JPS644531Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案はタイプライタのリボンバイブレータ
に関するものである。

従来技術 通常のタイプライタにおいては、印字素子の両
側方において機枠の上面両側の一対のスプールが
ほぼ垂直軸線のまわりで回動可能に支承され、両
スプール間に延びるリボンがそのほぼ中央部にお
いて、印字素子と対応する位置に設けられたリボ
ンバイブレータの動作により下方の休止位置と上
方の印字位置との間で昇降され、そのリボン上昇
時にリボン送りが行われるようになつている。

ところが、このリボン上昇時には、両スプール
間に延びるリボンのほぼ中央部のみがリボンバイ
ブレータにて持ち上げられるため、そのリボンの
中央部の上端縁が緊張される一方、下端縁に弛み
やしわが生じ、バイブレータに設けられたガイド
アームのリボン通過用スリツトにリボンが引つ掛
かつて、リボン送りに支障を来たすことがあつ
た。又、上下２段に異なつた色や異なつた用途の
リボン部を有するリボンを使用した場合には、そ
の上昇動作にともなう弛みやしわの発生によりリ
ボンの上昇位置にくるいが生じて、リボンの色又
は用途の切換えが正確に行われず、特に、上段に
印字用のインクリボン部を有するとともに下段に
カバーラツプ式のコレクシヨンリボン部を有する
リボンを使用した場合には、リボンの送り動作に
ともないコレクシヨンリボン部がしわになつた状
態でリボンバイブレータにおけるガイドアームの
スリツト内を通過し、そのコレクシヨンリボン部
から粉が落ちてしまうこともあつた。

目 的 この考案は簡単な構成で前記のような従来のタ
イプライタにおける欠陥をすべて解消することが
できる新規なタイプライタのリボンバイブレータ
を提供することを目的とする。

実施例 以下、この考案の一実施例を図面に従つて説明
すると、タイプライタのキヤリツジ上に支持され
たプラテン（図示しない）の印字面と対向するよ
うに、タイプライタの機枠（図示しない）上には
取付板１が固定され、その中央上部には左右一対
の案内片２が所定間隔をおいて突設されるととも
に、中央下部には上下方向に延びる案内溝３が形
成されている。前記取付板１にはリボンバイブレ
ータ４が上下動可能に取着され、その上部中央に
は印字素子通過用の空隙５が形成されるととも
に、上部両側にはそれぞれ上方に開口するリボン
通過用のスリツト６を有する一対の二叉形状のガ
イドアーム７が突設されている。前記リボンバイ
ブレータ４の空隙５の下部両側には取付板１の案
内片２に係合する一対の係合片８が折曲形成され
るとともに、リボンバイブレータ４の下端の前面
（印字素子側をいい、第１図においては紙面と直
交する手前側をいう）には取付板１の案内溝３に
係合する係合ピン９が突設され、これらの係合構
成によつてリボンバイブレータ４の上下動作が案
内されるようになつている。

前記取付板１の前面には支持ピン１０により二
叉レバー１１が回動可能に支持され、その一端の
後面（プラテン側をいい、第１図においては紙面
と直交する向こう側をいう）にはリボンバイブレ
ータ４の長孔１２に係合する作動ピン１３が突設
されるとともに、他端部にはリボン上昇機構（図
示しない）から延びる作動杆１４の先端が掛止さ
れている。前記取付板１上には一対のストツパ１
５が突設され、二叉レバー１１の回動範囲を規制
するようになつている。前記リボンバイブレータ
４と取付板１との間には引張バネ１６が張設さ
れ、そのリボンバイブレータ４を下方に移動付勢
して、そのガイドアーム７のスリツト６に挿通さ
れたリボン１７を常には下方の休止位置に位置さ
せるようになつている。そして、前記印字素子に
よる印字動作時に、リボン上昇機構にて二叉レバ
ー１１が回動された時、リボンバイブレータ４が
引張バネ１６の作用に抗して上昇されてリボン１
７が上方の印字位置まで持ち上げられ、このリボ
ン上昇時にリボン送り機構（図示しない）により
前記リボン１７が所定量送られるようになつてい
る。

さて、この実施例のリボンバイブレータ４にお
いては、第２〜４図に示すように前記各ガイドア
ーム７の外側アーム部７ａの上端が内側アーム部
７ｂの上部のリボン外れ防止片１８の後面よりも
後方（プラテン側をいい、第３図においては上側
をいう）に位置し、かつその外側アーム部７ａの
形状が前面を凸状にした部分円錐形状となつてい
るとともに、それらの外側アーム部７ａが上端ほ
ど中央側へ接近するように傾斜状態で配置され、
しかも、外側アーム部７ａの下部がリボン外れ防
止片１８の前面よりも前方に位置されており、こ
の外側アーム部７ａの前面に沿つて前記リボン１
７がスリツト６内を通過するようになつている。
又、各ガイドアーム７の内側アーム部７ｂの上端
にはスリツト６の上部開口を覆うためのリボン外
れ防止片１８が外側アーム部７ａの上端及び外側
縁に沿つて延びるとともに、外側に向かつて突設
され、それらの先端が前記外側アーム部７ａに沿
つて下方に延びている。そして、第３，４図に示
すように各ガイドアーム７の外側アーム部７ａの
上端は、リボン外れ防止片１８の後面よりも後方
に位置しており、外側アーム部７ａの部分円錐形
状の前面に沿つてスリツト６内にリボン１７を容
易に挿入できるようになつている。

すなわち、リボンバイブレータ４にリボン１７
を挿入係止する場合には、第２〜４図から明らか
なように各ガイドアーム７の外側アーム部７ａ上
端とリボン外れ防止片１８の後面との間からスリ
ツト６内にリボン１７を挿入し、その下端縁がス
リツト６の底部に達した状態で、上端縁両側部を
リボン外れ防止片１８の先端垂下部の前方に導出
させればよい。また、この状態においては、リボ
ン１７はその上端縁がリボン外れ防止片１８の前
面に、下端縁が外側アーム部７ａの前面に各々接
触している。従つて、リボンバイブレータ４に対
するリボン１７の挿入係止を容易に行うことがで
きる。

そして、第１図に示すようにリボン１７が挿通
された状態で印字素子の印字動作にともないリボ
ンバイブレータ４が上昇され、リボン１７が上方
の印字位置まで持ち上げられた際には、各ガイド
アーム７における傾斜状態で部分円錐形状の外側
アーム部７ａ下部前面の接触部分にて、リボン１
７の中央部下端縁に生じる弛みやしわが吸収され
る。従つて、リボン１７はスリツト６等に引つ掛
かることなく、リボン送り機構にて所定量円滑に
送られる。又、外側アーム部７ａの下部をリボン
外れ防止片１８の前面よりも前方に位置させ、リ
ボン昇降時に生じるリボン１７の下端縁の弛みを
外側アーム部７ａの下部前面にて吸収させること
により、第２，３図に示すように上段に印字用の
インクリボン部１７ａを有するとともに下段にカ
バーラツプ式のコレクシヨンリボン部１７ｂを有
するリボン１７を使用した場合にも、そのリボン
１７の下端縁に弛みやしわが生じない。よつて、
選択されたいずれか一方のリボン部１７ａ，１７
ｂが印字位置まで正確に上昇されて、リボンチエ
ンジが確実に行われるとともに、前記コレクシヨ
ンリボン部１７ｂがしわになつた状態で各ガイド
アーム７のスリツト６内を通過して、そのコレク
シヨンリボン部１７ｂから粉が落ちるおそれも全
くない。

なお、この考案は前記実施例の構成に限定され
るものではなく、この考案の趣旨から逸脱しない
範囲で各部の構成を任意に変更することも可能で
ある。

効 果 以上詳述したようにこの考案は、印字素子通過
用の空隙を中央に有し、その空隙の両側にそれぞ
れ上方へ開口するリボン通過用のスリツトを形成
した一対の二叉形状のガイドアームを有するタイ
プライタのリボンバイブレータにおいて、前記各
ガイドアームの内側アーム部の上端に前記スリツ
トの上部開口を覆うためのリボン外れ防止片を設
け、外側アーム部の上部を前記リボン外れ防止片
の後面よりも後方に位置させ、その外側アーム部
の形状を前面が凸状の部分円錐形状とするととも
に、それらの外側アーム部を上端が中央側へ接近
するように傾斜状態で配置し、同外側アーム部の
下部を前記リボン外れ防止片の前面よりも前方に
位置させたことにより、リボン挿入時に外側アー
ム部の部分円錐形状の前面に沿つてスリツト内に
リボンを容易に挿入することができ、しかもリボ
ンの上昇時にその中央部下端縁に生ずる弛みやし
わが傾斜状態で部分円錐形状の外側アーム部の下
部前面にて吸収され、その弛みやしわがガイドア
ームのスリツトに引つ掛かつてリボン送りに支障
を来たすおそれを確実に防止することができ、
又、上下２段に異なつた色や用途のリボン部を有
するリボンを使用した場合には、選択された一方
のリボン部が印字位置まで正確に上昇されて、リ
ボンチエンジを確実に行うことができ、特に、下
段にカバーラツプ式のコレクシヨンリボン部を有
するリボンを使用した場合には、そのコレクシヨ
ンリボン部から粉が落ちるおそれを確実に防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化したタイプライタの
リボンバイブレータ部分を示す正面図、第２図は
リボンバイブレータの部分拡大正面図、第３図は
同じく平面図、第４図は同じく側面図である。 取付板１、リボンバイブレータ４、空隙５、ス
リツト６、ガイドアーム７、外側アーム部７ａ、
内側アーム部７ｂ、リボン１７、リボン外れ防止
片１８。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印字素子通過用の空隙５を中央に有し、その空
   隙５の両側にそれぞれ上方へ開口するリボン通過
   用のスリツト６を形成した一対の二叉形状のガイ
   ドアーム７を有するタイプライタのリボンバイブ
   レータにおいて、前記各ガイドアーム７の内側ア
   ーム部７ｂの上部に前記スリツト６の上部開口を
   覆うためのリボン外れ防止片１８を設け、外側ア
   ーム部７ａの上部を前記リボン外れ防止片１８の
   後面よりも後方に位置させ、その外側アーム部７
   ａの形状を前面が凸状の部分円錐形状とするとと
   もに、それらの外側アーム部７ａを上端が中央側
   へ接近するように傾斜状態で配置し、同外側アー
   ム部７ａの下部を前記リボン外れ防止片１８の前
   面よりも前方に位置させたことを特徴とするタイ
   プライタのリボンバイブレータ。