JPS6015836Y2 - シ−ルド掘進機用オ−バカツタ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、トンネル掘進時の方向制御に際して余掘り
施工するためのシールド掘進機用オーバカッターの関す
る。

一般にシールド掘進機をカーブ掘進させる際には、その
カッター後部に取付けたオーバカッターを前記カッター
周縁部より径方向外側に突出させて地山に貫入させ、カ
ッター回転により前記オーバカッターで抗内周壁部の地
山を余掘りしている。

ところが、従来のこの種オーバカッターは、これを遠隔
操作して作動させるために別体の駆動手段を必要とした
複雑構成になっているばかりでなく、この駆動手段を含
む全長寸法が長大化することから、斯様なオーバカッタ
ーを小口径シールド掘進機に取付はセットすることはで
きなかった。

このため、小口径シールド掘進機にあっては従来、その
カッターにボルト等で緊締弛緩するオーバカッターのみ
を取付けているが、この場合、オーバカッターの出入に
際し、その都度、作業者がカッター内に入ってボルト等
の弛緩緊締操作と共にオーバカッターの出入操作を人為
的に行なわなければならず、斯様な人為的作業は相当の
労力と時間を費やして頗ぶる面倒であるとともに危険性
を伴なう。

この考案は上記問題点を解消すべくなされたもので、そ
の目的は、カッター周縁部から出没させるシリンダ機構
自体にオーバカッター機能をもたせることにより、金属
寸法を短縮化して小口径シールド掘進機にもセットする
ことができ、かつ煩雑で危険性の伴なう人為的作業を必
要とせずに余掘り施工が容易に行なえるようにしたシー
ルド掘進機用オーバカッターを簡単な構成で提供するこ
とにある。

以下に、この考案を図示の好適一実施例について説明す
る。

第１図に示すシールド掘進機において、シールドフレー
ム１の前面開口部に回転駆動自在に取付けたカッター２
の後面側には掘削ズリを導入するカッター室３が形成さ
れ、このカッター室３は図示省略の仕切板で形成された
複数のバゲット部を有している。

また、前記カッター室３の内部中央には、ズリ搬出用ス
クリューコンベヤ４のズリ導入口５が臨ませである。

斯様なシールド掘進機において、カッター２の後面部周
縁側にはオーバカッターとしてのシリンダ機構６が取付
はセットされている。

このシリンダ機構６は、第２図に示すごとく、カッター
２の後面に一体突設したブラケット７にシール要素８、
軸受９を介してスライド自在に取付けたシリンダ１０と
、このシリンダ１０内にスライド自在に嵌挿したピスト
ンロッド１１とからナリ、このピストンロッド１１の突
出端部は固定端としてのカッター２と一体のブラケット
１２に連結されている。

従って、前記シリンダ機構６はピストンロッド１１を固
定側、シリンダ１０を伸縮作動側としてカッター２の径
方向へ伸縮作動し、もってシリンダ１０の先端部がカッ
ター２の周縁部からその径方向外側へ出没するようにし
である。

斯様なシリンダ機構６において、シリンダ１０の先端側
は先細円錐状のハードフェーシング部１３として形成さ
れ、かつ、その先端にはオーバカッター用の超硬ビット
１４が植設しである。

一方、ピストンロッド１１は伸び側油孔１５と縮み側油
孔１６を軸方向に沿った並列状態に有し、伸び側油孔１
５はシリンダ１０の伸び側シリンダ室１０ａ内に、かつ
縮み側油孔１６は縮み側シリンダ室１０ｂ内にそれぞれ
連通している。

そして、前記両油孔１５，１６が油圧制御回路（図示せ
ず）に通じていることは勿論である。

また、シリンダ１０の末端側には回り止め部材として矩
形状の廻り止め板１７が取付けられ、この廻り止め板１
７はカッター２の後面部に設けたガイド１８に一辺が摺
接してシリンダ１０の廻り止め機能を発揮する。

なお、第１図中の符号１９はカッター２の回転駆動用モ
ータ、２０はシールドジヤツキである。

つぎに、上記実施例の作動を説明する。

シールド掘進機をカーブ施工に従事させる事、まず、オ
ーバカッターとしてのシリンダ機構６の伸び側油孔１５
から伸び側シリンダ室１０ａ内に圧力油を送り込んで縮
み側シリンダ機構０ｂを開放することにより、シリンダ
１０を伸び作動させる。

もって、カッター２の周縁部から突出する前記シリンダ
１０の超硬ビットド４およびハードフェーシング部１３
を坑内周壁部の地山に貫入させる。

その状態で、モータ１９を回転駆動させると同時にシー
ルドジヤツキ２０を伸び作動させるとにより、カッター
２と共にシリンダ機構６が回転して超硬ビット１４およ
びハードフェーシング部１３が前記地山を余堀りする。

その余堀りと並行してカッター２はトンネルを掘進し、
この掘進時にカッター室３内に導入されたズリは、その
室内のパケット部でスクリューコンベヤ４内にズリ導入
口５を介して投入されることにより、スクリューコンベ
ヤ４で搬出される。

前記余堀り終了後には、シリンダ機構６の伸び側シリン
ダ室１０ａを開放して縮み側油孔１６から圧力油を送り
込むことにより、オーバカッターすなわち前記シリンダ
機構６はカッター２の周縁部から没入して図中実線で示
す休止位置に保持される。

以上要するに本考案によれば次の如く優れた効果を発揮
する。

■ シールド掘進機のカッター後部に取付けてそのカッ
ター周縁部より出没させるシリンダ機構のシリンダ側先
端部にオーバーカット用ビットを形成してそのシリンダ
機構自体をオーバーカッター構成としたので、このオー
バーカッターの全長寸法をオーバーカッターとシリンダ
機構とが別体構造であった従来のものに比して遥かに短
縮することができ、小口径シールド掘進機にも容易に取
付けることができるようになり、しかも余堀りに際して
の作業の安全容易化を達威し得る。

■ シリンダ機構のシリンダ側基端部に回り止め部材を
設けたので、オーバーカット用ピッＩ・やハードフェー
シング部の向きを一定に保つことができ、切削性能を維
持することができる。

■ シリンダ機構のシリンダ側をスライド自在に支持す
る軸受にシリンダ側摺接部との間をシールするシール要
素を設けたので、軸受内への土砂、水等の浸入を防止す
ることができ、耐久性が向上する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の好適一実施例を示すもので、第１１図
はシールド掘進機の縦断側面図、第２図はそのオーバカ
ッタ一部分の拡大断面図、第３図は第２図の■−■線断
面図である。 図中２はカッター、６はシリンダ機構、 オーバカット用ビットである。 １４は

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シールド掘進機の掘進方向前端部に設けられたカッター
   の後部に、その径方向へ伸縮してカッター周縁部よりシ
   リンダ側が出没するシリンダ機構を設けると共に該シリ
   ンダ機構のシリンダ側をスライド自在に案内する軸受を
   設け、該軸受にシリンダ側摺接部との間をシールするシ
   ール要素を設け、上記シリンダ機構のシリンダ側先端部
   にオーバーカット用ビットを形成すると共にシリンダ側
   基端部にその回転を規制する回り止め部材を設けたこと
   を特徴とするシールド掘進機用オーバーカッター。