JPS6013658Y2 - タイプライタ−のリボンガイド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はタイプライタ−のリボンガイド、特に印字動
作のたびに昇降移動するリボンガイドのリボン通路に挿
通された印字用リボンが、リボンガイドの上昇時にリボ
ン通路内で下方へずれるのを防止したリボンガイドに関
するものである。

布リボンにインクを含浸させた繰返し使用可能な印字用
リボンを一対のリボンスプールに巻回し、そのスプール
を印字点の左右に配置された一対のリボン巻取り装置の
うち一方を有効化して、印字動作のたびに印字用リボン
を一方向へ送るとともに、送り出し側リボンスプールに
巻回された印字用リボンの残量が少なくなったときリボ
ン送り方向反転装置を作動して印字用リボンの送り方向
を反転させて印字用リボンを繰返し使用するタイプライ
タ−においては、第１図に示す従来例のように印字用リ
ボン１を挿通したリボンガイド２は、通常、リボン１を
巻回したリボンスプール（図示せず）とほぼ同じ高さの
休止位置に保持されており、印字動作時にはその休止位
置から上方へ移動されてプラテン３上の印字点４の前面
を覆う印字位置（第１図に示す位置）へ上昇移動される
。

このような機構において印字動作時に即ち、リボンガイ
ド２がリボンスプールより上方に移動した状態でリボン
巻取り装置とともにリボン送り方向反転装置が同時に作
動すると一対のリボン巻取り装置が瞬間的に両方とも有
効化され、印字用リボン１の両端が印字点４を中心とし
て左右両方向下方へ引っ張られ、リボンガイド２を構成
するガイド主体５の左右両アーム５’、５’間に位置し
ている印字用リボン１は下方に引っ張られ、その腰の強
さのみでは耐えきれなくなりリボン１下部がしわむ。

そのため、このようなリボンの状態で印字されると、そ
の文字はその上部が着色されない所謂印字切れが起った
り、あるいは上半分と下半分で色彩の異なる二色リボン
の下層を使用している場合には印字位置に上層のリボン
部分が入り込み、印字された文字が混色するという事態
を招いていた。

この考案は、これらの欠点を解消し、リボンガイド部分
でリボンがずれることのないリボンガイドを提供しよう
とするものであり、以下にその詳細を図面を参照して説
明する。

第２図は後述するリボンガイド２６が下方の休止位置に
ある状態を示す要部正面図、第３図はリボンガイド２６
が上方へ移動し、印字用リボン３３の下層が印字点４２
に位置するとともに印字用リボン３３が緊張状態にある
状態を示す作動図である。

第２図において、１０はタイプライタ−の機枠（図示せ
ず）に固定された支持板であり、その上部左方には上下
一対のストッパ１１．１２が形成されている。

この支持板１０の上部右方には揺動レバー１３の基端部
が回動可能に支持されている。

この揺動レバー１３の左方へ延びた腕１３ａは前記スト
ッパ１１．１２の間で揺動可能にされており、揺動レバ
ー１３と支持板１０との間に掛けられたばね１４により
常には腕１３ａの下縁が下ストッパ１２と当接する休止
位置に付勢されている。

揺動レバー１３の左方へ延びた前記腕１３ａの先端はタ
イプライタ−の横方向の中心部まで達しており、その先
端部には活字１５を備えたタイプバー１６（第２図）な
どの印字素子が通過する空間１７を構成する上下方向に
延びた一対のアーム１８を備えたガイド主体１９が形成
されている。

アーム１８のそれぞれには空間１７側の側縁の上下に一
対の折曲片２０が形成されている。

またアーム９の下方基部には水平状の折曲段部２１が形
成されるとともに、その折曲段部２１に隣接した空間１
７側には前記アーム１８と所定角度を有するように上方
へ延びた一対のストッパ２２が形成されている。

両アーム１８は下端部で連結されており、その連結部か
ら下方へ延びた垂下部２３が形成されており、その垂下
部２３には横長の長孔２４が穿設されている。

２５は前記ガイド主体１９と一部が重合するほぼＵ字状
の押え部材であり、ガイド主体１９とともにリボンガイ
ド２６を構成している。

この押え部材２５は前記空間１７の左右にガイド主体１
９の各アーム１８に沿うような一対の押えアーム２７が
形成されている。

この押えアーム２７の下方基部にはそれぞれ切欠き段部
２８が形成され、この切欠き段部２８がガイド主体１９
の折曲段部２１上に載置される構成となっている。

従って押え部材２５は、切欠き段部２８を中心として押
えアーム２７が第２図及び第３図に示すようにアーム１
８と当接する閉位置とストッパ２２と当接してその上方
を開いた開位置との間を揺動可能であり、常にはガイド
主体１９との間に掛けられた一対のばね２９によって閉
位置に付勢保持されている。

押えアーム２７のそれぞれにはその長手方向に沿って中
央にスリット３０が形成され、ガイド主体１９の折曲片
２０は第２図に示すようにこのスリット３０の上端およ
び下端部に嵌り込むように配置されている。

押えアーム２７のスリット３０によって左右に分割され
た空間１７に関して外側の半分はアーム１８の表面から
離れる方向へ膨出した膨出部３１を形成している。

また押え部材２５の下端にはガイド主体１９の垂下部２
３の背面に下方へ垂下した突起３２が形成されている。

この突起３２は下方に向うに従って垂下部２３から離れ
るように傾斜されている。

図示しない一対のリボンスプールに巻回された印字用リ
ボン３３はガイド主体１９と押え部材２５とに挾まれ、
アーム１８、折曲片２０および押えアーム２７により限
定される一対の間隙、すなわちリボン通路３４を通って
タイプライタ−の印字動作のたびに前記リボンスプール
の一方から他方へ歩進的に送られる。

それぞれの押えアーム２７の膨出部３１の前記空間１７
に関して外側縁３１ａには外方へ向って突出した突部３
５が形成されている。

この突部３５は前記リボン通路３４の上端付近から斜め
下方へ直線的に延びた傾斜縁３５ａと、突部３５の先端
部３５ｂから押えアーム２７とほぼ平行に下方へ直線的
に延びた垂下縁３５ｃとを有している。

またこれらの傾斜縁３５ａと垂下縁３５ｃとは鈍角をな
すように構成されるとともに、先端部３５ｂがリボン通
路３４に挿通された印字用リボン３３のプラテン３６と
逆の面の上下方向の中央ないし中央よりやや上方と当接
するように配置されている。

なお、突部３５の中央部に形成された開孔３７はリボン
ガイド２６の重量を低減させるためのものである。

３８は二腕レバーであり、基部が機枠に固定された支持
板３９に回動可能に支持されている。

この二腕レバー３８の一腕３８ａにはリンク４０の一端
が連結されている。

このリンク４０は印字機構と作動的に連結されており、
印字動作の往行程で第２図において右方へ引かれる。

二腕レバー３８の細腕３８ｂの先端にはピン４１が植設
されるとともに、そのピン４１はガイド主体１９の長孔
２４に嵌入されている。

従って印字動作時にリンク４０が右方へ引かれると二腕
レバー３８が基部を中心に時計方向へ回動され、ピン４
１および長孔２４を介してガイド主体１９を上方へ押し
上げる。

そのためリボンガイド２６は揺動レバー１３の揺動中心
のまわりに、前記リボンスプールとほぼ同じ高さにある
下方の休止位置からその休止位置よりも上方でリボン３
３が印字点４２前面を覆う印字位置まで上昇移動される
。

リボン３３が印字位置まで上昇した状態でタイプバー１
６上の活字１５によりリボノ３３を介してプラテン３６
の印字点４２上に配置された印字用紙４３が印打され、
印字用紙４３上に所要の文字が印字される。

印打が終わるとタイプバー１６が原位置へ復帰するとと
もにリンク４０が図示しない付勢手段により左方へ復帰
し、リボンガイド２６が上方の印字位置から下方の休止
位置へ復帰する。

以上のような構成において、通常の印字動作時にはリボ
ノガイド２６を通る印字用リボン３３にはそれほど張力
が加わっておらず、リボンガイド２６の突部３５はリボ
ン送り動作にはそれほど妨げとならない。

しかし、リボン送り方向反転装置が作動して前述のよう
にリボノ３３が第３図に示すように印字位置で緊張状態
こなったときには、突部３５がリボン３３にそのｌボン
３３のプラテン３６とは逆の面からプラテン３６方向へ
圧接されることとなり、これによりリボン３３は突部３
５とリボン３３との当接部及びリボン通路３４の下端部
とりボン３３の下縁との当接部で支持されるので、リボ
ン３３の腰の強さのみで保持しようとする前記従来のも
のとは異なり、リボン３３がリボンガイド２６内で下方
へずれるのが防止され、前述の印字切れや混色を防ぐこ
とができる。

また、突部３５はリボン３３のプラテン３６とは逆の面
でリボン３３の上下方向のほぼ中央部で当接するため、
リボン３３が長期間使用されて腰が弱くなった場合でも
常に適正な印字位置に保持することができ、また、リボ
ン３３のプラテン３６側の面、すなわち印字時に直接印
字用紙４３と当接する面が摩擦により擦り傷がついたり
することがない。

しかもこの突部３５の作用により、リボン通路３４の間
隙を従来のリボンガイド２より大きくしても印字切れや
混色が発生しにくく、鮮明な印字ができるとともに、リ
ボンの印字に使用する面を傷めることが少ないものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のリボンガイドを示す要部正面図、第２図
は本考案のリボンガイドの一実施例を示す要部正面図、
第３図は作動状態を示す斜視図である。 図中、２６はリボンガイド、２７は押えアーム、３３は
印字用リボン、３４はリボン通路、３５は突部、３５ａ
は傾斜縁である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 印字用リボンが巻回され印字動作に伴ない一方から
   他方へそのリボンを送るとともに巻取る一対のリボンス
   プールと、 上下方向に延びた一対のアームに前記印字用リボンを挿
   通ずるリボン通路を設けたリボンガイドと、 を有し、印字動作のたびに前記リボンスプールとほぼ同
   じ高さにある休止位置とその休止位置よりも上方のプラ
   テンの印字点に対向する印字位置との間で前記リボンガ
   イドを昇降移動させるタイプライタ−において、 前記各々のアームの外側縁から外方へ突出され、前記リ
   ボンの前記プラテンと逆の面における上下方向のほぼ中
   央部に当接する突部を形成することにより前記リボンガ
   イドの印字位置への上昇移動時に前記リボンが前記リボ
   ン通路内で下方へずれるのを防止したことを特徴とする
   リボンガイド。 ２ 前記突部は前記リボン通路の上端付近から斜め下方
   へびた傾斜縁を有することを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のタイプライタ−のリボンガイド。