JPS5830685Y2 - 曲面印刷装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、曲面、不規則形状面等の非平面へ印刷を施す
曲面印刷装置に関する。

曲面印刷装置は、液、例えば水を貯える液槽と、この液
槽内の液面上に、その液に対して可溶性の薄膜の面上に
印刷すべきパターンを設けてなる印刷パターン支持シー
トを浮かすように供給する印刷パターン支持シート送出
し装置とを備えている。

この方式の印刷装置では、印刷パターン支持シートは、
液面に接するとその可溶性薄膜が転写に必要な程度液に
部分的に溶解し、印刷すべきパターンが部分的に溶解し
た薄膜と共に液面上に浮かぶから、液面上のこのパター
ンに向って印刷すべき物品の被印刷面を押下げ液中へ浸
漬すると、液圧によってパターンが被印刷面に付着する
。

したがって、そのまま物品を液中から引上げ、薄膜を液
によって洗い流すとパターンの転写印刷が完了する。

この方式の印刷装置は被印刷面が曲面、不規則形状面等
の非平面であっても任意のパターンを印刷できる点で有
利であり、プラスチック製掛時計ケース、テレビ、ラジ
オのキャビネットなどの表面への印刷に適している。

ところで、この装置に適用される印刷パターン支持シー
トは、送出し装置内にて送出し時にパターンが印刷され
るか、又はあらかじめ印刷されているものが使用される
。

送り出し時にパターン印刷する方式にあっては印刷後直
ちに支持シートを液槽内に送給しなければならず、一方
あらかじめ印刷されたものを使用する方式にあっては液
槽内に送給する直前に印刷インキを活性化しなければな
らない。

活性化したインキは粘着性をもち不安定なものであるか
ら、液槽までの送給途次において他の部材に触れてしま
うとパターンが崩れてしまい、また他の部材に付着する
と必要な送り出しに支障を来してしまう。

本考案は以上のような点に鑑みてなされたもので、パタ
ーンが活性化しているシートをそのパターン面が倒れの
部材にも接触しないように液槽まで供給できるような手
段を提供しようとするものである。

以下図面を用いて本考案の一実施例につき詳細な説明を
行なう。

曲面印刷装置は、例えば第１図に示す印刷パターン支持
シート送出し装置Ａと、第２図に示す物品へのパターン
転写装置Ｂとから構成されている。

印刷パターン支持シート送出し装置Ａは、フレーム１０
を有し、このフレーム１０には、印刷パターン支持シー
トＳのロールＲを着脱自在かつ回転自在に支承する軸受
１２が設けられている。

この軸受は、印刷パターン支持シート貯蔵装置を構成す
る。

印刷パターン支持シートＳは、例えば水溶性のポリビニ
ルアルコールの薄膜の一面に所望のパターンを予め印刷
したものからなる。

この場合、薄膜に印刷されているパターンは単色印刷さ
れたものでもよいが、好ましくは多色印刷されたもので
ある。

前記ロールＲは、そのシートＳの一面にパターンが印刷
されており、このロールＲから、シートＳはガイドロー
ル１４．１６を経て引出される。

ガイドロール１６の次には、溶剤塗布装置１８が設けら
れており、シートＳはこの溶剤塗布装置１８を通される
。

溶剤塗布装置は、モータＭよりチェーン２０を介して駆
動される版胴２２と、この版胴２２の上に接する圧胴２
４と、版胴２２の外周面に溶剤を塗布するように版胴２
２の下部を浸漬させる溶剤を溜める液パン２６と、ドク
ターブレード２８とから構成されている。

版胴２２の回転につれて、液パン２６内の溶剤は、ドク
ターブレード２８によりならされて版胴２２の外周面に
均一な厚さで塗布され、印刷パターン支持シートＳのパ
ターン印刷面に施される。

これによって、シートＳの面に施された印刷パターンを
構成する顔料および樹脂は、溶剤により溶けて流れ出す
には到らない程度に部分的に溶解して活性化され、印刷
直後のように粘着性をもったものとなる。

なお、版胴２２は単に溶剤を施すために用いてもよいが
、シートＳの予め印刷されている印刷パターンにさらに
他の色のグラビアコートを施しかつ活性化するために用
いることもできる。

また、溶剤塗布装置１８としてはロールコート等信の任
意の塗布装置を用いることができる。

以上のように溶剤を症されて活性化した印刷パターンを
もつシートＳは、さらに反転ロール３０およびガイドロ
ール３２を経て先へ送られる。

反転ロール３０を過ぎると、シートＳの印刷パターンは
シートの上面に位置するようになる。

シートＳは、さらに先へ送られパターン転写装置Ｂに至
る。

第２図に示すように、パターン転写装置Ｂは液槽３４を
備えている。

この液槽３４は、シートＳの送り方向に長く形成されて
おり、内部に溶解液を貯えている。

液槽３４の印刷パターン支持シート送出し装置Ａに最も
近い端部には、液流発生装置（図示せず）が設けられて
いる。

この液流発生装置は、図示しないポンプに接続され、液
槽３４の幅方向に設けたスリットから液が整流となって
送り出されるように構成されている。

したがって、液槽３４内の液の表面には常に矢印方向に
流れが生じている。

傾斜したデリベリプレート３６によって案内されつつ下
降する印刷パターン支持シートｓは、第２図に示すよう
に、液槽３４内の液面上に送り込まれ、液面に浮上しつ
つ流される。

この結果、シートＳを構成する例えばポリビニルアルコ
ール等の水溶性薄膜は漸次水等の液に溶けて膨潤し部分
的に溶解状態になるとともに、この部分溶解状態の薄膜
により支持された状態でパターンが液面上に浮くように
なる。

この状態は、第２図においてシートＳが８１で示す位置
へ達した時に得られる。

したがって、Ｓｌで示す位置で液面上に浮いている印刷
パターンへ向って矢印Ｙで示すように、曲面または不規
則面などの非平面を有する物品Ｅを下方へ向って液中へ
押下げると、液面に接する瞬間に物品Ｅの面に付着した
パターンは、物品が液中に入って液圧が作用することに
より、物品の面に押しつけられ、活性化しているパター
ンの粘着力により物品面に接着転写される。

したがって、物品Ｅを液中から引上げて洗浄し薄膜を流
しとると、転写が完了する。

なお、図において３８は印刷パターン支持シート持上げ
部材であって、液槽３４のまわりを循環するように設け
られている。

そして、個々の持ち上げ部材はカム４０によって一時的
に持ち上げられ、これによって位置Ｓ１が画定される。

これは位置Ｓ１においてシートＳに向って物品Ｅを押し
下げるとき液面に浮いているパターンが液中に押込まれ
ることに関連して、可溶性薄膜が不充分にしか液に溶け
ていないシート部分が下流側へ向って引張られて、上流
側で液面に浮いているシートに乱れが生じることがない
ようにするためである。

ここで、前記シートＳが溶剤塗布又は印刷工程を経た後
、液槽に至るまでの間、すなわちパターン面が活性化し
ている間では他の部材に接触してはならないが、そのた
めの工夫が症こされている。

すなわち、図示の如く、サクションロール４２４４が前
記シートＳの走行途上に設けられている。

サクションロール４４はモータＭにより強制駆動される
溶剤塗布装置１８から液槽３４にまで至る間のシートＳ
に一定の張力を付与して送給を適正化するもので、好ま
しくは溶剤塗布装置１８によるシートＳの走行速度より
も少しく大きな周速を与えられシートのパターン面と反
対側の面と接触しかつスリップしつつ回転する。

第３図、第４図、第５図はサクションロール４２．４４
の一例を示すものである。

図において、サクションロールは、周囲に吸弓口４６を
有する回転筒４８と、この回転筒内で吸引口のうち印刷
パターン支持シートＳに対向する部分のみを開口せしめ
る固定筒５０とで構成されている。

これら両筒４８．５０はベアリング５２を介して結合さ
れている。

固定筒５０はフレーム１０に固定され、一端は開口して
いて、そこからパイプ５４，５６を通して真空ポンプ又
はブロアー（図示せず）に連なっている。

またこの筒にはスリット５８が形成されており、このた
め回転筒４８の吸引口はこのスリット５８に対向する部
分、すなわちシートＳに対向する部分においてのみ真空
源と連通せしめられることとなる。

回転筒４８は強制駆動させられるもので、モータＭから
チェーン６０、スプロケット６２を介して動力が与えら
れ回転せしめられる。

これらの動力伝達媒体はプーリ、ベルトによってももち
ろんよい。

なお、回転筒４８の吸引口４６は円孔であっても、長孔
、スリット等であってもよい。

また、サクションロール４２，４４は一本もしくは三本
以上であってもよい。

前記サクションロール４２，４４から供給されるシート
Ｓは、次いでデリベリプＩＪ −ト３６に受継がれて液
槽３４に至ることとなる。

さて、本考案に係る装置は上記の如く工夫されたサクシ
ョンロール、傾斜したデリベリプレートさらには液面に
流れを生じさせる液流発生装置を備えているので、パタ
ーン面が活性化しているシートをパターン転写位置まで
移行せしめる間において、パターン面と反対側の面にだ
け接触させつつ、かつしわを生じさせることなくシート
を走行せしめることができる。

従って、印刷パターン及び薄膜は側ら変形を受けること
なく転写に供されることとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は曲面印刷装置の一例を示すもので、
第１図はそのうちの印刷パターン支持シート送出し装置
を示す斜視図、第２図は被転写物へのパターン転写装置
を示す斜視図である。 第３図乃至第５図はサクションロールの一例を示シ、第
３図はその斜視図、第４図は垂直断面図、第５図は部分
切欠水平断面図である。 Ａ・・・・・・シート送出し装置、Ｂ・・・・・・パタ
ーン転写装置、Ｓ・・・・・・シート、Ｅ・・・・・・
被転写物、１８・・・・・・溶剤塗布装置、３４・・・
・・・液槽、４２，４４・・・・・・サクションロール
、４６・・・・・・吸引口、４８・・・・・・回転筒、
５０・・・・・・固定筒、５８・・・・・・スリット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 薄膜の一面に所望のパターンを印刷した印刷パターン支
   持シートを薄膜の溶解液の液面に送給して浮かせること
   により被転写物に上記パターンを転写できるように上記
   印刷パターン支持シートを保持する曲面印刷装置におい
   て、上記パターン面の活性化を行なった印刷パターン支
   持シートまたは薄膜にパターンを印刷した直後の印刷パ
   ターン支持シートを溶解液の溶槽内に移行せしめる途上
   に当該印刷パターン支持シートのパターン面と反対側の
   面に接触しつつ回転するローラを設け、当該ロールから
   来るシートを受けて上記溶解液の液面まで案内する傾斜
   したデリベリプレートを設は上記液槽内の液面に流れを
   生じさせる液流発生装置を設けてなり、上記ロールは周
   囲に吸引口を有する回転筒と当該回転筒内で上記吸引口
   のうち印刷パターン支持シートに対向する部分のみを開
   口せしめる固定筒とで形成してなることを特徴とする曲
   面印刷装置。