JPS5952064B2 - ゴムホ−ス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規なゴム材料で内層が形成された単層又は
二層以上からなるゴムホースに関し、特に自動車用燃料
ホース等に適用すると効果的なものである。

昨今の燃料回路系ホース、特に電子燃料噴射装置を備え
た燃料回路系に適用する自動車用燃料ホースは、内部を
流通するガソリンがエンジンの高温化又は内圧の増大に
伴い劣化しやすく、耐サワーガソリン性が要求される。

また、燃料ホースには燃料事情の悪化に伴う耐アルコー
ル添加ガソリン性（以下「耐カリホール性」という）の
向上、さらには大気汚染に対する法規制に伴う耐ガソリ
’ン透過性の向上が要求される等、従来に比して種々の
苛酷な条件下における諸性能が要求されている。このよ
うな諸性能を満たすゴム材料としてフッ素ゴムがある。

フッ素ゴムは、耐熱性、耐ガソリン性はもとより、耐サ
ワーガソリン性、耐カリホール性、耐ガソリン透過性等
に優れている。従つて、このフッ素ゴムが燃料ホーの内
層材料として脚光をあびてきているが、他方このフッ素
ゴムは常態物性等に劣り、さらには、他のＮＢＲ、、Ｃ
ＨＲ等の内層材料に比して１０〜２０倍と非常に高価で
あり、内層材料に用いると燃料ホース自体の製造コスト
が高くなる。本発明は上記にかんがみて、耐サワーガソ
リン性、耐カリホール性及び耐ガソリン透過性に優れし
かも常態物性も良好な内層を備えたゴムホースを提供す
ることを目的とする。

本発明の他の目的は、上記諸性能を有する内層を備えた
ゴムホースを安価に提供することにある。

’ 本発明は、α・β一不飽和ニトリル、共役ジエン及
びアクリル酸（又はメタクリル酸）フルオロアルキルの
三元共重合体ゴム、又はこの三元共重合体ゴムに塩化ビ
ニル系樹脂を混合したゴム組成物でゴムホースの内層を
形成することにより上記）目的を達成する。

以下、本発明のゴムホースを、図例に基づいて詳細に説
明する。

ここでは、第１図に示すような、内層］、編組補強糸層
２及び外層３からなる燃料ホースを例に採り説明するが
、これに限られることなく単層又は二層以上からなる種
々のゴムホースに本発明は適用可能である。

内層１は、α・β一不飽和二トリル、共役ジエン及びア
タリル酸（又はメタクリル酸）フルオロアルキルの三元
共重合体ゴム（以下［ＮＢＦ」と略す）、又はこのＮＢ
Ｆに塩化ビニル系樹脂（以下「ＰＶＣ」と略す）を混合
したゴム組成物で形成されている。

上記ＮＢＦにおける各成分の組成比率は、三成分の合計
モル数基準で、α・β一不飽和二トリル１５〜６０モル
％（好ましくは２５〜５０モル％）、共役ジエン１０〜
７５モル％（好ましくは３５〜６５モル％）、アクリル
酸（又はメタクリル酸）フルオロアルキル２〜５５モル
％（好ましくは５〜３０モル％）である。

ＮＢＦ中のα・β一不飽和二トリルの比率が１５モル％
未満では耐ガソリン性に劣り、６０モル％を超えると樹
脂状となり加工性に劣る。共役ジエンの比率が１０モル
％未満ではゴム弾性に劣り、加硫物の常態物性も悪化す
る。また、共役ジエンの比率が７５モル％を超えると耐
ガソリン性、耐カリホール性に劣る。アクリル酸（メタ
クリル酸）フルオロアルキルの比率が２モル％未満では
耐サワーガソリン性及び耐カリホール性に寄与せず、５
５モル％を超えると耐寒性に劣る。なお、このＮＢＦは
通常の乳化重合により製造することができる。上記α・
β一不飽和二トリルとしては、アクリルニトリル、α−
クロロアクリロニトリル、αフルオロアクリロニトリル
、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル等が例示で
きる。

共役ジエンとしては、１・３−ブタジエン、２−クロロ
−１・３−ブタジエン、２−メチル−１・３−ブタジエ
ン等が例示できる。アクリル酸（又はメタクリル酸）フ
ルオロアルキルとしては、アルキル基の炭素数が１〜２
０（好ましくは１〜１５）のもので、１・１−ジヒドロ
ペルフルオロプロピルアクリレート、１・１・５−トリ
ヒドロペルフルオロヘキシルアクリレート、１・１・２
・２−テトラヒドロペルフルオロプロピルアクリレート
、１・１・７ートリヒドロペルフルオロヘブチルアクリ
レート、１・１−ジヒドロペルフルオロオクチルノアク
リレート、１・１−ジヒドロペルフルオロデシルアクリ
レート及びそれらのメタクリレート等が例示できる。

このＮＢＦにおける三成分の最も好ましい組合せは、ア
クリロニトリルと１・３ブタジエンと１・１−ジヒドロ
ペルフルオロエチルアクリレート （又はメタクリレー
ト）又は１・１−ジヒドロペルフルオロプロピルアクリ
レート（又はメタクリレート）である。上記ＮＢＦと混
合するＰＶＣは、ポリ塩化ビニル又は塩化ビニルと酢酸
ビニル、エチレン、フ治ピレン、ブタジエン、スチレン
等との共重合体（通常塩化ビニル含量６０モル％以上、
好ましくは８０モル％以上）であり、好ましくは平均重
合度５００〜２０００のものを用いる。

ＰＶＣの配合量は、ＮＢＦ９７〜４０重量部に対して３
〜６０重量部である。３重量部未満ではＰＶＣ添加効果
が見られず、６０重量部を超えるとゴム的性質が低下す
る。

ＮＢＦにＰＶＣを混合する方法は、特に制限はないが、
ロールやバンバリミキサ一を用いて混練するか、又は液
中で分散混合した後共沈させる。上記ＮＢＦ又はＮＢＦ
にＰＶＣを混合した各ゴム材料には、通常使用される各
種副資材、例えば功一ボンブラツク、シリカ、金属酸化
物のような無機質充填剤やリグニンのような有機質充填
剤、軟化剤、可塑剤、酸化防止剤、着色剤等を適宜配合
し、さらに硫黄系、又は有機過酸化物等の加硫剤を適宜
加えて混練後、押出機にて内層１ （肉厚１．０〜２．
０ｍｍｔ）を押出し後、編組補強糸層２を形成し、接着
剤を塗布後、押出機により外層３を押出し成形する。

このとき、外層のゴム材料は特に限定されずＣＳＭ．Ｃ
Ｒ．ＣＨＲ等の合成ゴムを用いる。加硫条件は、温度１
４５〜１７０℃で３０〜９０ｍｉｎとする。こうして製
造されたゴムホースは、後述の実施例で示すように、耐
サワーガソリン性、耐カリホール性及び耐ガソリン透過
性に優れ、しかも常態物性も良好な内層を備えており、
さらに、フツ素ゴムのような高価なゴム材料を使用しな
いので安価に製造することができる。

以下、実施例を比較例とともに記載し、本発明の効果を
確認する。

実施例及び比較例の各試験片は、第１表に示す配合処方
のゴム材料を押出機を用いて外径９．５３×内径７．５
１の断面形状に押出し、１５０℃×３０ｍｉｎで加硫を
行ないチユーブを製造した。

このチユーブからタンペル型試験片を打ち抜き、各種物
性試験を下記方法により行なつた。第１表の脚注におけ
るＢＤはブタジエン、ＡＮはアクリロニトリル、ＦＥＡ
はｌ−ｌ−ジヒドロペルフルオロエチルアクリレートで
ある。“）常態物性 破断強さ （ＴＢ）、破断伸び（ＥＢ）及び硬さ（Ｈｓ
）についてＪＩＳ− Ｋ − ６３０１により測定した
。

（Ｂ）耐サワーガソリン性 ラウロイルパーオキサイド１Ｗｔ％含有の８０℃フユエ
ルＣ溶液に試験片（ＪＩＳ３号）を表示の時間（２４ｈ
単位）浸漬後、室温×２４ｈ放置→６０℃×２４ｈ減圧
乾燥した状態における破断強さ （ＴＢ）、破断伸び（
ＥＢ）及び亀裂発生伸び（Ｅ。

）についてＪＩＳ−Ｋ−６３０１により測定した。（Ｏ
耐亀裂成長性試験片（ＪＩＳＩ号）に４０ｍｍ間隔の
標線を付けその中央部に２０３ｍｍ幅の亀裂を入れ、適
当な器具により試験片に５０％の伸び（標線間６０ｍｍ
）を与え、この状態の試験片をフユエルＣに浸漬して試
験片が破断するまでの時間を測定した。

（自）伸張耐久疲労性 ２０ｍｍ間隔の標線を付けた試験片（ＪＩＳ３号）を、
標線間が０ 〜１００％伸張するように設定したデマチ
ヤ試験機に取り付けて、０ 〜１００％伸張を繰り返し
、試験片破断までの伸張往復回数を測定した。

（Ｅ）耐カリホール性 メタノール２０ｖ０１％含有の４０℃のガソリン溶液に
試験片（２０×２０×２ｍｍ）を表示の時間（２４ｈ単
位）浸漬後の体積増加率（△Ｖ）を測定した。

第２表の結果から、本発明のゴムホースの内層（実施例
１〜８）は、耐サワーガソリン性及び耐カリホール性に
優れ、常態物性もＮＢＲ等で形成した場合（比較例１〜
２）に比して余り低下していないことがわかる。

また、ＮＢＦにＰＶＣを混合した材料で内層を形成した
場合（実施例４〜８）は、同一のＮＢＦで形成した場合
（実施例２）に比して、破断強さやカリホール性がさら
に向上することがわかる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用したゴムホースの一例を示す斜視
図である。 １ ・・・・・・内層、２ ・・・・・・編組補強糸層
、３ ・・・・・・外層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ α・β−不飽和ニトリル、共役ジエン及びアクリル
   酸（又はメタクリル酸）フルオロアルキルの三元共重合
   体ゴムで内層が形成されていることを特徴とするゴムホ
   ース。 ２ α・β−不飽和ニトリル、共役ジエン及びアクリル
   酸（又はメタクリル酸）フルオロアルキルの三元共重合
   体ゴムに塩化ビニル系樹脂を混合したゴム組成物で内層
   が形成されていることを特徴とするゴムホース。