JPH0225209Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は有極リレー等に用いられる電磁石装
置に関する。

〔背景技術〕

従来、有極リレーに用いられる電磁石装置は、
永久磁石と電磁石とを上下方向に積み重ねたバラ
ンスアマチユア方式であつた。このため、電磁石
装置の薄型化が困難であり、また、リレーとして
構成した場合に、超薄型リレーを得ることができ
なかつた。

〔考案の目的〕

この考案は、以上の点に鑑み、薄型の電磁石装
置を提供することを目的とする。

〔考案の開示〕

前記の目的を達成するために、考案者は、Ｅ字
形ヨークを有する電磁石装置に注目し、鋭意検討
を重ね、この考案を完成した。この考案は、Ｅ字
形ヨークの内方延出片にコイルが巻回され、内方
延出片の先端部が内部磁極部、両側方延出片の先
端部が端部磁極部となり、これら磁極部がコイル
の励磁により異なる極性をもつようになつている
電磁石ブロツクと、２個の磁性体片が永久磁石を
その着磁方向両側から挟むようにしてなる接極子
ブロツクとを備え、接極子ブロツクの２個の磁性
体片の接極部が電磁石ブロツクの内部磁極部と端
部磁極部がつくる二つの間隙に挿入されるように
して電磁石ブロツク内に接極子ブロツクが収納さ
れており、かつ、接極子ブロツクが電磁石ブロツ
クの働きにより正逆方向に回動するように電磁石
ブロツク内に回動支点が設けられている電磁石装
置をその要旨とする。以下にこれを、その一実施
例をあらわす図面に基づいて詳しく説明する。

第１図にみるように、この電磁石装置は、電磁
石ブロツク１と接極子ブロツク２を備えている。
電磁石ブロツク１は、Ｅ字形ヨーク３とコイル４
が巻回されたコイル枠５からなる。ヨーク３の内
方延出片には、コイル枠５が装着されて鉄心とな
り、この内方延出片６の先端部が図中、上向きに
折曲され、内部磁極部７となつている。ヨーク３
の側方延出片８，８はコイル４の両側を遮蔽する
ように形成されている。内部磁極部７を挟んで対
向する側方延出片８，８の先端部がそれぞれ端部
磁極部９ａ，９ｂとなつている。内部磁極部７お
よび端部磁極部９ａ，９ｂは、コイル４の電流方
向を切換えることで異なる極性をもつようになつ
ている。

接極子ブロツク２は、２個の磁性体片１０ａ，
１０ｂと１個の永久磁石１１からなり、２個の磁
性体片１０ａ，１０ｂの同側端が永久磁石１１を
その着磁方向両側から挟むようにして組み合わさ
れて全体としてコ字形になつていて、磁性体片１
０ａ，１０ｂの他側端がそれぞれ接極部１２ａ，
１２ｂとなつている。永久磁石１１の外側面の永
久磁石ブロツク２の中央位置にあたるところに
は、回動支点１３が設けられている。

そして、接極子ブロツク２の接極部１２ａ，１
２ｂが電磁石ブロツク１の内部磁極部７と端部磁
極部９ａ，９ｂがつくる二つの間隙に挿入される
ようにして電磁石ブロツク１内に接極子ブロツク
が収納されている。

つぎに、この電磁石装置の動作説明をする。

いま、電磁石ブロツク１の内部磁極部７がＳ極
に、端部磁極部９ａ，９ｂがＮ極に帯磁されてい
て、第２図にみるように、接極子ブロツク２の接
極部１２ａが内部磁極部７に吸着され、接極部１
２ｂが端部磁極部９ｂに吸着されている。コイル
３の電流方向を切換えると、電磁石ブロツク１の
各磁極部の極性が変わり、接極子ブロツク２は、
回動支点１３を中心に回動させられて、図中鎖線
で示すように、接極部１２ａが端部磁極部９に吸
着され、接極部１２ｂが内部磁極部７に吸着され
る。このように、この電磁石装置は、コイル３の
供給する電流の方向を切換えることで、接極子ブ
ロツク２を正逆方向に回動させるようにしている
のである。

電磁石装置は、必ず電磁石を有するため、電磁
石の厚みは最低必要である。そこで、この電磁石
装置は、Ｅ字形ヨークの厚みが電磁石の厚み程度
となるように電磁石ブロツクを形成し、この電磁
石ブロツク先端部の空きスペース内に接極子ブロ
ツクを収めるようにしている。そのため、電磁石
装置の薄型化ができるのである。

この実施例の電磁石装置は、ヨーク側方延出片
でコイルが巻回された内方延出片両側を閉じて漏
れ磁束を磁気遮蔽するようにしているため、漏れ
磁束が少なく、リレーに応用して、他のリレー等
の磁気に影響を受ける機器を近接させた際、これ
らの機器の感動電圧、開放電圧に影響を及ぼすこ
とがない。

前記実施例はラツチング型の電磁石装置であつ
たが、片側端部磁極部の接極部と当接する部分１
４（第１図に示す斜線部）を削除すると、片側端
部磁極部と接極部との間に空隙が形成され、この
部分の磁気抵抗が大きいため、磁気的アンバラン
スが生じ、正逆方向の吸引力に差が生まれ、シン
グルステイブル型の電磁石装置にすることができ
る。また、第３図にみるように、接極子ブロツク
２の回動支点１３を接極子ブロツク２の中央位置
から着磁方向に偏位させるようにしてもシングル
ステイブル型の電磁石装置を構成できる。接極子
ブロツクの回動支点を中央位置から偏位させるよ
うにすると、第３図にみる状態からコイルを励磁
させ、接極子ブロツク２を第４図にみる状態に回
動させたときに、内部磁極部７と磁性体片１２間
に空隙１５が形成されるようになり、前記理由と
同じく、正逆方向の吸引力に差が生じ、無励磁状
態で常に一定方向に安定するようになるのであ
る。

〔考案の効果〕

この考案にかかる電磁石装置は、Ｅ字形ヨーク
の内方延出片にコイルが巻回され、内方延出片の
先端部が内部磁極部、両側方延出片の先端部が端
部磁極部となり、これら磁極部がコイルの励磁に
より異なる極性をもつようになつている電磁石ブ
ロツクと、２個の磁性体片が永久磁石をその着磁
方向両側から挟むようにしてなる接極子ブロツク
とを備え、接極子ブロツクの２個の磁性体片の接
極部が電磁石ブロツクの内部磁極部と端部磁極部
がつくる二つの間隙に挿入されるようにして電磁
石ブロツク内に接極子ブロツクが収納されてお
り、かつ、接極子ブロツクが電磁石ブロツクの働
きにより正逆方向に回動するように電磁石ブロツ
ク内に回動支点が設けられている電磁石装置を特
徴としているため、電磁石ブロツク先端部の空き
スペース内に接極子ブロツクを収めることがで
き、薄型化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる電磁石装置の一実施
例をあらわす斜視図、第２図は同上の動作説明
図、第３図は別の実施例の無励磁状態をあらわす
動作説明図、第４図は同上の励磁状態をあらわす
動作説明図である。 １……電磁石ブロツク、２……接極子ブロツ
ク、３……ヨーク、４……コイル、６……内方延
出片、７……内部磁極部、８……側方延出片、９
……端部磁極部、１０……磁性体片、１１……永
久磁石、１２……接極部、１３……回動支点。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) Ｅ字形ヨークの内方延出片にコイルが巻回さ
   れ、内方延出片の先端部が内部磁極部、両側方
   延出片の先端部が端部磁極部となり、これら磁
   極部がコイルの励磁により異なる極性をもつよ
   うになつている電磁石ブロツクと、２個の磁性
   体片が永久磁石をその着磁方向両側から挟むよ
   うにしてなる接極子ブロツクとを備え、接極子
   ブロツクの２個の磁性体片の接極部が電磁石ブ
   ロツクの内部磁極部と端部磁極部がつくる二つ
   の間隙に挿入されるようにして電磁石ブロツク
   内に接極子ブロツクが収納されており、かつ、
   接極子ブロツクが電磁石ブロツクの働きにより
   正逆方向に回動するように電磁石ブロツク内に
   回動支点が設けられている電磁石装置。 (2) ２個の磁性体片が同側端において永久磁石を
   挟む実用新案登録請求の範囲第１項記載の電磁
   石装置。