JP2011000730A - スクリーン印刷用版におけるスクリーンシートと枠体との接着方法、スクリーン印刷用版及び版加工装置 - Google Patents
スクリーン印刷用版におけるスクリーンシートと枠体との接着方法、スクリーン印刷用版及び版加工装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】感熱穿孔性フィルムと多孔性支持体が積層したスクリーンシートを枠体に接着する際に、スクリーンシートの枠体と接着される部分にあるフィルムを剥離することなく、また、予め枠体に接着剤を塗布する必要がなく容易にスクリーンシートと枠体を接着する方法を提供する。
【解決手段】フィルム11と多孔性支持体12が積層したスクリーンシート10を用意し、枠体20の接着面20aに対応するスクリーンシート10の貼着領域10aにあるフィルム11を貫通するように接着剤流入孔13を形成し、この形成した接着剤流入孔13を介して接着剤30を流入することで、スクリーンシート10と枠体20を接着する。
【選択図】図1
【解決手段】フィルム11と多孔性支持体12が積層したスクリーンシート10を用意し、枠体20の接着面20aに対応するスクリーンシート10の貼着領域10aにあるフィルム11を貫通するように接着剤流入孔13を形成し、この形成した接着剤流入孔13を介して接着剤30を流入することで、スクリーンシート10と枠体20を接着する。
【選択図】図1
Description
本発明は、孔版印刷の一種であるスクリーン印刷に用いるスクリーン印刷用版の製造方法に関し、特にフィルム単膜或いは多孔性支持体にフィルムが積層したスクリーンシートと枠体との接着方法、これにより製造されたスクリーン印刷用版及びスクリーン印刷用版の版加工装置に関する。
スクリーン印刷は、所望の画像パターンが穿孔されたスクリーン印刷用版の穿孔部分より印刷材料を押出して被印刷体に転写して印刷を行う孔版印刷の一種である。スクリーン印刷に用いるスクリーン印刷用版は、シルク、ナイロン、テトロン等の繊維の縦糸と横糸からなる平織りのメッシュ状の紗と呼ばれる多孔性支持体を枠体に接着固定した後、多孔性支持体に感光乳剤を塗布した乳剤層を形成するか、またはポリエステルやポリ塩化ビニル等からなる感熱穿孔性フィルムを接着してフィルム層を形成し、この乳剤層またはフィルム層に露光現象や感熱穿孔により所望の穿孔画像を形成して製版することで得られる。
この種のスクリーン印刷用版における多孔性支持体と枠体の接着は、紗張り機により所定の張力下で展張した多孔性支持体に枠体を当接させ、多孔性支持体側から接着剤を塗布することにより行っている。
さらに、多孔性支持体と枠体との他の接着方法としては、例えば下記特許文献1に示すように、枠体表面に下地処理剤としてシランカップリング剤を塗布して下地調整処理を施した後、接着剤を塗布し、この接着剤層を110〜130℃で30〜50分間加熱して前記枠体に焼き付け処理し、前記接着剤を前記枠体表面に付着させると共に、前記枠体表面に紗を一定張力下で展張して当接し、前記枠体に対し紗上面から加熱押圧し、前記枠体表面に前記紗を張着する方法も開示されている。
しかしながら、上記方法や特許文献1に開示される多孔性支持体と枠体との接着方法では、製造の度に枠張りした多孔性支持体に乳剤を塗布やフィルムの接着が必要となるため非常に手間が掛かるという問題があった。
そこで、予め多孔性支持体にポリエステルやポリ塩化ビニル等からなる感熱穿孔性フィルムを積層させたスクリーンシートを用意し、このスクリーンシートの多孔性支持体側と枠体を接着したスクリーン印刷用版が広く用いられている。
上記積層型のスクリーンシートと枠体との接着では、両者を接着するための接着剤がフィルムを透過できないため、接着剤塗布時に、枠体の接着面に沿って手作業で多孔性支持体からフィルムを部分的に剥離して多孔性支持体を露出させ、スクリーンシートと枠体とを当接した状態で接着剤を塗布する方法(第1の接着方法)や、スクリーンシートと枠体を当接した後に接着剤を塗布するのではなく、予め枠体の接着面に接着剤を塗布した状態でスクリーンシートに押し当てる方法(第2の接着方法)で行っている。
しかしながら、前述のフィルムを剥離して接着する第1 の接着方法では、多孔性支持体に接着したフィルムを剥離するには大変な時間と労力を掛ける必要があり、また、フィルムが肉厚の場合には多孔性支持体からフィルムを部分的に剥離させることが困難なため、薄いフィルムが積層したスクリーンシートにしかこの方法を用いることができないという問題があった。
また、前述の予め枠体に接着剤を塗布する第2 の接着方法では、接着剤を枠体の接着面に適切、且つ均等に塗布する必要があり、例えば接着剤が多い場合には、必要以上の接着剤を使用することで接着剤が無駄となるばかりでなく、枠体からはみ出した接着剤により枠体や他部材が汚れるという問題があった。また、接着剤の塗布量が少ない場合には、接着剤を追加補充することができず、スクリーンシートと枠体との接着が十分でない不良品が製造される虞があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、多孔性支持体にフィルムが積層したスクリーンシートと枠体を接着する場合であっても、容易にスクリーンシートと枠体を接着することができるスクリーンシートと枠体との接着方法、これにより製造されたスクリーン印刷用版及びスクリーン印刷用版の版加工装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に記載された請求項1記載のスクリーンシートと前記枠体の接着方法は、所望の穿孔画像が形成されるフィルムを備えたスクリーンシートを枠体に張設してなるスクリーン印刷用版を製造するために、前記スクリーンシートを前記枠体に接着するスクリーンシートと枠体の接着方法において、
前記スクリーンシートを前記枠体に接着するための接着剤が流入する接着剤流入孔を、前記スクリーンシートの前記枠体と接着される部分にある前記フィルムに形成し、
前記枠体に張設された前記スクリーンシートの前記接着剤流入孔に前記接着剤を流入させて、前記スクリーンシートと前記枠体を接着固定することを特徴とする。
前記スクリーンシートを前記枠体に接着するための接着剤が流入する接着剤流入孔を、前記スクリーンシートの前記枠体と接着される部分にある前記フィルムに形成し、
前記枠体に張設された前記スクリーンシートの前記接着剤流入孔に前記接着剤を流入させて、前記スクリーンシートと前記枠体を接着固定することを特徴とする。
請求項2記載のスクリーンシートと前記枠体の接着方法は、請求項1記載のスクリーンシートと前記枠体の接着方法において、前記スクリーンシートは、前記フィルムと多孔性支持体を積層してなること特徴とする。
請求項3記載のスクリーン印刷用版は、所望の穿孔画像が形成されるフィルムを備えたスクリーンシートを枠体に張設してなるスクリーン印刷用版において、
前記枠体に張設された前記スクリーンシートのうち前記枠体と接着される部分にある前記フィルムに接着剤流入孔が貫通して形成されており、
前記枠体に張設された前記スクリーンシートの前記接着剤流入孔から流入した接着剤が前記スクリーンシートと前記枠体を固定していることを特徴とする。
前記枠体に張設された前記スクリーンシートのうち前記枠体と接着される部分にある前記フィルムに接着剤流入孔が貫通して形成されており、
前記枠体に張設された前記スクリーンシートの前記接着剤流入孔から流入した接着剤が前記スクリーンシートと前記枠体を固定していることを特徴とする。
請求項4記載の版加工装置は、請求項1または2記載のスクリーンシートと枠体の接着方法に用いる版加工装置であって、
前記スクリーンシートの前記フィルムに前記接着剤流入孔を形成する接着剤流入孔形成手段を備えたことを特徴とする。
前記スクリーンシートの前記フィルムに前記接着剤流入孔を形成する接着剤流入孔形成手段を備えたことを特徴とする。
請求項5記載の版加工装置は、請求項4記載の版加工装置において、各々の回転軸が互いに平行に配置され、前記フィルムのそれぞれ異なる位置に前記接着剤流入孔を形成するために異なるパターンで配置された突起を有する複数のコロを備えており、
前記枠体に張設した前記スクリーンシートのうち前記枠体に接着される部分を前記枠体に押し付けながら前記枠体に沿って前記コロを移動させることにより前記接着剤流入孔を前記フィルムに形成することを特徴とする。
前記枠体に張設した前記スクリーンシートのうち前記枠体に接着される部分を前記枠体に押し付けながら前記枠体に沿って前記コロを移動させることにより前記接着剤流入孔を前記フィルムに形成することを特徴とする。
請求項6記載の版加工装置は、請求項4または5記載の版加工装置において、前記接着剤を内部に貯留し、貯留した前記接着剤を吐出する接着剤吐出口を備えた接着剤タンクと、
前記接着剤流入孔形成手段よって形成された前記接着剤流入孔に前記接着剤を流入させるために、前記接着剤吐出口から前記接着剤が吐出される操作を実行するための吐出用スイッチと、
を有する接着剤吐出手段を備えたことを特徴とする。
前記接着剤流入孔形成手段よって形成された前記接着剤流入孔に前記接着剤を流入させるために、前記接着剤吐出口から前記接着剤が吐出される操作を実行するための吐出用スイッチと、
を有する接着剤吐出手段を備えたことを特徴とする。
本発明のスクリーンシートと枠体の接着方法及びスクリーン印刷用版によれば、スクリーンシートを構成するフィルムに対し、貫通した接着剤流入孔を形成するため、スクリーンシートと枠体の接着時において、フィルムの剥離や、予め枠体の接着面に適切且つ均等に接着剤を塗布する必要がなく、スクリーンシートを枠体に張設した状態で接着剤を塗布してスクリーンシートと枠体を接着することができる。
また、本発明の版加工装置は、接着剤流入孔形成手段と接着剤吐出手段を備えて構成されているため、版加工装置を枠体に張設されたスクリーンシート上を接着面に沿って移動させるだけで、接着剤流入孔をフィルムに形成すると同時に、形成された接着剤流入孔に直接接着剤を流入させることができるので、容易にスクリーンシートと枠体を接着することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、スクリーンシートとして所望の穿孔画像が形成されるフィルムと多孔性支持体とを積層したスクリーンシートを用いた例で説明するが、例えばフィルム単膜からなるスクリーンシートなど多孔性支持体を有しないスクリーンシートも採用することができる。
[スクリーン印刷用版の構成]
図1(a)、(b)に示すように、本実施例のスクリーン印刷用版40は、所望の穿孔画像が形成されるフィルム11と多孔性支持体12が積層したスクリーンシート10と、枠体20とで構成される。スクリーン印刷用版40は、枠体20の接着面20aと接着されるスクリーンシート10の貼着領域10aにあるフィルム11に接着剤30を流入するための細微な貫通孔である接着剤流入孔13が多数形成されており、この接着剤流入孔13を介してフィルム11側から多孔性支持体12に流入した接着剤30によって、スクリーンシート10と枠体20とを接着することで製造されている。
図1(a)、(b)に示すように、本実施例のスクリーン印刷用版40は、所望の穿孔画像が形成されるフィルム11と多孔性支持体12が積層したスクリーンシート10と、枠体20とで構成される。スクリーン印刷用版40は、枠体20の接着面20aと接着されるスクリーンシート10の貼着領域10aにあるフィルム11に接着剤30を流入するための細微な貫通孔である接着剤流入孔13が多数形成されており、この接着剤流入孔13を介してフィルム11側から多孔性支持体12に流入した接着剤30によって、スクリーンシート10と枠体20とを接着することで製造されている。
本実施例のスクリーン印刷用版40に用いられるフィルム11には、例えばポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルムなどの感熱穿孔性フィルムが、多孔性支持体12には、シルク、ナイロン、テトロン、ステンレスなどの紗が使用できる。
枠体20は、一般にアルミニウム枠が用いられるがステンレス枠、木材枠なども使用することができ、用いるスクリーンシート10及び枠体20の素材は必要に応じて適宜選択される。
接着剤30は、例えば蒸発乾燥型(溶剤型)、UV硬化型などが使用できるが、スクリーンシート10を所定の張力で枠体20に張設した状態で維持できる接着力を有するものであれば特に限定されず、フィルム11の溶融温度を考慮することによりホットメルトタイプも使用できる。
[スクリーンシートと枠体との接着方法]
次に、図2を参照しながら、上述したスクリーン印刷用版40におけるスクリーンシート10と枠体20との接着方法について説明する。
次に、図2を参照しながら、上述したスクリーン印刷用版40におけるスクリーンシート10と枠体20との接着方法について説明する。
まず、図2(a)に示すように、フィルム11と多孔性支持体12が積層してなるスクリーンシート10を用意し、フィルム11側を上面としてスクリーンシート10を所定の張力下で展張し、スクリーンシート10の下方より枠体20を当接させる。
次に、図2(b)に示すように、枠体20の接着面20aに対応するスクリーンシート10の貼着領域10aにあるフィルム11を貫通するように接着剤流入孔13を形成する。
接着剤用流入孔13の形成手段としては特に制限はないが、例えば、サーマルヘッドにより形成する方法や、針状の微小な突起により形成する方法を用いることができる。また、接着剤流入孔13は、接着した際に、枠体20に張設されたスクリーンシート10が所定の張力を維持したまま固定されるよう、貼着領域10aにあるフィルム11に均一に形成することが好適である。
そして、図2(c)に示すように、形成した接着剤流入孔13に接着剤30を流入させ、流入した接着剤30が多孔性支持体12に浸透して枠体20の接着面20aに達することで、スクリーンシート10と枠体20を固着させる。
接着剤30の流入方法としては、接着剤30を接着剤流入孔13に直接注入する方法や、接着剤30を接着剤流入孔13が形成されたフィルム11に噴射塗布する方法などがあげられる。
[版加工装置の構成]
次に、図3、図4を参照しながら、本実施例の版加工装置の構成について説明する。
次に、図3、図4を参照しながら、本実施例の版加工装置の構成について説明する。
図3に示すように、本実施例の版加工装置1は、操作者が版加工装置1を把持してスクリーンシート10上を移動させることでフィルム11に接着剤流入孔13を形成する装置である。装置筐体としては、平坦な底面と上に凸の曲面状の把持し易い上面を有する。また、版加工装置1の底面には、接着剤流入孔形成手段として接着剤流入孔13を形成するため先端が鋭利な形状を成した突起3を複数有するコロ部2が備えられている。
コロ部2は、装置の移動方向について前方から順に配置された第1 のコロ2a、第2 のコロ2b、第3 のコロ2cの3つのコロからなり、各コロ2a,2b,2cの突起3は、それぞれ配置パターンが異なっている。突起3の配置パターンとしては、例えば第1 のコロ2aが転動して形成されていく接着剤流入孔13と接着剤流入孔13の間に、更に接着剤流入孔13を形成するようなパターンで第2のコロ2bの突起3が配置され、また第1のコロ2aと第2のコロ2bが転動して形成されていく接着剤流入孔13と接着剤流入孔13の間に、更に接着剤流入孔13を形成するパターンで第3のコロの突起が配置される。即ち、3つのコロ2a,2b,2cの各突起は、フィルム11の互いに異なる位置に接着剤流入孔13を形成できるような配置パターンとされている。
また、図4に示すように、版加工装置1の移動で貼着領域10aに接着剤流入孔13を隈無く形成できるように、コロ部2の回転軸方向の長さは、枠体20の縁の幅の長さと略同長に構成するのが好ましい。
さらに、図3(a)に示すように、版加工装置1の進行方向に対して最後尾のコロとなる第3 のコロ2cは、バネ(不図示)により第1 のコロ2a及び第2 のコロ2bよりも低く押し下げられた状態で下方に突き出すように配置されている。
このような配置により、版加工装置1で貼着領域10aに接着剤流入孔13を形成する操作を開始する際には、コロ2a,2bを貼着領域10aに当接させ、下方に突き出したコロ2cを枠体20の縁端部と当接させれば、貼着領域10aにあるフィルム11に接着剤流入孔13を形成する際の孔形成開始位置を規制することができ、貼着領域10aの端から接着剤流入孔13を形成することができる。
そして、図3(b)に示すように、版加工装置1で接着剤流入孔13を形成する際に、版加工装置1を上面からスクリーンシート10側へ押圧すると、第3のコロ2cが図中矢印方向へ移動するので、各コロ2a,2b,2cは同一の高さとなってスクリーンシート10に当接し、スクリーンシート10に接着剤流入孔13を形成することができる。
また、版加工装置1には接着剤吐出手段として、接着剤30を吐出する接着剤吐出口5を有する接着剤貯留用の接着剤タンク4と、接着剤流入孔形成手段であるコロ部2によって形成された接着剤流入孔13に接着剤30を吐出又は非吐出操作するための吐出用スイッチ6を備えている。
接着剤タンク4は、筐体の内部に設置した圧力タンクからなり、吐出用スイッチ6の操作により接着剤タンク4に貯留した接着剤30を噴射吐出するための接着剤吐出口5が、装置底面における第3 のコロよりも後方に形成してある。
なお、接着剤吐出口5は、形成された接着剤流入孔13に接着剤30を噴射吐出できる位置にあればよく、例えば第1のコロ2aと第2のコロ2bの間に配置する構成でもよい。また、接着剤吐出口5は複数配置してもよい。
吐出用スイッチ6は、版加工装置1を把持したときに指で操作し易いように筐体の前面に配設されている。吐出用スイッチ6は、操作者の所定操作によって接着剤タンク4内の圧力を制御しながら接着剤タンク4に貯留した接着剤30を接着剤吐出口5から噴射吐出して、形成された接着剤流入孔13から多孔性支持体12に流入する。
なお、吐出用スイッチ6には、プッシュスイッチタイプ、スライドスイッチタイプなど、吐出又は非吐出を選択するだけでなく、吐出量も調整できる機能を備えるタイプを採用することが好ましい。
さらに、図4に示すように、筐体の右側部には版加工装置1の移動方向を規制するための位置合わせとなるガイド部材7を設置している。ガイド部材7は、筐体の右側部から下方に延びる腕からなり、腕の半ばに回動可能な支軸を有し、腕の先端の角度を調整でき、且つ所定角度で固定できるような構成である。使用方法としては、例えばスクリーンシート10を張設した状態でスクリーンシート10の下方から枠体20を押し当てた際に枠体20の縁端部からスクリーンシート10の端部にかけてできる下りの傾斜面に、この腕の先端を添わせることにより、版加工装置1の進行方向と直交する左右方向の位置規制を行う。
[本実施例の版加工装置を用いたスクリーンシートと枠体との接着方法]
次に、図3、4を参照しながら、上述した版加工装置1を用いたスクリーンシート10と枠体20の接着方法ついて説明する。
次に、図3、4を参照しながら、上述した版加工装置1を用いたスクリーンシート10と枠体20の接着方法ついて説明する。
まず、フィルム11と多孔性支持体12が積層したスクリーンシート10のフィルム11側を上面にして紗張り機でスクリーンシート10の端部を所定の張力下で水平に展張し、枠体20をスクリーンシート10の下方から押し当て当接した状態で固定する。この状態で、版加工装置1をスクリーンシート10上に載置する。
版加工装置1をスクリーンシート10に載置する場合には、図4に示すように、枠体20をスクリーンシート10の下方から押し当てた際に枠体20の縁端部からスクリーンシート10の端部にかけてできる下りの傾斜面に、ガイド部材7の腕の先端を添わせるように当接し、腕の先端がシートの下りの傾斜面に添う角度で固定して版加工装置の左右方向を規制する。
そして、図3(a)に示すように、コロ2a、コロ2bがスクリーンシート10を介した枠体20の接着面20a上にあり、コロ2cがスクリーンシート10を介して枠体20の縁端部に接触するように版加工装置1を配置することで、初期位置となる前後方向を規制する。
スクリーンシート10上に版加工装置1を載置したら、図3(b)に示すように、版加工装置1を下方に押圧しながら前方に移動させる。移動に伴って3つのコロ部2が転動し突起3がフィルム11を貫通するように接着剤流入孔13を形成していく。版加工装置1を左右方向と前後方向を規制して載置してあるので、版加工装置1はスクリーンシート10を介した枠体20の接着面20aを外れることなくフィルム11に接着剤流入孔13を確実に形成する。つまり、版加工装置1が形成した領域は貼着領域10aと同じ領域となる。そして、版加工装置1の押圧移動に際して吐出用スイッチ6を操作することにより、接着剤30が接着剤吐出口5より吐出しフィルム11に形成された接着剤流入孔13に流入し、この流入した接着剤30によりスクリーンシート10と枠体20が固着される。
以上説明したように、本実施例のスクリーシート10と枠体20の接着方法によれば、スクリーンシート10の貼着領域10aにあるフィルム11、すなわちスクリーンシート10と枠体20との接着面20aと対応する部分にあるフィルム11に、貫通する多数の接着剤流入孔13を形成し、この形成した接着剤流入孔13から接着剤30を多孔性支持体12に流入させている。
これにより、フィルム11の剥離が不要となり、予め枠体20の接着面20aに適切、且つ均等に接着剤30を塗布するなどの製造作業の煩雑さを軽減することができる。また、接着剤30をスクリーンシート10の全体に塗布する必要がなく、接着に必要な貼着領域10aに限定して行うことができ、接着剤30の使用量を減らす効果がある。
また、本例の版加工装置1によれば、版加工装置1の筐体に接着剤流入孔形成手段として転動可能な突起3を有するコロ部2を備え、また、接着剤吐出手段として吐出スイッチ6の制御により接着剤30をコロ部2よりも進行方向に対して後方に吐出する接着剤タンク4を備えている。したがって、この版加工装置1を枠体20に張設されたスクリーンシート10上の接着面に沿って移動させることで、スクリーンシート10の貼着領域10aにあるフィルム11に接着剤流入孔13を形成しながら、この接着剤流入孔13に直接接着剤30を吐出し流入させることができ、スクリーンシート10と枠体20の接着作業が簡便になる。
また、接着剤30は吐出用スイッチ6により任意に吐出又は非吐出を選択できるので、接着剤30を非吐出とした状態で、版加工装置1をスクリーンシート10の貼着領域10aに対して数回摺動させることで、貼着領域10aにあるフィルム11に接着剤流入孔13を重ねて形成することができる。これによってフィルム11には、孔と孔の隙間がなくなったような状態、つまりフィルム11を部分的に剥離させたような状態が形成されるので、版加工装置1を最後に摺動させる際に吐出用スイッチ6を操作して接着剤30を塗布することで、多孔性支持体12に接着剤30を浸透させ易くすることもできる。
ところで、上述した形態においてコロ部2の回転軸方向の長さは、枠体20の縁の幅の長さと略同長である構成例で説明したが、スクリーンシート10の貼着領域10aにあるフィルム11に接着剤流入孔13が形成できればよいため、枠体20の縁の幅の長さに対するコロ部2の回転軸方向の長さは、とくに限定されない。また、枠体20の縁の幅に合わせたコロ部2を選択できるように着脱式としてもよい。
また、使用する接着剤30の粘度によっては、接着剤流入孔13に接着剤30が流入し難い場合があるため、例えば、ゴムヘラを接着剤吐出口5よりも後方に設け、フィルム11上に吐出された状態で接着剤流入孔13に流入していない接着剤30を、版加工装置1の摺動に伴ってこのヘラで押し入れることで、接着剤30を接着剤流入孔13に確実に流入させる構成としてもよい。
1…版加工装置
2…コロ部(2a…第1のコロ、2b…第2のコロ、2c…第3のコロ)
3…突起
4…接着剤タンク
5…接着剤吐出口
6…吐出用スイッチ
7…ガイド部材
10…スクリーンシート(10a…貼着領域)
11…フィルム
12…多孔性支持体
13…接着剤流入孔
20…枠体(20a…接着面)
30…接着剤
40…スクリーン印刷用版
2…コロ部(2a…第1のコロ、2b…第2のコロ、2c…第3のコロ)
3…突起
4…接着剤タンク
5…接着剤吐出口
6…吐出用スイッチ
7…ガイド部材
10…スクリーンシート(10a…貼着領域)
11…フィルム
12…多孔性支持体
13…接着剤流入孔
20…枠体(20a…接着面)
30…接着剤
40…スクリーン印刷用版
Claims (6)
- 所望の穿孔画像が形成されるフィルムを備えたスクリーンシートを枠体に張設してなるスクリーン印刷用版を製造するために、前記スクリーンシートを前記枠体に接着するスクリーンシートと枠体の接着方法において、
前記スクリーンシートを前記枠体に接着するための接着剤が流入する接着剤流入孔を、前記スクリーンシートの前記枠体と接着される部分にある前記フィルムに形成し、
前記枠体に張設された前記スクリーンシートの前記接着剤流入孔に前記接着剤を流入させて、前記スクリーンシートと前記枠体を接着固定することを特徴とするスクリーンシートと枠体の接着方法。 - 前記スクリーンシートは、前記フィルムと多孔性支持体を積層してなることを特徴とする請求項1記載のスクリーンシートと枠体の接着方法。
- 所望の穿孔画像が形成されるフィルムを備えたスクリーンシートを枠体に張設してなるスクリーン印刷用版において、
前記枠体に張設された前記スクリーンシートのうち前記枠体と接着される部分にある前記フィルムに接着剤流入孔が貫通して形成されており、
前記枠体に張設された前記スクリーンシートの前記接着剤流入孔から流入した接着剤が前記スクリーンシートと前記枠体を固定していることを特徴とするスクリーン印刷用版。 - 請求項1または2記載のスクリーンシートと枠体の接着方法に用いる版加工装置であって、
前記スクリーンシートの前記フィルムに前記接着剤流入孔を形成する接着剤流入孔形成手段を備えたことを特徴とする版加工装置。 - 前記接着剤流入孔形成手段は、
各々の回転軸が互いに平行に配置され、前記フィルムのそれぞれ異なる位置に前記接着剤流入孔を形成するために異なるパターンで配置された突起を有する複数のコロを備えており、
前記枠体に張設した前記スクリーンシートのうち前記枠体に接着される部分を前記枠体に押し付けながら前記枠体に沿って前記コロを移動させることにより前記接着剤流入孔を前記フィルムに形成することを特徴とする請求項4記載の版加工装置。 - 前記接着剤を内部に貯留し、貯留した前記接着剤を吐出する接着剤吐出口を備えた接着剤タンクと、
前記接着剤流入孔形成手段よって形成された前記接着剤流入孔に前記接着剤を流入させるために、前記接着剤吐出口から前記接着剤が吐出される操作を実行するための吐出用スイッチと、
を有する接着剤吐出手段を備えたことを特徴とする請求項4または5記載の版加工装置。
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JP (1) | JP2011000730A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103171245A (zh) * | 2011-12-23 | 2013-06-26 | 昆山允升吉光电科技有限公司 | 太阳能电池电极掩膜板的制作方法 |
KR101819679B1 (ko) | 2017-08-23 | 2018-01-17 | (주)피코팩 | 인트라 오랄 센서 |
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2009
- 2009-06-16 JP JP2009143366A patent/JP2011000730A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103171245A (zh) * | 2011-12-23 | 2013-06-26 | 昆山允升吉光电科技有限公司 | 太阳能电池电极掩膜板的制作方法 |
KR101819679B1 (ko) | 2017-08-23 | 2018-01-17 | (주)피코팩 | 인트라 오랄 센서 |
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