JPS5953819B2 - 保存性を有する肝吸い用鰻肝の製法 - Google Patents

保存性を有する肝吸い用鰻肝の製法

Info

Publication number
JPS5953819B2
JPS5953819B2 JP57029823A JP2982382A JPS5953819B2 JP S5953819 B2 JPS5953819 B2 JP S5953819B2 JP 57029823 A JP57029823 A JP 57029823A JP 2982382 A JP2982382 A JP 2982382A JP S5953819 B2 JPS5953819 B2 JP S5953819B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liver
eel
aqueous solution
boiled
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP57029823A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS58149660A (ja
Inventor
一成 横山
紘一 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ISHIMOTO SHOKUHIN KOGYO KK
Original Assignee
ISHIMOTO SHOKUHIN KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ISHIMOTO SHOKUHIN KOGYO KK filed Critical ISHIMOTO SHOKUHIN KOGYO KK
Priority to JP57029823A priority Critical patent/JPS5953819B2/ja
Publication of JPS58149660A publication Critical patent/JPS58149660A/ja
Publication of JPS5953819B2 publication Critical patent/JPS5953819B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は活鰻を開裂して採取した肝臓を後日必要に応じ
肝吸い用鰻肝として即席に料理ができるような保存のた
めの製法に関し、特に他の耐着臓器と共に採取した鰻肝
を有機酸水溶液で洗浄分離したのち煮沸しそれから該鰻
肝をグリシン水溶液と共に容器に密封して加熱殺菌する
ことにより、常温で貯蔵しても長期の保存に耐え得る製
法に関するものである。
古くから、活鰻肝を調味料を混入した水で煮熟しコンソ
メ状のお吸いもの料理となし、これを「肝吸い」として
愛用してきた。
この「肝吸い」は栄養性、嗜好性に優れ、高級料理品と
して今日巨大な消費量に達している。
活鰻を開裂してこれから採取した肝はこれを常温貯蔵す
ると短時間で腐敗してゆき、特に高い含有脂質分は急速
に酸化するものである。
このような状況から鰻肉を調理したときに採取した鰻肝
は需要分だけ肝吸い料理となし、その残りは冷蔵保存手
段を採用しなければならなかった。
しかしながら、鰻肝を冷凍すると呈味成分や脂質分が分
離流出して肝吸い用の鰻肝としては不向きとなる。
従って冷凍鰻肝は調味用たれを浸した低級な串焼調理品
の原料として使用されるに過ぎないものとなっていた。
このような鰻肝の性質から美味な肝吸いを摂取したいと
思う消費者は常に活況を呈している専門の活鰻料理店に
足を運ばなければ食べることができない実状である。
本発明は上記の如き欠陥を一掃したもので、その要旨と
するところは、摂取したいとき何時でも鰻肝と加工調味
料(パックした粉末調味料)とを椀に入れ熱湯を注ぐだ
けで肝吸い料理を完成させるものであって、油膜より採
取した肝臓を長期的に保存する製法である。
該製法は油膜から取り出した肝臓を直ちに有機酸水溶液
で洗浄して短時間煮沸し、この煮沸肝をグリシン水溶液
と共にパックで密封して加熱殺菌したもので、斯かる簡
易迅速な製造工程により得られた鰻肝は長期間に亘って
採取時の味覚風味を失わずに常温で保存することができ
、しかも股肉とは別途の流通市場に乗せ、一般消費者は
本発明製法にがかる鰻肝をパックした調味料と共に何時
でも購入し、各家庭で即席に調理したうえ摂取すること
が可能である。
以下本発明に係る鰻肝の保存のための製法を説明する。
鰻養殖場その他から専門油膜料理店や大規模小売店に搬
送されてきた油膜は開裂してその肉を半製品とし、次の
販売店へ移される。
この油膜を開裂するときに摘出する一対の肝臓には胆の
う、浮袋、その他の臓器が靭帯組織で強く結合しており
、一体的に採取しなければならない。
従来はこの摘出肝臓を水洗いしたのち、煮沸して耐着胆
のう、浮袋を指先で取除いていたが、その作業は繁雑で
根気がいりしかも長時間操作を必要としていた。
この耐着臓器の除去作業につき種々試1@研究を重ねて
きた結果70°〜100℃に加熱した有機酸水溶液中に
2〜5分間、好ましくは3分間煮沸するとこれ等耐着臓
器の除去作業が極めて簡単容易であり且つ清潔に仕上り
保存のために極めて有効な肝臓が得られることが判明し
た。
使用された有機酸の種類はクエン酸、乳酸、リンゴ酸、
コハク酸、酢酸等の何れでもよく、この有機酸水溶液は
0.03〜3%の濃度のものであって、有機酸の種類に
より若干濃度が異なるが、好ましくは0.05〜1%の
濃度のものである。
本実施例では1%濃度のクエン酸水溶液を使用した。
加熱クエン酸水溶液中で煮沸した肝臓は常温水で冷却す
る。
この段階でも直ちに調理して肝吸い料理をつくり、摂取
すると従来の加熱水で煮沸したものに比し、弾力性があ
って、しかもシャキラとした歯切れのよい食味を有する
ものとなり、肝吸い料理品としては極めて好適であるこ
とが判明した。
クエン酸水溶液の濃度を3%以」−にして煮沸すると肝
臓が硬くなってきて味覚的にも酸味を感じるようになり
好ましからざるものとなる。
一方0.05%以下の有機酸水溶液によると煮沸水によ
って得られたものと差異がなくなる。
クエン酸等の有機酸水溶液を使用すると何故に胆嚢等の
分離がよくなり、且つ食味が良くなるか不明であるが、
有機酸によってその水溶液中に生じるH+イオンが肝臓
の蛋白質に何等かの影響を与えることやその他多くの作
用があるものと思料される。
有機酸水溶液で摘出肝臓を5分間以上煮沸すると得られ
た肝臓は硬くなり浸出した呈味成分により味覚が次第に
低下する。
クエン酸等の有機酸水溶液で煮沸して得られた鰻肝を冷
凍庫に保管しておいて、希望するときに取り出して摂取
しようとしたが、20日間を過ぎ1ケ月を経過しないう
ちに含有脂質が酸化して臭気を発生するに至った。
斯かる欠陥を阻止して保存性を高めるため、上記肝臓等
の凍結乾燥操作を試みた、しかし、この凍結乾燥により
肝臓は多孔質のものに組織が変化すると共に脂質の酸化
が更に促進されてきた。
そこで、脂質の酸化を防止するために例えば水中に浸漬
し、水をグレーズ剤となして凍結保存したが、やはり1
ケ月余で酸化臭を発生し、加えて、凍結肝臓の解凍がす
すむにつれ、凍結変性されていたとは言え含有液が流出
して呈味成分がなくなることに変りはなく、この現象は
急速な凍結及び解凍や緩慢な凍結解凍操作をなしても結
果は同じであった。
上記の如き冷凍保存手段に代えて他の保存手段を鋭意検
討し、種々の研究を繰返し試みた過程で下記の手段が発
見された。
即ち、グリシン水溶液と共に前記肝臓を密封して加熱す
ると常温で長期の保存に耐え得ることが判った。
前記鰻肝とグリシン水溶液とを包装に密封し加熱すると
前記密封作業中までに耐着した菌が殺菌され、しかも保
管中においてはグリシンにより肝の脂質が酸化するよう
なことがなく、またグリシンにより鰻肝が加熱されても
組織が破壊されていくようなことがなくなるものである
更にグリシン水溶液と共に密封して加熱した鰻肝はその
テクスチャーも前述した有機酸水溶液で煮沸して得られ
た肝のものと全くかわらず、その食味を持続し、色彩、
味(ティスト)、香りも変化しない肝吸に用肝を得るこ
とができた。
その際、鰻肝1重量部に対してグリシン水溶液は少くと
も3重量部以上とすることが好ましい。
グリシン水溶液がこれより少ないと鰻肝を充分に覆うこ
とができず、酸化腐敗しやすくなる。
前記グリシン水溶液は0.05〜4%、好ましくは0.
5%の濃度のものとされ、この濃度のものにより長期に
亘って肝臓が浸漬されていても変質しないものとなる。
濃度が4%以上になると保存期間が経過するにつれ次第
に肝臓の外周からゼラチン状を呈してくるようになる。
しかもグリシンが浸透してきて本来の肝臓の味覚からは
ずれてくどい味となってくる。
加熱は80℃〜120℃の温度で10〜50分間、好ま
しくは100℃で40分間の加熱をする。
120℃以上加熱すると臓器から当然のことと言いなが
ら、肝組織が破壊されやすくなり、甚だしい場合は直径
が2〜4mm程度の不定形粒子状に分散する。
また100℃の温度で加熱時間を50分間を越えると軟
化してくる。
前記グリシン水溶液と共に肝臓を収納した密封容器は特
に限定されないが、流通過程において収納物を外部から
観察できるよう透明なプラスチックフィルム製の耐熱性
包装が好ましい、このような包装はヒーI・ツールによ
る密封作業が簡易であって且つ加熱によっても変性損傷
をきたさないからである。
このような工程から精製された肝吸い用鰻肝は常温で半
年以上保存したのち包装容器から取り出して調理しても
活計を直ちに調理したものと変らない美味しさで摂取す
ることができる。
実験例 I 油膜を開裂して採取した生肝800gを200gづつ4
個の皿に分ける一方、予め4個の容器に夫々1%の食塩
水0.3%のリンゴ酸水溶液、0.3%のポリリン酸水
溶液、及び水を注入して2分間加熱沸騰させる。
それから、直ちに常温水中に投入して冷却して、耐着し
た胆嚢、浮袋の取り除き作業をしたが、リンゴ酸水溶液
に浸漬して煮沸したものか取り除き作業は他のものより
173の時間で容易に完了し、肝の外観も清潔できれい
に仕上っていた。
食塩水、ポリリン酸水溶液のものは単なる水で煮沸した
ものと同様に取り除き作業が面倒で長時間を要した。
このときのマスバランスは肝110g、煮沸液中に溶出
した成分量25g、胆嚢と浮袋の合計量65gの比率と
なり、この比率は異なる溶液間においても違いが略認め
られなかった。
実、験例 II 鰻生肝245gを水洗し、0.5%の加熱乳酸水溶液で
3分間煮沸したのち取り出して常温水で冷却した。
その後、胆嚢浮袋を分離して計量したところ肝100g
、胆嚢浮袋100g前記水溶液に溶出した成分は45g
であった。
このときの肝1個当りの重量は5〜8gであり平均6.
5gであった。
この肝1個当りに対し、夫々0.5%のグリシン水溶液
、0.3%のポリリン酸水溶液、0.5%の食塩水、0
.2%のクエン酸水溶液各20m1を70mm X 1
00mm寸法で4個の扁平プラスチック袋に密封し、こ
れを85℃で50分間加熱殺菌したのち直ちに常温水で
冷却した。
それからこの密封袋を37℃の恒温槽に入れて保存試1
@を行った。
保存開始後1ケ月経過するとグリシン水溶液で処理した
密封袋以外の肝は酸化臭が認められた。
そしてグリシン水溶液処理のものは6ケ月を過ぎてから
若干の酸化臭が感じられた。
実験例 III 鰻生肝5kgを水洗し、0.3%の加熱酢酸水溶液中で
3分間煮沸し、その復水で冷却した胆・嚢、浮袋を肝か
ら除去した。
このときのマスバランスは肝2.3kg、胆嚢、浮袋の
合計量2.35kg、前記水溶液に溶出した成分350
gであった。
肝1個当りの重量は6〜9gで゛あったがこれは実験例
IIのものより平均1gだけ重かった。
それは採用された鰻の躯体の大きさの違いからきたもの
である。
肝1個に対し、0.8%のグリシン水溶液20m1を7
0mm X100mm寸法の耐熱性プラスチックフィル
ムからなる包装に密封し、100℃で45分間加熱殺菌
を行ない、それから直ちに常温水で冷却して保管所に保
存した。
このように処理して複数の包装に密封した肝を常温で保
管し、1ケ月、3ケ月、6ケ月毎に1個ずつ取出して開
封のうえ椀に移し入れる、このとき下記の如きパックし
た粉末調味料を同時に投入し、これに熱湯160m1を
注いで肝吸い料理を完成させた。
これ等の肝吸いを試食した結果、6ケ月間保存していた
ものも1ケ月経過して試食したものと殆んど食味が変化
しておらず、呈味成分は熱湯中に溶出していた。
更に脂質の酸化臭、その他の腐敗臭は認められなかった
上記1人前分のパックした粉末調味料 食塩1.5g、化学調味料0.1g、粉末醤油0.2g
、床内きざみ麩0.4g、凍結乾燥みつば0.1gかつ
おエキス粉末0.1g0

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 活鰻を開裂して肝臓を摘出し、該摘出鰻肝を0.0
    3〜3%の有機酸水溶液中で2〜5分間煮沸し、該煮沸
    鰻肝を0.05〜4%のグリシン水溶液と共に容器に収
    納して密封し、該密封容器を85°〜120℃の温度で
    10〜50分間加熱することを特徴とする保存性を有す
    る肝吸い用鰻肝の製法。 2 前記有機酸水溶液中で煮沸した鰻肝1重量部に対し
    、少くとも3重量部以上の前記グリシン水溶液を添加す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の保存性
    を有する肝吸い用鰻肝の製法。 3 前記有機酸水溶液中の鰻肝を煮沸する工程以前に予
    め該鰻肝を水洗いし、更に鰻肝を煮沸したのちは耐着し
    ている胆のう、浮袋等の臓器の除去操作をなすことを特
    徴とする特許請求の範囲第1項第2項記載の保存性を有
    する肝吸い用鰻肝の製法。 4 前記有機酸はクエン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸
    、酢酸等であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の保存性を有する肝吸い用鰻肝の製法。 5 前記密封容器は耐熱性プラスチックフィルム材を包
    装に成形したものであることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の保存性を有する肝吸い用鰻肝の製法。 6 前記密封容器は金属缶であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の保存性を有する肝吸い用鰻肝の
    製法。
JP57029823A 1982-02-27 1982-02-27 保存性を有する肝吸い用鰻肝の製法 Expired JPS5953819B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57029823A JPS5953819B2 (ja) 1982-02-27 1982-02-27 保存性を有する肝吸い用鰻肝の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57029823A JPS5953819B2 (ja) 1982-02-27 1982-02-27 保存性を有する肝吸い用鰻肝の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS58149660A JPS58149660A (ja) 1983-09-06
JPS5953819B2 true JPS5953819B2 (ja) 1984-12-27

Family

ID=12286739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57029823A Expired JPS5953819B2 (ja) 1982-02-27 1982-02-27 保存性を有する肝吸い用鰻肝の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5953819B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS58149660A (ja) 1983-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11064708B2 (en) Process to produce safe pasteurized shrimp and other shellfish of high sensory quality and extended refrigerated shelf-life
US20180279632A1 (en) Process to produce pasteurized shrimp and shellfish
KR101785365B1 (ko) 천연 염지액 제조 방법 및 이를 이용한 원육의 가공 방법
CN108651877A (zh) 一种速食羊蝎子火锅的制作方法
JP3554684B2 (ja) 竹エキスの抽出方法、竹エキスとハーブ等を配合した調味液及びその製造方法
KR20090000509A (ko) 즉석 취식이 가능한 게살의 제조방법
JP2015177779A (ja) 加工栗の製造方法及び加工栗
JPS5953819B2 (ja) 保存性を有する肝吸い用鰻肝の製法
JPS59143561A (ja) 食品の風味改良剤
KR20200077418A (ko) 곤드레를 이용한 간편식 제조 방법 및 그에 의해 제조된 간편식
CN107771908A (zh) 一种黄陂三鲜的真空冷藏方法
JP3798413B2 (ja) 緑色香味野菜ソースの製造方法
KR102516876B1 (ko) 대용량 갯고둥 통조림 제조방법 및 이에 의해 제조된 대용량 갯고둥 통조림
KR20160141634A (ko) 바비큐맛 가리비 가공방법
KR20190128021A (ko) 플라스틱 캔에 포장된 해산물 장조림의 제조방법
JPH0530951A (ja) 食品の処理法
JPH0322953A (ja) 味付け豆腐の製造法
JP3120174B2 (ja) 乾燥もずく食品及びその製造方法
JPH11341967A (ja) ごま辛子明太子の製造方法
JPH05227878A (ja) 魚肉又は畜肉の缶詰、瓶詰及びレトルトパウチ食品の製 造法
JPH0656A (ja) 鮭の骨を活用した缶詰の製法
JPS59125871A (ja) 調理用貝類素材の製造方法
JPH02128666A (ja) だし素材入り液体パック
JP2003180299A (ja) 肝吸い用鰻肝の製法
JPH0585292U (ja) カップ味噌汁