JPS5950533B2 - 自動二輪車 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、カウリングによりパワーユニットを被包する
ようにした自動二輪車の改良に関する。

自動二輪車においては、車輌重量の僅かな軽重が加速性
能、運動性能等、種々の性能に大きな影響を及ぼすもの
であり、その軽量化には今まで色色な配慮が払われてき
たが、従来の自動二輪車の構成、即ち車体フレームを鋼
管または鋼板によりそれ自体で充分な実用強度を保有す
るように構成し、そのフレームにパワーユニットを搭載
するようにしたものでは、車輌重量の軽量化は既に略限
界に達しているといつても過言ではな＜、特にパワーユ
ニットを被包するカウリングを備える場合には重量増加
が苦慮される。そこで本発明は、車体フレームの少くと
も一部を薄板製カウリングより構成し、このカウリング
内にパワーユニットをそれが該カウリングの強度メンバ
ーとなるように収容固定して、車輌重量を従来のものに
比し大幅に軽減し得る自動二輪車を提供すると共に、前
記カウリングを利用してパワーユニットの放熱部を効果
的に冷却できるようにすることを目的とする。

以下、図面により本発明の一実施例について説明すると
、自動二輪車Ｍは、前端にヘッドパイプ１を有する車体
Ｂ、ヘッドパイプ１に操向軸２を介して転向自在に連結
されて前輪Ｗｆを支持するフロントフォークＦｆ、前記
車体Ｂ内部に収容固定されエンジンおよび変速機を含む
パワーユニットＰ、およびパワーユニットＰに枢支連結
されて自由端で後輪Ｗｒを両持ち式に軸支するリヤフォ
ークＲｆを主な構成要素としている。

車体Ｂは、ヘッドパイプ１に前端を固着して後方下向き
に延びる薄板製カウリンダ３と、その上部に跨設される
燃料タンクＴと、カウリング３の後端に分離可能に連結
されて後輪Ｗｒの上部を覆う断面チャンネル形のシート
ステーＳとよりなり、そのカウリング３は前面板３ａ、
左、右の側板３ｂ、３ｂ、天井板３Ｃ、および底板３ｄ
により、後面を開放した殻体に形成され全体として流線
形をなしており、パワーユニットＰはこのカウリング３
内にその後方より収納され、そしてカウノング３の強度
部材となるようにボルト等の固着部材により固定される
。

カウリング３の前面板３ａには空気入口４が、また両側
板３ｂ，３ｂに空気出口５がそれぞれ開設され、その内
部には、空気入口４と両空気出口５，５間を連通する二
股状通風路Ｄを形成するための気流誘導板６が設けられ
、この気流誘導板６はカウリング３の両側板３ｂ，３ｂ
を互いに連結する。

前記パワーユニットＰのエンジンは水冷式に構成され、
その放熱部であるラジエータＲが空気入口４に直面する
よう二股状通風路Ｄの分岐部に設置されると共に、この
ラジエータＲを介してカウリング３の左，右側板３ｂ，
３ｂ間が連結される。

その結果、ラジエータＲは、前記気流誘導板６と共にカ
ウリング３の剛性強化に役立つものである。而して、車
輌の走行中は、走行風の空気入口４に作用するラム圧効
果と両空気出口５，５に作用するエジエクタ効果との相
乗効果、並びに気流誘導板６による導風作用により、二
股状通風路Ｄに矢印のような大なる気流を生じ、それら
はラジエータＲの水管周囲を通過し、それらを効果的に
冷却することができる。

パワーユニットＰの左右両側壁には、リヤフォークＲｆ
の基端が枢軸］０により上下揺動自在に枢支され、その
枢軸１０と同軸線上にパワーユニットＰの出力軸が配設
してあり、それに固着した被動スプロケット１１と、後
輪Ｗｒのハブに固着した被動スプロケット１２間にチェ
ーン１３が張架される。

したがつて、パワーユニットＰの出力は、駆動スプロケ
ット１１．チェーン１３、被動スプロケット１２へと伝
達して後輪Ｗｒを駆動することができる。またリヤフォ
ークＲｆの枢軸１０と駆動スプロケット１１とが同軸配
置となつているので、リヤフォークＲｆの揺動時、チェ
ーン１３に緊張、弛緩を生じることがない。リヤフォー
クＲｆの左右両脚の中間部には後輪Ｗｒを跨ぐ二股形状
の突張リンク］４の基端が枢支され、このリンク１４と
先端部同士を軸着した揺動リンク１５が、パワーユニッ
トＰの後端に突設したステップブラケット１６に基端を
枢支され、この揺動リンク１５とカウリング３後端の取
付杆１８との間に唯一本の懸架ばね付緩衝器］７が介装
される。

したがつて、リヤフォークＲｆが上下に揺動すれば、突
張リンク１４を介して揺動リンク１５を前後に揺動させ
て緩衝器１７に伸縮動作を与え、それにより上記揺動運
動を緩衝することができる。尚、図中１９，２０は排気
管である。

以上のように本発明によれば、車体フレームの少なくと
も一部を薄板製カウリングより構成し、このカウリング
内パワーユニットを収容すると共ノにそのパワーユニッ
トをそれが該カウリングの強度メンバーとなるようにボ
ルト等の固着部材により固定したので、上記カウリング
の剛性をパワーユニットにより著しく向上させることが
できて、このカウリングを車体フレームの一部または全
部にそのまま代用することができ、従って従来のカウリ
ング付き自動二輪車に比べ車輌重量を大幅に軽減するこ
とができ、加速性能、運動性能など、種々の性能に優れ
た自動二輪車を提供することがで゛きる。

しかもパワーユニットがカウリングの強”度メンバーに
兼用されることから、カウリング補強のための構造を著
しく簡単化することができ、コストの低減に寄与し得る
。また、前記カウリングは前面および側面に空気入口お
よび出口をそれぞれ開口すると共にそれらの口を連通す
る通風路を内部に有し、その通風路に前記パワーユニッ
トの放熱部を配設したので、走行風の空気入口に対する
ラム圧効果および空気出口に対するエジエクタ効果によ
つて前記放熱部に多量の冷却風を供給して、その効果的
な冷却を図ることができる。

さらに前記実施例のように、、空気出口をカウリングの
左，右両側面に設けて内部の通風路を二股状に形成すれ
ば、冷却風に対するエジエクタ効果が倍加され、放熱部
への冷却風量をさらに増加させることができる。

また前記放熱部をラジエータとし、そのラジエータを介
してカウリングの左，右両側板間を連結すれば、例えば
車輌の横転時、ラジエータと他物との衝突をカウリング
で保護し、その損傷を防止できると共に、ラジエータに
よりカウリングの剛性を高めることができ、走行中のカ
ウリングの振動を防止し、操縦安定性が確保される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明自動二輪車の側面図、第２図はその１１
−１１線拡大断面図である。 Ｂ・・・・・・車体、Ｄ・・・・・・通風路、Ｍ・・・
・・・自動二輪車、Ｐ・・・・・・パワーユニット、Ｒ
・・・・・・ラジエータ、３・・・・・・カウリング、
３ａ・・・・・・前面板、３ｂ・・・・・・側板、４・
・・・・・空気入口、５・・・・・・空気出口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車体フレームの少なくとも一部を薄板製カウリング
   より構成し、このカウリング内にパワーユニットを収容
   すると共にそのパワーユニットをそれが該カウリングの
   強度メンバーとなるようにボルト等の固着部材により固
   定し、前記カウリングは前面および側面に空気入口およ
   び出口をそれぞれ開口すると共にそれらの口を連通する
   通風路を内部に有し、その通風路に前記パワーユニット
   の放熱部を配設してなる、自動二輪車。 ２ 前記空気出口を前記カウリングの左、右両側面に設
   けて前記通風路を二股状に形成した、特許請求の範囲第
   １項記載の自動二輪車。 ３ 前記放熱部をラジエータとし、そのラジエータを介
   して前記カウリングの左、右両側板間を連結した、特許
   請求の範囲第１項記載の自動二輪車。