JPS6344930Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電磁継電器、特に感動電流を少さくし
動作電力を低減せしめる構造的改良を施し、低電
力で且つ小型化可能な電磁継電器に関する。

電気接点を開閉させることにより、同一若しく
は他の電気回路に接続された装置を作動又は制御
する電磁継電器は、磁気回路と電磁コイルと接点
ばね組み等にて構成され、コイルに所定電流を流
す又は該電流を断つことにより、接極子を所定量
だけ揺動させて接点接続の切替えが行なわれ、そ
の機能を果すようになる。第１図は一般的な前記
電磁電器の磁気回路に電磁コイルを装着した側面
図であり、それぞれ磁性材にてなる棒状鉄心１と
側面視Ｌ字形に折曲した継鉄２及び接極子３とで
磁気回路を構成し、ボビン４に巻装したコイル５
は、一端を継鉄２に固着した鉄心１に嵌装されて
いる。ただし押えばね６は、継鉄２の鉄心１と平
行する先端部に接極子３の折曲内側コーナ部を押
圧させるとともに、コイル５に電流を流さないと
きの鉄心磁極面１′と接極子対向面３′とを常時開
離させる押圧源体として装着されている。

従つて、コイル５に所定電流を流し前記磁気回
路を励磁させると、押えばね６の押圧力に強る磁
気吸引力が鉄心磁極面１′と接極子対向面３′との
間に発生する。その結果、接極子３はその折曲部
を軸として回動し、対向面３′が磁極面１′に接す
るようになる。次いで、前記電流を断つと前記磁
気吸引力が解消するため、接極子３は押えばね６
の弾性復帰力により元の姿態に戻されるようにな
る。

即ち、従来の電磁継電器は電磁コイルに通電し
て形成された磁気力のみにより、動作するように
されていた。

本考案の目的は上記動作させる所要電流を低め
ることであり、この目的は、コイルに流す直流電
流の方向を一方向として、磁気回路の磁化方向を
一定にし、鉄心の一部にはその磁化方向に一致す
る極性を有する永久磁石を鉄心を分断されないよ
うにして埋没して配設し、永久磁石の磁気力とコ
イルに通電して形成された磁気力との合成磁気力
により動作するように構成してなることを特徴と
した電磁継電器を提供して達成される。

以下、本考案の実施例に係わる図面を用いて本
考案を説明する。

第２図は本考案の一実施例に係わる電磁継電器
の磁気回路とコイルを示す側面図、第３図は前記
磁気回路を構成する鉄心に埋設した永久磁石の磁
束説明図、第４図は本考案の他の一実施例に係わ
る電磁継電器の磁気回路とコイルを示す側面図で
ある。なお、図中において前出図と共通可能部分
には同一符号を用い、その結果は省略する。

第２図において、磁気回路は一部に永久磁石７
を埋設した磁性材にてなる棒状鉄心８と、継鉄２
及び接極子３とからなり、鉄心８にはボビン４に
巻装したコイル９が嵌装され、接極子３の対向面
３′は押えばね６の押圧力により鉄心８の磁極面
８′と所定間隙だけ隔てて対向するようにしてあ
る。ただし、所望の磁気力（例えば継電器を動作
させるのに必要な磁気力の約30％）を有する永久
磁石７は、その極性（Ｎ，Ｓ）がコイル９に所定
電流を流して形成される磁束方向と一致するよう
にし、かつ、鉄心８を分断及び鉄心磁極面８′に
露呈しない鉄心中央部に埋設されている。

従つて第３図ａに示す如く、コイル９に電流を
流さないときは永久磁石７の磁束Ａが鉄心８内を
通つて短絡し、鉄心磁極面８′より磁束を殆ど発
生させない。そのため、磁極面８′と接極子対向
面３′とは押えばね６の押圧力により開離された
状態を維持するようになる。

一方第３図ｂに示す如く、コイル９に電流を流
すとその電流によつて形成される磁気力と、永久
磁石７の有する磁気力との合成磁束Ｂを発生する
磁極面８′は、接極子対向面３′を吸引して該電磁
継電器が動作状態になる。そして前記電流を断つ
と、合成磁束Ｂが解消して永久磁石７の磁束は第
３図ａに示す如くなるため、接極子３は押えばね
６の弾性復帰力により元の姿態に戻される。

従つて、第２図に示した電磁コイル９に動作の
ために流すべき所要電流−１は、第１図に示し
た電磁コイル５に動作のために流すべき所要電流
−２より小さくすることができる。

第４図において、磁気回路は一部に永久磁石１
０を埋設した磁性材にてなる棒状鉄心１１と、継
鉄２及び接極子３とからなり、鉄心１１にはボビ
ン４に巻装したコイル１２が嵌挿し、接極子３を
継鉄２に係合させる押えばね６が装着されてい
る。

ただし、所望の磁気力を有する永久磁石１０
は、その極性（Ｎ，Ｓ）がコイル１２に所定電流
を流して形成される磁束方向と一致し、かつ、鉄
心磁極面１１′のやや内側から継鉄２との接合端
に至る大形のものが埋設されている。従つて、永
久磁石１０は第２図に示した永久磁石７より磁気
力が強いため、コイル１２に流すべき所要電流
−３は前記電流−１よりもさらに小さくするこ
とができる。

なお、鉄心に永久磁石を埋設するには、鉄心に
所望の溝又は切欠きを形成し、該溝又は切欠きを
埋めるようにして永久磁石を嵌挿して得られる。
また、構成上コイル電流しや断時の磁束短絡効果
は減少するが、接極子吸引力を増すため永久磁石
を鉄心磁極面まで延して配置することもよい。

以上説明した如く本考案によれば、電磁コイル
に流すべき感動電力を25％程度低減させることも
容易となる。従つて、新しいタイプの低消費型電
磁継電器を実現せしめたのみならず、電力低減に
代つて電磁コイルを小形化することによつて、小
型・軽量電磁継電器をも実現せしめ得た実用的効
果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な電磁継電器の磁気回路に電磁
コイルを装着した側面図、第２図は本考案の一実
施例に係わる電磁継電器の磁気回路に電磁コイル
を装着した側面図、第３図は第２図に示した磁気
回路を構成する鉄心に埋設した永久磁石の磁束説
明図、第４図は本考案の他の一実施例に係わる電
磁継電器の磁気回路に電磁コイルを装着した側面
図である。 なお、図中において１，８，１１は鉄心、１′，
８′は鉄心磁極面、２は継鉄、３は接極子、３′は
鉄心磁極面に対向する接極子の対向面、４はボビ
ン、５，９，１２は電磁コイル、７，１０は永久
磁石、Ａ，Ｂは磁束を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 鉄心及び接極子よりなる磁気回路と該回路を励
   磁して鉄心の一方の端面に接極子の対向面を磁気
   吸引させる直流電流を流す前記鉄心に巻装したコ
   イルとを具え、該コイルに所要の電流を流すこと
   により動作し、該電流の停止により復帰する電磁
   継電器において、 該コイルに流す電流の方向を一方向として、前
   記磁気回路の磁化方向を一定にし、鉄心の一部に
   は該磁化方向に一致する極性を有する永久磁石を
   前記鉄心が分断されないように埋没してなること
   を特徴とする電磁継電器。