JPS595231Y2 - 電磁クラツチ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電磁クラッチ装置、特にピン付電磁クラッチ装
置等の初期エアギャップの大なるタイプの電磁クラッチ
装置において、必要吸引アンペアターンの低減に関する
ものである。

近年電磁クラッチ装置が車輌の定速走行装置のアクチュ
エータ部に使用されている。

従来のこの種の電磁クラッチ装置は、シャフトに回転自
在に取り付けられるスプリングサポータ１、アーマチャ
プレートより戒る上部と同様にシャフトに回転自在に取
り付けられ電磁石のコイルを含むマグネットハウジング
より成る下部より構成され、スプリングサポータは３ケ
所以上の突起部を介してアーマチャプレートと直接接触
していた。

コイルに電流が通電されない場合は、アーマチャプレー
トとマグネットハウジングの間に一定の間隙が設けられ
た。

一方、コイルに電流が通電されると、マグネットハウジ
ングおよびアーマチャプレート及びシャフトを通る第１
の磁気回路に磁束が通り、アーマチャプレートはマグネ
ットハウジング側に吸引され、その結果アーマチャプレ
ートとマグネットハウジングは一体となるが、通電初期
においてはスプリングサポータの突起部を介してアーマ
チャプレートがスプリングサポータに直接接触している
ので、コイルで発生した磁束はマグネットハウジング、
アーマチャプレート、スプリングサポート及びシャフト
を通る第２の磁気回路へ分流することにより、スプリン
グサポータとアーマチャプレートの間に吸引力が発生す
る。

この結果アーマチャプレートのマグネットハウジング側
への吸引力が減少することになり、余分なアンペアター
ンを必要としていた。

本考案は上記の欠点を解消する為に、スプリングサポー
タとアーマチャプレートの間に磁気的に絶縁効果のある
材料を用いてギャップを構成し第２の磁気回路の磁気抵
抗を大きくすることにより、コイルで発生した磁束が第
２の磁気回路へ分流することを減少させ、それによって
スプリングサポータのアーマチャプレートドに対する吸
引力を弱め同時にマグネットハウジング側のアーマチャ
プレートに対する吸引力を強めることにより必要な吸引
アンペアターンの低減を得ることを目的とする。

即ち本考案による電磁クラッチ装置はシャフトに回転自
在に限り付けられるスプリングサポータ、アーマチャプ
レートおよびスプリングサポータとアーマチャプレート
を弾性的に固定するための板状リターンスプリングより
戒る上部、およびシャフトに回転自在に取り付けられる
電磁石のコイルを含むマグネットハウジングより成る下
部より構成され、コイルの非通電時にアーマチャプレー
トとマグネットハウジング間に一定間隙を設け、コイル
の通電時にアーマチャプレートとマグネットハウジング
が一体となって、シャフトに対する回転力を板状リター
ンスプリングを介して結合されているスプリングサポー
タに伝達し、スプリングサポータとアーマチャプレート
間に非磁性体よりなる磁気インシュレータを設けるもの
である。

以下本考案による電磁クラッチ装置を実施例に従って詳
細に説明する。

第１図は本考案による電磁クラッチ装置の断面図を示し
、第２図は本考案に用いる磁気インシュレータの平面図
を示す。

第１図は電磁石のコイルに電流が通電されない場合を示
す。

第１図において１は電磁クラッチ装置のシャフト、２は
スプリングサポータ、３は磁気インシュレータ、４はア
ーマチャプレート、５はマグネットハウジング、６は電
磁石のコイル、７はスプリングサポータ２とアーマチー
やプレート４を弾性的に固定するための板状リターンス
プリング、８および９は磁気回路、１０はスプリングサ
ポータ２の突起部、１１はマグネットハウジング５に設
けられたピン部、１２はアーマチャプレート４に設けら
れピン部１１と係合する凹部、１３はマグネットハウジ
ング５と一体のギヤ、１４はスプリングサポータ２と一
体のギヤ、１５はアーマチャプレート４とマグネットハ
ウジング５の間に一定の間隙ｇを持たせるためにスプリ
ングサポータ２とマグネットハウジング５の間に設けら
れたワッシャー、１６は磁気インシュレータ３に設けら
れるリベットがしめのための逃げ穴、１７はシャフト１
を通す穴部をそれぞれ示す。

第１図において、電磁クラッチのシャフト１に対し、以
下に述べる上部Ａと下部Ｂは回転自在に取り付けられて
いる。

即ち、上部Ａはスプリングサポータ２及びアーマチャプ
レート４間に設けられる磁気インシュレータ３、スプリ
ングサポータ２とアーマチャプレート４を弾性的に固定
するための板状リターンスプリング７及びギヤ１４より
構成されるスプリングサポータ２の突起部１０は磁気イ
ンシュレータ３を介してアーマチャプレート４の定位置
を決めている。

次に下部Ｂはマグネットハウジング５、その内部の電磁
石のコイル６及びギヤ１３より構成される。

電磁石のコイル６に電流が通電されない場合は、第１図
に示される如くアーマチャプレート４とマグネットハウ
ジング５の間にある程度の間隙ｇがあるように調整され
ている。

電磁石のコイル６に電流が通電されると、アーマチャプ
レート４は板状リターンスプリング７の反発力に逆らっ
てマグネットハウジング５側に吸引され、マグネットハ
ウジング５のピン部１１とアーマチャプレート４の凹部
１２が係合しその結果アーマチャプレート４とマグネッ
トハウジング５は一体となり、マグネットハウジング５
、アーマチャプレート４、シャフト１を通る第１の磁気
回路８が構成される。

シャフト１の回りのマグネットハウジング５の回転は磁
気インシュレータ３、アーマチャプレート４から板状リ
ターンスプリング７を介してスプリングサポータ２に伝
達され、電磁クラッチとして作用する。

第２図に本考案に用いる磁気インシュレータ３の平面図
を示す。

第２図において穴部１７にシャフト１を通し、リベット
かしめのための逃げ穴により磁気インシュレータ３をア
ーマチャプレート４に取り付けている。

この磁気インシュレータ３は非磁性体よりなリリん青銅
板で構成されるが、真ちゅうやアルミニウム等で構成し
ても良い。

電磁石のコイル６の巻線、径、巻数等を一定とした場合
、磁気インシュレータ３の存在はこれがない従来例と比
較して、アーマチャプレート４がマグネットハウジング
５に吸引されるのに必要なコイル印加電圧を低減する、
つまり磁気インシュレータ３により必要吸引アンペアタ
ーンを低減することができる。

次に本考案の第２の実施例として、スプリングサポータ
２の突起部１０の代りに磁気的に絶縁効果のある材料か
ら成るリベット等をかしめて用いても同じ効果が得られ
る。

更に本考案の第３の実施例として、スプリングサポータ
２がシャフト１と摺動する部分に磁気的に絶縁効果のあ
る材料、例えば焼結軸受けを用いても同じ効果が得られ
る。

更に本考案の第４の実施例として、スプリングサポータ
２の全体を樹脂で製作しても同じ効果が得られる。

以上説明した如く、電磁クラッチ装置に本考案による磁
気インシュレータ３を用いると不要な磁気回路の磁気抵
抗を増大させ、発生磁束を有効に利用できるので、同じ
電磁クラッチでも必要な吸引アンペアターンを低減でき
る。

その結果、電磁クラッチの小型化、軽量化が可能となり
効果は非常に大となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による電磁クラッチ装置の断面図で電磁
石のコイルの非通電時の状態を示す図、第２図は本考案
による電磁クラッチ装置に用いる磁気インシュレータの
平面図である。 １・・・・・・シャフト、２・・・・・・スプリングサ
ポータ、３・・・・・・磁気インシュレータ、４・・・
・・・アーマチャプレート、５・・・・・・マグネット
ハウジング、６・・・・・・コイル、７・・・・・・板
状リターンスプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シャフト１に回転自在に取り付けられるスプリングサポ
   ータ２、アーマチャプレート４および該スプリングサポ
   ータ２と該アーマヤプレート４を弾性的に固定するため
   の板状リターンスプリング７より成る上部、および該シ
   ャフト１に回転自在に取り付けられる電磁石のコイル６
   を含むマグネットハウジング５より成る下部より構成さ
   れ、該コイル６の非通電時に該アーマチャプレート４と
   該マグネットハウジング５間に一定間隙を設け、該コイ
   ル６の通電時に該アーマチャプレート４と該マグネット
   ハウジング５が一体となって、該シャフト１に対する回
   転力を該板状リターンスプリング７を介して結合されて
   いる該スプリングサポータ２に伝達する電磁クラッチ装
   置において、該スプリングサポータ２と該アーマチャプ
   レート４の間に非磁性体よりなる磁気インシュレータ３
   を設けることを特徴とする電磁クラッチ装置。