JPS6126597Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プランジヤに外嵌したスリーブを移
動することにより燃料噴射時期を調節可能な燃料
噴射装置に関する。

そして、本考案は上記の型式の装置において始
動時進角を可能にすることを目的とする。

以下本考案を図示実施例に基づき説明する。

第１図において、プランジヤ１には、プランジ
ヤ室９と燃料吸入室１０とを接続する軸方向孔８
および半径方向孔８ａが設けられ、かつプランジ
ヤ１が回転しないように二面巾１１が設けられて
おり、この二面巾はロアーシート１２と係合して
いる。また、プランジヤ１はシリンダー６，７お
よび制御スリーブ２と密に嵌合している。シリン
ダ６はボルト１３とナツト１４によつてハウジン
グ２４に締めつけられ、シリンダー７を燃料スピ
ル遮蔽部６ａで下方に押しつけている。制御スリ
ーブ２はプランジヤ１に対して回転及び上下動が
可能であり、噴射始め規定用リード３ａおよび噴
射終り規定用リード３ｂを有しており、スリーブ
調整ピン１５が密に嵌合する穴１６を有する。ス
リーブ調整ピン１５を有する中間スリーブ２５は
位置調整用穴１９を有しており、調整棒４の穴２
０と前記穴１９内に棒２６を入れて調整棒４と中
間スリーブ２５の位置を調整した後、両者（４，
２５）がスクリユー２１で固定される。

次に作動を説明する。図示されていないカムに
よつてタペツト２２がプランジヤスプリング５に
抗して上昇するとプランジヤ１が上昇し、第２図
のようにプランジヤ１の半径方向孔８ａが制御ス
リーブ２によつて閉じられると、プランジヤ室９
の燃料は加圧され、バルブ２３を押し上げ、図示
されていないノズルに送られる。プランジヤ１が
さらに上昇し、第３図のように半径方向孔８ａが
制御スリーブ２の噴射終り規定用リード３ｂにか
かると、プランジヤ室９の燃料はプランジヤ１の
各孔８，８ａを通つて燃料吸入室１０に放出さ
れ、燃料の圧送は終了する。

燃料噴射量の調節は、図示しないガバナにて調
整棒４をプランジヤ１の軸方向とは直角の方向に
動かすことにより制御スリーブ２を回動させ、プ
ランジヤ１の半径方向孔８ａと制御スリーブ２の
噴射終り規定用リード３ｂとの相対位置を変え、
燃料圧送ストロークを変えることにより行なう。

一方、噴射タイミングの調節は、調節棒４を回
動させることにより制御スリーブ２を上下動さ
せ、制御スリーブ２の噴射始め規定用リード３ａ
がプランジヤの半径方向孔８ａを閉じるタイミン
グを変更することによつて行なう。

次に、第４図によつて噴射時期調整機構につい
て説明する。ポンプカム軸と同期して回転するフ
ライウエイトの遠心力によつて連接棒３０は矢印
方向の推力を受け、連接棒３０と連結されたリン
ク３１は支点３２の回りに回動可能であり、リン
ク３１はスプリング３３によつて押棒３４を介し
て推力に対抗する力を与えられる。リンク３５は
支点３６の回りに回動可能であり、リンク３１の
長孔３１ａに嵌合したピン３７によつてリンク３
１と接続される。リンク３１の先端部３１ｂは、
ポンプ回転がある回転以上になるとカム３８と接
触するように配置されている。カム３８は支点３
９の回りに回動可能であり、スプリング４０によ
りストツパ４１側に押されており、リンク３１の
先端部３１ｂがカム３８と接触するとカム３８の
カム面３８ａはリンク４２のカム当接面４２ａと
当たるようになつている。リンク４２は支点３６
の回りに回動可能であり、このリンク４２とリン
ク３５の間には押棒４３によつて支持されたスプ
リング４４が配設されている。押棒４３はリンク
３５の押棒取り付片３５ａの穴に摺動可能に挿入
されており、リンク４２はリンク３５のストツパ
３５ｂによつてとめられている。中間スリーブ２
５に固定のピン４５はリンク４２の長孔４２ｂに
嵌合されている。なお、４６はリンク３１の回動
範囲に定めるストツパである。

次に、この機構の作動を説明する。ある回転ま
ではウエイトの推力はスプリング３３の初期荷重
より小さく、リンク３１，３５，４２は進角され
た位置のままで、このときには第５図のａ部の特
性が得られる。そして、ある回転以上になるとウ
エイト推力がスプリング３３の初期荷重に打ちか
つてリンク３１が反時計回りに回動し、リンク３
５とリンク４２は時計回りに回動し、これに伴い
ピン４５や中間スリーブ２５等を介して第１図の
制御スリーブ２が遅角側に動かされて第５図のｂ
部の特性が得られる。さらにポンプ回転が上昇す
るとリンク３１はさらに回動してその先端部３１
ｂがカム３８に当接するが、スプリング４０の初
期セツト荷重がウエイト推力よりも高いのでポン
プ回転が上昇してもしばらくの間は各リンク３
１，３５，４２は動かず、従つて第５図のｃ部の
特性が得られる。さらにポンプ回転が上昇する
と、ウエイト推力がスプリング４０の初期荷重に
打ちかちカム３８は時計回りに動き始めカム３８
のカム面３８ａがリンク４２のカム当接面４２ａ
と接触してリンク４２を反時計回りに動かすの
で、第１図の制御スリーブ２は再度進角側に動か
され、第５図のｄ部の特性が得られる。この際、
リンク３５はピン３７にてリンク３１と連結され
ているのでリンク４２とは逆向きに回動される。
そして、ポンプ回転の上昇に伴いリンク３１がさ
らに回動すると途中でリンク３１はストツパ４６
に当たり、従つて第５図のｅの特性が得られる。

以上の説明から明らかなように、本考案はプラ
ンジヤに嵌挿したスリーブをプランジヤ軸方向に
変位させて噴射時期を制御する型式の装置におい
て、始動時および高回転域では進角し低回転域で
遅角させることができ、従つて始動性向上、アイ
ドル騒音低減、出力向上が図られる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の一実施例を示すもの
で、第１図はポンプ部分の断面図、第２図および
第３図は作動説明に供する図、第４図は噴射時期
調整機構部分の斜視図、第５図は特性図である。 １……プランジヤ、２……制御スリーブ、８…
…軸方向孔、８ａ……半径方向孔、９……プラン
ジヤ室、１０……燃料吸入室、４２……リンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部にプランジヤ室及び燃料吸入室とを有する
   シリンダと、このシリンダ内に回動不能な状態で
   往復移動するよう配設されたプランジヤと、この
   プランジヤ内に形成され前記プランジヤ室と前記
   燃料吸入室とを連通する軸方向及び半径方向孔
   と、前記プランジヤ外周に前記プランジヤの軸方
   向及び周方向に移動可能に配設され噴射始め規定
   用リードと噴射終わり規定用リードとを有する制
   御スリーブと、この制御スリーブを前記プランジ
   ヤの周方向及び軸方向に変位させる調整棒と、こ
   の調整棒を内燃機関の回転に応じた変移に駆動す
   る噴射時期調整機構とを備え、前記噴射時期調整
   機構は内燃機関の回転数に応じて変移する連接棒
   と、この連接棒の移動を前記調整棒へ伝えるリン
   クとを有し、前記リンクは前記連接棒の変移が内
   燃機関の回転数増加に伴い所定位置になるまでは
   前記調整棒を噴射時期が遅れる方向へ変移させ、
   内燃機関の回転数が更に増加して前記連接棒が所
   定位置以上に変移した後は、前記調整棒を噴射時
   期が進む方向へ変移させるよう構成された内燃機
   関用燃料噴射装置。