JPS594852Y2 - 農用トラクタ後部の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、農用トラクタ後部に装備される異種作業機
を極めて簡単な要領をもって脱着交換することができる
ようにした構造に関する。

周知のように農用トラクタの後部にはトップリンク取付
ブラケットを座板と共に突設しこれをもってトップリン
クを連結することで昇降リンク機構を構成するのであり
、こうして耕耘ロータリ等の農用作業機を牽引装備する
ようにしである。

一方必要に応じバックホーに代える場合、前記リンク機
構をそのまま使用して装着すればよいのであるが同機構
はあくまでも耕耘装置等のために効果的に設計されてい
るから掘削作業をバックホーの支持としては強度的に不
充分でトラクタ側への取付個所が傷んだりする不都合が
生じることが多く、従って前記トップリンク取付ブラケ
ットと共に昇降リンク機構を取外し、此にバックホー専
用のブラケットを直結式として新たに備えつけることに
よってバックホーの固定枠を装着するように構成されて
いた。

従って上記交換方式のものでは、何れの作業機を構成す
るにせよ極めて交換作業が煩わしく手数をとるものであ
り、又製作上もブラケットが別個であるため却って高く
つき、更に別個であることにより、夫々装着された状態
での強度も充分得ることが難かしく夫々のブラケットを
大きくしておかねばならずコスト面・収納取扱上に不利
があった。

この考案は上記問題をを解決するために工夫されたもの
で、その目的とする処は、異種作業機を取付けるための
ブラケットを統合しこれを脱着することなしに簡易な要
領でもって作業機の脱着が行なえるようにした構造を提
供するにあり、従ってその特徴とするところは、後上部
に油圧装置を有するトラクタ機体の後方に、トップリン
クと左右１対のロアリンクとから成る昇降リンク機構を
介して作業機を装着し得るようにした農用トラクタにお
いて、トラクタ機体の後背端に取付基板を固着し、且つ
この取付基板の上部中央にトップリンクを取付けるため
のトップリンク取付ブラケットを設けると共に、取付基
板の左右両側にロアリンク枢着軸を下部に突設したロア
リンク取付ブラケットを設け、昇降リンク機構不要の別
作業種を取付は可能な固定枠の前部に前記ロアリンク取
付ブラケットに重合して着脱自在に取付けられる取着ブ
ラケットを設け、この取着ブラケットに取付は時にロア
リンク枢着軸に嵌合する切欠部を形成している点にある
。

以下、図示する具体例につき説明する。

第１図から第４図に示すものは農用Ｉ〜ラクタの機体１
後部にバックホー２と昇降リンク機構３つき耕耘ロータ
リ装置（図示省略）とを夫々別個に装着するものについ
ての一例である。

４は、トラクタの機体１に構成されたミッションケース
で同ケース４には、その上部を介して座席５つき油圧装
置６を乗数して該装置６の両脇に揺動自在なリフトアー
ム７を備え、一方間ケース４の下腹部には下端補強ブラ
ケット８が後向きに臨むべく固設されている。

こうして同ケース４の後背端に一つのブラケット組をボ
ルト固定するのであり、そのためミッションケース４と
下端補強ブラケット８の向背面に略々適応する形の共通
取付基板９を一つ用意してこの上部中央寄りの個所に左
右一対をなすトップリンク取付ブラケット１０．１０を
突設し、該ブラケット１０の上下段に夫々トップリンク
取付孔１１・・・を貫設しである。

このブラケット１０の両脇に対応すべく共通取付基板９
に縦列の固定用孔１２・・・を配設し又同基板９の下部
には、機体１からのＰＴＯ軸１３とその軸受盤を取出す
ために取出用孔１４と、前記下端補強ブラケット８に対
する螺着孔１５とが夫々形成されている。

これらの両脇に対応すべく左右一対の固定枠取付ブラケ
ット１６．１６（ロアリンク取付ブラケット）が突設さ
れ丁度共通取付基板９の外側縁全体に対応すべく縦長状
に固着されている。

同ブラケット１６の夫々上下端には、ピン孔１７．１７
が貫設され又ミッションケース４の下端付近に対応する
高さとして両脇張出状のロアリンク枢着軸１８が固着さ
れその夫々に２つのピン挿支孔１９，１９が内外位置と
して配備されている。

このように構成された異種ブラケツ）１０．１６つき共
通取付基板９を常時機体１後端に備えつけておき、バッ
クホー２或いは昇降リンク機構３つき耕耘装置を装着す
るのであり、これを以下各別に説明する。

即ち、バックホー２については前記固定枠取付ブラケッ
ト１６に第１固定枠２０、第２固定枠２１とを順次連結
することによってバックホ一本体２２を装着するのであ
り、具体的に第１固定枠２０については、前記共通取付
基板９よりも広巾状の第１固定枠本体２３と、同本体２
３の前面にあって各固定枠取付ブラケット１６の両脇に
嵌合しかつ対応配置された上下のピン孔１７，１７を介
するピン結合にて脱着自在に連結される第１取着ブラケ
ット２４、並びに同本体２３の後側面に広巾間隔として
縦設され自らの上端にビン孔１７を又一本通し状に溶接
した係着ロッド２５を下端に備えた第２取着ブラケット
２６とで一つの一体フレームを構成してあり、前面の第
１取着ブラケット２４にはロアリンク枢着軸１８に対応
する個所にこれとの当りを避けて組付けできるように切
欠部２７が形成されている。

又、第２固定枠２１については、前記本体２３と略々同
形の第２固定枠本体２８と、同本体２８の前面に第２取
着ブラケット２６内に嵌着しかつ自らの上端にビン孔１
７を又下端に前記係着ロッド２５と適合する係着口２９
を備えた第３取着ブラケット３０とを一体構成し、その
後側には同本体２Ｂの四隅を介して後向きに張出す伸縮
式支承フレーム３１が備えられている。

このフレーム３１は、第２固定枠本体２８からの固定側
ガイド筒３２と、同筒３２外に嵌合し自らの後端に一枚
板として備えた可動側支承板３３に固着された可動側進
退筒３４とを有し、該進退筒３４と固定側ガイド筒３２
の内部に油圧シリンダ３５を備えると共に、各進退筒３
４の上下両脇に対向させたローラブラケツ）−３６，３
６間に夫々ガイドローラ３７・・・を備えて内部の固定
側ガイド筒３２に遊転接支させることによって円滑な伸
縮動作が得られるものである。

更に前記可動側支承板３３自体の後部には、上下をなす
旋回軸受部３８．３８が突設され、この各軸受部３８を
介して縦軸回りに旋回する専用座席３９つきバックホ一
本体２２が枢着されている。

このために前記可動側進退筒３４の下部一対と該本体２
２間を旋回用シリンダ４０で連結し、又可動側支承板３
３の下端に備えた受台４１の両脇を介してアウトリガ−
４２を装備しこれを前記と共に前後に進退自在としであ
る。

これら図示シリンダは全て専用座席３９の一側に備えた
レバー系４３にて応動される。

尚、アウトリガ−４２のの前部のものとして機体１の前
端にはフロントローダ或いは排土装置等を附設しである
。

これらでなるバックホー２を取外し新たに耕耘装置用の
昇降リンク機構３が第２図及び第３図示の如く取付けら
れ、この際トップリンク取付ブラケット１０と固定枠取
付ブラケット１６とを併設した共通取付基板９は装着の
ままとする点が従来と全く相違するのであって、トップ
リンク取付ブラケット１０にトップリンク４４或いはト
ップリンク取付用の補助台枠（図示省略）が連結され、
又固定枠取付ブラケット１６のロアリンク枢着軸１８を
介してロアリンク４５及びこれに付属するチェックチェ
ーン４６が連結されリフトロッド４７を更に付加するこ
とで３点式の昇降リンク機構３が構成される。

以上詳述した本考案によれば、トラクタ機体１の後背端
に取付基板９を固着し、且つこの取付基板９の上部中央
にトップリンク４４を取付けるためのトップリンク取付
ブラケット１０を設けると共に、取付基板９の左右両側
にロアリンク枢着軸１８を下部に突設したロアリンク取
付ブラケット１６を設け、昇降リンク機構不要の重作業
機を取付は可能な固定枠２１の前部に前記ロアリンク取
付ブラケット１６に重合して着脱自在に取付けられる取
着ブラケット２４を設け、この取着ブラケット２４に取
付は時にロアリンク枢着軸１８に嵌合する切欠部２７を
形成しているので、取付基板９及び昇降リンク機構３を
介して耕耘ロータリ等の作業機と、取付基板９及び固定
枠２１を介して昇降リンク機構不要のバックホー等の重
作業機とを選択的に取付けることができ、しかも固定枠
２１はトップリンク及びロアリンク等によって形状が限
定されるものではないので、バックホー等の重作業機の
取付けに利用できる強度の高いものに構成することがで
き、固定枠２１の強度向上は前部に設けた取着ブラケッ
ト２４によっても実現されており、また、この取着ブラ
ケット２４の切欠部２７はロアリンク枢着軸１Ｂに係合
することにより、取付基板９に対する固定枠２１の着脱
を容易にし、且つ取付ブラケット１６が下部にロアリン
ク枢着軸１８を突設していてそれ自体がトラクタの後方
へ大きく突出していない形状のものであっても、切欠部
２７を形成することにより取着ブラケット２４を重合し
て強固に取付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一例をバックホー装着状態として示
す側面図、第２図は昇降リンク装着状態を示す側面図、
第３図は第１図の分解斜視図、第４図は伸縮式支承フレ
ームの構造を示す断面図である。 １・・・機体、２・・・バックホー ３・・・昇降リン
ク機構、９・・・共通取付基板、１０・・件ツブリンク
取付ブラケット、１６・・・固定枠取付ブラケット、２
０．２１・・・第１・第２固定枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後上部に油圧装置６を有するトラクタ機体１の後方に、
   トップリンク４４と左右１対のロアリンク４５とから成
   る昇降リンク機構３を介して作業機を装着し得るように
   した農用トラクタにおいて、トラクタ機体１の後背端に
   取付基板９を固着し、且つこの取付基板９の上部中央に
   トップリンク４４を取付けるためのトップリンク取付ブ
   ラケット１０を設けると共に、取付基板９の左右両側に
   ロアリンク枢着軸１８を下部に突設したロアリンク取付
   ブラケット１６を設け、昇降リンク機構不要の別作業種
   を取付は可能な固定枠２１の前部に前記ロアリンク取付
   ブラケット１６に重合して着脱自在に取付けられる取着
   ブラケット２４を設け、この取着ブラケット２４に取付
   は時にロアリンク枢着軸１Ｂに嵌合する切欠部２１を形
   成していることを特徴とする農用トラクタ後部の構造。