JPS6027115Y2 - 自転車用クランク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自転車用クランク、詳しくはクランク軸の軸端
部に、挿通孔をもったクランクアームのボス部を挿嵌し
、回動操作部をもったねじ体を、前記クランク軸のねじ
部に螺合することより、前記クランクアームをクランク
軸に固定するごとくした自転車用クランクに関する。

従来この種自転車用クランクにおいて、前記クランクア
ームをクランク軸より離脱せしめるに際し、前記ねじ体
のねじの推力を利用したものが提案されているが、斯か
る構造のものは、前記クランクアームのボス部に凹入部
を設け、該凹入部に前記ねじ体を収納すると共に、該ね
じ体に被冠するストッパーを別体として設け、該ストッ
パーを前記凹入部内周面に螺合するか、又は別の固定体
により固定して、前記ねじ体の軸方向の移動を阻止する
ごとく威していたのである。

しか腰かかる構成では、前記ストッパーを別体として設
けなければならないため部品点数が増し、しかも、その
製作に手間取り、コストも高くつくばかりか、前記スト
ッパーを前記凹入部に螺合させた状態が長くつづくと、
錆の発生によりこのストッパーを前記凹入部より取りは
ずせなくなり、前記ねじ体の取換えが必要な時には、ク
ランクアーム全体を取換えねばならないといった虞れも
あったのである。

しかも、クランクアームの組立てには、前記ストッパー
を前記凹入部に螺合させたり、別の固定体を固定しなく
てはならず、手間取るものであった。

本考案は以上の如き問題点に鑑み考案したもので、クラ
ンク軸の軸端部に、挿通孔をもったクランクアームのボ
ス部を挿嵌し、回動操作部をもったねじ体を、クランク
軸のねじ部に螺合することにより、前記クランクアーム
をクランク軸に固定スルコとくした自転車用クランクに
おいて、前記ねじ体に前記挿通孔より大径なフランジを
設けると共に、前記ボス部の外側面近くに前記挿通孔に
開口し、前記フランジの外径より大径とした環状溝を設
ける一方、前記ボス部の外側面に、前記フランジを斜め
方向から前記環状溝内に挿入しうる幅をもつ開放溝を形
成したことを特徴とするものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図において、１は所定長さを有するクランり軸であ
り、該クランク軸１の軸端中心部にはねじ部となるねじ
孔１１を設けると共に、その軸端外周にはテーパー状の
嵌合部１２を設けており、この嵌合部１２にクランクア
ーム２を挿嵌するのである。

該クランクアーム２の一端にはペダル（図示せず）を枢
着すると共に、他端にはボス部２１を形成腰該ボス部２
１の中心部には、前記クランク軸１の嵌合部１２に挿嵌
するためにテーパー状の挿通孔２２を形威しである。

また、前記嵌合部１２と前記挿通孔２２には、相対回転
を防ぐ平坦面（図示せず）を設けている。

３は前記ねじ孔１１に螺合して、前記クランク軸１にク
ランクアーム２を固定するためのねじ体であり、該ねじ
体３は頭部外側面に六角形状の回動操作部３１を有する
と共に、前記挿通孔２２よりも大径な円形のフランジ３
２を有している。

また、該フランジ３２のクランク軸１側外周面は、後記
する環状溝２３に挿入する際、挿入が容易となるごとく
に面取り３３されている。

しかして本考案のクランクアーム２においては、前記ボ
ス部２１の外側面２１ａ近くに、前記挿通孔２２に開口
し、前記フランジ３２の外径より大径とした環状溝２３
を設けており、また前記ボス部２１の外側面２１ａには
、前記フランジ３２を斜め方向から前記環状溝２３内に
挿入しうるごとくに、所定幅をもつ開放溝２４を形成し
ているのである。

前記環状溝２３は前記ねじ体３のフランジ３２及び回動
操作部３１を収納するものであり、また前記開放溝２４
のボス部外側面２１ａ側は、前記フランジ３２の挿入を
容易にするために面取り２５されている。

また前記開放溝２４の幅は、第３，４図に示したごとく
、前記フランジ３２を所定角度傾むけて前記環状溝２３
に挿入するために要する最小幅と威しており、一旦前記
環状溝２３に挿入したならば、不意に前記ねじ体３が前
記クランクアーム２より脱することはなく、作為的に前
記フランジ３２を所定角度傾むけて引出す場合のみ取出
せるごとく構成している。

以上の如く構成した上記実施例の自転車用クランクにお
いては、前記ねじ体３を前記クランクアーム２に装着す
るのに、このねじ体３を所定角度傾むけて、前記開放溝
２４より挿入させるだけでよいのであり、従来のごとく
ねじ体３の軸方向移動を阻止するストッパーを別体とし
て設け、このストッパーをクランクアームの凹入部に螺
合する必要はなく、単に挿入するだけで、前記ねじ体３
を軸方向移動不能に取付けることができるのであるから
、前記ねじ体３のクランクアーム２への装着は、極めて
スピイーデイに行なえるのである。

そして前記クランクアーム２を前記クランク軸１より離
脱せしめる際には、前記フランジ３２が前記環状溝２３
の軸方向外側面２３ａに係合して、前記ねじ体３の軸方
向移動を阻止して、このねじ体３のねじの推力を利用し
て離脱せしめることができるのは従来と同様である。

また従来のストッパーに相当するものを形成する必要が
ないのであるから、部品点数が少なくなると共にストッ
パーを形成する手間が省け、コストダウンも計れるので
ある。

さらに、従来例のごとくストッパーに錆が発生して固着
し、クランクアームより該ストッパーを取外せなくなり
、前記ねじ体の取換えが必要な時には、クランクアーム
全体の取換えが必要となるといった事態は起こらず、前
記ねじ体３のクランクアーム２よりの離脱はいつでも簡
単に行なえるのであって、このねじ体３の取換えが必要
な時には、該ねじ体３だけを取換えればよいのであって
、経済的である。

尚前記実施例においては、前記クランク軸１にねじ孔１
１を設け、このねじ孔１１にボルト形式のねじ体３を螺
合したが、前記クランク軸１の軸端中心部より円柱状の
ねじ部を突出し、該ねじ部にナツト形式のねじ体を螺合
させるごとく威したものにおいても、本考案は同様に実
施できることはもちろんである。

以上の説明より明らかな通り、本考案の自転車用クラン
クにおいては、クランクアームをクランク軸より離脱せ
しめるのに、ねじの推力を利用できながら、ねじ体の軸
方向移動を阻止する従来のストッパーのごときものを別
体として設ける必要がなく、ストッパー製作の手間が省
け、コストダウンを計ることができるのである。

しかも前記ねじ体の取換えの必要が生じた時には、簡単
にこのねじ体だけを取換えることができるのであって、
従来のごとくクランクアーム全体を取換えねばならない
事態は生ぜず、経済的である。

さらに前記ねじ体の前記クランクアームへの装着は、極
めてスピーディに簡単に行なえるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図、第２図は正
面図、第３図は組立説明図、第４図は第３図の正面図で
ある。 １・・・・・・クランク軸、１１−−−−−−ねじ部、
２−−−−−−クランク、２１・・・・・・ボス部、２
２・・・・・・挿通孔、３・・・・・・ねじ体、２３・
・・・・・環状溝、２４・・・・・・開放溝、３１・・
・・・・回動操作部 ３２・・・・・・フランジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランク軸の軸端部に、挿通孔をもったクランクアーム
   のボス部を挿嵌腰回動操作部をもったねじ体を、前記ク
   ランク軸のねじ部に螺合することにより、前記クランク
   アームをクランク軸に固定するごとくした自転車用クラ
   ンクにおいて、前記ねじ体に前記挿通孔より大径なフラ
   ンジを設けると共に、前記ボス部の外側面近くに、前記
   挿通孔に開口し、前記フランジの外径より大径とした環
   状溝を設ける一方、前記ボス部の外側面に、前記フラン
   ジを斜め方向から前記環状溝内に挿入しうる幅をもつ開
   放溝を形成したことを特徴とする自転車用クランク。