JP2020075756A - 円筒形状物への転写印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 接着層を被せた画像の水転写手法で、円筒形状物側面全周に画像を転写するのは難しかった。手作業での転写では円筒形状物全周に水転写紙を密着させるのが難しい上、空気を挟んだり、位置ずれしたり、画像のゆがみなどの問題が出ていた。【解決手段】 水転写紙の形状復元力が働く前の水転写紙巻き付けの途中段階から水分を付与し始めることで、円筒形状物側面全周に容易に水転写紙を巻き付けられるようになった。転写装置を用いて水分付与と加圧の繰り返しで、円すい形物品や、三次曲面を持つ物品であっても全周印刷を可能に出来た。【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
本発明は、円筒形状物側面の転写印刷方法と、その転写印刷装置に関する。
円筒形状の容器やペン軸などの印刷は古くから、ゴム凸版印刷、スクリーン印刷、ホットスタンプなどのアナログ印刷で行われてきた。円筒形状物を回転自在の二列のローラーに載せてスクリーン印刷版やホットスタンプ転写箔の下方で回転水平移動させながら画像を形成する手法である。スクリーン印刷はインクを用いた直接印刷であり、ホットスタンプは画像印刷済のフィルムを用いた転写印刷である。近年は、デジタル方式のインクジェット印刷でも円筒形状物へ直接印刷されるようになった。
水転写手法は、皿やタイルなどの陶磁器に画像を転写する手法として広く用いられてきた。表面に塗布したデキストリンなどの水溶性層の上にスクリーン印刷などで画像を形成した後で水転写紙を水中に沈め、水溶性層が溶けかけたところで陶磁器と合わせて引き揚げ、画像を陶磁器の上に残して水転写紙をスライド除去する手法である。水溶性層が溶けて水転写紙から遊離した画像は陶磁器としっかりとは密着していないので、画像をゆがめたり傷付けたりしないよう、除去前の水転写紙には圧力をかけない。ポスターなどを窓ガラスに貼る時に空気を挟まない技法としてガラスに液体をかけておく水貼り技法が知られているが、同様に濡れた状態での転写作業(以下、これを湿式接着方法と呼ぶ)なので、空気を挟む問題は起こり難い。
この水転写紙を用いた転写方式として近年登場してきたのが、水転写紙の表面にトナー画像を形成し、その後で接着剤を塗布して金属板や陶磁器等に重ねて、ヘラ等で圧着した後、該水転写紙の裏面から水を含ませて剥離する手法である(特許文献1参照)。接着剤は刷毛やスポンジ等の塗布具で塗布し、トナー画像からはみ出した接着剤は、アルコール水溶液を含ませた綿布等で除去する手法である。この手法で、円筒側面への転写印刷は可能である。この類の転写では、水転写紙を被転写体に圧着させる時は水に濡れていない状態の転写方法(乾式接着方法と呼ぶ)であり、水分は圧着後の剥離目的で付与される。
さらには、水転写紙上の画像にインクジェットプリンタで接着膜層を被せて被印刷物に非加熱圧着させた後、転写シートに水分を付与してベースシートを剥離除去する乾式接着の画像転写手法が提案されている(特許文献2参照)。そこには、円筒側面への湿式転写方法も記載されている。円筒形状物を水転写紙の上で転がして転写作業をするので、接着層の初期接着力は、この接着インク程度の微弱なレベルでも良いとされている。事前に水分を付与して画像を剥離状態にしてあることで可能になる転写手法である。
特開2013−039822 公報 特許6074563号 公報
前述した画像印刷済フィルムを用いたホットスタンプによる円筒形状物への転写印刷は画像作成がアナログ方式であり、小ロット印刷ではフィルム代が割高になり、フィルム作成納期がかかるなどの点で適していない。又、高温加熱が必要で、耐熱性の無い素材には適用できない。デジタル方式のインクジェットは直接印刷であり、ヘッド往復毎の円筒形状物ステップ送りなので印刷速度が遅い。
特許文献1の画像作成はデジタル方式であって、転写印刷は加熱せずに出来る。ただし、塗布した接着剤で円筒形状物側面に巻きつけることは簡単ではない。円筒形状物側面に巻きつけるには、水転写紙ベースシートの平面に戻ろうとする力(以下、形状復元力と呼ぶ)に打ち勝つだけの接着力が要る。乾燥状態の接着剤をアルコール塗布によって活性化して粘着力を得るこの手法ではアルコールの塗布量管理が必要であり、塗布量が少な過ぎても過度に塗布させても粘着力は不十分になる。さらには、転写後にトナー画像からはみ出した接着剤をアルコール水溶液で除去しなければいけないこの手法では、接着剤を画像の無い部分には塗布したくない。その結果、接着剤塗布面積が小さくなるので、上記の必要な接着力が不足したりし易い。特に側面全周への画像転写は難しい。又、湿式接着方法の水貼りではないので、画像の下に空気を挟む問題が起こり易い。
特許文献2の手法でも、接着膜層はインクジェットプリンタで吐き出されるインクから形成されるで、その初期接着力は大きくなく、側面全周への画像転写は難しい。湿式接着方法ではないので、画像の下に空気を挟む問題が起こり易いのも同様である。なお、同文献に記載されている円筒形状物への湿式接着手法は剥離レベル管理が難しい。水を与え過ぎると画像が円筒形状物と一緒に流れ易く、容易にゆがんだりする。画像が付着し始める回転のスタート地点(以下、0サイクル地点と呼ぶ)から円筒形状物の一回転(以下、ワンサイクルと呼ぶ)を終えるまで、水浸しの水転写紙上で円筒形状物を滑らずに転がすのは難しい。
本発明で言う円筒形状物とは、完全な円筒形物品だけでなく、円すい形や部分的に外径の異なる場所のある三次曲面を持つ物品も含めた範囲の物を意味している。特許文献1、及び2の手法はともに、部分的な小さな画像なら円すい形物側面への転写は可能である。しかし、外径の異なる場所のある三次曲面を持つ物品への大きな画像転写は不可能である。特許文献2に記載の湿式接着手法は、平らに広げた水転写紙の上で円筒形物品を転がす手法なので曲面転写は不可能である。
本発明は、円筒形状物側面への転写において、水転写紙上に形成される接着層から得られる接着力が弱くても水転写紙ベースが円筒形状物側面から離れず、円筒形状物側面全周に画像転写が非加熱で容易に出来る方法と、転写装置を提供することを目的としたものである。
本発明は、上記目的を達成するために、円筒形状物を保持して回転できる保持部と、水転写紙を円筒形状物側面へ圧着させながら回転できる加圧部と、円筒形状物を挟んで前記加圧部に対向する側にある再加圧部と、前記加圧部と前記再加圧部との間にあって円筒形状物側面に付着した水転写紙に水分を付与できる給水部と、を備えた輪転式転写装置を用いて、表側の水溶性層上に画像、接着膜層の順に二層を形成した水転写紙を円筒形状物側面へ圧着回転させながら画像を転写する方法において、前記加圧部で水転写紙の円筒形状物側面への圧着送りが開始されてから回転を続けて該加圧部で二回目の加圧をされないよう前記再加圧部から出てきた該水転写紙を円筒形状物側面から捲りあげて除去して行く、ことを特徴とする円筒形状物側面への画像転写方法を採用したものである。
また、第二の課題解決手段は、第一の課題解決手段において、円筒形状物を保持して回転できる保持部と、水転写紙を円筒形状物側面へ圧着させながら回転できる加圧部と、円筒形状物を挟んで前記加圧部に対向する側にある再加圧部と、前記加圧部と前記再加圧部との間にあって円筒形状物側面に付着した水転写紙に水分を付与できる給水部と、を備えた輪転式転写装置を用いて、表側の水溶性層上に画像、接着膜層の順に二層を形成した水転写紙を円筒形状物側面へ圧着回転させながら画像を転写する方法において、前記加圧部で水転写紙の円筒形状物側面への圧着送りが開始されてから回転を続けて該水転写紙の後端が少なくとも前記給水部を通過する地点まで回転を続けた以降に水転写紙を円筒形状物側面から除去することを特徴とする円筒形状物側面への画像転写方法を採用したものである。
第三の課題解決手段は、第一、及び第二の課題解決手段において、円筒形状物を前記保持部にセットする前に、転写後の画像が円筒形状物側面の目的の位置に転写されるように、画像、接着膜層の順に二層を形成した水転写紙先端を円筒形状物側面に貼りつけておく手法を採用したものである。
第四の課題解決手段は、第一〜第三の課題解決手段において、円筒形状物を前記保持部にセットした後の該円筒形状物回転開始前、又は回転中の少なくとも一方で該円筒形状物側面に溶剤を吹きかける手法を採用したものである。
第五の課題解決手段は、第一〜第四の課題解決手段において、前記再加圧部の回転体を加熱しておくか、又は該再加圧部の後方であってワンサイクルのスタート地点である加圧部から後方1/2〜3/4サイクルの間の地点に加熱部を設けるかの少なくとも一方の手段で、回転しながら円筒形状物側面に貼り付いた水転写紙背面を加熱する手法を採用したものである。
第六の課題解決手段は、円筒形状物を保持して回転できる保持部と、水転写紙を円筒形状物側面へ圧着させながら回転できる加圧部と、円筒形状物を挟んで該加圧部に対向する側にある再加圧部と、前記加圧部と前記再加圧部との間にあって円筒形状物側面に付着した水転写紙に水分を付与できる給水部と、円筒形状物や装置の回転体を回転させるための回転駆動部と、を備えた円筒形状物側面への輪転式画像転写装置であって、給水部の水転写紙への給水手段が、吸水性素材を表面に持つローラーかベルトを備えて水転写紙に接触回転しながら水分を付与するか、又は散水などの非接触手法で水転写紙に水を吹きかけるかのいずれかの給水手段であることを特徴とする円筒形状物側面への輪転式画像転写装置を提供する。
第七の課題解決手段は、第六の課題解決手段において、回転可能な前記保持部にセットされた円筒形状物に向かって、回転開始前、又は回転中の少なくとも一方で円筒形状物側面に溶剤を吹きかけることが可能な溶剤塗布部を備えていることを特徴とする輪転式転写装置提供する。
第八の課題解決手段は、第六、または第七の課題解決手段において、前記再加圧部の円筒形状物を加圧する回転体を加熱する手段か、又は該再加圧部の後方であってワンサイクルのスタート地点である加圧部から後方1/2〜3/4サイクル地点に円筒形状物側面を加熱する加熱部かの少なくとも一方を備えていることを特徴とする輪転式転写装置提供する。
上記第一の課題解決手段による作用は、次の通りである。水転写紙上の画像は、インクジェットプリンタやレーザープリンタなどのデジタル方式で作成出来る。
接着膜層側を円筒形状物側面に向け水転写紙先端から圧着して行き、水転写紙が大きく湾曲する前に、貼り付いた先端から給水して水転写紙の形状復元力を早めに除去するので、乾式接着方法だが、弱い接着力でも容易に円筒形状物側面に水転写紙を巻き付けられる。加圧部でワンサイクルがスタートしてから、スタート地点の対向側の1/2サイクル地点までの間で、給水部による水転写紙への給水が始まる。
画像の位置出しは、水転写紙を円筒形状物側面に乾式接着させる方法なので、濡れた滑りやすい水転写紙を円筒側面に配置するよりはるかに容易である。又、水分供給の一定化と同期回転送りによって回転時に水転写紙が円筒側面上で滑る問題が抑えられるので、全周歪み無く画像が転写される。
加圧部のある0サイクル地点で始まる乾式接着によって接着層と被転写体との間に空気が閉じ込められ、転写された画像表面に微細な凹凸が現れることがある。これを解消するのが再加圧部である。水で膨潤軟化した水転写紙を加圧すると空気が追い出され円筒形状物側との密着度がより高まる効果が得られる。本発明は転写装置を使っての同期回転なので滑りによる画像ゆがみの心配は無い。この再加圧工程は、被転写体の若干の凹凸形状に画像を追随させるのにも有効に働く。この効果については、第二の課題解決手段に記すのでここでは省略する。
給水手段としては、吸水性素材を被せたローラーを水転写紙に接触回転させる他、散水などの非接触手段も採れる。円すい形物品の転写は、わずかなテーパーであれば、通常の円筒形ローラーを用いた転写装置で転写することも出来る。形状への追随は、柔軟性のある回転体を採用して吸収させる。円すい形物品の上下での外径差は側面の周速差を生み出すので、接触する円筒形のローラーやベルト素材があれば、両者の間で滑らなければならない場所が出る。これは、間に剥離シートなどを挟んで滑らせながら送ると、貼り付けた水転写紙がずれないよう働く。
上記第二の課題解決手段による作用は、転写装置で複数サイクルの回転をさせてから円筒形状物を取り出すなら、水転写紙と円筒形状物側との密着度がより高まることである。水転写紙の後端が給水部を通過して出てくる地点まで回転して取り出すなら、転写装置の速度に合わせて水転写紙を剥がして行く管理が不要になり、転写装置から円筒形状物を取り出してからゆっくり剥がす作業が出来る。水転写紙の後端がさらに再加圧部まで通過して取り出すせば密着度がより高まる。水転写紙先端を画像の先端と合わせてカットしておけば、その先端が再び0サイクル地点を通過しても、水転写紙後端画像が付着する妨げにはならない。
円筒形状物側面に凹凸の段差あった時にも水転写紙との密着を確実にするためには、濡れた水転写紙の加圧を繰り返す複数サイクル回転が効果を発揮する。給水部の後方の再加圧部なら水分を含んで少しふやけた水転写紙なので、ローラーやベルトの柔軟性素材で段差にも押しこみ易い。回転を続けて、円筒形状物側面へ巻き付けたままの水転写紙を、加圧部〜再加圧部と複数回くぐらせることはさらに有効である。
例えば円筒形状物底近くで外周が帯状に膨らんでいて(以下、帯状凸部)、最下端部は萎んでいる場合などである。この場合は、再加圧部を設けても水転写紙は末広がりになったまま最下端部では空中に浮いてしまうことがある。対策として、帯状凸部に掛かる画像形成前の水転写紙部分に多数の針穴を開けておくとか、帯状凸部に掛かる水転写紙部分にカッター刃で多列のカットすじを入れるとかの手法でベース紙に柔軟性を与えておく手法が薦められる。この水転写紙に本課題解決手段の回転をさせると、最初の一回転目で帯状凸部の麓部分は水転写紙が浮き上がっていても、複数回転を続ければベース紙が膨潤して縦横方向に伸びて来るのでやがて麓部分でも水転写紙が円筒形状物側面に密着する。凸部高さが高過ぎなければ最終的には画像が繋がる効果が得られる。
上記第三の課題解決手段による作用は、転写画像の円筒形状物に対する位置合わせが容易になることである。水転写紙画像位置を考慮しながら、保持部の上で回転する円筒形状物をめがけて投入するのは至難の業である。円すい形テーパ―がある場合の画像は扇型になっており、角度を合わせての水転写紙投入は不可能である。これに対して、保持部にセットする前の円筒形状物側面に水転写紙先端を貼りつけておく作業なら、作業テーブルの上で出来る。作業テーブル上に画像見本と円すい形物品位置出しガイドを設置しておけば、画像が扇型になっていても、水転写紙先端を画像位置を考慮しながら正確に貼りつけることは難しくない。帯状に貼りつけておく水転写紙先端の面積は、水転写紙全体がA4かA3サイズなら、紙先端幅×1cm程度よい。水転写紙先端に画像が無くても、この帯状の先端には接着剤層を形成しておく。余分な場所に転写された接着剤層は後でアルコールなどで除去できる。
上記第四の課題解決手段による作用は、乾燥が進んで粘着力が不十分になっている接着層に、再び粘着力を復活させられることである。水転写紙に向かって直接吹きかけるのは場所による吹き付け量のばらつきが出易く、復元粘着力にばらつきが出てしまう。多過ぎる個所では画像崩壊もあり得る。課題解決手段によるさらなる作用は、円筒形状物側面に向かっての塗布なら付着場所だけでなく、該側面を伝わって垂れ落ちた溶剤が、送り込まれて来る水転写紙との間で線状に溜まる。この結果、水転写紙幅全部を均一に溶剤で濡らすことが出来ることである。
上記第五の課題解決手段による作用は、再加圧部の回転体を加熱しておけば、円筒形状物側面と水転写紙との密着性を高めるだけでなく、接着層の硬化促進が同時に出来る。水転写紙の円筒形状物側面からの捲りあげが容易になる。なお、第二の課題解決手段による効果を得るため複数サイクル回転する場合は、回転体を加熱しておくのでなく、再加圧部の後方1/2〜3/4サイクルの間の地点に加熱部を設けておき、円筒形状物側面と水転写紙との密着が完全に行われた後のサイクルで加熱を行うのが良い。
上記第六の課題解決手段による装置は、上記第一〜第三の課題解決手段による作用が得られる円筒形状物側面への画像転写方法を可能にする。円筒形状物を保持する回転可能な保持手段としては、内側空洞に挿入後にラジアル方向に広げてゆるみなく円筒形状物を保持するエアチャックなどがある。圧力でつぶれやすい円筒形状物の保持に有効である。円筒形状物位置が固定されれば、加圧手段のローラーやベルトは、円筒形状物脱着時に開放し、固定後に移動して押し付け出来る。移動はエアシリンダやばねなどを利用出来る。
円筒形状物に剛性があるなら、二本のローラー又は二本のローラー間に架けたベルトに円筒形状物を載せる保持手段も採れる。エアチャックのように内側空洞への挿入は無いので円筒形状物口径を気にする必要が無い。
加圧部は、一本、または二本のローラーでも良いが、二本のローラーの場合はローラー間にベルトを架けた加圧部にするのが良い。円すい形物品転写では加圧部の側が変形して円すい形テーパ―に合う形で押圧しなければならないが、ベルトならテーパ―に追随し易い。ローラーだけであれば、細い方の円筒形状物側面の押圧が不十分になり、水転写紙がしわになったり、貼り付け位置がずれたりする問題が発生し易い。三次曲面を持つ円筒形状物についても同様のことが言える。
後方の再加圧部には、円すい形物品側面に水転写紙が貼りついた形で来るので、回転体はベルトでなく柔軟性表面のローラーでも十分である。円筒形状物を挟んで加圧部に対向する側という再加圧部位置は、円筒形状物に接する回転体が一本のローラーなら1/2サイクル地点にあるのが良い。二本のローラーなら、その軸中間点が1/2サイクル地点にあるのが良い。
回転体は回転駆動部から回転力を得ても良いが、回転自在にしてもよい。円筒形状物内側空洞に挿入保持するエアチャックの場合は二つの加圧手段が必要だが、1/2サイクル地点から0サイクル地点に向かって加圧されるなら、0サイクル地点では圧力を受ける保持が出来れば良いので、二本のローラー又はベルトに円筒形状物を載せる保持手段の場合は一方の加圧手段を省略出来る。
回転駆動部は、モーターと変速機を組み合わせた回転駆動部から、加圧手段であるローラーやベルトにギアなどを介して回転力を伝える。
給水部のローラーかベルトの表面素材が吸水性であれば、吸水性を持つ水転写紙は良く濡れるが、樹脂製や金属製の円筒形状物側面や、側面から外側の空間に水滴が垂れることは少なくなる。給水手段が散水や拭き付け手法なら、非接触で水転写紙に水分を付与出来る。円すい形物を送る時に吸水ローラーの接触では、周速の差による水転写紙しわの原因になるが、非接触塗布なら、その心配は無い。本装置は円筒形状物を垂直に立てて転写する場合もあり、この場合の給水部は、水転写紙の濡れ方が下方で過剰にならないよう配慮が要る。非接触塗布なら下方への吹きかけ水量を減らすなどの制御をする。なお、円筒形状物に水転写紙を押し付ける加圧部は、挿入側も再加圧側も、複数並べてもよい。給水部も同様であり、複数の給水部の間に再加圧部を挟んでもよい。
転写画像が円筒形状物側面からローラーかベルトへ転移してしまうことが無いよう、ローラーやベルト表面はシリコンゴムやフッ素ゴムなどの剥離性柔軟材で覆うのが良い。
上記第七の課題解決手段による装置は、上記第四の課題解決手段による作用が得られる円筒形状物側面への画像転写方法を可能にする。接着剤活性化に必要な溶剤量は少ないので、溶剤塗布は飛散の多いエアスプレー塗装でなく、家庭用プレシャー式噴霧器による散水塗布程度の方が良い。
上記第八の課題解決手段による装置は、上記第五の課題解決手段による作用が得られる円筒形状物側面への画像転写方法を可能にする。回転体を加熱する手段としては、ハロゲンランプなどを回転軸方向に沿って配設する一般的手法を採用できる。
上述したように、本発明によれば、水転写紙上に形成された接着剤層付き画像を、円筒形状物側面に容易に非加熱転写出来る方法と、その方法を可能にする装置を提供できる。
は、本発明の実施形態を示す、水分付与されながら水転写紙が円筒形状物側面に巻き付いて行く様子を示す模式図である。 は、円筒形状物の種類である円筒形物品と円すい形物品の側面図である。 は、帯状凸部を持つ円筒形状物と、その転写に使用される水転写紙に形成される多列のカッター刃のカットすじを示す模式図である。
図1においては、回転駆動部は省略されているが、ドライブローラー3はモーターの駆動軸と軸を同一とし、ギアを介してテールローラー4を同期回転させた。両ローラーは表側には5mm厚のウレタンゴムを被せたものを選択した。両ローラー間に3mm厚の発泡シリコンゴムから成るベルト5を架けた。図には記載されていないが張力調整用ベアリングなどを設けてその位置を変えればベルトの張りは調整出来る。両ローラーとベルトは、挿入側の加圧部となるものだが、回転可能な円筒形状物保持部でもある。本実施例の装置では不要だが、回転可能な円筒形状物保持部を円筒形状物内側に挿入する手段の例として、エアチャック6も図中に記してある。再加圧部の加圧機構にはエアシリンダ13を採用し、上死点の加圧ローラー12と下死点の加圧ローラー7は、円筒形状物から圧力を開放した状態と、加圧状態を示すものである。加圧ローラー表面には3mm厚のシリコンゴムを被せたものを選択した。水転写紙に水分を付与出来る給水部では、ウレタンスポンジを被せた吸水ローラー8,9,10の三本のローラーを連結させた。図には記載されていないが給水ローラー8の回転力は、モーターの駆動軸からタイミングベルトを介して得ている。水槽11には水を入れてあり、給水ローラー10の下方が浸水している。図1では、円筒形状物1の側面の半周程度に、水転写紙2が巻き付いた状態が示されている。ガイドテーブル14は、水転写紙の挿入を容易にするものである。
水転写紙への画像形成にはレーザープリンタ、C−841dn(商標、沖データ社)を用い、その上に被せる接着剤層形成にはインクジェットプリンタ、PX−1004(商標、セイコーエプソン社)を、接着剤インクは、シンプリインク(商標、サンリュウ社)を用いた。水転写紙としては、水転写紙ベースの片面にデキストリン水溶性層を塗布した110μm厚の「水転写紙B」(商標、サンリュウ社)を用いた。作業テーブルで印刷済の水転写紙2の先端1cm程度を貼りつけておいた円筒形物品1−Aを、電源を切って静止させた状態のベルト5の上に載せた。水転写紙先端貼りつけ部が、ドライブローラー3に近い所に来るようセットした。次に再加圧部のエアシリンダ13でその上死点に持ち上げられていた加圧ローラー12を、エアシリンダを駆動させて加圧ローラー7位置まで降ろした。この状態でモーター電源を入れると、円筒形物品1−Aは上下の加圧部に押圧されながら回転を始め、水転写紙2の巻き付けが開始された。給水ローラー8は、巻き付いた水転写紙2の先端が出てくる前から円筒形物品1−Aに接触させておいた。給水ローラー8を通過した水転写紙2は全面に水がかかり濡れていた。
加圧ローラー7を通過した後の水転写紙先端を捲りあげて回転に合わせて剥がして行くと、画像が円筒形物品1−Aに転写されていた。水転写紙を剥がし続けると、転写された画像部は再度ベルト5と加圧ローラー7に接触して通過するが、シリコンゴムは剥離性が良く、画像はそれぞれには付着せず、円筒形物品1−Aに載ったまま出て来た。画像長さを円筒形物品1−A側面周長より2mm長く作成して置いたので、転写画像後端が画像先端に同じ長さ程度重なっていた。円筒形物品側面全周への転写が問題無く出来た。水転写紙を捲らずに回し続けて、転写装置から取り出した後で剥がし取ることも出来る。この手法でも、水転写紙先端を画像先端に合わせて切り落としておけば円筒形物品全周印刷が可能である。
円すい形物品1−B側面への転写では、水転写紙上の画像を扇型にしなければならない。これを画像処理プログラムIllustrator(商標、Adobe社)を用いて作成した。印刷済水転写紙を作成する要領は実施例1と同様である。印刷済の水転写紙2の先端を画像先端と合わせてカットした。作業テーブルでその先端1cm程度を円すい形物品1−Bに貼りつけてからの転写装置での作業は、実施例1とほぼ同様である。異なる作業は、円すい形物品をベルト5に載せる前に、滑りを良くする目的の剥離紙をベルト5に巻いたことと、回転駆動部との連結の無い回転自在にした加圧ローラー7を、300mmの一本の長いローラーでなく、59mmの短いローラー5本を1mm間隔で並べたものにしたことである。転写装置上で水転写紙は捲らずに回し続けて、二回転させてから装置から取り出した後で剥がし取った。画像は側面全周にわたっているものだったが、ゆがみやしわなどなく全面きれいな画像転写が出来ていた。加圧ローラー7の分割は多い方が良いが、コストも考慮して5本で試みた。
三次曲面を持つ円筒形状物1−Cの側面のような三次元曲面への転写は、転写装置上で複数回回転させながら、平面の水転写紙を曲面へ追随するよう水で膨潤軟化させることが基本になる。作業スタート時の水転写紙は挿入側の加圧部で乾いているので、帯状凸部1−D付近でふくらみの頂上へ付着するがその麓部分では密着できずに浮き上がってしまう。直径が大きい分高く持ち上げられるだけでなく、周長が長い分で横にも引っ張られるからである。この横方向の力に水転写紙が対抗すると浮き易いので、その力を逃がすために、本実施例ではカッターナイフの刃で多数の縦方向カットすじを並べて入れた。その並び方を多列のカットすじ2−Eとして示した。この効果で、高く持ち上げられた水転写紙は最初の一回転、または二回転で図3の縦方向に伸びて麓部も浮きが無くなり、やがて4回転目では膨潤が進み横方向に生じた隙間も埋まって転写された画像は、ほぼ切れ目なく繋がった。なお、本実施例で用いた円筒形状物1−Cの直径は66mmであった。帯状膨らみ部の幅と高さは約6mm x 1mmであった。カットすじ縦長さは6〜9mm程度で2〜3mm間隔で切って行った。なお、多列のカットすじでなく、水転写紙裏面に粘着テープを押し当ててから引き剥がす手順を繰り返して、水転写紙の表層を剥がし取って薄くすることでも同様の効果が得られた。
世の中には化粧品、食品、医薬品などの容器から円筒パイプ、ペン軸、印鑑など、多種類の円筒形状物があり、小ロットに適したデジタル印刷手法と、非加熱という素材を選ばない転写技法から成る本転写方法と装置は広範囲に産業界で活用され得る。
1 円筒形状物
2 水転写紙
3 ドライブローラー
4 テールローラー
5 ベルト
6 エアチャック
7 下死点の加圧ローラー
8 給水ローラー
9 給水ローラー
10 給水ローラー
11 水槽
12 上死点の加圧ローラー
13 エアシリンダ
14 ガイドテーブル
1−A 円筒形物品
1−B 円すい形物品
1−C 三次曲面を持つ円筒形状物
1−D 帯状凸部
2−E 多列のカットすじ

Claims (8)

  1. 円筒形状物を保持して回転できる保持部と、
    水転写紙を円筒形状物側面へ圧着させながら回転できる加圧部と、
    円筒形状物を挟んで前記加圧部に対向する側にある再加圧部と、
    前記加圧部と前記再加圧部との間にあって円筒形状物側面に付着した水転写紙に水分を付与できる給水部と、を備えた輪転式転写装置を用いて、
    表側の水溶性層上に画像、接着膜層の順に二層を形成した水転写紙を円筒形状物側面へ圧着回転させながら画像を転写する方法において、
    前記加圧部で水転写紙の円筒形状物側面への圧着送りが開始されてから回転を続けて
    該加圧部で二回目の加圧をされないよう前記再加圧部から出てきた該水転写紙を円筒形状物側面から捲りあげて除去して行く、
    ことを特徴とする円筒形状物側面への画像転写方法。
  2. 円筒形状物を保持して回転できる保持部と、
    水転写紙を円筒形状物側面へ圧着させながら回転できる加圧部と、
    円筒形状物を挟んで前記加圧部に対向する側にある再加圧部と、
    前記加圧部と前記再加圧部との間にあって円筒形状物側面に付着した水転写紙に水分を付与できる給水部と、を備えた輪転式転写装置を用いて、
    表側の水溶性層上に画像、接着膜層の順に二層を形成した水転写紙を円筒形状物側面へ圧着回転させながら画像を転写する方法において、
    前記加圧部で水転写紙の円筒形状物側面への圧着送りが開始されてから回転を続けて
    該水転写紙の後端が少なくとも前記給水部を通過する地点まで回転を続けた以降に水転写紙を円筒形状物側面から除去する
    ことを特徴とする円筒形状物側面への画像転写方法。
  3. 円筒形状物を前記保持部にセットする前に、
    転写後の画像が円筒形状物側面の目的の位置に転写されるように、画像、接着膜層の順に二層を形成した水転写紙先端を円筒形状物側面に貼りつけておく
    ことを特徴とする請求項1、又は2の円筒形状物側面への画像転写方法。
  4. 円筒形状物を前記保持部にセットした後の該円筒形状物回転開始前、又は回転中の少なくとも一方で該円筒形状物側面に溶剤を吹きかける
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの円筒形状物側面への画像転写方法。
  5. 前記再加圧部の回転体を加熱しておくか、
    又は該再加圧部の後方であってワンサイクルのスタート地点である加圧部から後方
    1/2〜3/4サイクルの間の地点に加熱部を設けるかの少なくとも一方の手段で、回転しながら円筒形状物側面に貼り付いた水転写紙背面を加熱する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの円筒形状物側面への画像転写方法。
  6. 円筒形状物を保持して回転できる保持部と、
    水転写紙を円筒形状物側面へ圧着させながら回転できる加圧部と、
    円筒形状物を挟んで該加圧部に対向する側にある再加圧部と、
    前記加圧部と前記再加圧部との間にあって円筒形状物側面に付着した水転写紙に水分を付与できる給水部と、
    円筒形状物や装置の回転体を回転させるための回転駆動部と、
    を備えた円筒形状物側面への輪転式画像転写装置であって、
    給水部の水転写紙への給水手段が、
    吸水性素材を表面に持つローラーかベルトを備えて水転写紙に接触回転しながら水分を付与するか、
    又は散水などの非接触手法で水転写紙に水を吹きかけるかのいずれかの給水手段であることを特徴とする円筒形状物側面への輪転式画像転写装置。
  7. 回転可能な前記保持部にセットされた円筒形状物に向かって、
    回転開始前、又は回転中の少なくとも一方で円筒形状物側面に溶剤を吹きかけることが可能な溶剤塗布部を備えている
    ことを特徴とする請求項6のいずれかの円筒形状物側面への輪転式転写装置。
  8. 前記再加圧部の円筒形状物を加圧する回転体を加熱する手段か、
    又は該再加圧部の後方であってワンサイクルのスタート地点である加圧部から後方
    1/2〜3/4サイクル地点に円筒形状物側面を加熱する加熱部かの少なくとも一方を備えている
    ことを特徴とする請求項6〜7のいずれかの円筒形状物側面への輪転式転写装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112125037A (zh) * 2020-09-27 2020-12-25 苏州市金盾自动化系统有限公司 防水胶带出料、转移及贴附装置

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