JPS595163Y2 - 分配型燃料噴射ポンプ用噴射時期制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は分配型燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置の改
良に関する。

従来の分配型燃料噴射ポンプのロードタイマ（負荷と回
転数に応じた噴射時期を得ることのできるタイマ）はス
タートレバと接するフライウェイトのスリーブにポンプ
室内油を低圧側に逃す油路を設けておき、コントロール
レバにより調整されるガバナスプリングの張り方と、機
関回転数に関連するフライウェイト変位により前記油路
の開度を制御し、機関の負荷と回転数に応じる噴射時期
を得ることができるようにしている。

以上のように構成されているため、加速のためコントロ
ールレバでガバナ又プリングの張り方を強くすると、コ
ントロールスリーブはプランジャ上で燃料増方向に変位
し、機関回転数は上昇する。

このときガバナスプリングの張り方が強くなるためフラ
イウェイトのスリーブはフライウェイトの変位力に抗し
スタートレバを介し押されスリーブに形成された油戻し
油路の開口面積は小となりポンプ室内油圧はコントロー
ルレバ位置に応じ上昇しタイマピストンは負荷にみあう
位置に変位し噴射時期が調整される。

上記のように負荷にみあう噴射時期となり機関回転数が
上昇するときには排気ガスの状態が悪化し特にＮＯｘの
発生量が急増するという欠点があった。

上記欠点を解消する方法としてタイマーピストンの応答
性を悪くする方法もあるが、タイマーピストンの応答性
を悪くすると上記加速時の排気ガス成分の悪化を防止で
きるが、減速時の応答も遅れ、機関性能が悪化するとい
う欠点もあった。

本考案は加速時初期の噴射時期の進み方を従来の噴射時
期制御装置に比べ遅らせ（最後は従来と同一の噴射時期
となる。

）加速時の排気ガス成分の悪化、ＮＯｘ発生量の急増を
防止し、更に減速時の応答性の悪化を防ぐことのできる
噴射時期調整装置を得ることを目的とする。

以下図面に従い本考案の一実施例を説明する。

図において、ポンプハウジング１には回転軸２か゛回動
自在に設けられている。

該回転軸２には端部に回転保合部３ａが形成され、該回
転係合部３ａはプランジャ４端部に形成された回転保合
部３ｂと係合している。

前記プランジャ４はハウジング１に形成した有底孔５に
油密に回動自在に嵌合し、端部には円板カム６が設けら
れている。

円板カム６はノ＼ウジング１に回動自在のローラホルダ
７に回転自在に設けられたローラ８と接しブランジャズ
プリング９と協動し回転軸１の回転によりプランジャ４
を回転往復動させる。

前記プランジャ４にはコントロールスリーブ１０が油密
回動自在に嵌合し、プランジャ４はコントロールスリー
ブ１０に開閉制御される孔４ａと軸方向通孔４ｂと円周
方向の通孔４Ｃとが設けられ、プランジャ４端部には機
関の気筒と同数の切欠きが設けられている。

該プランジャ４と前記有底孔５によりプランジャ室１１
が形成され、前記通孔４Ｃはハウジング１に形成された
各気筒と連通する通孔１２と各々の気筒への燃料供給時
に連通し、切欠き４ｄはプランジャ室１１への燃料の吸
込み時にポンプ室１３と連通孔１４に開口する。

前記コントロールスリーブ１０は孔４ａをポンプ室１３
に開口することで燃料噴射を終了させる。

前記コントロールスリーブ１０は支点１５でハウジング
１に回動自在とされたスタートレバ１６と連結し、該支
点１５にはテンションレバ１７も回動自在とされている
。

該テンションレバ１７はアイドルスプリング１８、ガバ
ナスプリング１９を介しコントロールレバ２０と連結し
、前記スタートレバ１６にはスタートスプリング２１が
取付けられ、該スタートスプリング２１はテンションレ
バ１７を押圧するよう構成されている。

スタートレバ１６はフライウェイト２２の変位を受ける
スリーブ２３と接し、フライウェイト２２は前記回転軸
２とギヤ２４を介し連結するフライウェイトホルダ２５
により回転力を受は変位する。

前記回転軸２には送油ポンプ２６が装着され、該送油ポ
ンプ２６はレギュレーティングバルブ２７により圧力を
調整された燃料油をポンプ室１３に送り込む。

前記スリーブ２３はハウジング１に設けられたスリーブ
ホルダ２８に嵌装変位自在とされ、前記スリーブ２３に
は通孔２９が設けられスリーブホルダ２８に設けられた
通路３０に連通自在とされ該通路３０は送油ポンプ２６
の吸入側２６ ａと連通している。

前記ローラホルダ７は連結軸３１でタイマーピストン３
２と連結し、ポンプ室１３はタイマーピストン３２に形
成されたオリフィス付通孔３３を介し作動室３４と連通
している。

タイマーピストン３２は送油ポンプ２６の吸入側２６
ａと連通ずる低圧室３５に配されたばね３６により作動
室３４側へ押圧され、ばね３６により最も作動室３４側
へ変位したとき最も噴射時期が遅れるようになっている
。

前記低圧室３５と送油ポンプ２６の吸入側２６ ａの間
にはオリフィス３７とチェックバルブ３８が並列に配さ
れ、該チェックバルブは作動油の低圧室３５から吸入側
２６ ａへの流れを遮断する方向で配されている。

次に上記構成の作動を説明する。

図において、プランジャ４は係合部３ａ、３ｂにより機
関回転に同期して回転し、ローラ８、円板カム６、ブラ
ンジャズプリング９により機関回転に同期して往復動す
る。

プランジャ４の機関回転に同期する回転往復動によりポ
ンプ室１３内の燃料は連通孔１４プランジヤ４の切欠き
４ｄを通リプランジャ室１１に吸入高圧とされ、通孔４
Ｃ１通孔１２を通り図示しない機関に供給され、孔４ａ
がコントロールスリーブ１０からずれポンプ室１３に開
口すると機関への燃料供給が終了する。

このコントロールスリーブ１０の位置はガバナスプリン
グ１９とフライウェイト２２の変位力により制御され機
関の状態に最適な量の燃料が機関に供給される。

ポンプ室１３内の燃料圧力は送油ポンプ２６とレギュレ
ーティングバルブ２７により調整された燃料圧力はオリ
フィスを持つ通路３３を介しタイマーピストン３２の作
動室３４に供給され、ばね３６とのつり合いでタイマー
ピストン３２は変位し回転に応じる噴射時期を得ること
ができる。

コントロールレバ２０を操作し噴射量を増加させるとス
リーブ２３はスタートレバ１６により押されスリーブ２
３の通路２９とスリーブホルダ２８の通路３０の連通が
遮断され、ポンプ室１３内の圧力が上昇シタイマーピス
トン３２はコントロールレバ２０の位置（負荷）に応す
る位置に変位し、負荷に応じる噴射時期を得ることがで
きる。

このとき、タイマーピストン３２の低圧室３５と送油ポ
ンプ２６の吸入側２６ ａとの間にオリフィス３７が設
けられているためタイマーピストン３２の動きはポンプ
室内の圧力上昇より遅れ噴射量を増にするときの噴射時
期の進み方が負荷の増加に対し加速初期に遅れ、加速時
の排気ガス成分の悪化、特にＮＯｘの増加を防止できる
。

機関回転数が低下しタイマーピストン３２がばね３６に
より変位するときにはチェックバルブ３８が開きタイマ
ーピストンの動きはオリフィス３７に影響されない。

以上のように本考案の噴射時期制御装置はオリフィスと
チェックバルブをタイマーピストンの低圧側に設けると
いう簡単な構成で機関回転上昇時の噴射時期の進み方を
遅らせ、機関回転低下時には従来と同様の進角特性を持
たせることができ機関回転上昇時の排気ガス成分特にＮ
Ｏｘの増加を防止でき公害防止上有効な考案である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す概略説明図である。 ４ニブランジヤ １０：コントロールスリーブ、１９：
ガバナスプリング、２２：フライウェイト、２６：送油
ポンプ、２６ａ：送油ポンプ吸入側、３２：タイマーピ
ストン、３５：低圧室、３７：オリフィス、３８：チェ
ックバルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関回転に同期して回転往復動するプランジャと、該プ
   ランジャに油密に滑動自在に嵌合するコントロールスリ
   ーブを持ちコントロールスリーブの位置をフライウェイ
   トの変位力とガバナスプリングにより調整し、機関回転
   数の変化によるほかフライウェイトの変位を受けてスタ
   ートレバーを押圧するスリーブに設けられた通孔よりス
   リーブホルダーの通路を介してポンプ室内の燃料を送油
   ポンプの吸入側へ流出させる前記通孔の流出面積を負荷
   に応じて制御することにより、前記プランジャの往復動
   タイミングをタイマーピストンで制御する分配型燃料噴
   射ポンプの噴射時期制御装置において、タイマーピスト
   ン低圧室と送油ポンプ吸入側の間にオリフィスとタイマ
   ーピストン低圧室から送油ポンプ吸入側への油の流れを
   遮断するチェックバルブを並列に設けたことを特徴とす
   る分配型燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置。