JPS596184Y2 - 換気扇 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカバー全面にわたって流下する油滴を確実に油
溜容器内に収容し得るように改良した換気扇に関する。

一般に換気扇では、プラスチック製のカバーを外枠の室
内側端部に弾性係合に依り着脱可能に取付けてある。

さて、前記カバーの前面にはベルマウスが形戒され、そ
の最下部位には油溜容器に臨ませた透孔が穿設してある
が、該カバーの前面及び側面には油溜容器と連関する手
段は何ら具備していないものである。

従来この種の換気扇を、油煙等の発生する台所や調理場
で排気運転すると、油粒子が排気流に乗じてベルマウス
のほか、カバーの前面及びその側面にも飛翔してきて、
それらに付着し、油滴となって各面を流下するのである
が、カバーの前面及びその側面には、そこから油溜容器
に臨ませる何らの手段も具備させていないので、油滴は
そのままカバーの下方に所在する調理台或いは床等に落
下し、そこを汚染してしまうと云う不具合が生じていた
。

本考案は上記不具合を除去すべくなされたもので、その
目的はカバーの下面を左右両側から所定部位に向けて下
降傾斜せしめ、その最下部分の下方に油溜容器を配置す
るようにすることによって、カバーに付着する油滴のす
べてを確実に油溜容器内に収容し得る換気扇を提供する
ことにある。

次に本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

１は室内Ａ側及び室外Ｂ側に開口した矩形の外枠で、２
は該外枠１の室外Ｂ側の開口部に配設した複数のシャッ
ター片である。

各シャッター片２は逆Ｌ字形ロツド３に連結され、その
下方に所在するスイッチ４を開閉する引き紐５の引き下
げ操作に連動して開閉する。

６は引張スプリングで、ロツド３の上部と外枠１との間
に架け渡され、該ロツド３を介してシャッター２の閉鎖
状態に弾性的に維持している。

７は前記外枠１内に配設したモータ支えで、その中心部
にモータ８が収納支持され、室内Ａ側に指向した前記モ
ータ８の軸には送風ファン８ａが取着されている。

以上によって換気扇本体９が構威されている。

１０はプラスチック製のカバーで、外側には略矩形状の
枠１０ ａが、内側には室内Ａ側に向かって漸次拡開す
るベルマウス１０ｂが夫々一体に形或されている。

前記枠１０ａの先端部の左右両側には、ここでは図示し
ないが、一体に突設した複数の突起を、また、外枠１の
室内Ａ側の端部左右両側には、これも図示しないが、一
体に延設した■字面状の保合片を夫々有する。

斯ような構戊の許でカバー１０を前記係合片に嵌合する
ように押し込み、前記突起を該保合片に弾性的に係合さ
せ、もってカバー１０を外枠１の室内Ａ側端部に着脱可
能に取付けている。

斯るカバ−１０の下面即ち枠１０ ａの下面１１は、左
右両側から中央部に向かって下降傾斜しており、その最
下降部分たる中央部は水平な平面に形戊している。

そして、中央部の水平面部１１ ａの奥行寸法は、その
左右両側の傾斜面部１ｌ ｂ，１１ Ｃのそれよりも小
さく設定していて、両傾斜面部１１ｂ，ＩＩＣの後縁を
途中から斜めに切除して水平面部１１ ａの後縁に連ね
ている。

尚、傾斜面部１１ｂ，１１ Ｃは水平面に対して約１５
゜の傾斜角度に設定している。

１２はカバー１０の前面下部にベルマウス１０ｂ下部位
から下方に凸字形を威すよう陥没形威した陥没段部で、
その略中夫には偏平な矩形筒状の収納空洞１３を一体に
延設形戒している。

１４は上面が開口する中空箱状の油溜容器で、前面には
、上方に延びる支持板１４ａを有し、該支持板１４ａの
上部には略矩形の取付枠１４ｂを一体に形威している。

尚、前記取付枠１４ｂの幅はその下方に位置する油溜容
器１４の幅より若干狭くまた収納空洞１３のそれに対応
している。

斯ような構成に於いて、油溜容器１４の取付枠１４ｂを
カバー１０に形或した収納空洞１３内に押し込むと、油
溜容器１４の支持板１４ ａとカバー１０の陥没段部１
２との間に所定間隔をおいて、取付枠１４ ｂが収納空
洞１３内にしっかりと嵌合し、もってカバー１０に油溜
容器１４を着脱可能に取付けている。

そして、この状態に於いては、油溜容器１４はカバー１
０の下面１１の最下降部分たる水平面部１１ ａの下方
に位置し、該水平面部１１ ａの全体が油溜容器１４内
に上方から臨んでいる。

尚、１０Ｃはカバー１０前面の外縁部分にその全周にわ
たって形或した段部である。

次に上記のとおり構威した本実施例の作用について説明
する。

先ず、換気扇下部に所在する引き紐５を引き下げ゛ると
、ロツド３が引張スフ゜リング６の弾性力に抗しつつ、
鉛直下方に移動し、シャツタ片２は開放方向に略９０゜
回動して、室内Ｂ側の開口部を全開する。

そして図示しないロック機構が作動しこの状態に固定す
る。

これと同時にスイッチ４が閉威し、モータ８が起動して
、送風ファン８ａが回転する。

このようにして、室内Ａの空気がベルマウス１０ ｂか
ら外枠１内に吸引され、外枠１の室外Ｂ側の開口部から
室外Ｂへ排出されると云う所謂排気運転が威される。

こうした排気運転時の排気流に乗して台所や調理場で発
生した油煙が飛翔して来て、ベルマウス１０ ｂ内面は
勿論、カバー１０の全面に付着し、やがてこれが油滴を
形或して流下し始めるが、ベルマウス１０ ｂでは、そ
の内周面を流下してきた油滴はその下部位に集合し、そ
こから陥没段部１２に沿って流下し、やがてカバー１０
の水平面部１１ ａに達する。

また、カバー１０の前面を流下する油滴も、カバー１０
前面の傾斜せる下縁部（段部１０Ｃ）に至ると、この下
縁線を伝わって中央部の水平面部１１ ａ方向に流動し
、ここに集められる。

更に、カバー１０の左右両側面を流下する油滴も、左右
両側面の下縁に至ると、そこから下面１１の傾斜面部１
ｌｂ，１１Ｃに伝わり移り、そして、該傾斜面部１ｌ
ｂ，１１ Ｃを伝って中央部の水平面部１１ ａ方向に
流動し、ここに集められる。

以上のようにしてベルマウス１０ｂ及びカバー１０の前
面，左右両側面に付着した油は全て下面１１の水平面部
１１ ａに集められる。

こうして水平面部１１ ａに集められた油滴は、ここか
ら油溜容器１４内に滴下し収容される。

故に油滴が換気扇から調理台或いは床に落下してそこを
汚染すると云う危惧を完全に解消し得ると共に何ら新し
い部材を付与することなく、単にカバー１０の下面１１
を中央部分に向けて下降傾斜させると云う簡単な構或で
所期の目的を達成し得るようにしているから原価の上昇
を極力押えられるものである。

かくして所用時間運転後、再び引き紐５を引き下げると
図示しないロック機構が解除され、ロツド３に取付けた
引張スプリング６の弾性力に依り、前記ロツド３は鉛直
上方に移動し、シャツタ２は閉鎖方向に略９０゜回動し
室外Ｂ側の開口部を遮蔽し、且つ同時にスイッチ４が開
放されモータ８の回転が停止する。

本考案は以上説明したことから明らかなように、カバー
の下面を左右両側から所定部位に向けて下降傾斜させて
形成し、その最下降部分の下方に油溜容器を配設するこ
とによって、カバーに付着した油滴の全てを油溜容器内
に悉く収容し得て、もってカバーからの油滴の落下を確
実に防止し得ると共に、このことをカバーの下面に特定
形状にするのみで達成しているので構戒が極めて簡単で
あり且つ油溜容器も小形なものでよい等の効果を期待で
きる換気扇を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は全体の縦断面
図、第２図は全体の斜視図を夫々示す。 図中、９は換気扇本体、１０はカバー、１１はカバーの
下面、１４は油溜容器である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 換気扇本体の室内側端面にカバーを装着するようにした
   ものに於いて、カバーの下面を左右両側から所定部位に
   向けて下降傾斜せしめ、その最下降部分の下方に油溜容
   器を配設するようにしたことを特徴とする換気扇。