JPS597417Y2 - 上部旋回式掘削機の操作回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、上部旋回式掘削機の操作回路に関するもので
ある。

上部旋回式掘削機における上部旋回体を駆動する場合は
、始めに大きな油圧力（トルク）が必要であり、逆に流
量は少なくてもよいが、加速されるに従い大きな速度を
得るために大きな流量が必要で、逆に大きな圧力は必要
としない。

この様な大きな慣性体である上部旋回体を駆動する油圧
源ポンプとしては吐出量可変ポンプが理想的であるが、
これは一般に高価であり、従って現在においては価格の
安い固定ポンプが多く使用されている。

この場合の固定ポンプは所定の定常速度を得る目的でポ
ンプの大きさが決められるため、駆動始めには大量の高
圧油がリリーフ弁より放出されていて、これにより油温
の上昇、動力の無駄をきたしていた。

本考案は上記のことにかんがみなされたもので、安価な
タンデム形の定吐出量ポンプを使って上記欠点を改良す
ると共に、旋回作動しないときにはこの定吐出量ポンプ
がらの吐出油を他の作業機の回路へ供給できるようにし
て車両性能向上を図ることができるようにし、しかも上
記操作を簡単に行なうことができるようにした旋回操作
回路を提供しようとするものである。

以下その構戒を図面に示した実施例に基づいて説明する
。

図中１，２は等容量のタンデム形の定吐出量形のポンプ
で、２個等容量のポンプを合計した吐出量が上部旋回体
を所要速度で旋回するに満足するだけの量に設定されて
いる。

上記各ポンプ１，２はそれぞれ旋回切換弁３，４を介し
て旋回モータ５に接続してある。

旋回切換弁３，４の各中立位置からの流出回路はアンロ
ード弁６，７を経て作業機、走行用ポンプ８，９の作業
機用回路１０．１１に合流し、操作弁１２．１３よりブ
ームシリンダ、アームシリンダ、パケットシリンダ、お
よび左右の走行用モータ等のアクチェータへ供給され、
あるいは操作弁１２，１３の中立回路からポンプ８，９
の吐出油と共にドレンされる。

上記２個の旋回切換弁３，４のうち一方の旋回切換弁３
は油圧連結装置１４を介してレバー装置１５に連結して
ある。

上記油圧連結装置１４は外部からの油圧力により結合さ
れ、油圧力をなくすることにより解除されるようになっ
ている。

上記レバー装置１５と連結装置１４のロツド１７とは長
孔結合されている。

また他方の旋回切換弁４はルーズスプリング装置１８を
介してリンク装置１９に連結されている。

そしてこのリンク装置１９は上記レバー装置１５と連結
してあって、レバー装置１５を操作すると、上記長孔結
合により、まず上記リンク装置１９、ルーズスプリング
装置１８を介して一方の旋回切換弁４が切換作動され、
つぎに油圧連結装置１４を介して他方の旋回切換弁３が
切換作動されるようにしてある。

２０は上記油圧連結装置１４と、レバー装置１５の操作
により先に切換作動される切換弁４側のポンプ２との間
に介装した切換弁であり、この切換弁２０は先に切換作
動される切換弁４側のポンプ２の回路圧が、旋回モータ
５の駆動初期に必要な圧力Ｐ１より高くなったときにそ
のパイロット圧で断位置となって油圧連結装置１４をフ
リー状態にし、上記ポンプ２の回路圧が上記圧力Ｐ１よ
り低くなったときに連通位置となってポンプ２からの圧
油が作用して連結装置１４が結合状態になるようにして
ある。

なお上記アンロード弁６，７はリリーフ弁２１．２２の
セット圧Ｐ２以上の圧力が作業機、走行回路１０，１１
に発生したときにポンプ１，２の圧油をアンロードする
ようにしてある。

上記構戒において、旋回モータ５を駆動するべくレバー
装置１５を作動すると、まずルーズスプリング装置１８
を介して一方の旋回切換弁４だけが切換わっで１個のポ
ンプ２からの吐出油が旋回モータ５の供給され、他方の
ポンプ１からの吐出油は旋回切換弁３の中立位置からア
ンロード弁６を通って他の作業機回路に供給されて１個
のポンプ２からの吐出油にて旋回モータ５が駆動される
。

上記状態はいわゆる旋回初期状態で、旋回モータ５には
、質量の大きな上部旋回体を停止状態から所定の旋回速
度に加速するために必要な駆動初期の圧力Ｐ１以上の圧
力が作用している。

ついで、上部旋回体に慣性がつき、旋回モータ５が加速
されて上記ポンプ２に接続した回路内圧が上記圧力Ｐ１
以下になると、切換弁２０が切換って油圧連結装置１４
が連結される。

そしてこの状態でレバー装置１５をさらに作動すると上
記油圧連結装置１４を介して他方の旋回切換弁３が切換
わって他の油圧ポンプ１からの圧油も旋回モータ５に供
給され、結局２個のポンプ１，２からの圧油が旋回モー
タ５へ供給される。

これを図に示すと第２図のようになり、旋回モータ５に
作用する圧力がＰ１より大きいときにはタンデムポンプ
のうちの１個のポンプ２から流量ａだけが作用し、Ｐ１
以下になる２個のポンプ１，２から２ａの流量が作用す
る。

本考案は以上のようになり、作業機、走行用ポンプ８，
９を作業機用回路１０．１１にて操作弁１２．１３を介
してブームシリンダ、アームシリンダ、パケットシリン
ダおよび左右の走行用モータ等のアクチェータに接続し
、また上記作業機、走行用ポンプ８，９の他にタンデム
形の定吐出量形のポンプ１，２を設け、この両ポンプ１
，２を、中立時にはアンロード弁６，７を介して上記作
業機用回路１０．１１に連通し、切換作動したときに旋
回モータ５に連通するようにした旋回切換弁３，４に接
続し、この両旋回切換弁３，４を、まず一方の旋回切換
弁４が先に切換作動され、ついで他方の旋回切換弁３が
切換作動されるようにして１個のレバー装置１５に連結
し、かつ遅れて切換作動される方の旋回切換弁３と上記
レバー装置１５との間に、油圧にて両者が連結するよう
にした油圧連結装置１４を介在させ、この油圧連結装置
１４の油圧室と、上記レバー装置１５により先に切換作
動される方の旋回切換弁４の入口側とを、この人口側の
圧力が、旋回モータ５の駆動初期に必要な圧力Ｐ１より
高い圧力のときには断位置となり、上記圧力Ｐ１より低
くなったときに連通位置となる切換弁２０を介して接続
して上部旋回式掘削機の操作回路を構威したから、上部
旋回体の駆動初期で旋回モータ５への作用圧が高い場合
にはこれに作用する流量を少量になってあまった流量は
他の作業機部へアンロードされて、旋回初期における圧
油の不必要なリリーフがなくなり、油圧の上昇、動力の
無駄がなくなる。

また本考案によれば旋回体を使用しないときにはこの旋
回体を駆動するための圧油を作業機、走行装置用の回路
に補充することができ車両の性能を向上することができ
る。

そして特に本考案によれば、２個の油圧ポンプ１，２に
それぞれ接続された各旋回切換弁３，４のうち、遅れて
切換作動される方の旋回切換弁３と上記レバー装置１５
との間に、油圧力にて両者が連結するようにした油圧連
結装置１４を介在させ、この油圧連結装置１４の油圧室
と、上記レバー装置１５により先に切換作動される方の
旋回切換弁４の入口側とを、この入口側の圧力が、旋回
モータ５の駆動初期に必要な圧力Ｐ１より高い圧力のと
きには断位置となり、上記圧力Ｐ１より低くなつたとき
に連通位置となる切換弁２０を介装して接続したことに
より、１つのレバー装置の操作により、２個の油圧ポン
プ１，２の吐出油が、旋回モータ５に作用する油圧力に
応じて自動的優先順位がつけられ、２個の油圧ポンプ１
，２の吐出油が単独あるいは合流されて旋回モータ５に
作用され、従って簡単な操作でもって、旋回モータ５に
作用する油圧力に応じた最良の状態に旋回モータ５を制
御することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は油圧回路、第２図は圧力線図である。 １，２，８．９はポンプ、３，４は旋回切換弁、５は旋
回モータ、６，７はアンロード弁、１０．１１は作業用
回路、１２．１３は操作弁、１４は油圧連結装置、１５
はレバー装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 作業機、走行用ポンプ８，９を作業機用回路１０，１１
   にて操作弁１２．１３を介してブームシリンダ、アーム
   シリンダ、パケットシリンダおよび左右の走行用モータ
   等のアクチェー夕に接続し、また上記作業機、走行用ポ
   ンプ８，９の他にタンデム形の定吐出量形のポンプ１，
   ２を設け、この両ポンプ１，２を、中立時にはアンロー
   ド弁６，７を介して上記作業機用回路１０．１１に連通
   し、切換作動したときに旋回モータ５に連通するように
   した旋回切換弁３，４に接続し、この両旋回切換弁３，
   ４を、まず一方の旋回切換弁４が先に切換作動され、つ
   いで他方の旋回切換弁３が切換作動されるようにして１
   個のレバー装置１５に連結し、かつ遅れて切換作動され
   る方の旋回切換弁３と上記レバー装置１５との間に、油
   圧力にて両者が連結するようにした油圧連結装置１４を
   介在させ、この油圧連結装置１４の油圧室と、上記レバ
   ー装置１５により先に切換作動される方の旋回切換弁４
   の入口側とを、この入口側の圧力が、旋回モータ５の駆
   動初期に必要な圧力Ｐ１より高い圧力のときには断位置
   となり、上記圧力Ｐ１より低くなったときに連通位置と
   なる切換弁２０を介して接続してなることを特徴とする
   上部旋回式掘削機の操作回路。