JPS5952885B2 - ブロツク共重合体樹脂の新規な製造方法 - Google Patents

ブロツク共重合体樹脂の新規な製造方法

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JPS5952885B2
JPS5952885B2 JP55159348A JP15934880A JPS5952885B2 JP S5952885 B2 JPS5952885 B2 JP S5952885B2 JP 55159348 A JP55159348 A JP 55159348A JP 15934880 A JP15934880 A JP 15934880A JP S5952885 B2 JPS5952885 B2 JP S5952885B2
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aromatic hydrocarbon
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明夫 家森
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F297/00Macromolecular compounds obtained by successively polymerising different monomer systems using a catalyst of the ionic or coordination type without deactivating the intermediate polymer
    • C08F297/02Macromolecular compounds obtained by successively polymerising different monomer systems using a catalyst of the ionic or coordination type without deactivating the intermediate polymer using a catalyst of the anionic type
    • C08F297/04Macromolecular compounds obtained by successively polymerising different monomer systems using a catalyst of the ionic or coordination type without deactivating the intermediate polymer using a catalyst of the anionic type polymerising vinyl aromatic monomers and conjugated dienes

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、透明で機械的性質、特に耐衝撃強度に優れた
ブロック共重合体樹脂の製造方法に関するものである。
さらに詳しくは、本発明は、有機リチウム化合物を触媒
として脂肪族炭化水素を主体とする溶媒中で、ビニル芳
香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体樹
脂を製造するにあたり、生成する重合体中のビニル芳香
族炭化水素含有量がある特定の値に達する段階において
、添加するビニル芳香族炭化水素モノマーの添加速度を
ある特定の範囲に調整することにより、ブロック共重合
体樹脂を安定な溶液状態若しくは懸濁状態で製造する方
法に関するものである。従来より有機リチウム化合物を
触媒としてビニル芳香族炭化水素と共役ジエンを共重合
することにより、種々の特性を有するブロック共重合体
のフ得られることが知られている。特に、ビニル芳香族
炭化水素の含有量が比較的に多いブロック共重合体樹脂
の場合には、条件を選定することにより透明で優れた耐
衝撃性を有するブロック共重合体が得られ、これらは食
品包装容器分野を中心に最5近その使用量が増加する傾
向にある。かかるブロック共重合体樹脂の製造方法とし
ては、たとえば特公昭36■19286号、特公昭47
−3252号、特公昭47−28915号、特公昭48
−2423号及び特公昭48一4106号公報などに示
される方法が提案されている。しかしながら、これらの
方法ではいずれも重合時の溶媒として、比較的ビニル芳
香族炭化水素含有量の多いプロツク共重合体に対する溶
解能力が大きい芳香族炭化水素または脂環式炭化水素を
用いており、これらの溶媒は蒸発潜熱が大きいため、重
合後にプロツク共重合体樹脂溶液から重合体を回収する
際にエネルギー消費量が多く、また完全に除去されきれ
ずに最終的に得られるプロツク共重合体樹脂中にかなり
の溶媒が残存するという問題点を有する。このような問
題を解決するためには、溶媒として比較的蒸発潜熱が小
さい脂肪族炭化水素を使用することが考えられるが、比
較的ビニル芳香族炭化水素含有量の多いプロツク共重合
体樹脂は、一般に脂肪族炭化水素に溶解しにくく、通常
の方法ではプロツク共重合体樹脂が塊状となつて析出し
たり、重合器のかくはん羽根や器壁に付着して重合操作
が著しく困難になるなどの問題を生じ、脂肪族炭化水素
を溶媒として使用することはできなかつた。
最近に至り、このようは問題点を解決する方法として、
プロツク共重合体樹脂を溶媒に懸濁した状態で生成させ
る方法が、特公昭50−23871号公報において提案
されている。
すなわち、この方法は、溶媒に脂肪族炭化水素を使用し
たプロツク共重合体樹脂の製造に際し、重合の第1段階
においてビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの混合物
を重合させたのち、第2段階においてビニル芳香族炭化
水素を重合温度における実質的な平均の重合速度以下の
速度で継続添加して重合させる2段階重合により、プロ
ツタ共重合体樹脂が溶媒に懸濁した状態に生成させうる
ものである。しかしながら、この方法によると第2段階
において添加するビニル芳香族炭化水素を重合温度にお
ける実質的な平均の重合速度以下の速度、すなわち重合
系内に残余のモノマーが存在しない速度で添加させなけ
ればならないため、ビニル芳香族炭化水素の添加速度を
極めて遅くしなければならず、したがつて生産性を向上
させることができないという欠点を有する。
またこの方法ではプロツク共重合体樹脂が溶媒から分離
しやすいため、かきまぜが十分でない場合沈降して重合
器の底部にj堆積したり、移送時に配管内に滞留して移
送が困難になるという重大な欠点も有し、工業的な製造
方法としては極めて実用性の低いものとなる。
本発明者らは、このような従来のプロツク共重合体樹脂
の製造方法における問題点を克服するとともに、透明で
優れた耐衝撃性を有するプロツク共重合体樹脂を安定な
溶液状態若しくは懸濁状態で製造しうる方法を開発する
ために、鋭意検討を進めた結果、本発明を完成するに至
つた。すなわち、本発明は、少なくとも1個のビニル芳
香族炭化水素重合体プロツクと少なくとも1個の共役ジ
エンを主体とする重合体プロツクとを有し、ビニル芳香
族炭化水素と共役ジエンとの重量比が55:45ないし
95:5であるプロツク共重合体樹脂を、脂肪族炭化水
素を主体とする溶媒中で有機リチウム化合物を触媒とし
て製造するにあたり、生成する重合体中のビニル芳香族
炭化水素含有量が55重量%以上になる段階において、
ビニル芳香族炭化水素重合体プロツクを形成させるため
に添加するビニル芳香族炭化水素のモノマーを重合温度
における実質的な平均の重合速度を超える速度で、しか
も重合系内の液相部の溶解性パラメーターが実質的に7
.7以下の状態に保たれるような速度で継続的に添加し
て重合させることを特徴とするプロツタ共重合体樹脂の
新規な製造方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の方法で溶媒として使用する脂肪族炭化水素はプ
ロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、イン
ペンタン、オクタン、イソオクタンなどの溶解性パラメ
ーターが実質的に7.7未満、好ましくは7.6未満で
6.0以上、さらに好ましくは7.4未満で6.4以上
の化合物である。
これらの化合物は1種または2種以上混合して使用する
ことができる。また本発明の方法で使用する溶媒には、
溶媒としての溶解性パラメーターが実質的に7.7未満
に維持される範囲内において脂環式炭化水素、たとえば
シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサンあるいは芳香族炭化水素、た
とえばベンゼン、トルエンなどの1種または2種以上を
混合してもよい。さらに必要に応じて本発明の方法で使
用する溶媒には、上記範囲内においてエーテル類、アミ
ン類、チオエーテル類の極性化合物を混合してもよい。
溶解性パラメーターδは、溶解性を判別する尺度として
Hildebrandが提出したもので分子凝集エネル
ギーEcと分子容Vとから次式で表示される。
δ=ψ叡ン溶解性パラメーターδの値は 文献、便覧などで広く知られているが、測定方法及び表
現方法の相違により数値が異なる場合があるので本発明
においては、J.Brandrup,E.H.Imme
rgut編「POIymerHandbOOk」 (J
OhnWiely&SOne出版)に記載されている値
、または同文献に記載されているP.A.Smallの
方法によつて算出される値とした。
また、本発明で使用する溶媒が2種以上の化合物の混合
物である場合の溶解性パラメーターδの値は、下式より
計算したものである。
(式中、χNはN種の化合物からなる混合物の一成分の
モル分率、δ、は該成分の溶解性パラメーターを示す。
)これらの脂肪族炭化水素を主体とする溶媒の使用量は
、全使用モノマー1重量部に対して、1ないし20重量
部、好ましくは2ないし10重量部である。
本発明の方法で触媒として用いる有機リチウム化合物と
は、分子中に少なくとも1個のリチウム原子を結合した
炭化水素で、たとえばn−プロピルリチウム、イソプロ
ピルリチウム、n−ブチルリチウム、Sec−ブチルリ
チウム、Tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチ
ウム、ベンジルリチウム、1,4−ジリチオ一n−ブタ
ン、1,2−ジリチオ一1,2−ジフエニルエタン、オ
リゴイソプレニルジリチウムなどで、特に一般的なもの
としてはn−ブチルリチウム、Sec−ブチルリチウム
などが挙げられる。
これらの有機リチウム化合物は、1種または2種以上混
合して使用することができる。有機リチウム化合物の使
用量は、全使用モノマー量に対して0.005ないし5
モル%、好ましくは0.01ないし1モル%、さらに好
ましくは0.02ないし0.2モル%である。本発明の
方法において有機リチウム化合物の添加回数は、最終的
に得られるプロツク共重合体樹脂の組成または分子量分
布を比較的均一にする意味から1回のみが好ましいが、
必要に応じて分割添加してもよい。本発明の方法で用い
るビニル芳香族炭化水素としてはスチレン、O−メチル
スチレン、P−メチルスチレン、p−Tert−ブチル
スチレン、1,3一ジメチルスチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどがあ
るが、特に一般的なものとしてはスチレンが挙げられる
。これらは1種のみならず2種以上混合して使用しても
よい。本発明の方法で用いる共役ジエンとは、1対の共
役二重結合を有するジオレフインであり、たとえば1,
3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イ
ソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであ
るが、特に一般的なものとしては1,3−ブタジエン、
イソプレンが挙げられる。
これらは1種のみならず2種以上混合して使用してちよ
い。本発明の方法で用いるビニル芳香族炭化水素は、全
モノマーに対して55ないし95重量%、好ましくは6
0ないし90重量%、さらに好ましくは65ないし85
重量%であり、したがつて共役ジエンは、45ないし5
重量%、好ましくは40ないし10重量%、さらに好ま
しくは35ないし15重量%である。
ビニル芳香族炭化水素の使用量が55重量%未満の場合
は、得られたプロツク共重合体樹脂は樹脂的な性質が失
なわれ、硬さや引張強度が著しく低下し、逆に95重量
%以上になると耐衝撃性が低下し、強じんな樹脂が得ら
れない。本発明の方法において、これら溶媒類及びモノ
マー類については、前記の有機リチウム化合物及びリピ
ングポリマ一を不活性化させるような不純物、たとえば
水、酸素、炭酸ガスなどがあらかじ・め十分除去する必
要がある。
本発明の方法においてモノマー類の重合系内への添加形
態は、少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個のビ
ニル芳香族炭化水素重合体プロツクと少なくとも1個、
好ましくは2個の共役ジエ9ンを主体とする重合体プロ
ツタとを有するプロツタ共重合体樹脂が最終的に製造さ
れるように添加される。
最終的に製造されるプロツク共重合体樹脂の構造を例示
すれば、たとえば次のようなものが挙げられる。(A−
B)N.B+A−B)n、 〔(A−B)n〕MC、
〔(B−A)nチMX、 〔B÷A−B)n→MX(式
中、Aはビニル芳香族炭化水素重合体ブカツク、Bは共
役ジエンを主体とする重合体プロツクを表わし、Cは同
一分子内に2個以上のリチウム原子を有する多官能有機
リチウム化合物の残基、xは四塩化ケイ素、四塩化スズ
、多塩基酸エステル、多エポキシ化合物などの多官能性
カツプリング剤の残基を表わし、nは1以上の整数、m
は2以上の整数である。
)本発明の方法において特に好ましいプロツク共重合体
樹脂は、B1−A1−B2−A2の構造を有し、B1−
A1部のビニル芳香族炭化水素含有量が50ないし90
重量%、好ましくは55ないし80重量%、さらに好ま
しくは60ないし75重量%であり、全ビニル芳香族炭
化水素重合体プロツタ(A1+A2)に対する中間ビニ
ル芳香族炭化水素重合体プロツク(A1)の量が10な
いし40重量%、好ましくは15ないし35重量%、さ
らに好ましくは17ないし30重量%であるプロツク共
重合体樹脂である。
このプロツク共重合体樹脂は極めて優れた透明性と耐衝
撃性を有する。なお、本発明の方法において共役ジエン
を主体とする重合体プロツクとは、共役ジエンの含有量
,が50重量%以上、好ましくは70重量%以上、さら
に好ま.しくは(4)重量%以上の重合体プロツクであ
る。
共役ジエンを主体とする重合体プロツタ中に共重合され
ているビニル芳香族炭化水素は、重合体プロツク中に均
一に分布していても、またテ一jパ(漸減)状に分布し
ていてもよい。特に好ましい共役ジエンを主体とする重
合体プロツクは、共役ジエン単独重合体プロツクである
。なお、共役ジエンを主体とする重合体プロツクとビニ
ル芳香族炭化水素重合体プロツタとの間に、共役ジエン
5の含有量が50重量%未満の共役ジエンとビニル芳香
族炭化水素との共重合体部分が存在する場合には、該共
重合体部分は共役ジエンを主体とする重合体プロツクに
含めるものとする。本発明の方法で生成されるビニル芳
香族炭化水4素重合体プロツクの平均分子量は、一般に
5,000ないし1,000,000好ましくは10,
000ないし500,000であり、共役ジエンを主体
とする重合体プロツクの平均分子量は、一般に5,00
0ないし1,000,000好ましくは10,000な
いし500,000である。
それぞれの分子量がこれらの範囲より小さいと機械的特
性が劣り、また大き過ぎると加工特性が劣り好ましくな
い。本発明の方法における最大の特徴は、生成する重合
体中のビニル芳香族炭化水素含有量が55重量%以上、
より効果的には60重量%以上になる段階において、ビ
ニル芳香族炭化水素重合体プロツクを形成させるために
添加するビニル芳香族炭化水フ素のモノマーを、重合温
度における実質的な平均の重合速度を超える速度で、し
かも重合系内の液相部の溶解性パラメーターが実質的に
7.7以下、好ましくは7.6ないし6.0、さらに好
ましくは7.4ないし6.4の状態に保たれるような速
度で継続的・に添加して重合させることにより、比較的
ビニル芳香族炭化水素含有量の高いプロツク共重合体樹
脂を、安定な溶液状態若しくは懸濁状態で製造する点に
ある。
生成する重合体中のビニル芳香族炭化水素含有量が55
重量%未満の段階においては、重合体が脂肪族炭化水素
を主体とする溶媒に可溶性であるため、特にビニル芳香
族炭化水素の添加速度を特定の範囲に調節する必要はな
く、したがつて本発明の方法は、重合体が前記溶媒に対
して均一に溶解し難くなる段階において、すなわちビニ
ル芳香族炭化水素含有量55重量%以上の重合体を重合
する段階において有用な効果を発揮する。なお、本発明
の方法において生成する重合体中のビニル芳香族炭化水
素含有量が55重量%未満の段階においても、ビニル芳
香族炭化水素のモノマーを本発明で規定する添加速度で
添加することは、なんら差しつかえない。本発明の方法
において、ビニル芳香族炭化水素重合体プロツクを形成
させるために添加するビニル芳香族炭化水素のモノマー
の添加速度が、重合温度における実質的な平均の重合速
度を超える速度とは、該モノマーの重合条件におけるビ
ニル芳香族炭化水素の平均的な重合速度を超える速度で
添加することを示し、具体的には該モノマーの重合時に
、重合系内に未反応のビニル芳香族炭化水素のモノマー
が実質的に存在する状態が維持される速度で添加するこ
とを示す。
ここで未反応のモノマーが実質的に存在するとは、該モ
ノマーの重合時に重合系内に未反応モノマーが、少なく
とも分析可能な程度存在することを示し、好ましい範囲
を数値で例示すれば、添加したビニル芳香族炭化水素の
1重量%以上、さらに好ましくは3重量%以上、特に好
ましくは5重量%以上が平均として重合系内に存在する
ことを示す。また、本発明の方法において重合系内の液
相部の溶解性パラメーターとは、重合系内の溶媒と未反
応モノマーとの混合系の溶解性パラメーターを示し、混
合系内の各成分の混合割合及び溶解性パラメーター(モ
ノマーの溶解性パラメーターも前述の文献に記載された
値を採用する)より前述の式を用いて算出することがで
きる。
本発明の方法において、ビニル芳香族炭化水素のモノマ
ーの添加速度が本発明で規定する範囲より遅いと重合に
長時間要し、極めて生産性が悪くなるため好ましくなく
、また逆に添加速度が速過ぎて重合系内の液相部の溶解
性パラメーターが7.7を超えると、生成するプロツク
共重合体が重合溶媒より遊離して重合器底部に堆積した
り、重合器の器壁、かくはん羽根に固着して好ましくな
い結果を招く。
なお、本発明の方法において、本,発明で規定する範囲
の添加速度で添加されたビニル芳香族炭化水素のモノマ
ーは、その一部が該モノマー添加終了時に未反応の状態
で重合系内に残存することになるが、モノマー添加終了
後に所定時間放置することにより実質上定量的に重合さ
せることができる。その放置時間は特に限定されるもの
ではないが、好ましい放置時間は1分ないし5時間、さ
らに好ましくは3分ないし1時間、特に好ましくは5分
ないし30分である。放置温度についても特に限定はさ
れないが、ビニル芳香族炭化水素のモノマーを継続添加
して重合させる時の温度と実質的に同一の温度で放置す
るのが好ましい本発明の方法における重合温度は、−4
0℃ないし150℃、好ましくは40℃ないし120℃
である。
重合に要する時間は条件によつて異なるが、通常は48
時間以内であり、特に好適には1ないし10時間である
。また、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガスを
もつて置換することが望ましい。重合圧力は、上記重合
温度範囲でモノマー及び溶媒を液相に維持するに充分な
圧力の範囲で行えばよく、特に限定されるものではない
。さらに重合系内には触媒及びリピングポリマ一を不活
性化させるような不純物、たとえば水、酸素、炭酸ガス
などが混入しないように留意する必要がある。本発明の
方法において得られたプロツク共重合体樹脂のリピング
ポリマ一は、水、アルコール類、二酸化炭素などの重合
停止剤を活性末端を不活性化せしめるのに充分な量を添
加することにより不活性される。この際、重合停止剤と
して二酸化炭素を使用する場合は重合末端にカルボキシ
ル基が導入され、エチレンオキサイドを使用する場合は
ヒドロキシル基が導入される。したがつて、重合停止剤
を適当に選ぶことにより末端に種々の官能基を有するプ
ロツク共重合体樹脂を製造することもできる。本発明の
方法において得られたプロツク共重合体樹脂を、その均
一な重合溶液若しくは安定な懸濁状溶液から回収する方
法として、たとえばメタノールなどの沈殿剤を用いて沈
殿させて共重合体樹脂を回収する方法、あるいは懸濁液
を加熱して溶媒を蒸発させて共重合体樹脂を回収する方
法、さらに懸濁液を水蒸気を吹き込んで溶媒を水蒸気蒸
留によつて留去して共重合体樹脂を回収する方法など従
来公知の方法が採用できる。
本発明の方法において得られたプロツク共重合体樹脂に
は、従来使用されていた各種安定剤、補強剤、充てん剤
などを通常の方法により配合して使用することもできる
本発明の方法によつて得られるプロツク共重合体樹脂は
、透明でかつ優れた耐衝撃性を有し、各種成形品の成形
素材として用いることもできる。
すなわち、上記のようにして得られたプロツク共重合体
樹脂の成形素材は、そのままであるいは着色して通常の
熱可塑性樹脂と同様の加工手段によつて、シート、フイ
ルムなどの押出成形品並びにそれらを真空、圧空などに
よつて熱成形した成形品、具体的には食品容器包装類、
プリスタ一包装材、青果物、菓子類の包装フイルムなど
広範な容器包装材分野に使用することができる。そのほ
か、射出成形、吹込成形方法などによる玩具日用品、雑
貨、弱電部品の分野など、通常の汎用熱可塑性樹脂がも
ちいられる用途に使用することがでフきるが、特に可塑
剤などを含まないので食品容器包装材分野を中心とする
透明性が要求される分野に好適に使用することができる
。さらに他の熱可塑性樹脂たとえば、スチレン系樹脂、
オレフイン系樹脂、メタクリル系樹脂と通常の手段で任
意に混合して使用することもできる。次に実施例により
本発明をさらに詳細に説明するが、これにより本発明の
範囲が限定されるものではない。
実施例 1 次に示す方法により、スチレン含有量が70重量%でB
1−A1−B2−A2の構造を有し、B1−A1部のス
チレン含有量が61重量%、全スチレン重合体プロツク
(A1+A2)に対する中間スチレン重合体プロツク(
A1)の量が20重量%であるプロツク共重合体樹脂を
、n−ヘキサンを主成分とする溶解性パラメーターが約
7.5の混合溶媒(溶媒S1とする)中で製造した。
窒素ガス内部置換したステンレス製の攪拌機付き重合器
に、あらかじめ精製乾燥した溶媒Sl49OOg及びブ
タジエンを30重量%の濃度で含有する溶媒S1の溶液
900gを仕込み、次いで触媒としてn−ブチルリチウ
ムを2.5g添加して70℃で1時間重合させた。
ブタジエンの重合が実質的に完了したのち、重合温度を
70℃に保ちながらスチレン420gを微量定量ポンプ
を用い、30分かけて添加し、添加終了後その温度で1
5分間放置して未反応のスチレンモノマーを実質上完全
に重合させてA1プロツクを形成させた。次いでブタジ
エンを30重量%の濃度で含有する溶媒S1の溶液21
00gをート:;申−[メG亭;;轡種ながらさらにスチ
レン1680gを微量定量ポンプを用いて60分かけて
添加した。
添加終了後その温度で20分間放置し、未反応のスチレ
ンモノマーを実質上完全に重合させてA2プロツクを形
成させた。生成する重合体中のスチレン含有量が本発明
で規定する55重量%以上であるA1プロツク及びA2
プロツクの形成段階において、スチレンの添加速度が本
発明で規定する範囲内であることは、該プロツク形成時
に定期的にサンプリングした重合溶液中の未反応スチレ
ンの存在、及びその存在量と重合系内の溶媒S1の量よ
り算出した重合系内の液相部の溶解性パラメーターが7
.7以下であることにより確認した。このように製造さ
れた重合体溶液に、重合停止剤としてメタノールを5m
1及び安定剤としてジ一Tert−ブチル−P−クレゾ
ール15g、トリスノニルフエニルフオスフアイトを1
5g添加した。
重合体溶液は白色の安定な懸濁状態を呈し、重合器壁や
かくはん羽根へのポリマーの付着は全く認められなかつ
た。この懸濁状の重合体溶液の安定性は極めて良好で、
50〜70℃の温度で1か月間静置しても重合体が溶媒
から遊離して沈降するような現象は認められなかつた。
その後溶媒を加熱除去してプロツク共重合体樹脂を得た
。なお、重合体溶液を溶媒除去工程へ移送する際、重合
体が重合器底部や移送配管内に塊状に滞留するなどの問
題はj全く生じなかつた。得られたプロツタ共重合体樹
脂を圧縮成形して物性試験片を作成した。
成形品の物性測定結果を第1表に示した。この成形品は
透明性と耐衝撃性が極めて良好な樹脂であつた。比較例
1 実施例1と同様の方法により、B1−A1−B2の構造
を有するプロツク共重合体のリピングポリマ一を製造し
たのち、A2プロツクを形成するために添加するスチレ
ンモノマーを全量一度に重合系内に添加する以外は、実
施例1と同様の方法でプロツク共重合体樹脂を製造した
生成するプロツク共重合体のスチレン含有量が70重量
%となるA2プロツクの形成段階において、A2プロツ
クを形成するために添加するスチレンモノマーを全量一
度に重合系内に添加したことにより、重合系内の液相部
の溶解性パラメーターは約7.8になつていることが、
重合系内の溶媒S1の量及び添加したスチレンモノマー
の量より確認された。得られた重合体溶液は、一部懸濁
状を呈していたもののかなりの量のポリマーが重合器壁
やかくはん羽根に付着していた。
比較例 2 特公昭50−23871号公報に記載された方法に基づ
き、2段階重合法によりスチレン含有量が70重量%の
プロツク共重合体樹脂を製造した。
まず、実施例1で用いたのと同じ重合器にあらかじめ精
製乾燥した溶媒Sl7OOOg、ブタジエン900g及
びスチレン420gを仕込み、次いで触媒としてn−ブ
チルリチウムを2.5g添加して50℃で3時間重合し
た。
その後重合温度を50℃に保ちながら1680gのスチ
レンを微量定量ポンプを用いて添加した。添加速度は、
“重合温度における実質的な平均の重合速度以下の速度
で継続添加する”という該公報の記載より、該公報の実
施例1に記載された添加速度、すなわち120d1/2
時間の添加速度で添加した。添加終了までに約28時間
要した。その後さらに1時間かきまでつづけたのち、実
施例1と同様の方法により重合を停止させた。重合液は
白色懸濁液であり、塊状の析出物や重合器壁、かくはん
羽根への重合体の付着はほとんど認められなかつたが、
懸濁液の安定性が極めて悪く、かきまぜが不充分な場合
には重合体が溶媒から容易に遊離して沈降してしまつた
。また、この懸濁液を配管を通じて溶媒除去工程へ移送
する際、一部の重合体が重合器底部や移送配管内に塊状
に滞留し、配管を閉塞するなどの問題を生じた。上記の
方法で得られたプロツク共重合体樹脂の物性を第1表に
示したが、透明性及び耐衝撃性の点で本発明の方法によ
り得られるプロツク共重合体樹脂より劣るものであつた
実施例 2〜6 B1−A1部のスチレン含有量または全スチレン重合体
プロツク(A1+A2)に対する中間スチレン重合体プ
ロツク(A1)の量が異なる以外は、実施例1と同様の
方法でスチレン含有量が70重量%でB1−A1−B2
−A2の構造を有するフ狛ツク共重合体樹脂を製造した
なお、重合溶媒としては、n−ヘキサンを主成分とする
溶解性パラメーターが約7.3の混合溶媒(溶媒S2と
する)を用いた。A1プロツク及びA2プロツク形成の
ためのスチレンモノマーを継続的に添加する際、重合溶
液を一部サンプリング化てスチレンモノマーの重合率を
測定した。スチレンモノマーの重合率は平均として98
重量%以下であつたが、モノマーの残存量と重合系内の
溶媒量より算出した重合系内の液相部の溶解性パラメー
ターは7.5以下に維持されていた。最終的に得られた
重合体溶液は、極めて安定性の良好な懸濁液であつた。
得られたプロツク共重合体樹脂の物性をそれぞれ第1表
に示した。
実施例 7 スチレン含有量が80重量%であり、重合溶媒として溶
媒S2を用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプ
ロツク共重合体樹脂を製造した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくとも1個のビニル芳香族炭化水素重合体ブロ
    ックと少なくとも1個の共役ジエンを主体とする重合体
    ブロックを有し、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンと
    の重量比が55:45ないし95:5であるブロック共
    重合体樹脂を脂肪族炭化水素を主体とする溶媒中で有機
    リチウム化合物を触媒として製造するにあたり、生成す
    る重合体中のビニル芳香族炭化水素含有量が55重量%
    以上になる段階において、ビニル芳香族炭化水素重合体
    ブロックを形成させるために添加するビニル芳香族炭化
    水素のモノマーを重合温度における実質的な平均の重合
    速度を超える速度で、しかも重合系内の液相部の溶解性
    パラメーターが実質的に7.7以下の状態に保たれるよ
    うな速度で継続的に添加して重合させることを特徴とす
    るブロック共重合体樹脂の製造方法。 2 一般式がB_1−A_1−B_2−A_2(式中、
    B_1、B_2は共役ジエンを主体とする重合体ブロッ
    クを、A_1、A_2はビニル芳香族炭化水素重合体ブ
    ロックを表わす)であるブロック共重合体を製造するに
    あたり、B_1−A_1部のビニル芳香族炭化水素含有
    量が50ないし90重量%であり、全ビニル芳香族炭化
    水素重合体ブロック(A_1+A_2)に対する中間ビ
    ニル芳香族炭化水素重合体ブロック(A_1)の量が1
    0ないし40重量%であるB_1−A_1部を形成させ
    たのち、更にB_2部及びA_2部を形成させる特許請
    求の範囲第1項記載の方法。 3 共役ジエンを主体とする重合体ブロックが、共役ジ
    エン単独重合体である特許請求の範囲第1項又は第2項
    記載の方法。
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