JPS5944234B2 - 転写方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、曲面、不規則形状面等の非平面へ印刷を施す
曲面転写方法に関する。

転写を行なうべき曲面印刷装置は、液、例えば水を貯え
る液槽と、この液槽内の液面上に、その液に対して可溶
性の薄膜の面上に転写すべきパターンを設けてなるパタ
ーン支持シートを浮かすように供給するパターン支持シ
ート送出し装置とを備えている。

この方式の装置で仄パターン支持シーＨち液面に接する
とその可溶性薄膜が転写に必要な程度液に部分的に溶解
し、転写すべきパターンが部分的に溶解した薄膜と共に
液面上に浮かぶから、液面上のこのパターンに向つて被
転写物をあてがい液中へ浸漬すると、液圧によつてパタ
ーンが被転写面に付着する。

したがつて、そのまま物品を液中から引上げ、薄膜を液
によつて洗い流すとパターンの転写が完了する。この転
写方式は被転写面が曲面、不規則形状面等の非平面であ
つても任意のパターンを付与できる点で有利であり、プ
ラスチック製掛時計ケース、テレビ、ラジオのキャビネ
ットなどの表面への転写に適している。

ところで、このような転写方式に使用されるパターン支
持シートのパターンは当該シートの全幅にわたつている
。

というのはパターン支持シートは、当該シート幅の幾倍
かの幅を有するシートにほぼ全幅にわたつてパターン印
刷し、しかる後当該シートをスリット操作することによ
つて得るからである。これはパターンの印刷効率の向上
を図るところから当然採られる手段であり、また転写作
業に際してシートの無駄をなくすようシートを適当な幅
に形成しておく必要があるというところからしても当然
採られる手段である。

一方、以上のようなシートのパターンを活性化するため
に従来はグラビア印刷機に類似した溶剤塗布装置が利用
されている。

すなわち、グラビアシリンダど圧胴とを設けて｝いてこ
れらの間にシートを通しつつ溶剤を塗布するのである。
ここで転写に供されるシートは上記の如くその全幅にわ
たつてパターンを有しているからその全面にわたつて溶
剤を塗布するためにはグラピアシリンダの版面（溶剤を
付着させるべき部分）の幅はシートの幅よりやや大きく
設定しておく必要がある。

シートのパターンにわたつて溶剤を塗布するのは、パタ
ーンの活性化に伴なうシートの変形度合を均一化するた
めと、転写に際して薄膜を膨潤させる場合その膨潤度合
に全パターンを追従させてパターンに変形を来すこ上が
ないようにするためである。従つて、上記溶剤塗布装置
にて上記の如き全幅にわたりパターンの附与されたシー
トに溶剤を塗布するとき、シートの両側からはみ出る版
面は圧胴にじ力Ｓに接触するので、溶剤が圧胴に転移し
、そこから溶剤がシートの裏面すなわち溶解液面に接触
させるべき薄膜面にまで到達する。

この現象は次のような不都合を生じる。

すなわち、シートを前記溶解液に送る間に存する各種ロ
ーラその他の部材に溶剤が付着してしまい、シートの円
滑なる供給を阻害することとなる。

また、なによりも有害なのはシートが溶解液面上に浮ん
だとき薄膜と溶解液との間が溶剤によつて遮断されるこ
とである。そのため転写に必要な薄膜の膨潤化が遅延し
、あるいは膨潤にむらが生じてパターンが歪み、あるい
は全く膨潤がなされなくなるのである。本発明は上記の
如き従来技術における欠陥を解消するために成されたも
ので、溶剤がシートの薄膜の裏面に付着するのを防止す
べく溶剤塗布装置の改良を図つてこれにより転写に支障
を来すことがないよう工夫してなるものである。

以下図面に基づいて本発明の望ましい実施例につき詳細
な説明を行なう。

曲面印刷装置は、例えば第１図に示すパターン支持シー
ト送出し装置Ａと、第２図に示す物品へのパターン転写
装置Ｂとから構成されている。

パターン支持シート送出し装置Ａへフレーム１０を有し
、このフレーム１０には、印刷パターン支持シートＳの
ロールＲを着脱自在かつ回転自在に支承する軸受１２が
設けられている。この軸受は、パターン支持シート貯蔵
装置を構成する。パターン支持シートＳは、例えば水溶
性のポリビニルアルコールからなる薄膜の一面に所望の
パターンを予め印刷したものからなる。この場合、薄膜
に印刷されているパターンは単色印刷されたものでもよ
いが、好ましくは多色印刷されたものである。前記ロー
ルＲは、そのシートＳの一面にパターンが印刷されてお
り、このロールＲから、シートＳはガイドロール１４，
１６を経て引出される。

ガイドロール１６の次に頃溶剤塗布装置１８が設けられ
て｝り、シートＳはこの装置１８を通される。溶剤塗布
装置は、モータＭによりチエーン２０を介して駆動され
る版胴２２と、この版胴２２の上に接する圧胴２４と、
版胴２２の外周面に溶剤を塗布するように版胴２２の下
部を浸漬させる溶剤を留める液パン２６と、ドクターブ
レード２８とから構成されている。版胴２２の回転につ
れて、液パン２６内の溶剤は、ドクタープレード２８に
よりならされて版胴２２の全外周面に均一な厚さで塗布
され、印刷パターン支持ν一トＳのパターン印刷面に施
される。これによつて、シートＳの面に施されたパター
ンを構成するインキ（顔料および樹脂）は、溶剤により
溶けて流れ出すには到らない程度に部分的に溶解して活
性化さへ印刷直後のように粘着性をもつたものとなる。
なお、版胴２２は単に溶剤を施すために用いてもよいが
、シートＳの予め印刷されている印刷パターンにさらに
他の色のグラビアコートを施しかつ活性化するために用
いることもできる。以上のように溶剤を施されて活性化
したパターンをもつシートＳは、さらに反転ロール３０
およびガイドロール３２を経て先へ送られる。

反転ロール３０を過ぎると、シートＳのパターンはシー
トの上面に位置するようになる。シートＳは、さらに先
へ送られパターン転写装置Ｂに至る。

第２図に示すように、パターン転写装置Ｂは液槽３４を
備えている。

この液槽３４は、シートＳの送り方向に長く形成されて
おり、内部に溶解液を貯えている。液槽３４のパターン
支持シート送出し装置Ａに最も近い端部には、液流発生
装置（図示せず）が設けられている。この液流発生装置
は、図示しないポンプに接続され、液槽３４の幅方向に
設けたスリツトから液が整流となつて送り出されるよう
に構成されている。したがつて、液槽３４内の液の表面
には常に矢印方向に流れが生じている。デリベリプレー
ト３６によつて案内されつつ下降するパターン支持シー
トＳは、第２図に示すように、液槽３４内の液面上に送
り込まへ液面に浮上しつつ流される。

このように液流によつて流されるにつれて、シートＳを
構成する例えばポリビニルアルコール等の水溶性薄膜は
漸次水等の液に溶けて膨潤し半溶解状態になるとともに
、この半溶解状態の薄膜により支持された状態でパター
ンが液面上に浮くようになる。この状態は、第２図に卦
いてシートＳがＳ１で示す位置へ達した時に得られる。
したがつて、Ｓ１で示す位置で液面上に浮いているパタ
ーンへ向つて矢印Ｙで示すように、曲面または不規則面
などの非平面を有する被転写物である物品Ｅを下方へ向
つて液中へ押下げると、液面に接する瞬間にＷＩ：ＪＥ
の面に付着したパターンは、物品が液中に入つて液圧が
作用することにより、物品の面に押しつけら八活性化し
ているパターンの粘着力により物品面に接着転写される
。したがつて、物品Ｅを液中から引上げて洗浄し、薄膜
を流しとると、転写が完了する。なお、図において３８
はパターン支持シート持上げ部材であつて、液槽３４の
まわりを循環するように設けられている。そして、個々
の持ち上げ部材はカム４０によつて一時的に持ち上げら
れ、これによつて位置Ｓ１が画定される。これは位置Ｓ
ｌＶＣおいてシートＳに向つて物品Ｅを押し上げるとき
液面に浮いているパターンが液中に押込まれることに関
連して、可溶性薄膜が不充分にしか液に溶けていないシ
ート部分が下流側へ向つて引張られて、上流側で液面に
浮いているシートに乱れが生じることがないようにする
ためである。また、前記シートＳが溶剤塗布工程を経た
後、液槽に至るまでの間、すなわちパターン面が活性化
している間では他の部材に接触してはならないが、その
ため図示の如く、サクシヨンロール４２，４４が前記シ
ートＳの走行途上に設けられている。サクシヨンロール
４４はモータＭにより強制駆動される溶剤塗布装置１８
から液槽３４にまで至る間のシートＳに一定の張力を付
与して送給を適正化するもので、好ましくは当該装置１
８ＶＣよるシートＳの走行速度よりも少し大きな周速を
与えられシートのパターン面と反対側の面と接触しかつ
スリツプしつつ回転する。ここで、前記溶剤塗布装置１
８によるインキ又は溶剤の塗布工程においては、前述の
如く当該溶剤をシート全幅にわたつて塗布する必要があ
る一方、当該溶剤がシートの薄膜裏面にまわり込まない
ようにする必要がある力＼本発明においては次のように
工夫してこれを達成している。

すなわち、溶剤塗布装置による活性化溶剤の塗布は、シ
ートの流れ方向に沿う両側部Ｃを残してそれよりも内方
部分に圧力をかけつつ行なうのである。

この具体的手段は第３図及び第４図でさらに詳細に示さ
れている。図ＶＣ訃いて圧胴２４はグラビアシリンダ２
２よりも短く形成され、シートＳの幅はこれらシリンダ
と圧胴０長さの中間的寸法を有している。

しかも、シリンダの版面２３の幅はシートＳの幅よりも
やや大きくなるよう設定されている。また、圧胴２４の
幅はシートにかける張力の大きさ、シートの向き、印圧
、印刷速度、溶剤の粘度、ドクタ圧等を考慮して定めら
れる。

この結果、あらかじめパターンが印刷された薄膜がシリ
ンゾ２２と圧胴２４とにより印圧を負荷されると第４図
示の如くシート両側部Ｃは圧胴２４側にやや反り返り、
シリンダの版表面２３に付着している溶剤は薄膜の裏面
さらには圧胴表面には到達しないこととなり、上記の如
くシート両側部Ｃは反り返つたとしても極端な反り返り
ではなくその反り返つた薄膜面にも溶剤は付着する。

な訃、上記シート両側部Ｃの反り返りは主としての如き
サクシヨンロール４２，４４ＶＣよるシートの引張りに
よつて引き起されるものと考えられる。またシリンダど
圧胴との間を出た後シートはロール３０により上方に引
張り上げられることによつても助長される。な｝、前記
圧胴はグラビアシリン″ダと同長に形成し、上記シート
の両側部に対向する部分に段差もしくはテーパを設けて
シートを加圧しないようにしてもよい（図示せず）。

さて、本発明は以上のように活性化溶剤の印刷をシート
の流れ方向に沿う両側部を残しそれよりも内方部分に圧
力をかけつつ行なうことを特徴とするので、溶剤やイン
キはシートの裏面すなわち薄膜面に付着することがなく
、しかもシート全幅にわたり溶剤を塗布できるのである
。

従つて、本発明によれば溶剤等が裏面に付着することに
よる弊害すなわち、シートＳの走行が溶剤等の各種ロー
ル３０，３２，４２，４４表面への粘着により妨害され
ること、サクシヨンロール４２，４４の吸引口が溶剤等
に塞がれシートの円滑なる走給が妨げられること、溶解
液面上での薄膜の膨潤がシート裏面に付着した溶剤等に
より妨害され転写に支障を来すこと等が未然に防止され
るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は曲面転写装置の一例を示すもので、
第１図はそのうちのパターン支持シート送出装置を示す
斜視図、第２図は被転写物へのパターン転写装置を示す
斜視図である。 第３図、第４図は本発明を実施するための上記装置内に
おける溶剤塗布装置を示し、第３図はその平面図、第４
図は正面図である。Ａ・・・・・・・・・シート送出し
装鳳 Ｂ・・・・・・・・・パターン転写装置、Ｓ・・
・・・・・・・パターン支持シート、Ｃ・・・・・・・
・・パターン支持シートの走行方向に沿う両側部、２２
・・・・・・・・・グラビアシリンダ、２３・・・・・
・・・・版面、２４・・・・・・・・・圧胴、２６・・
・・・・・・・パン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 薄膜の一面にパターンをあらかじめ印刷してなるパ
   ターン支持シートを走行させつつ当該パターンにそのイ
   ンキの活性化溶剤を塗布し、次いでパターン支持シート
   を上記薄膜の溶解液の液面に送給して当該薄膜を膨潤せ
   しめ、しかる後当該膨潤した薄膜に被転写物をあてがつ
   てパターンを被転写物に転写する転写方法において、上
   記所望のパターンへの活性化溶剤の塗布はシートの流れ
   方向に沿う両側部を残してそれよりも内方部分に圧力を
   かけつつ行なうことを特徴とする転写方法。 ２ 前記圧力の負荷はグラビアシリンダと前記シートの
   幅よりも短い圧胴とによつて行なう特許請求の範囲第１
   項記載の転写方法。