JPS6010951Y2 - 自転車用ギヤクランクのクランクア−ム締付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自転車用ギヤクランクのクランクアーム締付
装置の改良に関するもので、その締付は作業の簡易化、
及び防塵、防水キャップの省略化を主目的とするもので
ある。

従来の自転車用ギヤクランクにおけるクランクアーム締
付装置の一例を第１図に基づき説明すると、クランク軸
１の軸端外周にねじ２が形成されるとともに該ねじ２の
軸方向内側にアーム嵌合部３が形成され、一方、クラン
クアーム４のボス部５には前記アーム嵌合部３に回動不
能に嵌挿する軸孔６が形成され、かつ該軸孔６の軸方向
外端に軸孔径より径大のナツト緩装凹部７が連通形成さ
れるとともに、該凹部７内周にねじ８が形成されている
。

そして前記ボス部５のナツト緩装凹部７内に突出するね
じ２に締付ナツト９を締付け、しかる後防塵、防水キャ
ップ１０をナット緩装凹部７内周のねじ８に螺着しであ
る。

したがって、これによれば締付ナツト９は凹部７内に沈
ませであるので外衝物の引掛は等から避けられるのであ
るが、そのナツト９の締付け、取外しに際してはボック
ススパナを用い、ボックススパナを締付ナット９外周に
嵌合させて締付ナツト９を回動させるのであり、したが
ってこの際ボックススパナを締付ナット９外周とナット
緩装凹部７内周間の狭隘なスペースに挿込まなければな
らずしてその締付け、取外し作業はきわめて困難にする
のであった。

また、締付ナツト９とナツト緩装凹部７間にかかるスパ
ナを挿込可能とするスペースを十分に確保しなければな
らない構造上、締付ナツト９はこの外周とねじ孔間の肉
厚を薄いものとせざるを得す、この薄肉による強度低下
を補なうために締付ナツト９に焼入れを施さなければな
らずコスト高となっていた。

さらに締付ナツト９のほかに、塵埃や雨水が締付ナット
９外周とナット緩装凹部７内周間の間隙からアーム嵌合
部３に侵入するのを防止する防塵、防水キャップ１０を
締着する必要があり、組付は手数、部材点数の増大を招
来するのであった。

この考案は従来の上記問題点を解消するためになされた
ものであり、したがってその特徴とするところは、その
軸端外周にねじを形成するとともに該ねじの軸方向内側
にアーム嵌合部を形成したクランク軸と；前記アーム嵌
合部に回動不能に嵌挿された軸孔、及び該軸孔の軸方向
外端に軸孔と連通状に形成された軸孔径より径大のナツ
ト緩装凹部を有するクランクアームと；前記ナツト緩装
凹部内に緩装され該凹部内に突出した前記ねじに螺合し
たねじ孔を有する締付ナツトと；から戊り、前記締付ナ
ツトの軸方向外端面には多角形状の工具挿込凹部が形成
され、かつ同締付ナツト外周の軸方向外端には同締付ナ
ツト外周と前記ナツト緩装凹部内周間の間隙を閉塞する
鍔が形成された点にある。

以下、この考案の実施例を図面に基づき説明する。

第２図において、１１はハンガパイプ、１２はハンガパ
イプ１１に遊挿したクランク軸で、このクランク軸１２
のハンガパイプ１１外方に突出する左右両軸端外周には
、それぞれねじ１３が形成されるとともに、該ねじ１３
の軸方向内側にアーム嵌合部１４が形成されている。

１５は左右１対のクランクアームで、このクランクアー
ム１５のボス部１６には前記アーム嵌合部１４に回動不
能に嵌挿する軸孔１７が形成されているとともに、該軸
孔１７の軸方向外端に前記ねじ１３の突出する軸孔径よ
り径大のナツト緩装凹部１８が段部１９を介して連通状
に形成されている。

２０は前記ナツト緩装凹部１８内のねじ１３に螺合する
ねじ孔２１を有する締付ナツト９で、この締付ナツト２
０の軸方向外端面２２には多角形状の工具挿込凹部２３
が形成され、かつ同ナット２０外周の軸方向外端に、同
ナット２０外周とナット緩装凹部１８内周間の間隙Ｓを
閉塞する鍔２４が軸径方向外方張出状に一体に形成され
ている。

その工具挿込凹部２３の多角形状は第４図に示すように
六つ、あるいは四つ、五つ等の耳たぶ状曲線で構成する
か、または第５図に示すように正六角形、あるいは四角
形、五角形等に形成される。

工具挿入凹部２３は第３図に示すようにねじ孔２１と連
通状に形成するほか、第６図に示すように非連続状に形
成することがある。

その工具挿入凹部２３に挿脱される工具としては図示省
略するが、前記工具挿込凹部形状に合致する形状に形成
された工具先端部を有するものが使用される。

尚、第２図中において２５はクランク軸１２上に挿通支
持されたチェンギャを示しており、第３図に示す締付ナ
ツト２０の軸方向内端面２６にはこのナツト２０の締付
けに伴い段部１９と摩擦係合する菊座２７が形成されて
いる。

この考案は上記の如く構成するものであり、クランクア
ーム１５をクランク軸１２端に取付けるには、先ずアー
ム嵌合部１４にボス部１６の軸孔１７を回動不能に嵌挿
し、次いで締付ナツト２０のねじ孔２１をナツト緩装凹
部１８内のねじ１３に少し螺合し、工具挿込凹部２３に
工具の先端部を挿込み締付ナツト２０を回動させてその
軸方向内端面２６が段部１９に強く接当するまで強く締
付けるのである。

チェンギャ２５の交換等に際し上記クランクアーム１５
を取外すには上記取付は操作の逆順を行なえばよ（、す
なわち、先ず工具の先端部を工具挿込凹部２３に挿込み
締付ナツト２０を弛み方向に回動させてねじ１３から取
外し、次いでクランクアーム１５をアーム嵌合部１４か
ら抜出すのである。

上記実施例にて明らかなようにこの考案の自転車用ギヤ
クランクのクランクアーム締付装置においては、締付ナ
ツト２０の軸方向外端面２２に工具挿込凹部２３を設け
て該凹部２３に工具を挿脱自在としであるので、この締
付ナツト２０の締付け、取外しに際しては、第１図に示
す従来例のようにボックススパナ工具を締付ナット９外
周とナット緩装凹部７内局間の狭隘なスペース内に挿込
むという面倒なことをしなくて、ナツト緩装凹部１８の
外側からの容易なる作業で締付ナツト２０を締付け、取
外すことができるのであり、また従来のナツト緩装凹部
７内径と同径のナツト緩装凹部２３内のスペース全体を
締付ナツト２０のためにフルに使えるので、従来の締付
ナツト９に比べ倍以上の肉厚をもたせることができ、そ
の為焼入れを施さなくても十分な強度の締付ナツト２０
が安価に得られるのである。

また、締付ナット２０外周の軸方向外端には同ナット２
０外周とナット緩装凹部１８内周間の隙間Ｓを閉塞する
鍔２４を形成しであるので、この締付ナツト２０は従来
の防塵、防水キャップ１０の機能を兼備し、クランファ
ーム１５の締付け、取外しに際しては締付ナツト２０の
みの締付け、取外しですみ、しかも前述のようにナツト
緩装凹部１８外側からの締付け、取外し作業となるので
その作業がきわめて簡易に行なわれ、又組付は工数、部
材点数も減少される等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の一例を示す断面図、第２図はこの考
案装置の一例を示す一部破断面図、第３図は締付ナツト
の半欠截断面図、第４図は同ナツトの正面図、第５図は
締付ナツトの他例を示す正面図、第６図は締付ナツトの
更に他例を示す断面図である。 １３・・・・・・ねじ１４・・・・・・アーム嵌合部、
１２・曲・クランク軸、１７・・・・・・軸孔、１８・
・曲ナツト緩装凹部、１５・・・・・・クランクアーム
、２１・・・・・・ねじ孔、２０・・・・・・締付ナツ
ト、２３・・・・・・工具挿込凹部、２４・・・・・・
鍔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. その軸端外周にねじ１３を形成するとともに該ねじ１３
   の軸方向内側にアーム嵌合部１４を形成したクランク軸
   １２と：前記アーム嵌合部１４に回動不能に嵌挿された
   軸孔１７、及び該軸孔１７の軸方向外端に軸孔１７と連
   通状に形成された軸孔径より径大のナツト緩装凹部１８
   を有するクランクアーム１５と；前記ナツト緩装凹部１
   ８内に緩装され該凹部１８内に突出した前記ねじ１３に
   螺合したねじ孔２１を有する締付ナツト２０と；から戊
   り、前記締付ナツト２０の軸方向外端面２２には多角形
   状の工具挿込凹部２３が形成され、かつ同締付ナット２
   ０外周の軸方向外端には同締付ナット２０外周と前記ナ
   ット緩装凹部１８内周間の間隙を閉塞する鍔２４が形成
   されたことを特徴とする自転車用ギヤクランクのクラン
   クアーム締付装置。