JPS5951402B2 - ハニカム成型用ダイス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ハニカム成型用ダイス、特に複数の開孔を有
するスポーク支持体に対しスポークを介してハニカム部
材の各セルに対応した断面形状をもつ複数個のセル・ブ
ロックが保持されるハニカム成型用ダイスにおいて、上
記スポーク支持体のセル・ブロック側端面から上記開化
に通じる貫通孔をもうけると共に必要に応じて上記スポ
ーク支持体のセル・ブロック側端面と上記セル・ブロッ
クのスポーク支持体側端面とで被加工材溜を形成せしめ
るようにしたハニカム成型用ダイスに関するものである
。

そして更に押出し抵抗を増大せしめることなく、上記ス
ポーク支持体の機械的強度を充分高めうるようにしてダ
イスが非所望に彎曲されることを防止するようにしたハ
ニカム成型用ダイスに関するものである。

例えば第１図に図示する如き構造をもつ自動車用浄化装
置部材は押出し成型装置を用いて成型される。

この種の押出し成型装置は、一般に、シリンダと該シリ
ンダの一端に連結されたダイスとピストンやスクリュー
などの押出平段とをそなえ、上記浄化装置部材の材料例
えばセラミック坏土を上記押出手段により上記ダイス端
面に押圧供給して上記ダイスにより成型加工せしめる構
成をとっている。

第２図Ａ， Ｂ， Ｃはこの種の浄化装置部材などハニ
カム部材を押出し成型する押出し成型装置に用いられる
ハニカム成型用ダイスの従来例を示している。

ここで第２図Ａは当該ダイスをシリンダ側から見たとき
の拡大した平面図、第２図Ｂは当該ダイスを反対側から
見たときの拡大した底面図、第２図Ｃは第２図Ａおよび
第２図Ｂ図示Ｘ−Ｘ線による断面図を夫々示している。

第２図Ａ、 Ｂ、 Ｃにおいて、１はハニカム成型用
ダイス、２はセル・ブロックであり例えば゛第１図図示
のハニカム部材における単位セル６に対応した断面形状
をもつもの、３はスポーク支持体でありスポーク４を固
定的に保持するもの、４はスポークであり一端がセル・
ブロック２に固着されかつ他端がスポーク支持体３に嵌
着されているもの、５は開孔例えば円孔であり成型溝７
における交叉部に対向してもうけられたもの、７は成型
溝であり例えば第１図図示のハニカム部材の断面形。

状に対応した断面形状をもっているもの、８は上記スポ
ーク４が貫通される貫通孔を夫々表わしている。

第２図Ａ、 Ｂ、 Ｃ図示のハニカム成型用ダイスは通
常法のように処理されて製造される。

即ち（１）まず所定の長さのスポーク４を１端にもうけ
たセル・ブロック２を製造する。

またスポーク支持体３の予め定めた位置に、上記スポー
ク４が貫通されるための貫通孔８および開孔５を夫々穿
孔せしめる。

（２）そして例えばスポーク４の他端を上記スポーク支
持体３の貫通孔８に貫通せしめた状態で溶接を行ない、
スポーク４をスポーク支持体３に対して固定せしめる。

しかしこの種のハニカム成型用ダイスを製造するに当っ
て次のような問題点がある。

即ち、上記（２）の工程を実行する際、作業者は隣接す
るセル・ブロック２が所望の断面形状をもつ成型溝７を
形成する状態のもとてスポーク４をスポーク支持体３に
対して固定せしめなければならない。

このためダイスを製造する際における作業性が著しく低
下すると共に所望の断面形状をもつ成型溝７を得ること
が難かしかった。

また上記開孔５は成型溝７の例えば交叉部に対向する位
置にもうける必要があり、位置決めが面倒であった。

またこの種のハニカム成型用ダイスの場合、スポーク支
持体３の機械的強度を充分高めるためにスポーク支持体
３の厚さを充分大きくとっている。

しかし、開孔５の開口面積を充分大きくとることができ
ずしかもスポーク支持体３の厚さに比例して押出し抵抗
が増大するため、所望の機械的強度に維持された状態で
押出し抵抗を充分小さくとることが難かしかった。

本発明は上記の点を解決することを目的とし、所望の断
面形状をもつ成型溝を容易に得ることができしかもダイ
ス製造に当っての作業性を充分向上せしめることを目的
としている。

更に本発明はスポーク支持体を所望の機械的強度に維持
できしかも押出し抵抗を充分小さくとることができるよ
うにすることを目的としている。

以下第３図Ａ。Ｂを参照しつつ本発明を説明する。

第３図Ａ、 Ｂは本発明によるハニカム成型用ダイスの
一実施例を示し、第３図Ａは当該ダイスの側断面図、第
３図Ｂは当該ダイスをシリンダ側からみたときの平面図
を夫々示している。

第３図Ａ、 Ｂにおいて、９は断面形状が例えば正方形
のセル・ブロック、１０はスポーク支持体であり一方の
端面１０−１から開孔１１が穿孔されかつ他方の端面１
０−２から貫通孔１２が穿孔されているもの、１１は開
孔であり断面形状が例えば円で与えられるもの、１２は
貫通孔であり開孔１１と開口連結されているもの、１３
はスポークであり一端がスポーク支持体１０に固着され
（スポーク支持体１０と一体物であっても可）かつ他端
がセル・ブロック９に固着されているもの、１４はダイ
ス外周部、１５は隣接するセル・ブロック９により形成
される成型溝であり例えば第１図図示のハニカム部材の
断面形状に対応した断面形状をもつもの、１６はスポー
ク支持体１０の端面１０−２とセル・ブロック９の端面
９−１とダイス外周部１４の内周面とで形成された被加
工材溜を夫々表わしている。

第３図Ａ、 Ｂにおいて、開孔１１はスポーク支持体１
０の端面１０−１上の任意の位置に穿孔されている。

また開孔１１の断面面積を８１とし、１つの開孔１１に
対して開口連結される複数の貫通孔１２の総断面面積を
８２とし、被加工材溜１６の断面開口面積を８３とした
場合、開孔１１、貫通孔１２および被加工材溜１６はＳ
ｌ〉Ｓ２．Ｓ２〈Ｓ３なる不等式を満足するよう形成さ
れている。

本実施例のダイスは例えば次のような処理工程により製
造される。

即ち、（３）スポーク支持体１０に対応した１つのブ冶
ツクに対し、１方の端面１０−１上の任意の位置に開孔
１１を穿孔せしめると共に、他方の端面１０−２と開孔
１１の例えば底面との間に貫通（Ｌ１２を穿孔せしめる
。

この場合貫通孔１２はスポーク１３か１着される端面１
０−２箇所に交わらないよう穿孔される。

（４）そして上記の如く開孔１１および貫通孔１２がも
うけられたスポーク支持体１０の端面１〇−２に対し、
各スポーク１３の１端を所定の位置に固着せしめる。

（５）そして将来セル・ブロック９が形成される１つの
板状ブロックをすべてのスポーク１３の他端に固着せし
める。

（６）そして板状ブロックに予め定めた断面形状をもつ
成型溝１５を形成せしめる。

この形成処理は例えば放電加工処理などによって行なわ
れる。

（７）そしてスポーク支持体１０の外周にダイス外周部
１４をもうける。

こうして第３図Ａ、 Ｂ図示の如きハニカム成型用ダイ
スが製造される。

本実施例のダイスを用いて押出し成型処理を行なった場
合、被加工材は次のようにダイス内を通過してハニカム
部材に成型される。

即ち、（８）開孔１１内に押圧供給されてきた被加工材
は、貫通孔１２に絞られて流れ込む。

この場合各貫通（旧２の開口面積は開口１１の開口面積
に較べて充分小さくとられており、このため夫々の貫通
孔１２を通過する被加工材の押出速度は略均−になる。

（９）そしてスポーク支持体１０の端面１０−２まで到
達すると、被加工材溜１６内に拡大して流れ込み、被加
工材溜１６内に一旦溜められる。

（１０）そしてセル・ブロック９の端面９−１に到達す
ると、今度は絞られて成型溝１５内に流れ込み、所望の
断面形状をもつハニカム部材に成型される。

このように、開孔１１内に押圧供給されてきた被加工材
は貫通孔１２内に絞られて流れ込み、次に被加工材溜１
６内に拡大して流れ込んで一旦溜められた上で、成型溝
１５内に絞られて流れ込んでハニカム部材に成型される
。

従って成型溝１５をへて成型されるハニカム部材各部に
おける押出速度は均一になる。

即ち機械的強度が均一な／Ｓニカム部材を成型すること
ができる。

以上の如く、本発明によれば、スポーク支持体１０に貫
通孔１２をもうけると共に被加工材溜１６を積極的にも
うけるようにしたため、成型後のハニカム部材各部にお
ける押出速度を均一にすることができ堅牢なハニカム部
材を成型することができる。

また所望の断面形状をもつ成型溝を正確かつ容易に形成
することができると共に開孔１１を任意位置に穿孔でき
るため、ダイス製造の際における作業性を充分高めるこ
とができる。

また本発明の場合、従来の開孔５に較べて口径が充分大
きな開孔１１をもうけることができる。

このため開孔１１による押出抵抗はほとんど無視し得る
程度に小さなものとなり、スポーク支持体１０全体によ
る押出抵抗は貫通孔１２による押出抵抗に実質的に等し
いものとなる。

換言すれば、スポーク支持体１０が実質的に押圧力を受
ける箇所は貫通孔１２が存在する領域に限られる。

従ってスポーク支持体１０の機械的強度を充分高めしか
も押出し抵抗を充分小さくとることができる。

なお、本発明の場合、第１図図示の如き正方形状のセル
をもつハニカム部材を成型する場合のみに限定されるこ
とはなく、他に例えば正三角形、正六角形、正八角形、
円状なとの任意のセル断面形状をもつハニカム部材を成
型する場合にもセル・ブロックの形状を変えるだけで適
用できることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図はハニカム部材を説明するための説明図、第、２
図Ａ、 Ｂ、 Ｃは従来のハニカム成型用ダイスの一
例、第３図Ａ、 Ｂは本発明によるハニカム成型用ダ
イスの一実施例を夫々示す。 図中、９はセル・ブロック、１０はスポーク支持体、１
１は開孔、１２は貫通孔、１３はスポーク、１５は成型
溝、１６は被加工材溜を夫々表わす。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハニカム部材のセルに対応した断面形状をもつ複数
   個のセル・ブロックと該セル・ブロックに１端が固着さ
   れるスポークと該スポークの他端に位置されかつ上記ス
   ポークを固定的に保持するスポーク支持体とをそなえ、
   隣接するセル・、ブロックが上記ハニカム部材の断面形
   状に対応した成型溝を形成するよう構成されたハニカム
   成型用ダイスにおいて、上記スポーク支持体に、上記ス
   ポーク支持体の一方の端面から上記セル・ブロック側に
   向う方向に穿孔された複数の大口径の開孔と、上記スポ
   ーク支持体内に穿孔されかつ上記開孔に開口連結される
   複数の小口径の貫通孔とをもうけたことを特徴とするハ
   ニカム成型用ダイス。 ２ 上記スポーク支持体のセル・ブロック側端面と上記
   セル・ブ冶ツクの上記スポーク支持体側端面とで被加工
   材溜が形成されていることを特徴とする特許 型用ダイス。 ３ 上記開口は上記スポーク支持体の任意の位置に穿孔
   されていることを特徴とする上記特許請求の範囲第１項
   又は第２項記載のハニカム成型用ダイス。