有するアクリロニトリル系重合体であること、‘71
非凝固性溶液と凝固性溶液とが非相溶である2種類の溶
液よりなり、且つ両液間で0.1以上の比重差を有する
凝固格を用いること、■ 凝固溶液の比重より0.1以
上軽い比重の非凝固性溶液を用いること、‘91.凝固
溶液の比重より0.1以上重い比重の非凝固性溶液を用
いること、剛 ペンタン類,ベンテン類,ヘキサン類,
ヘキセン類,ヘプタン類,ヘブテン類,オクタン類,オ
クテン類等の脂肪族炭化水素類,シクロベンタン類,シ
クロベンテン類,シクロヘキサン類,シクロヘキセン類
,シクロヘプタン類,シクロヘプテン類等の環式脂肪族
炭化水素類,ベンゼン,トルェン,キシレン等の芳香族
炭化水素類,クロルベンゼン,パークロルェチレン,四
塩化炭素等の塩素化炭化水素類,流動パラフィン,塩素
化パラフィン等のパラフィン類,臭素化炭化水素類,グ
リセリン等のアルコール類,石油エーテル,灯油,ミネ
ラルスピリット等の石油系混合溶液よりなる群から選ば
れる少なくとも1種を非凝固性溶液として用いること、
(11)ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド
,ジメチルスルホキシド,ロダン塩,塩化亜鉛,硝酸,
硫酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種類を凝固性
水溶液として用いること、(12)ジメチルホルムアミ
ド水溶液−nーヘキサン,ロダンソーダ水溶液−クロル
ベンゼン,硝酸水溶液−流動パラフィンの凝固性溶液−
非凝固溶液の組合せを用いること、(13)四塩化炭素
−硝酸水溶液一n−へキサン,又はトリクロルェチレン
ージメチルホルムアミド水溶液−シクロヘキサンの非凝
固性溶液−凝固性水溶液−非凝固溶液の組合せを用いる
こと、(1り紡糸原液を口金を通して上方から下方へ押
出し非凝固性溶液−凝固性溶液の順に通過せしめること
、(15)紡糸原液を口金を通して下方から上方へ押し
、非凝固性溶液−凝固性溶液の順に通過せしめること。
以下本発明の構成、実施態様及び効果につきに詳細に説
明する。
本発明においてアクリル系繊維とは、アクリロニトリル
系重合体からなる繊維を云い、通常のスフ糸,フィラメ
ント糸,複合糸等を意味するものである。
本発明に用いられるアクリロニトリル系重合体とは、ポ
リアクリロニトリル,又はアクリロニトリルを6の重量
%以上と4の重量%以下の他の重合しうる単量体とから
なる共重合体並びに他の重合体との混合重合体を総称す
るものである。
他の重合しうる単量体としては、酢酸ビニル,塩化ビニ
ル,塩化ビニリデン,アクリル酸,アクリル酸ェステル
類,メタクリル酸,メタクリル酸ェステル類,アクリル
アミド,メタクリルアミド,及びそれらのモノアルキル
置換体,スチレン,ビニルピリジン及びそれらのアルキ
ル置換体,ビニルスルホン酸,およびそれらの塩類等の
ビニル化合物があり、その他のアクリロニトリルと共重
合し得るすべての既知単量体をいう。本発明において、
繊維を紡出するにあたり用いられる紡糸孔としては、第
1図〜第13図に示すように、複数の孔が直線状,曲線
状,多角形状または円状に配列されて1組の紙糸孔を構
成するもので、1組の各孔より押し出された各原液は接
着して一本の糸状体を形成するものである。
第1図〜第6図は、円形孔が直線状,三角,四角,五角
及び六角形状に配列されたものであり、第7図〜第9図
は、円弧状のスリット孔が円形に配列されたもの、第1
0〜第13図は直線状のスリット孔が三角,四角,五角
及び六角形状に配列されて一組とした紡糸孔の具体例を
示すものである。
本発明の方法によれば孔の数及びその配列の仕方により
、種々の形状の異形糸及び中空部を有する中空糸を得る
ことができる。
例えば、第1図及び第2図に示すように円形の複数の孔
直線状に配列した場合には第14図及び第15図に示す
ように、団子がつながったような異形糸となり、また第
3図のように三角形状に配列したものは、第16図示す
ように三葉のクローバのような形状の異形糸を得ること
ができる。
また、第17図〜第26図は、第4図〜第13図に示す
形状の級糸孔から得られる中空糸を示すものである。こ
のように、複数の孔を三角形状,多角形状または円形状
等の環状に配列した場合、中空糸を得るためには、孔の
配列によって囲まれる非穿孔部の面積が0.02側2
以上であることが必要で、それより4・さし、場合には
、繊維内部の空洞部が非常に小さいか、極端な場合は全
く中空糸は得られず例えば、第17図〜第26図に示す
断面形状と同一であるが「中空部を有していない異形糸
となる。
各組内の孔の大きさは、目的とする繊維のデニールに応
じて適当に選択可能であるが、紙孔の加工技術の制約及
び原液吐出の安定性から、スリット状孔の場合はその幅
が0.02肌以上、好ましくは0.03〜0.4肌、円
または非円形の孔の場合は最小部分の径が0.03柳以
上、好ましくは0.05〜1.仇舷が望ましい。この範
囲より小さい場合には、原液中の異物などによって目詰
まりを起し易くなり紙糸が不安定になり、糸切れを起し
易い。またこの範囲より大きい場合には凝固が不完全に
なり、極端の場合は紡糸不可能となるご穿孔部の形状が
スリットである場合、直線状であっても曲線状であって
もよく、またそれは円形以外に異形状の孔であってもよ
い。
級糸孔を形成する各組における孔の数やその配列の仕方
は、得ようとする繊維の断面形状や中空度合によって、
前記のように種々かえることができるが、各組内での孔
の間隔は0.02側以上であることが好ましい。
これが0.02柳未満では、孔の加工技術上困難である
ばかりでなく、この部分の強度が弱くなり、級糸原液吐
出時の圧力で破損し易くなるからである。また、その上
限については、アクリロニトリル系重合体の溶剤及びそ
の違いによる紡糸条件によって変るが、概ね1脚以下で
ある。これが1側をこえると、各孔から押し出された原
液の接着が生じなくなり、一定形状の繊維を得ることが
できなくなる。次に、紙糸孔を構成する各組の間隔は前
記した紡糸条件によって変るが、1側より大きくするこ
とが必要であり、これより小さいと各細間で接着が生じ
るようになり、安定して紡糸することができなくなる。
第27図は、上記説明を図であらわしたもので、級糸口
金Kに、第4図,第8図及び第11図に示す紙糸孔が穿
孔されているもので、aは組内における孔間隔,bは各
組間隔を表わすものである。
前述の粗内孔間隔aおよび各組間の距離bは、各孔から
の中心からの距離ではなく、最も近い部分の距離を表わ
している。
また孔間隔は各孔について、それに最も近い孔との距離
を示し、3つ以上の紡孔を組合せる場合、すべての紙孔
間隔が0.02〜1.仇岬の間にある必要はなく、一つ
の紙孔からみて最も近くにある級孔との距離が0.02
〜1.仇吻の範囲にあればよい。織糸に用いる凝固裕内
の構成は、凝固溶液と非凝固性溶液の少なくとも2種類
の溶液からなり、両溶液は非相溶性であって、かつそれ
ぞれの比重の差が0.1以上であれば特に限定する必要
はない。
但し肋糸する際に紙糸可能な状態で存在することが必要
であることは云うまでもない。ここで、両溶液の非溶性
とは、雨液が全く溶け合わないか、または、両液がお互
いにある溶解度は有しているが、明瞭な二層をなすもの
を意味するものである。
また、非凝固性溶液とは、その溶液中を紡糸原液が通過
する間は紡糸原液の流動性を保っていてその溶液中にお
いて複数本のその流れが接触するときに容易に接着して
、それらの流れが一本の流れとなり、その後の工程で複
数本の流れまたは糸条体に容易に分れない状態を作り出
す溶液を意味するものである。
本発明において非凝固性溶液としてはペンタン類,ベン
テン類,ヘキサン類,ヘキセン類,ヘプタン類,ヘプテ
ン類,オクタン類,オクテン類,等の脂肪族炭化水素類
,シクロベンタン類,シクロベンテン類,シクロヘキサ
ン類,シクロヘキセン類,シクロヘプタン類,シクロヘ
プテン類等の環式脂肪族炭化水素類,ベンゼン,トルェ
ン,キシレン等の芳香族炭化水素類,クロルベンゼン,
パークロルェチレン,四塩化炭素等の塩素化炭化水素類
,流動パラフィン,塩素化パラフィン等のパラフィン類
,臭素化炭化水素類,グリセリン等のアルコール類,石
油エーテル,灯油,ミネラルスピリット等の石油系混合
溶液からなる群より選ばれる少なくとも1種が使用でき
る。
また凝固性溶液としては、従来既知の水系凝固裕溶液が
適用できる。
その代表的なものはジメチルホルムアミド,ジメチルア
セトアミド,ジメチルスルホキシド,ロダン塩,塩化亜
鉛,硝酸,硫酸等の水溶液である。上記凝固液と非凝固
性溶液の組合せは、ジメチルホルムアミド水溶液−nー
ヘキサン,ロダン塩水溶液ークロルベンゼン,硝酸水溶
液−流動パラフィン等のものが1例としてあげられる。
その中で無機系水溶液による凝固は凝固速度が遠く、特
に硝酸水溶液は遠い凝固を示すため、級糸口金より押し
出された縦糸原液は凝固性の水溶液に接する以前は非凝
固性溶液中に完全に密閉状態で保持して、1組の紡糸孔
より押し出された級糸原液流が完全接着した筒状になる
必要がある。したがって凝固性溶液と非凝固性溶液とは
全く溶け合わないものであり、2度以上に分離すること
が必要である。その分離を完全なものにするためには非
相溶性の2種類以上の溶液の比重が各々0.1以上にな
っていることが望ましい。
非凝固性溶液に四塩化炭素,四塩化エチレン等の比重の
重いものを用いた場合には、第29図に例示する如く下
方から上方へ紙糸原液を押し出す必要がある。
本発明において、凝固性溶液と非凝固性溶液の少なくと
も2種類の2層の溶液を用いる場合、凝固性溶液の量は
押し出された紙糸原液を充分に凝固させ得るだけでよく
、また非凝固性溶液の量は級糸口金表面より凝固性溶液
に入るまでの距離は1〜low舷、好ましくは2〜4仇
舷が望ましい。
1側未満では本発明の目的とする各孔から押し出された
原液の接着が起らず10仇松を越えるときには原液の流
れの切断力が生じたり、原液流の変化を生じたりして、
所期の異形糸や中空糸を得ることができなくなる。
第28図は本発明の方法で非凝固性溶液5の比重が凝固
性溶液4の比重より軽い場合の例を示したものであり、
第29図は非凝固性溶液5′の比重が、凝固性溶液4′
の比重より重い場合の例を示したものである。
両図において凝固浴6の中に凝固性溶液4と非凝固性溶
液5の非相溶性の2種類の溶液を入れ、紙糸口金1より
鉄糸原液を押し出し、非凝固性溶液5中を通過せしめた
後、凝固性溶液4中で凝固を完全にし、変向バー3を通
して、凝固系2を凝固格6外に引き出す。第28図に示
す如く非凝固性溶液5の比重が凝固隆溶液4の比重より
軽い場合には、紡糸原液を紡糸口金1より上から下に向
けて押し出し、第29図に示す如く非凝固性溶液5′の
比重が凝固性溶液4′の比重より重い場合には、紙糸原
液を紡糸口金より下から上に向けて押し出す。第28図
,第29図のいずれの場合においても、凝固性溶液に級
糸原液が接する以前に非凝固性溶液に鞍せしめることが
必要である。つまり紙糸原液がこの非凝固性溶液中を通
過する間に各孔から押し出されたその流れが接着を生じ
異形及び/又は中空糸を形成するのである。本発明の方
法は、紙糸口金より押し出された級糸原液が凝固性溶液
に接する以前に非凝固性溶液中を通過させることによっ
て、各組内の孔から押し出された原液流を接着させ、所
定の形状,中空度とした後、その形状,中空度を保った
状態で凝固させることが最も重要なことであるので、そ
の条件を満足できる構成であればよい。
従って、第28図及び第29図に例示した如く、使用す
る溶液を2液に限定する必要はなく、非凝固性溶液−凝
固性溶液−非凝固性溶液の3液の組合せでもよく、また
、各溶液自体の構成は単一組成でも複数成分の混合物で
あってもよい。非凝固性溶液−凝固性溶水液一非凝固性
溶液の組合せ例としては、四塩化炭素−硝酸水溶液−n
−へキサン又はトリクロルェチレンージメチルホルムア
ミド水溶液−シクロヘキサンの如き系が好適に実施でき
る。次に本発明の実施例を示す。実施例中の%は特記し
ない限り重量百分率を表わす。実施例 1 アクリロニトリル90%,酢酸ビニル10%よりなるア
クリロニトリル系重合体を0℃の69%硝酸に溶解し、
重合体濃度14.8%の紙糸原液を調製した。
紙糸格として第28図に示すように、上層に非凝固性溶
液としnーヘキサンを用い、下層に凝固性溶液として0
℃の20%の硝酸水溶液を用いた。紙糸口金としては第
9図に示すように、幅0.04側の円弧状のスリット孔
を6箇円状に配列して1組の筋糸孔としたものを用いた
。該スリット孔の配列による円の外周の直径は0.斑で
、スリット孔の間隔aは0.08側とした。この細を2
0組とし、各組の間隔bは1.4側とした。この紙糸口
金をn−へキサン中に保持し、紙糸口金より上方から下
方へ押し出された糸条を5肌の間n−へキサン中を走行
させた後、0℃の20%の希硝酸中に導入して凝固させ
、次に水洗および延伸,乾燥,弛緩等の通常の糸条処理
をして単糸デニール母の糸を得た。得られた繊維の断面
写真(20ぴ音)の模写図を第30図に示す。
第30図において、ハッチングした円形部が繊維断面部
31であり、それによって囲まれている内部の白い部分
が中空部32である。第31図は、上記繊総の繊維軸方
向の断面写真(60の音)の模写図、白い部分は中空部
32、そのまわりのハッチングした部分が繊維部分31
である。
この繊維の中空度は平均5.5%であり、第30図から
判るように、繊維断面部における中空部32の面積が各
単糸で非常に均一なものである。
しかも第31図に示すように繊維軸方向に沿ってその部
分31,32が均一に連続している特徴をもつている。
尚、中空度は、繊維の横断面の全面積に対する中空部分
の占める面積の割合を百分率で表わしたものである。
実施例 2 実施例1において調製した紙糸原液を用い、非凝固性溶
液に四塩化炭素,凝固性溶液として0℃の23%硝酸溶
液を用い、紡糸口金としては第11図に示すように幅0
.04側,長さ0.12肋の直線状スリット孔4箇を0
.08柳の間隔で穿ち1組とし、この1組を2政迫とし
各組の間隔は2.0側とした。
この紙糸口金を四塩化炭素中に保持し、紡口より下方か
ら上方で押し出された糸条を5側の間四塩化炭素中を走
行させた後に、0℃の23%の希硝酸中に導入して凝固
させ、次に水洗および延伸,乾燥,弛緩等の通常の糸条
処理を行なって単糸デニール母の糸を得た。得られた繊
維の断面写真(20俳音)の模写図を第32図に示す。
またこの繊維の中空度は14%であった。実施例 3 アクリロニトリル90%,アクリル酸メチル9%,メタ
リルスルホン酸ソーダ1%からなるアクリロニトリル系
重合体を50%ロダンソーダ水溶液中に溶解した重合体
濃度10%の紡糸原液を調製した。
非凝固性溶液として流動パラフィン,凝固性溶液として
15%ロダンソーダ水溶液を用いた。織糸口金としては
第4図に示す0.08肋0の円形孔四つを正四角形の各
頂点に孔間隔0.12側となるように穿ち、この組を2
0個つくり「各組間の距離を0.23肋としたものを用
いた。この織糸口金を流動パラフィン中に保ち、紡糸口
金先端を流動パラフィンーロダンソーダ水溶液の界面と
の距離0,2,20,30,low岬と変えた。級糸口
金から吐出された級糸原液流を流動パラフィンの層を通
過させた後、15%ロダンソーダ水溶液中に導入して凝
固させ、次に水洗,延伸し乾燥した。その結果を第1表
に示す。第1表からわかるように、界面と鮫糸口金との
距離が0側のときは、各組内の接着が起らず糸の本数は
80本あり、断面は全く中空なものはない。
2帆と2仇帆の場合は糸の本数は20本で断面図は第1
7図に示す形であった。
3仇奴では糸の本数は20本であるが断面は丸くなり、
第24図のようであった。
10仇岬こなると紙糸中に虫が発生したり、糸間の接着
が激しく、中空度の高い中空糸を得ることが困難になっ
てくる。
第1表 実施例 4 アクリロニトリル92%,アクリルアミド8%よりなる
アクリロニトリル系重合体をジメチルホルムアミド中に
溶解した重合体濃度20%の紙糸原液を調製した。
非凝固性溶液としてトリクロルェチレン、凝固性溶液と
して50%ジメチルホルムアミド水溶液を用いた。抜糸
口金としては0.07側ぐ級孔を正六角形の各頂点に0
.15側の間隔で穿って1組としたものを1概阻、各組
間の距離を2.5側とした。この級糸口金をトリクロル
ェチレソ中に保持し、トリクロルェチレンとホルムアミ
ド水溶液との境界面と紡糸口金の先端との距離を5職と
して、第29図に示すように下から上に級糸原液を押し
出し、凝固糸を得た。
この凝固糸を実施例1と同じ糸条処理をして単糸デニー
ル7dの糸を得た。
その断面は第33図に示す写真(20折音)の模写図の
如き形状で、中空度は5.6%であった。実施例 5 実施例3において、非凝固液を流動パラフィンからパー
クロルェチレンに変え、紡糸口金を第5図に示すように
正五角形の頂点に0.06肌)の紙糸孔を0.1仇岬の
間隔に穿って1組としたものを15組とし、各紙間の距
離を2.仇吻とした紙糸口金を変えて、紙糸方向を上か
ら下へを下から上にしただけで他はすべて実施例3と同
様にして行なった。
その結果は第2表に示すとおりである。すなわち第2表
からわかるように、非凝固性溶液の比重が凝固性溶液の
比重より重い場合にも、非凝固性溶液の比重が凝固性溶
液の比重より軽い場合と似た結果を示す。
第2表 実施例 6 アクリロニトリル90%、酢酸ビニル10%よりなるア
クリロニトリル系重合体を69%硝酸に溶解し、重合体
濃度14.8%の級糸原液を調製した。
非凝固性溶液−凝固性溶液として上層に非凝固性溶液と
してn−へキサンを用い、下層の凝固層として20%の
硝酸水溶液を用いた。紙糸口金としては0.08側)の
孔2つを近接して穿って1組とし、各組内におけるこの
孔間隔を0.08 0.4,0.8肌の3種とし、かつ
、この額を2筋阻とし、各組の間隔は1.4肌とした。
この紡糸口金をnーヘキサン中に置き、級口より上方か
ら下方へ押し出された糸条を5肌の間n−へキサン中を
走行させた後に、20%の希硝酸中に導入して凝固させ
、次に水洗および延伸,乾燥,弛緩等の通常行なわれる
糸条処理を行なった。得られた糸の断面はいずれも似た
形状をしており、いずれの場合も異形断面糸が得られる
ことを確認した。
第34図に、0.08側の孔間隔の紡孔から得られた異
形糸の断面写真(20坊音)の模写図を示した。
実施例 7 実施例6において、非凝固性溶液をnーヘキサンから四
塩化炭素に変え、紡糸原液の吐出方向を実施例6の上方
から下方へを下方から上方に逆向きにするだけで、その
他の条件は全て実施例6と同様にして紙糸を行なった。
結果は第4表に示すように実施例6の場合と変わらず、
凝固液より重い非凝固性溶液を用いても、同機に異形断
面糸が得られることが判った。第4表実施例 8 実施例6において、各組内における孔の孔間隔0.4肋
の紡糸口金を用い、n−へキサン又は四塩0化炭素中の
紙糸口金の先端とn−へキサンと20%希硝酸との界面
との距離を0.05,i.0,20,30,7仇舷とし
実施例6と同様な肋糸を行なった。
その結果は第5表に示すように、距離が0.05の場合
には接着が起きず、断面は円形であった。距タ雛が1.
0〜7仇奴の場合にはいずれも第1 4図に示すような
異形断面糸が得られた。第5表 実施例 9 アクリロニトリル90%,アクリル酸メチル9%,メタ
リルスルホン酸ソーダ1%からなるアクリロニトリル系
重合体を50%ロダンソーダ水溶液中に溶解した重合体
濃度10%の級糸原液を調製した。
非凝固性格として流動パラフィン,凝固格として10q
oの15%ロダンソーダ水溶液を用いた。薮糸口金とし
ては、第3図に示すように0.1肌0の紙孔3つを正三
角形の各頂点こ孔間隔0.12肌となるように穿ち、こ
の縄を2句固つくり、各組間の間隔を0.4,0.7,
1.比廠としたものを3種を用いた。この紡糸口金を流
動パラフィン中に保持し、流動パラフィンと15%ロダ
ンソーダ水溶液との境界面と織糸口金先端との距離を5
肋に保った。紡糸口金から吐出された紡糸原液流を流動
パラフィンの層を通過させた後、15%ロダンソーダ水
溶液中に導入して凝固させ、次に水洗,延伸し乾燥した
。その結果は第6表に示すとおりで、粗間距離が本発明
の範囲より極端に小さい0.4柵の場合には、組間の接
着がはげしく「 うまく級糸することができない。
また本発明の範囲より少し小さい0.7側の場合には、
粗間の接着が一部で起り、糸の本数が少なくなっている
。第6表 実施例 10 アクリロニトリル92%,アクリルアミド8%よりなる
アクリロニトリル系重合体をジメチルホルムアミド中に
溶解した重合体濃度20%の紡糸原液を調製した。
非凝固溶液としてトリクロルェチレン,凝固性溶液とし
て50%ジメチルホルムアミド水溶液を用いた。筋糸口
金として第2図に示すように0.07柵?の級孔3つを
0.5側の間隔で穿って一組とし、5筋噂の紙孔を2.
0凧の間隔で穿ったものを用いた。この紙糸口金をトリ
クロルェチレン中に保持し、トリクロルェチレンとホル
ムアミド水溶液との境界面と紡糸口金先端との距離を5
肌として下から上に紙糸原液を押し出し、級糸を行なっ
た。
得られた糸の断面は第15図に示したが独特のきうめき
を有し、滑りが有り、染色性の均一性も良好であった。
【図面の簡単な説明】
図面はすべて本発明の実施態様を示すもので、第1図〜
第13図は、複数の孔を組合せて1組とした紙糸孔の具
体例の説明図、第14図〜第26図はそれぞれ第1図〜
第13図の級糸孔によって得られる繊維の断面の説明図
、第27図は孔の配列間隔及び各紙間隔の説明図、第2
8図及び第259図は級糸形式の説明図、第30図及び
第31図は実施例1によって得られた中空糸の断面写真
の模写図、第32図は実施例2によって得られた異形中
空糸の断面写真の模写図、第33図は実施例4によって
得られた異形中空糸の断面写真の模写0図、第34図は
実施例6によって得られた異形糸の断面写真の模写図で
ある。 第1図 第2図 第3図 第4図 第5図 第6図 第7図 第8図 第9図 第10図 第11図 第12図 第13図 第14図 第15図 第16図 第17図 第18図 第19図 第20図 第21図 第22図 第23図 第24図 第25図 第26図 第30図 第31図 第32図 第33図 第34図 第27図 第28図 第29図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アクリロニトリル系重合体の紡糸原液を、複数の孔
    を組合せて1組とする紡糸孔を有する紡糸口金を通して
    少なくとも1種類の非凝固性溶液中を通過させ、次いで
    この非凝固性溶液に接している該非凝固性溶液に対し非
    溶性である少なくとも1種類の凝固性溶性溶液を通過さ
    せ、1組内の孔より押し出された紡糸原液の各々を接着
    させ凝固せしめることを特徴とするアクリル系繊維の製
    造法。 2 1組内の孔が少なくとも2孔であり、該孔が直線状
    ,曲線状,多角形状,または円状に配列された紡糸口金
    を用いる特許請求の範囲第1項記載のアクリル系繊維の
    製造法。 3 1組内の孔は幅0.03〜0.4mmの曲線状また
    は直状のスリツトで、これらのスリツトが円弧状または
    多角形状に配列されている紡糸口金を用いる特許請求の
    範囲第1項記載のアクリル系繊維の製造法。 4 1組内の孔は直径0.03〜1.0mmの円形孔で
    、これらの孔が多角形状または円形状に配列されている
    紡糸口金を用いる特許請求の範囲第1項記載のアクリル
    系繊維の製造法。 5 1組内の各孔間の間隔は0.02〜1.0mmであ
    る紡糸口金を用いる特許請求の範囲第1項記載のアクリ
    ル系繊維の製造法。 6 各組間の間隔が0.8mmより大きい紡糸口金を用
    いる特許請求の範囲第1項記載のアクリル系繊維の製造
    法。 7 アクリロニトリルを60重量%以上含有するアクリ
    ロニトリル系重合体である特許請求の範囲第1項記載の
    アクリル系繊維の製造法。 8 非凝固性溶液と凝固性溶液とが非相溶性である2種
    類の溶液よりなり、且つ両液間で比重が0.1以上異な
    る凝固浴を用いる特許請求の範囲第1項に記載されたア
    クリル系繊維の製造法。 9 凝固性溶液の比重より0.1以上軽い比重の非凝固
    性溶液を用いる特許請求の範囲第1項又は第8項記載の
    アクリル系繊維の製造法。 10 凝固性溶液の比重より0.1以上重い比重の非凝
    固性溶液を用いる特許請求の範囲第1項又は第8項記載
    のアクリル系繊維の製造方法。 11 ペンタン類、ペンテン類、ヘキサン類、ヘキセン
    類、ヘプタン類、ヘプテン類、オクタン類、オクテン類
    よりなる脂肪族炭化水素、シクロペンタン類、シクロペ
    ンテン類、シクロヘキサン類、シクロヘキセン類、シク
    ロヘプタン類、シクロヘプテン類からなる環式脂肪族炭
    化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
    水素、クロルベンゼン、パークロルエチレン、四塩化パ
    ラフインからなるパラフイン類、臭素化炭化水素類、グ
    リセリン等のアルコール類、石油エーテル、灯油、ミネ
    ラルスピリツト等の石油系混合溶液からなる群より選ば
    れる少くとも1種類を非凝固性溶液として用いる特許請
    求の範囲第1項又は第8項記載のアクリル系繊維の製造
    法。 12 ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
    ジメチルスルホキシド、ロダン塩、塩化亜鉛、硝酸、硫
    酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶液を凝
    固性溶液として用いる特許請求の範囲第1項又は第8項
    記載のアクリル系繊維の製造法。 13 ジメチルホルムアミド水溶液−n−ヘキサン、ロ
    ダンソーダ水溶液−クロルベンゼン、硝酸水溶液−流動
    パラフインの凝固性水溶液−非凝固性溶液の組合せを用
    いる特許請求の範囲第1項又は第8項記載のアクリル系
    繊維の製造法。 14 四塩化炭素−硝酸水溶液−n−ヘキサン、又はト
    リクロエチレン−ジメチルホルムアミド水溶液−シクロ
    ヘキサンの系よりなる非凝固性溶液−凝固性水溶液−非
    凝固性溶液の組合せを用いる特許請求の範囲第1項又は
    第8項記載のアクリル系繊維の製造法。
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